【子供の言葉の遅れ】4歳、5歳、6歳の幼児期に喋らないのはなぜ?

公開日:2019.12.19

言葉が出てくる早さには個人差があるとは分かっていても、言葉の遅れはママにとっては大きな不安の種。
周りの同じくらいの子供は可愛らしくお喋りしているのに、うちの子はまだ何も喋らない……。
そんな不安はありませんか?
また、のんびりと構えて待ちすぎるのも、その後の成長に大きく影響することがあります。
では、言葉が出てくる平均的な時期や、専門家へ相談する時期は、いつ頃を目安にすればよいのでしょうか。

目次

  1. 生後1歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 生後2カ月~1歳までの言葉の発達の流れ
    • 生後2か月~1歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
  2. 2歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 1歳~2歳までの言葉の発達の流れ
    • 1歳~2歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
  3. 3歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 2歳~3歳までの言葉の発達の流れ
    • 2歳~3歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
  4. 4歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 3歳~4歳までの言葉の発達の流れ
    • 3歳~4歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
  5. 5歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 4歳~5歳までの言葉の発達の流れ
    • 4歳~5歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
  6. 6歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント
    • 5歳~6歳の言葉の発達の流れ
    • 5歳~6歳までの子供に必要なサポートとポイントは?
    • 小学校入学前の言葉の発達
  7. 子供の言葉の発達のために親が知っておきたい事
    • 幼児期によくある言葉の悩みとは
    • 言葉の発達を知るために
    • 焦らず騒がず、でも真剣に取り組もう
  8. 子供の言葉の発達を助けるためにできること 絵本を楽しもう
    • 子供は言いたいことがいっぱい?
    • 子供の言葉の遅れが気になるとき
    • 悩まないで、まずは相談してみよう
  9. まとめ

生後1歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

言葉が出てくる早さには個人差があるとは分かっていても、ママにとっては大きな不安の種。
のんびりと構えて待ちすぎるのも、その後の成長に大きく影響することがあります。
では、言葉が出てくる平均的な時期や、専門家へ相談する時期は、いつ頃を目安にすればよいのでしょうか。
実際に子供の「言葉」が発達していく目安と、それに対して親はどうサポートしていけば良いのか、おおよその流れをみていきましょう。

 

生後2カ月~1歳までの言葉の発達の流れ

生後2~3か月ごろには、喃語(なんご)と呼ばれる、意味不明な「アー」や「ウー」言った声を出し始めます。
この頃の喃語にはまだ何の意味もなく、赤ちゃんは自分の耳で自分の声を聞き、喋るための練習をしているのです。
5~6か月になると、喃語もこれまでの「アー」や「ウー」といった音だけではなく「ブーブー」や「バブバブ」といった唇を使う発音も出来るようになっていきます。
6~7か月になると、「アブブブブ」「アムアム」といった違う音を組み合わせた音で、懸命にお喋りをしている姿も見られるようになってきます。
7~8か月にもなると、赤ちゃんは話しかける大人の口元を凝視したり、親が赤ちゃんの顔を見ながら「ア」などの声を出すと真似をして声を出したりします。
また、10か月頃には、「ダメ」といった禁止の言葉や、「上手だね」といった褒め言葉が分かるようになってきます。
そして、「マンマ」「ママ」といった単語で話すようになってきます。
しかし、子供がママを見ながら「ママ」と言っていても、最初から意味を理解しているわけではありません。
最初は単なるオウム返しに過ぎず、これを何回も繰り返していくうちに「ママ」がいつも同じ人を指していることに気づき、大人が言っている言葉が何かのサインであると分ってくるのです。※1、※2

 

生後2か月~1歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

子供から意味のある言葉はまだ出ていない時期ですが、子供は一生懸命に言葉をため込んでいます。
子供の顔を見てゆっくり、はっきりと分かりやすい言葉で繰り返し話しかけるようにしましょう。
また、子供の喃語には「アー」「ウー」といった音を反復して返す、子供の発語を引き出す関わり方を心がけましょう。
言葉を正しい発音で話すには唇、舌、顎などの筋肉が必要です。
口をしっかりと動かせる食事※で、調音器官を育てるよう心がけましょう。※1
※口をしっかりと動かせる食事:やわらかいものばかりではなく、しっかりと咀嚼することが必要な食材を使った食事や、あえて千切りやみじん切りにはしない食材を使った食事のこと(ただし子供の発達段階に合わせて、可能な食材や切り方を選ぶこと)

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社

2歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

次に、1歳~2歳までの言葉の発達の目安と、それに対する親のサポートのポイントです。

 

