子育てのイライラをチェック!原因と今すぐできる解消法。一人で悩まないことが大切。

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近年、「孤立した子育て」が社会問題化しているのをご存知でしょうか。
「自分の子供は可愛い」そう思っていても、24時間365日、子供と二人きりの生活に耐えきれない、そんな家庭が増えています。
また、育児中のイライラは、子供との関係性ばかりではありません。
旦那さんとの関係、祖父母やママ友との人間関係など日常生活のいたるところに、ストレスの種は潜んでいます。
ここでは、そんな子育てのストレスを解決する方法を考えてみます。

目次

  1. 子育てのイライラの原因は、こんなにたくさんある!
    • 「子育てのストレス」を感じている人は、どれくらいいるの?
    • 「ストレス尺度」からみる、ママのイライラの原因
    • イライラ、ストレスの原因は1つではない
  2. イライラに気づくことが大切。子育てイライラのチェックポイント
    • ストレスマネジメントを取り入れよう
    • 育児のイライラチェック
  3. 原因別、イライラを解消する方法
    • 旦那さんへのイライラは原因を見極めて
    • 子供へのイライラには運動も効果的
    • ママ友やパパ友とのイライラには考えすぎない
    • 仕事や家事との両立によるイライラには頑張りすぎない
  4. 小学生になってもイライラ、その原因と対処法
    • 小学生は中間反抗期。口答えにイライラするかも
    • 小学生へのイライラの対処法
  5. 子育てにイライラしないためにママができる3つのこと
    • 相談相手を見つけておく
    • 自分だけでやろうとしない
    • 手抜きできるところは手抜きする
  6. まとめ

子育てのイライラの原因は、こんなにたくさんある!

「子育てのストレス」を感じている人は、どれくらいいるの?

超少子国家となった日本では、乳児に接する機会も減少し、核家族化も進みました。
さらに近隣との関係も希薄となり、育児ストレスが蓄積しやすい環境となっています。
育児ストレスは誰にでも少なからず存在していると考えられています。
しかし、このストレスが過度に増えれば虐待につながる危険性が高いと懸念されています。
児童虐待に関するニュースは連日報道されているように、増加の一途にあります。
育児ストレスの状況とその原因を明らかにして、子育てを少しだけ楽にしてみませんか? ※1、※2、※3

「ストレス尺度」からみる、ママのイライラの原因

2007年に、乳児の母親の育児ストレスと、その関連を明らかにする調査が岩手の2村に住む199人の乳児の母親を対象に行われました。
この調査ではストレスを6つの尺度に分けて考えています。

  • 育児ストレス
  • 母性意識
  • 対児感情
  • 夫との関係性のストレス
  • 特性としての不安の大きさ

この研究によると、育児ストレスの原因は、親が持ち合わせている不安や怒りに関連することが示されています。
また、それだけではなく、親の役割に対する意識や配偶者との関係性、子どもに対する感情など多くの要因が育児ストレスに影響しあっていました。
一方、子供に対する肯定的な感情は育児ストレスとは関連がないことがわかっています。

つまり、不安になりやすいといった性質から、配偶者に対するストレス・子供への否定的感情・親としての役割などが影響しあい、育児ストレスが生じやすくなることが明らかにされています。 ※4
 

さらに産休・育休中の母親、フルタイムで働く母親、専業主婦の母親の3郡に分けて比較した結果をご紹介します。

 

産休・育休中のママは、 

  • フルタイムや専業主婦のママよりも、積極性やママとしての肯定的な意識が低い
  • フルタイムのママよりも、消極的かつママとしての否定的な意識が高い
  • 専業主婦のママよりも、子供関連の育児ストレスが高い

という傾向がみられたのだそうです。

 

つまり、専業主婦や働いている母親よりも、産休中・育休中のママの方が、子供に関連した育児ストレスは高い、という結果となっています。

産後のイライラについては、

産後のイライラの原因は?その解消法は?

でもご紹介しています。


また、夫の親との同居世帯では、義母との育児での意見の食い違いによるストレスもあります。
これは、子供の夜泣きや睡眠などのストレスに次いで大きなものとされています。 ※3、※4

育児と家事の両立によるイライラは、

共働きのワーママは辛い!子育てと家事の両立、その実態と対策とは?

