イヤイヤ期の原因は?子供への正しい対応を知って親のイライラも解消!
イヤイヤ期が始まると、子供は何をいっても「イヤ」と言いわれたり、自分でやりたがったり、大泣きしたりということが続きます。
連日のことに親はストレスがたまりがちです。
今回は、子供のイヤイヤ期の原因や、年齢別の特徴と対応方法をご紹介します。
目次
- イヤイヤ期とは?いつからいつまで?
- なぜ起こる?イヤイヤ期の原因は?
- イヤイヤ期は、感情表現が豊かになった証拠
- 「イヤ」と「はい」の境界を探っている
- 自分でやることを通じて、自分自身を確かめている
- ダメの理由がわからない上に言葉にできない
- 眠いだけの場合も
- イヤイヤ期の正しい対応とは?放置してよいもの
- イヤと言ったら反対の提案をしたり選択肢を与えてみる
- イヤイヤで動かない場合は、別の話題で気をそらせる
- 自分で!の場合は、子供がやりやすい環境づくりを
- 抱きしめて落ち着かせる
- 放置?!少し離れて親子ともクールダウンを
- 伝え方を見直す
- イヤイヤ期、2歳と3歳、4歳の違いとは
- 2歳以前に自我が芽生える
- イヤイヤ期が始まる2歳代の特徴
- イヤイヤ期後半となる3歳前後の特徴とは
- まとめ
イヤイヤ期とは?いつからいつまで?
2歳前後になると、何でも自分でやりたがるようになり、何でも「イヤ」ということがあります。これが「イヤイヤ期」と呼ばれているものです。
第一次反抗期ともいわれており、強い自立心の現れ。
親は大変な面もありますが、成長の一過程として見守りましょう。
イヤイヤ期は、2歳ごろから始まり、5歳ごろまでには収まる場合が多いようです。
ただ、子供によってはもっと早かったり、長く続いたりします。
3歳~4歳がひどく、4歳~5歳になると収まる傾向にあるようです。
親にとっては大変な時期ですが、この時期の反抗期がないと思春期など、成長した時に問題をおこしやすくなるとも言われています。
数年の間の子供の成長だと理解し、受け入れてあげることが大切だと言われています。※1
※1 新編2歳児イヤイヤ期の育て方/佐藤真子/株式会社主婦の友社/2013年発行
なぜ起こる?イヤイヤ期の原因は?
1歳過ぎまでは、歩けるようになったり食べられるようになったりとできることが1つづつ増え、親としても赤ちゃんとしての子供の成長を感じられる時期です。
2歳頃になると、途端に何でも「自分でやる」と言ってきかなかったり、「イヤ」を連発したりして、親は手を焼いてしまいます。
自我の芽生え、自立心の現れとは言いますが、イヤイヤと言われる行動をしてしまう原因は何なのでしょうか。ここでは代表的な5つのポイントをご紹介します。
イヤイヤ期は、感情表現が豊かになった証拠
2歳ころになると、感情表現が豊かになると言われています。
うれしい時には全身で「うれしい」を表現し、嫌なことにも過剰に反応するようになります。
かんしゃくや、「何でもイヤ」、「自分でやりたい」も感情の細分化が進んだためです。
イヤイヤだけでなく、何でもないものをすごく怖がったりといった反応もするようになり、感情が豊かになったために様々な表現をするようになっているのです。※2
「イヤ」と「はい」の境界を探っている
2歳になる頃に、自我が芽生えるために「イヤ」を連発すると言われます。
子供は、この「イヤ」を通じて自分と向き合っていきます。
自分のやりたいことが制限されたり禁止されると、どこまで「イヤ」を押し通すかは2歳前後の子供にとっては大きな課題だそうです。
子供が自分なりの解決できるポイントを作れるよう、大人は助けてあげましょう。※2
自分でやることを通じて、自分自身を確かめている
何でも「自分でやる!」というのは、自分でやることの楽しさを知ったからです。
子供は、自分でやることで、自分自身を確かめながら成長していると言われています。
とはいえ、まだできないこともたくさんあります。
手を出したくなるところですが、「自分でやる」と言ったら基本的に子供にやらせてあげましょう。
ひとりでできたら充分ほめてあげることで、やる気につながります。※2
ダメの理由がわからない上に言葉にできない
2歳前の頃などは、親にダメと言われても、まだその理由を理解できません。
さらに言葉もまだ未熟なため、うまく伝えられず泣くことで表現しているため、大泣きしてしまうのです。
3歳頃になると、言葉が発達して大人との意思疎通もしやすくなります。※3
眠いだけの場合も
イヤイヤとぐずってしまうのは、眠いだけの場合もあります。
お昼寝ができなかった、睡眠時間が短かったという日には、いつもは元気な時間帯でも眠くなってしまうこともあります。
子供が眠れるような環境にしてあげて落ち着かせるのもよいでしょう。
子供が寝ない原因については、子どもが寝なくてイライラ!寝ない原因を知り寝かしつけをスムーズにでもご紹介しています。あわせて参考にしてみてください。
※2 新編2歳児イヤイヤ期の育て方/佐藤真子/株式会社主婦の友社/2013年発行
※3 イヤイヤ期Baby−mo2018−2019年版/主婦の友社 編集/主婦の友社/2018年
イヤイヤ期の正しい対応とは?放置してよいもの
イヤイヤ期を受け入れる必要性が分かっても、連日続く子供のイヤイヤに、親もイライラしてしまうのは当然のことです。
どう対応するのがよいのか、放置してもよいものなのか、見ていきましょう。
イヤと言ったら反対の提案をしたり選択肢を与えてみる
子供の保育園・幼稚園に「行きたくない」原因の探り方と対処法!