1歳~2歳までの言葉の発達の流れ

1歳前後の子供は、意味のない喃語、「ダダァ」「パー」など大人には分からない自分で作った造語、「ワンワン」などの意味のある単語と、3種類の言葉を使います。
やがて喃語と造語は消えていき、意味のある単語が残っていきます。
この頃には知っている物を見つけると指をさし、声に出して伝えようとします。
また、片言でのお喋りが始まり、名前を呼ばれると返事が出来るようになっていきます。
言葉の早い子ではこの時期に「ブーブーきた」「マンマほしい」などの2語文が出てくるようになります。※1、※2

 

1歳~2歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

お喋りが好きな子供は、喃語で一生懸命にお喋りをします。
この時期、大人は子供が何を言っているのか分からなくてもちゃんと聞き、答えてあげることが大切です。
子供が指を指し喃語で何か伝えようとしたときには、視線を共有し指したものを「ワンワンいるね」など丁寧に答えるようにしましょう。
また喃語にも「上手にお喋りできるね」「そうね」など言葉を返し、喃語で人と関わる楽しさを体験させてあげましょう。
親は子供が話したくなるよう、聞く姿勢をもち話しやすい雰囲気を作っていくように心がける必要があります。※1、※2

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社

3歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

子供にとってこの時期は、自我が芽生えてくる時期です。

 

2歳~3歳までの言葉の発達の流れ

2歳前後になってくると「何?」という質問をたくさんするようになってきます。
例えば、絵本をみて「これは何?」と聞いたり、おもちゃを指さして「何?」と聞くこともあるでしょう。
このような時に、絵本やおもちゃを見ながら正しい名前を教えてあげると、子供は正しい名前を覚えるようになります。
また、子供の言葉が2語文から3語文へと変わっていくのもこの頃です。
精神面でも目覚ましい成長を見せはじめ、自分の意思を伝える言葉へと変わっていきます。
さらに自我の芽生えから、盛んに「イヤ」を連発するようになります。
一般的に、2歳頃の言動は「イヤイヤ期」と呼ばれていますが、この「イヤ」は自分の考えが主張出来てきた証とされ、一般的には3~4歳までイヤイヤ期はひどくなり、4~5歳でおさまるといわれています。
この時期に反抗しない子は、のちに問題を起こしやすいとの考えもあるので、この変化は喜ばしいと受け取ると良いでしょう。
イヤイヤ期に関する詳しく記事はこちら
イヤイヤ期の原因は?子供への正しい対応を知って親のイライラも解消!

 

2歳~3歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

子供は否定されるよりも、褒められる方が大好きです。
親子の関係性をつくるだけではなく、子供の自我を育てるためにも、「褒める」ことを上手に使っていきましょう。
また、挨拶はコミュニケーションの基本です。
中には恥ずかしくて大人の後ろに隠れる子供もいますが、まずは頭を下げる動作だけでも十分です。
子供が挨拶を口にできるようになるまで、待ってあげましょう。
その代わり、子供がきちんと挨拶ができた時はしっかりと褒めてあげます。
子供には、ママの「代役」はいません。
ママが子供をしっかりと褒め、認めてあげることで、子供の自尊心は育っていきます。
尚、この時期は子供からの質問攻めの時期ですが、質問には聞いているものをきちんと確かめ、正しく答えてあげるようにしましょう。

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社
※3 佐藤眞子 著 2013年11月10日発行 新編 2才児イヤイヤ期の育て方 主婦の友社

4歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

いよいよ、子供の言葉は、「会話」へと進化し始めます。
その発達の流れと、必要なサポートをみていきましょう。

 

3歳~4歳までの言葉の発達の流れ

3歳前後になると、語彙が800語~2000語に増え、一人称と二人称を理解して使い分けられるようになります。
そして「どうして?」「あれなに?」など、ひたすら質問を繰り返すようになります。
また、子供の「なに?」の言葉の中には、聞いている人は自分の相手をしてくれるはずという期待も込められています。
お友達との交流に必要な日常会話を使いながら、他人の意志や要求を理解出来るようになっていくのです。※1、※2、※3

 

3歳~4歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

この時期の子供には、短い文で分りやすいように具体的に話をするようにしましょう。
子供の中には、恥ずかしがって人の目を見て話しが出来ない子もいます。
しかし、うつむいていると言葉は前に出ず、話しかけられているお友達も気が付かないということがあります。
子供には相手の目を見て話しをするよう、上手にサポートしていきましょう。
子供が「一緒に遊びたい」「仲間にいれて」などの言葉がかけられない状態の時には、親は自分で話すように促し、自分の言葉で相手に伝えられたらしっかりと褒めてあげましょう。


また、子供からは毎日のように質問が飛んでくるかもしれませんが、この質問にも、きちんと答えていく必要があります。
単に「そうね」「多分ね」などで終わらせるのではなく、子供がなぜそれを知りたいのか、あるいは「それ」が意味することの理由なども含め真摯に対応すると、子供の「言葉」や「会話力」は飛躍的に伸びていくでしょう。※1、※2
お友達とのコミュニケーション、兄弟ができたときのコミュニケーションが気になる方はこちらの記事もおすすめです。
・子供の喧嘩、決して悪い事ばかりでは無い?!