でもご紹介しています。

イライラ、ストレスの原因は1つではない

子育て中のママやパパは、多くのストレスを感じています。
その原因の多くは子供に関することではありますが、それ以外にもパートナーやママ友、義父母などといった周囲の人間関係や、自分自身にかかわることなど、いろいろな要素が複雑に絡み合っていることがあります。
育児ストレスの原因の一例には次のようなものがあげられます。


●こどもについて

  •  子育てに自信が無い、自分の育児が正しいのかが分からない
  •  子供が言うことを聞いてくれない
  •  子供の発育に不安がある

● 自分のまわり、育児環境について

  • 悩みを聞いてくれる人がいない
  •   ママ友との付き合いが楽しめない
  •  誰にも認められていないと感じる

●自分のキャリアについて

  •  経済的な安心感がない、乏しい
  •  いずれ社会に戻れるのか(復職できるのか)不安
  •  かつての同僚や社会から、置いて行かれるような気分になる

● 自分の体について

  •   一人になれる時間がまったくない
  •  体を休める時間が取れない
  •  疲れがたまり、いつもイライラしてしまう 

● 日本の文化風土について

  • 妻や母親の役割をきちんと務めることを強く求められる傾向
  • 「三つ子の魂百まで」「三歳児神話」という風潮
  •   褒めることを良しとしない文化風土  ※5、※6、※7、※8、※9、※10

「三つ子の魂百まで」という日本の諺が示す通り、「子供の成長には3歳頃までの時期が重要であり、その間は母親が子供の養育に専念すべき」という風潮がありました。
この時期に母親が育児に専念していないと、子供は愛情不足となり、子供の将来に悪影響がある、長年と考えられてきたのです。
しかし、「三歳児神話」ともいわれるこの考え方は、現在では「根拠がない」として、1998年の厚生白書にて否定されています。※10
0歳・1歳から子供を預けて働くママにとって、この考え方は、大きなストレスを生むことになります。

 

さらに日本は、子供のよい面を表に出し、褒めたたえることを良しとしない文化です。 ※9、※10
日本では謙遜することが良いとされているのですが、母親がどれだけ子供のよい面を伸ばす努力をしても、周りからは母親も、子供自身すらもなかなか褒めてはもらえず、自己肯定感(=自信)を、育むことができません。 
その上、母親がそれまでにしてきた努力や、それに対する困りごと、育児に対するストレスは、夫である父親にすら、共感されない、伝わらないこともあるのです。 ※9、※10
しかし、昨今の育児環境はどうでしょうか。
少子化の影響からか、子供は地域で大切に育てましょうという風潮があり、ほんの少し行動すれば、育児を助けてくれる人や社会資源は、たくさんあります。
次は、このような育児ストレスから抜けだす方法について、考えてみましょう。

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 小山 博史著 これならできる子育て支援! 保育者のためのペアレントサポートプログラム  2016年5月発行 学研プラス

※4 岩手県立大学看護学部紀要9 乳児の母親の育児ストレス状況とその関連要因
https://goo.gl/EFbhHv
※5 帝塚山大学 学術機関リポジトリ 現代生活学部紀要第9号 母親の育児ストレスとその関連要因 : 愛着と成育歴の影響
https://goo.gl/tghuZF
※6 育児ストレスに影響を与える要因に関する研究: 母親のパーソナリティの観点からの考察
https://ci.nii.ac.jp/naid/500000974180
※7 日本看護医療学会雑誌 子どもの年齢別にみた母親の育児ストレス状況とストレス関連要因の検討?父親との比較に焦点をあてて
http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.7009200255
※8 金城学院大学大学院人間生活学研究科論集14号 育児ストレスを抱える母親へのサポートに関する検討 : 先行研究の動向をもとに
https://goo.gl/1kpBgt
※9 白百合大学 乳幼児をもつ働く母親の心理的成長
https://opac.shirayuri.ac.jp/repo/repository/dspace/40815/s0100120160302.pdf
※10 厚生労働省 厚生白書(1998年)
http://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/hakusho/kousei/1998/dl/04.pdf