の記事でもご紹介しているように、保育園や幼稚園に行きたくないと言い出すこともしばしば。
事あるごとにイヤと言われていると、やらなければならないことも進められず、時間に間に合わない場合もあり、親はイライラしてしまいます。
そのようなときには、反対のことを言ってみると効果的なこともあります。
「行きたくない」と言われたら「じゃあ、行くのやめよう」というと「いや、行く」という場合もあります。※5
また、いくつかの選択肢を与えたり、少し先延ばしにするような提案をすることでうまくいくこともあります。
「帰りたくない」であれば、「あと5分ね」といった形で気持ちを受け入れて別の提案をすることで、子どもも理解しやすくなります。
イヤイヤで動かない場合は、別の話題で気をそらせる
イヤと動かないときには、親は近くで他のことを楽しんだり、美味しいと言いながら何かを食べたりしてみるのもよいです。
もしくは、まったく別の話題を切り出して「今度のお休み、何しようか」と質問したりします。
子どもの主張は受け止めつつ、違うことを提案したり適度に流したりしながら乗り切るのも一つの手です。※6
自分で!の場合は、子供がやりやすい環境づくりを
自分でやりたいという芽をつんでしまわないよう、自分でやらせてあげましょう。
ただ、できないことも多く、時間がかかったりして親はイライラしてしまうかもしれません。
できる限り、時間に余裕をもって行動し、待ってあげることが大切です。
また、子供が自分でやりやすい環境を作っておくことも有効です。
服装も自分で脱ぎ着しやすいものを選び、前と後ろが分かるように目印をつけて置いたりすると、子供も後ろ前反対に着るといったことが少なくなります。※5
抱きしめて落ち着かせる
この時期のイヤイヤは、理由がわからず「イヤ」といってしまい、子供も自分でどうしてよいかわからなくなり大泣きしてしまうこともあります。
抱きしめて、スキンシップをはかることで落ち着く場合もあります。※6
放置?!少し離れて親子ともクールダウンを
どうしても収拾がつかず、親もイライラしてしまう時には、少し離れてみるのもよいです。
家であれば、トイレに行ったり隣の部屋に行くなどして子供と離れることで、子供自身も気持ちが鎮まることもありますし、親自身もクールダウンできるはずです。※6
泣き止んだら、自分で泣き止んだことをほめてあげるとよいです。
泣き止む体験を重ねることは大切だと言われています。
伝え方を見直す
イヤイヤ期は、どうしても叱ることが多くなる時期です。
子供は、ほめられて「していいこと」を覚え、叱られることで「してはいけないこと」をイメージできるようになっていきます。
ほめるのも、叱るのも、まずは子供の目線になって、子供の気持ちを考えてみましょう。
子供は言葉でうまく表現できないので、親が子供の気持ちを考えて、受け止めることが大切です。
子供は、親が自分の気持ちを受け止めてくれたと感じると信頼関係が増していきます。
「できない」などイヤな気持ちも親が代弁してあげるだけで、子供は気持ちが落ち着き、親の言葉も聞けるようになります。
「ダメ」と伝えるだけでなく、子供の気持ちを察し、子供の気持ちを受け入れたうえで叱るようにすると、親子の信頼関係も深まります。※7
※5 新編2歳児イヤイヤ期の育て方/佐藤真子/株式会社主婦の友社/2013年発行
※6 やさしくわかる月齢別育児のきほん事典/鈴木洋・鈴木みゆき/株式会社西東社/2015年発行
※7 0~6歳 はじめての男の子育児/関 和男監修/株式会社ナツメ社/2014年発行
イヤイヤ期、2歳と3歳、4歳の違いとは
イヤイヤ期と一言で言っても、言葉が未熟な2歳の頃と自己主張がさらに激しくなる3歳では、少し意味合いが異なります。
自我が芽生えだす2歳前、魔の2歳児といわれる2歳代、少し落ち着いてくるものの自己主張はさらに増してくる3歳代と、それぞれの特徴を見てみましょう。
2歳以前に自我が芽生える
2歳前になると、自我が芽生えてきて、自分とパパやママが違うということに気づきます。
既に大人のやることに興味津々で、自分でも同じことをやってみたがります。
逆に気の向かないことはやりたくないとぐずることも増えてきます。
子どもの気持ちを汲み取ったうえで、「ダメ」であることを伝えてあげましょう。
危険なことなど「ダメ」なことは、その場で叱りましょう。
1歳前半では、すぐに忘れてしまいます。
1歳も後半になると思い出す能力が発達してくると言われています。