・兄弟姉妹が増えたときの親の接し方!上の子の環境は大きく変わります

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社
※3 佐藤眞子 著 2013年11月10日発行 新編 2才児イヤイヤ期の育て方 主婦の友社

5歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

4歳頃までにある程度の「会話力」を身に付けると、今度は自分の意思を分かりやすく伝えることに重点が置かれるようになってきます。

 

4歳~5歳までの言葉の発達の流れ

この時期の子供は、日常生活に必要な言葉はほぼ身に付き、一般的には1700~2000語程度の語彙を獲得するといわれています。
中には、2500程度の語彙を獲得する子供もいます。
自分の意志や要求などを相手に分かりやすく伝えることでお友達との会話も盛んになり、接続詞が使えるようなるのもこの頃です。
接続詞が使えるようになると、子供はさらに上手に会話をします。
同時に独り言も増えるのですが、これは頭の中で考えていることが外言として出ている状態です。※1、※2

 

4歳~5歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

この時期の子供には、進んで話したくなるよう、「今日はどこに行ったの?ママ(パパ)にお話しして」と、話す時間を作ってみましょう。
すると子供は「たくさんお話できる!」と、進んで話すようになります。
家族以外とも話す時間を増やし、お友達と話せる度胸も身に付けていきましょう。
ただし、日頃からあまり話しをしない子供には、無理強いはせず、発語に対して共感する言葉で応え、安心して会話出来るような環境を整えていくことも大切です。
また、人の話を最後まで聞けるように誘導していくことも、始めていきましょう。
会話は自分一人でするものではなく、交替でするものだという基本を学ぶために、指人形を使って順番に動かしながら会話するなど、「相手の話を聞く」という態度を養っていきましょう。※1、※2

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 主婦の友社

6歳までの「言葉」の発達と、必要なサポートのポイント

この時期は、小学校に入るための準備を念頭においたサポートが必要になってきます。

 

5歳~6歳の言葉の発達の流れ

5~6歳になると、日本語の言葉の仕組みがわかってくるため、お友達とも逆さ言葉やしりとり、なぞなぞなどでも遊べるようになってきます。
文字にも興味を持ち始め、自分の名前を読んだり書いたりするようにもなり、仮定や因果関係の表現もみられるようになります。
また、言葉を思考として活用させる内言へと移るため、自分をコントロールすることができるようになります。※1、※2

 

5歳~6歳までの子供に必要なサポートとポイントは?

この時期には、子供がした体験を、家族やお友達の前で話す機会を作りましょう。
親は適宜、「それはいつのこと?」や「誰といったの?」など、話の内容を膨らませるような質問をしながら、話を進めていきます。
人前で話すことが苦手な子供には、お人形などを持たせてお人形がお話をしているかのように操作しながら進めると、緊張がとれ、気楽に話せるようになります。
聞いている子供の方も興味を持つので、楽しいお話し会になるでしょう。
文字や記号にも興味が出てくる頃なので、ひらがなカードを床に広げ

  •  形の似たものを探して集める
  •  いくつかの言葉を作ってみる
  •  単語の文字を並び替える

などといった遊びも出来るようになってきます。
このようなゲームを通じ、文字や形の違いが見分けられるようになります。
さらに一歩進めて、「わたし は りんご が すき」などのように、簡単な文章をひらがなで並べられるようになると、書ける力にも通じる文節能力が育ちます。※2

 

小学校入学前の言葉の発達

小学校に入学すると、本格的な学習が始まります。新しいお友達も増えコミュニケーションの幅が広がり、国語力がより重要になってきます。
語彙力読解力を合わせた国語力学習教科の全ての基礎となりますので、その土台は小学校入学前までに作っておきたいものです。
言葉の土台作りには、親子の会話と読み聞かせがとても大切です。
忙しいとつい「ちょっと、静かに!」などと単語で終わらせてしまいがちですが、できるだけ沢山の言葉を使った会話を心がけてあげましょう。
読み聞かせは、信頼関係を深めながら子供の国語力を身に付ける、親子にとってすばらしい触れ合いの時間となります。
幼い頃の読み聞かせは、お気に入りの本を繰り返し読むこと。
何回も読んでいるうちに、正しい文語が自然とインプットされていきます。 ※1、2、4