イライラに気づくことが大切。子育てイライラのチェックポイント

子育てのイライラは誰にでも、大なり小なりあるものです。
子供が産まれると、産まれる前には自分の予定や自分のペースで出来ていた生活リズムを維持することが難しくなります。 ※2
家庭でも、職場などでも、本意、不本意に関わらず、子供や他人のペースに合わせることが増えていきます。
これらもストレスの原因です。
しかし自分でイライラしていること、ストレスにさらされていることに気づかなければ、さらにストレスをため込んでしまうことになります。
これらのイライラの原因をはっきりと認識して、一つひとつに対処していくことで、ストレスを摘み取ることができます。 ※13、※14、※18

ストレスマネジメントを取り入れよう

ストレスとは、外部からの刺激に対して適応しようとする生理的な現象といわれています。
イライラをなくすと考えるのではなく、イライラをコントロールして、上手に付き合っていくと考えてみましょう。
これはストレスマネジメントと呼ばれる考え方です。
大切なことは、今自分がストレス状態にあるということへの気づきです。
身体がストレスと一体化すると、自覚のないまま長期間のストレスにさらされてしまいます。
まずは自分自身が今、ストレス状態にあると気づき、その状態を打開しようとすることで、ストレスの悪循環を断ち切る必要があります。

ストレスに気づくためには、自分を客観的にチェックすることが必要です。
今回は身体、感情、思考の3つの側面からのチェック方法と対処法をご紹介いたします。 ※13、※14、※17

育児のイライラチェック

【体調チェック】
病気ではないのに、体調が悪いということはありませんか?
これらの症状がないか自分でチェックをします。
これらの症状が出てきた場合は、ストレスが影響しているかもしれません。

  • 頭痛
  • 肩こり
  • 目の疲れ
  • 動機や息切れ
  • 吐き気や食欲不振


これらの症状がある場合、自分の中にある感情と向き合い、その理由やきっかけが何だったのか、客観的に捉えてみましょう。
ストレスの原因となった出来事や思考などに、気づくかもしれません。※13、※14、※17


【メンタルチェック】
自分の気持ちも客観的にチェックしてみましょう。
また、家族など周りの人に指摘されていないか思い返してみてください。

  • 不安や緊張感が強くなる
  • 小さなことでもイライラする
  • ゆううつになる
  • 気分が落ち込んで何をしても楽しくない
  • 周りの人から、表情が暗い、元気が無いと言われる
  • イライラしている、口数が減ったなどと指摘される


このような時はまず、体をリラックスさせましょう。
体を十分に休めると、自然と感情が落ち着いてくることがあります。 ※13、※14、※17


【思考チェック】
自分の思考回路も客観的に見直してみましょう。
最近、下記のような状態に、思い当たるものはありませんか?

  • 考えがまとまらない
  • いつも同じことを考えている
  • 簡単なことに気づかない


このような時はまず、深呼吸して気持ちを落ち着けましょう。
それから、子供の安全を確保しつつ、美味しいものを食べたり、キレイなものを見たり、体を休めるなどして少しでもストレスが解消できれば、より柔軟な考え方ができるようになります。
パパやママ友などの身近な人や、地域の子育て相談などを利用し、誰かに話を聞いてもらうだけでもイライラしていた気持ちがスッキリするかもしれません。  ※13、※14、※17

からだ・メンタル・思考の3つは連動しており、ストレスに対処していくためには、バランスが大切です。
イライラが収まらない・おかしいなと思ったら、まずは立ち止まって自分自身と向き合ってみるましょう。
ストレスの種が小さなうちに摘み取れるかもしれません。  ※13、※14、※17

※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 小山 博史著 これならできる子育て支援! 保育者のためのペアレントサポートプログラム  2016年5月発行 学研プラス
※18 湯汲英史著 子どもがのびる 保育45のことばかけ 2016年7月発行 合同出版