コップをこぼさず持てるようになったりと、手先も使えるようになってきます。
着替えなどの身の回りのことも、まだまだサポートが必要な時期です。
イヤイヤ期が始まる2歳代の特徴
魔の2歳児といわれるように、2歳ごろのイヤイヤ期が最も手ごわい時期です。
自己主張が強くなり、何でも自分でやりたがりますが、まだまだできないことも多い時期。
親が手を出すと怒りだし、泣き出してしまったりします。
この自己主張を大人が積極的に受け止めてあげることで、自分への自信が育つともいわれています。
手先が器用になってくる時期なので、自分で自分のことができるようになってきます。
さっきは自分でできたのに、今度は「やって」といって甘えてくることもあります。
まだまだ2歳なので、甘えたい気持ちには答えてあげてください。
また、この時期は、まだ言葉で表現する能力が足りず、身振り手振りで伝えようとします。
2歳を過ぎれば、いろいろな伝え方を学び、うまく伝えられるような表現を考えることもできるようになります。
「これなあに?」という質問も増えてきたり、想像力を膨らませられるようにもなってきます。
できることが増え、徐々に伝えられるようになっているからこそ、「自分でやりたい」のがこの時期なのです。
イヤイヤ期後半となる3歳前後の特徴とは
3歳になると、さらに「自分でやりたい」という気持ちが強くなっていきます。
その一方で、男の子の場合は特にべったり甘えてくることもあります。
また、物事の因果関係を理解し始める時期のため、「なんで」「どうして?」といった質問が増えてきます。
記憶力もついてくるので、絵本なども楽しめるようになります。
男の子・女の子を意識するようになるのもこの時期です。
多くの子は、言葉でのやりとりが不自由なくでき、自分の考えを言葉で伝えられるようになります。
親としても理解してあげやすくなり、本人も伝えることができるためイヤイヤも落ち着いてきます。
まだおしゃべりが少ない子でも、他人が言っていることは理解できるようになっています。
「やってはいけないこと」も伝えてあげれば理解できます。
少しずつ我慢することもできるようになっていきます。
※8
子供の成長とともに、イヤイヤの原因や対処法も変わってきます。
イヤイヤ期が、何年も続くかと思うとぐったりしてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
自分一人で抱え込まず、いろいろなツールを駆使したり、他人に頼ることも考えましょう。
親にはイヤということでも、他の人の言うことなら聞くというのはよくある話です。
また、子供が好きなキャラクターや、絵本の登場人物に説明してもらうと、子供はすんなり聞けたりすることも多いものです。
月齢別の教材などは、子供の成長にあわせた絵本やDVDで子供が受け入れやすく解説してくれます。
着替えや食べ方、お友達の遊び方や交通ルールなど、キャラクターが子供目線で解説してくれることで、親が説明するよりも受け入れやすいようです。
一人でなんとかしようとせず、絵本や教材などを活用してみるのもおすすめです。
※8 0~6歳 はじめての男の子育児/関 和男監修/株式会社ナツメ社/2014年発行
まとめ
イヤイヤ期は子供の成長の大切な一過程です。
自我が芽生え、自分でできることを探っていて、自分自身を確かめている段階です。
さらに感情表現も豊かになり、言葉が少しずつ発達していて理解しているけど伝えられないもどかしさから、イヤイヤという態度をとっていると考えられています。
親は、成長過程だと理解をして、受け止めてあげることが大切です。
基本的には受け止めたうえで、ダメなものはダメとわかりやすく伝えてあげましょう。
この時期になると、親は子供のサポート役です。
子供がやりやすいような環境を整えてあげて、収拾がつかなくなっているときは、抱きしめて落ち着かせてあげましょう。
適度に距離をとり、泣き止むのを待ったり、クールダウンしたり、いろいろな方法を使ってイヤイヤ期を乗り切ってください。
そうはいってもどうしてもイライラする場合もあるかもしれません。
そんな時は、いろいろな人に頼りましょう。
子供を預ける時間をとり、リフレッシュすることも大切です。
あまり一人で頑張りすぎない方が、子供のためにもなるのではないでしょうか。
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