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社
※4 祖川泰治(著) 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと 2015年11月第1刷発行 すばる舎

子供の言葉の発達のために親が知っておきたい事

幼児期によくある言葉の悩みとは

3歳から5歳頃の時期は、口の中が小さく舌が動かしづらいので「先生」が「てんてい」、「お魚」が「おたかな」など、発音が上手くできない子供がいます。
しかし多くの場合は、口や舌の発達とともに改善されていきます。
また、2歳半から5歳位の時期は、どもりが出てくる子供もいます。
この場合、言い直しをさせたり「落ち着いて」などと注意をしたりせず、話の内容に耳を傾け気持ちを受け止めてあげることが大切です。
幼児期のどもりの4~5割は、成長とともに自然と消えていくので、焦らず経過をみていきましょう。※5、6
自分の気持ちや考えを上手に伝えられない子供は、言葉と意味を結び付け会話を理解するということが得意ではないようです。
言葉を補ってあげたり、代弁したりなど、適切な表現方法を教えてあげながら、供が自らの言葉で上手に伝えられるように待つことも必要です。※5、6、7

 

言葉の発達を知るために

言葉の発達には脳の発達が必要不可欠ですが、特に0歳から6歳までの間は「聞く・話す」の言葉の発達が急速に進む時期です。
生後10ヶ月頃には、大脳辺縁系の海馬(記憶を司る部分)と扁桃体(情動反応の処理と記憶に関係する)が発達し、体験を記憶したり、感情が湧き起こったりするようになります。
扁桃体が安心感や心地よさなどの快感で満たされると、記憶を蓄える海馬が活性化され、どんどんと知識が吸収されていきます。
そして、言葉をつくるのも大脳です。
大脳は会話や言葉かけによって鍛えられるため、子供が心地良くいられるような言葉かけや会話を沢山してあげることで、語彙が豊かに育つとされています。
語彙には、聞く・読むときに理解する理解語彙と、話す・書くときに使用する使用語彙の2つがあります。
幼児期では特に、子供の大好きな本の読み聞かせをできるだけたくさんして、子供の疑問には分かりやすく丁寧に答えてあげると、理解語彙が育つといわれています。
理解語彙を蓄えた子供の脳は、大脳辺縁系と大脳のネットワーク化により、使用語彙を使って、自分の考えや気持ちを伝えるようになります。
まずは理解語彙を増やし、親との会話によって使用語彙に繋げていくことが大切なのです。※5、6、8、9、10

 

焦らず騒がず、でも真剣に取り組もう

言葉の遅れの原因はさまざまあり、重度の難聴、脳性麻痺など明らかな原因がある一方で、特に幼児期ではその多くが原因を特定することは難しいようです。
言葉の遅れがとても心配ならば、子供からのサインを見逃さないよう、子供の日々の生活に目を向けてみましょう。

 

サインは例えば

  • 生活音に対し反応する、または後ろから名前を呼んで振り向く
  • 言葉が話せなくても「○○はどこ?」という問いに行動で示すことができる
  • はっきりした言葉でなくても「ンマンマ」「アーアー」など声が出る
  • ママやパパの目を見て視線と合わせようとする

などがあります。

 

また、こだわりが強くて決まったもの(おもちゃなど)やこと(同じ道順など)に強い執着がある、極端に運動が苦手だったり転びやすかったりする、1人での着替えが上手くできず泣きわめくことがある、色々なことに気が散りやすく突飛な行動が目立つなどの、サインが見られることがあります。
普段から注意を払い、もしも「あれ?」と思い当たるサインがあれば、その状況と子供の言動を、記録しておきましょう
実際の記録や心配事は、1歳半・3歳児・就学時に行われる健診で、保健師などに相談してみてください。この3つの健診は、育児全般に関する悩みが相談できる良い機会です
検診のときに専門家が必要だと判断した場合は、発達検査や身体的な検査を行うこともあります。
発達検査は子供の現在の発達レベルがどの程度であるかを知るために行われ、個人差の範囲内なのか、これから先の発達の伸び方はどうなのかということまでは分かりませんので、しばらく様子を見ることもあります。
仮に、聴覚障害や発達障害などが疑われた場合、ショックを受けて落ち込んでしまう方もいるでしょう。しかし現実を見据え、今後の対応を考えていくことが、子供が生きやすくなる道を作ることになります。※6

 