※11 日本看護医療学会雑誌 子どもの年齢別にみた母親の育児ストレス状況とストレス関連要因の検討?父親との比較に焦点をあてて
http://medicalfinder.jp/doi/abs/10.11477/mf.7009200255
※12 金城学院大学大学院人間生活学研究科論集14号 育児ストレスを抱える母親へのサポートに関する検討 : 先行研究の動向をもとに
https://kinjo.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=608&item_no=1&page_id=13&block_id=17
※13 内閣府 子ども・子育て支援新制度
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/index.html
※14 母親の虐待行動とリスクファクターの検討--首都圏在住で幼児をもつ母親への児童虐待調査から
https://ci.nii.ac.jp/naid/110008093453/
※15 J-STAGE 心身相関の観点からみた森林浴の科学的効果
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhas/8/2/8_78/_pdf  
※16 厚生労働省  子ども虐待対応の手引き > 第2章 発生予防
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/dv12/02.html
※17 母親の虐待行動とリスクファクターの検討--首都圏在住で幼児をもつ母親への児童虐待調査から
https://ci.nii.ac.jp/naid/110008093453/
(アブストラクトのみ)

原因別、イライラを解消する方法

旦那さんへのイライラは原因を見極めて

旦那さんが家事を手伝ってくれない、旦那さんが育児に協力的ではないということによるイライラは、多くのママが抱えている悩みです。
旦那さんへのイライラの原因は1つではないはずです。
夫婦喧嘩が子供に与える影響はこんなにこわい!

でもご紹介していますが、夫婦喧嘩は子供にも悪影響です。
自分が何にイライラしているのか、少し冷静になりイライラの原因に合った対象をしていきましょう。

・育児に協力的でなくイライラする
旦那さんが育児をしてくれずにイライラするというのがよくあるパターンです。
育児が初めての旦那さんの場合は、何をしてよいのかわからず、ママがやるから大丈夫と思っているかもしれません。
また、やったことがなければ、その大変さにも気づいていない可能性もあります。
育児の大変さを知ってもらうために、半日から1日旦那さんに一人で子供の世話をやってもらうのもよいでしょう。
実際にオムツ替えから授乳、泣き出した赤ちゃんをあやすといったタスクをたった一人でやってみることで、いわゆる「ワンオペ育児」の大変さを理解することができます。
しかもその間、ママは外出をしてリフレッシュもできます。 ※1、※2
任せてしまうことに不安を感じるかもしれませんが、忘れてはいけません。
旦那さんだってもう一人の親なのです。 
ママであるあなたも最初のうちはオロオロしていませんでしたか?
誰だって最初はうろたえながら子供の世話の仕方を覚えていくのです。※18
最初はほんの数時間からで構いません。
旦那さんにも、子供の世話を任せてみましょう。 ※19、※22、※23

・家事を手伝ってくれなくてイライラする
ママは育児と並行して家事もしなければなりません。
育児が大変な時は、せめて家事だけでも旦那さんにやってほしい!と思いますよね。
家事を手伝ってくれない場合も、旦那さんはママが大変だということに気づいていないかもしれませんし、何をすればいいのかわかっていない場合もあります。
ママは、旦那さんに、具体的に、何が大変なのか、何を手伝ってほしいのか伝えるようにしましょう。
家事のリストを作成して旦那さんに共有し、分担を決めてしまうという方法もあります。
リストにすることで可視化され、そのボリュームの多さを把握してもらうこともできます。
旦那さんに担当してもらう家事は、なるべく旦那さんが好きなものや簡単にできるものにするのがおすすめです。
料理好きな旦那さんであれば料理をお願いしても問題ないでしょうが、料理をしたことがない旦那さんに料理をお願いするのはハードルが高すぎます。
ゴミ出しや、お風呂掃除もいいでしょうし、洗濯機に洗濯物を入れて回しておいてもらう、食洗器に食器を入れてスイッチを押しておいてもらうだけでもママの家事が効率的になり、楽になることもあるのではないでしょうか。
旦那さんの生活時間帯内で、無理なくできるところはどんどん旦那さんの分担にしていきましょう。

・義両親との間に入ってくれずイライラする
義両親と同居しているママの方が、旦那さんへのストレス度が高いことがわかっています。※4
義母から自分の育児方法に対して口を出されたりすると、ママは言い返すことも出来ずストレスがたまります。
旦那さんから伝えて欲しくても、なかなか取り持ってくれなかったりすると、継続的にストレスがたまることになりかねません。
世代による育児方法の違いから、ご両親も良かれと思ってしている場合もあります。
最近ではそうではないということを自分で伝えるのではなく、最新の育児書や新聞、雑誌などを渡してみるのも1つの方法です。
祖父母向けの育児書も発売されていたり、自治体によっては祖父母の手引きのようなものが配布されているところもあります。
このようなものを上手に活用し、旦那さんから渡してもらいましょう。

子供へのイライラには運動も効果的

待ちに待った赤ちゃん!
可愛くて、可愛くて……と思っていたのに、毎日おっぱいやご飯の用意に、オムツ交換、夜泣きに抱っこの繰り返しでうんざりすることも。 ※1、※20
成長につれて、うれしい反面、離乳食、イヤイヤ期などイライラの原因も変化しながら続いていきます。
・夜泣きがつらい

・ご飯を食べてくれない

・イヤイヤ期でイライラ

・寝てくれない

など、子供に対してイライラしてしまうことはいろいろ出てくるはずです。

こんな時には、親子で楽しめる運動をしてみてはいかがでしょうか。
市区町村やスポーツクラブによっては、子育て支援団体と連携して地域の子育て支援の役割を担っていることもあります。
運動不足を感じているママは多く、機会があれば運動したいと思っていても、子供を預けられないなどの理由で運動ができないこともあります。
神奈川県で2013年7~10月の4カ月間実施された親子ヨガに関する運動とストレスに関する研究では、参加前では身体のコリや痛みなどの違和感を訴えるママが多く、また精神的にイライラするなどのストレスを感じていたママも多くいましたが、親子ヨガに参加した後は、運動不足とストレスの解消になったとのデータがあります。 ※21
普段と違う方法で子供と触れあってみてはいかがでしょうか。 ※18、※19、※20

ママ友やパパ友とのイライラには考えすぎない

子供を通した付き合いで始まるママ友やパパ友は、身近な情報交換や子どもの悩みを共有できる頼もしい存在です。

しかし、その距離感を難しく感じてしまう時もありますよね。

人はついつい考えてもわからないことや、考えても意味の無いことを考え、ストレスになることがあります。

ママ友に挨拶をしたら返事がなかった。

ただそれだけの事を、嫌われたのかもしれない、気を悪くさせたのかもしれないと深く考えることはありませんか? ※1、※2

挨拶をして返事がなかったことは事実ですが、その理由は気づかなかっただけかもしれません。

事実と思い込みを分けて考え、ネガティブにならないように心がけましょう。

たったこれだけでも、自分でストレスを作り出すことは減ってくるでしょう。※19、※22、※23

 

ママ友との付き合いについては、

ママ友とトラブルを招かないポイントと付き合い方

でもご紹介しています。

仕事や家事との両立によるイライラには頑張りすぎない

仕事と家事の両立にストレスはつきものです。 
しかし、ストレスが加わり続けると、前述のような悪循環を生むことになってしまいます。
普段からストレスを上手に対処することの大切さを理解して、何よりも自分の抱えているストレスに気づくことが重要です。
「働くママにストレスは付きものである」と捉え、自分にとってのストレスの種を見極めましょう。 ※19、※22、※23
仕事と子育て、どちらかだけでもイライラするものです。
ストレスの種はそれぞれにあるのですが、仕事と家事を両立しなければと頑張りすぎることで、さらにストレスを生んでしまっていませんでしょうか。
完璧を目指すのではなく、肩の力を抜いて、自分に自信をもちましょう。
こんなにも頑張っていると、自分で自分をほめてあげることも大切です。
旦那さんに子供をを預けて、頑張った自分にご褒美をあげるのもイライラ解消になるはずです。

働くママの実態については、

共働きのワーママは辛い!子育てと家事の両立、その実態と対策とは?

でもご紹介しています。あわせて参考にしてみてください。

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※18 無藤隆・汐見稔幸編集 イラストで読む! 幼稚園教育要綱 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 2017年8月 学陽出版

※4 岩手県立大学看護学部紀要9 乳児の母親の育児ストレス状況とその関連要因
https://goo.gl/EFbhHv
※19 日本保健科学学会誌 / 17 巻 (2014) 3 号 / 書誌 母親の「育児困難」の概念分析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsaiih/17/3/17_KJ00009742082/_article/-char/ja/
※20 東京聖徳学園 育児に対する感情と子育て支援に求めるニーズとの関係-未就学児の母親を対象として-
https://www.seitoku.jp/kttcsu/pdf/seitoku_bulletin0505.pdf
※21 和光大学現代人間学部紀要 第7号(2014年3月)母親の身体的サポートについての検討 親子ヨガ参加母親の予備調査から
https://goo.gl/T9abey
※22 東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース下山研究室 乳幼児期の子をもつ母親に対する地域子育て支援の現状と課題
https://goo.gl/zCtEYH
※23 厚生労働省 心の耳
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh004/

小学生になってもイライラ、その原因と対処法

ここまでは、乳幼児期のママに多く当てはまるイライラの原因と対処法をご紹介しました。
子育てのイライラは、小学生になっても続くという方もいらっしゃいます。
子供も自立を求められ、自分でできることも増えてくるため、乳幼児期とはママのイライラの原因や対処法も変わってきます。

小学生は中間反抗期。口答えにイライラするかも

2歳前後のイヤイヤ期は一次反抗期、思春期が二次反抗期と言われますが、7歳~9歳頃の「口ごたえ」する時期は「中間反抗期」ともいわれています。※
ちょうど小学校低学年にあたる時期で、生活環境も大きく変わる時期と重なります。
小学校入学準備、1年前から取り組むポイント(https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2018/kids_sho1/)でもご紹介していますが、小学生になると親も子供も生活環境が大きく変化します。
幼稚園や保育園時代は周りの大人に甘えることができましたが、小学生になると自立が求められ、子供もやりたい気持ちとできない気持ちの間でストレスをためてしまっているかもしれません。

子供の親に対する反抗は、自発性の表われです。
自分の気持ちをはっきり表現できることは、自分を認めることに繋がります。
自分を認める自己受容は、他者に対する他者受容を可能にし、「思いやりのある子」に育つとされています。※24
子供の突然の反抗にイライラするかもしれませんが、成長になくてはならない反抗であるということを知り、自立の過程を見守りましょう。

小学生へのイライラの対処法

反抗しても見守るようにと言われても、親はどうしてもイライラしてしまいますよね。
親は具体的にどのような行動をとるべきなのでしょうか。

・口答えをよく聞いてみる
口答えを禁止することは、その後の自立が促されないと言われています。
口答えをやめさせるよう厳しくしつけることで、子供は心の中で反発を繰り返しているかもしれません。
こどもの口答えを叱るのではなく、冷静によく聞いてみるようにしてください。
実は正しい答えということはありませんか?※25

・冷静に自分の言動を振り返る
子供の口答えを聞いていると、親に非がある場合もあるのではないでしょうか。
自分の非を突かれると余計にイライラしてしまうかもしれませんが、そこは冷静に受け止めましょう。
親が言い訳をしたりごまかしたりしていると、子供も同じ対応をするようになってしまいます。※25
親も自分の非を認めて、でもこうしてほしかったと子供に伝えてみてはいかがでしょうか。
子供もわかってもらえたと感じるはずです。

・口答えが不適切であれば正しく教える
この時期は、社会で生きていくための価値観を大人が教えてあげられる最後の時期です。
口答えが過ぎ、身勝手で不適切な場合には、親が正してあげる必要があります。
「してよいこと」「してはいけないこと」の社会性を正しく教えていきましょう。※25

※24人格形成論/平井 信義/日本家政学会誌1991年42巻
https://goo.gl/4mqyNj
※25 3歳~18歳 教えて!子どもの反抗期 ~ 「異常な反抗」を防ぐ科学からのアドバイス/國米欣明/戒光祥出版/2009年10月

子育てにイライラしないためにママができる3つのこと

相談相手を見つけておく

子育てに悩んだ時に、相談できる人がいないということはストレスを高める一因であるとされています。※20
育児に前向きなママは、旦那さんやママ友と話をする傾向にあると報告されています。
旦那さんや他の家族、ママ友に相談できればよいのですが、話をした結果、さらにストレスをためてしまう場合もあるでしょう。
自分だけで対応しきれない問題は、信頼できる第三者や専門家に相談してみましょう。 ※1、※2
自分の両親に相談するのはもちろん、身近なところでは園や学校の先生・塾の先生などに相談する方法もありますし、自治体ごとに無料の子育て相談窓口を設置しているところも多いです。
また、仕事と家庭の両立でイライラした場合には、職場の同僚や上司に聞いてもらうのもよいでしょう。
イライラの原因が、もし雇用や就業に関わる問題であればハローワークなど公的機関に相談することもできます。
相談相手は探せば見つかるものです。
ストレスをため込む前に、日ごろから相談できる相手を見つけておくとよいでしょう。

自分だけでやろうとしない

イライラしないコツは、全部を自分だけでやろうとしないことです。
母親が孤立して育児をすることが、ストレスをため込み育児困難につながることが分かっています。※4
相談相手を見つけることともつながりますが、自分だけで何とかしようとせず、サポートしてもらえる人を探しましょう。
育児面だけでなく、家事を家事代行サービスに頼み自分の時間を作ってみたり、週末の子供の世話をパパや両親、ファミリーサポートなどに依頼してみたりと人に任せることができるものは探せばいくつか見つかるはずです。
このようなサービスを上手に活用することで、イライラ解決の糸口が見つかるかもしれません。 ※19、※20、※21、※22、※23

手抜きできるところは手抜きする

完璧にこなそうとすることも子育てのストレスの原因になります。
近年、共働き世帯が増えたことで、家事の手抜きをサポートするサービスや商品がいろいろ登場しています。
自分にとっては家事の手抜きと思えるようなものでも生活に取り入れてみることで、時間にゆとりが生まれることも多いものです。
家事の手抜きできそうなものを検討してみて下さい。※4

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※18 無藤隆・汐見稔幸編集 イラストで読む! 幼稚園教育要綱 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 2017年8月 学陽出版

※4 岩手県立大学看護学部紀要9 乳児の母親の育児ストレス状況とその関連要因
https://goo.gl/EFbhHv
※19 日本保健科学学会誌 / 17 巻 (2014) 3 号 / 書誌 母親の「育児困難」の概念分析
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhsaiih/17/3/17_KJ00009742082/_article/-char/ja/
※20 東京聖徳学園 育児に対する感情と子育て支援に求めるニーズとの関係-未就学児の母親を対象として-
https://www.seitoku.jp/kttcsu/pdf/seitoku_bulletin0505.pdf
※21 和光大学現代人間学部紀要 第7号(2014年3月)母親の身体的サポートについての検討 親子ヨガ参加母親の予備調査から
https://goo.gl/T9abey
※22 東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース下山研究室 乳幼児期の子をもつ母親に対する地域子育て支援の現状と課題
https://goo.gl/zCtEYH
※23 厚生労働省 心の耳
http://kokoro.mhlw.go.jp/nowhow/nh004/

まとめ

子どもが生まれる前は「赤ちゃんとあんなことや、こんなことがしたい」と、期待に胸を膨らませていた人も多いのではないでしょうか。
しかし実際に子育てをしてみると、マニュアル通りに行かない、思ったほど夫が手伝ってくれない、子どもの急病や「泣いている理由が分からない」など、子育てに関するストレスの種は、たくさんあります。
また、赤ちゃんの頃だけではなく、小学生になっても新たなストレスの種が出てきてしまう場合もあるでしょう。
イライラを原因に思い当たるものがあれば、自分のイライラの状態にまずは気づいてあげましょう。
気づくことができれば、イライラを解消するためのアクションも起こしやすくなります。
また、イライラしないために、「こまめに相談できる相手を見つけておく」「一人で抱えない」「家事は手抜きする」のスタンスで一度環境を整えてみることもおすすめします。

子供の成長に伴い、いろいろなイライラがあります。
成長の証と見守る心のゆとりのためには、イライラしない環境づくりを進めてみてはいかがでしょうか。

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