※7 福井県特別支援教育センター Q&A 子どもたちのことばの面から考えてみましょう! / 2019年9月27日閲覧
http://www.fukuisec.ed.jp/Q&A/qa02_4.html
※9 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター 資料2 乳・幼児のことばの発達 / 2019年9月27日閲覧
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/access/book/1005_watanabe/doc2.html
※10 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所 児童を対象とした単語親密度実験 / 2019年9月27日閲覧
https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_f/f-141/f-141_2.pdf
※5 内田伸子(著)  子どもの見ている世界 2017年5月第1刷発行 春秋社
※6 中川信子(監) 健康ライブラリーイラスト版 ことばの遅れのすべてがわかる本 2006年12月第1刷(2018年5月第15刷)発行 講談社
※8齋藤孝(著) 子どもの語彙力を伸ばすのは、親の務めです。 2017年8月発行 KADOKAWA

子供の言葉の発達を助けるためにできること 絵本を楽しもう

絵本は、子供の空想力をかきたてる教材です。
読み聞かせに慣れてきたら、今度は子供に「自分だけの物語」を考えてもらいましょう。
「この後、〇〇はどこに行ったと思う?」など、少しだけ考えることから始めても良いでしょう。
絵本の読み聞かせについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。
絵本の読み聞かせ♪ 赤ちゃんから始める効果と読み聞かせのコツ
そして、言葉をなんとなく理解できるようになったら、今度は、ひらがなを教えていきましょう。
ひらがなを理解できるようになったら、子供が自分で読めるように、誘導していきます。※1、※12
ひらがなの教え方、教え年齢については、こちらの記事でもご紹介しています。
ひらがなは何歳からどう教えるべき?ベストなタイミングと教え方はコレ!

 

子供は言いたいことがいっぱい?

子供の頭の中はお話したい事のイメージでいっぱいです。
しかし、子供の発語が未熟な段階にあると、言葉が詰まったり、一時的なものではありますが「リリリリリリンゴ」というように同じ音を繰り返すことがあります。
子供の焦る気持ちをしっかりと受け止めて、聞く姿勢を大切にし、子供が話しやすい状況や雰囲気を、親が意識して作り出すようにしていきましょう。
また、親の都合で話が聞けないときは、「後で聞くから待ってね」と伝え、聞ける時には子供が満足するまで話を聞くようにすると、子供は待つことを覚えます。※1、※2

 

子供の言葉の遅れが気になるとき

私たちは当たり前のように言葉を使って話をしていますが、子供が言葉を話すようになるには4つの条件が必要とされています。

 

  1. 声を出すための運動機能(発声するために必要な器官の働き)が発達している
  2. 言葉を聞き分ける聴力が十分に発達している
  3. 言われたことを理解する知能が発達している
  4. 子供自身に「話す」という欲求がある

 

これら4つの条件がすべて満たされると、子供は言葉を発するようになります
また近年では、核家族化により家族間の会話が減少しています。
テレビやインターネットなどの長時間視聴も、それだけ他の時間が奪われることにもなり、親兄弟やお友達との関わりも減少するという問題があります。
まずは今の生活を見直し、子供の成長と向き合う時間をしっかりとってみましょう。※13、※14、※15

 

悩まないで、まずは相談してみよう

子供の成長の中でも言葉の発達は個人差がとても大きいものです。
すらすらと話せなくても、年齢並の成長があれば、問題ありません。
しかし、子供の言葉の発達が平均的な成長から大きく逸脱しているようであれば、専門家への相談を検討します。
同じ年齢くらいの子供が正しく発音できる音をいつも間違って発音してしまう構音障害や、同じ音を繰り返してしまう吃音障害は、3歳から5歳くらいになるとその違いが目立つようになります。
客観的に判断できるようになるのも、おおよそこれくらいの時期です。


例えば3歳児検診の時に、専門家である保健師さんから、言葉の遅れを指摘されるというケースがあります。
あるいは、幼稚園や保育園で他の子供たちと比べると、子供の言葉が少ない、他の子供ように上手にお話しができていないなどの違いに気づくこともあるでしょう。
つまり、他の子供との違いが分かるようになる3歳くらいから5歳くらいの間は、特に子供の言葉にしっかりと耳を傾けてみましょう。
3歳を過ぎても一人称と二人称の使い分けができない、5歳を過ぎても自分の意思を相手に伝えられず簡単な会話が成立しないなど、もしも子供の言葉に「あれ?」と思うような時は、お住まいの保健センターや児童相談センターなどで、保健師や、言語聴覚士などの専門家に相談してみましょう。※13、※14、※15

 

※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 榊原洋一著 2007年7月第1刷発行 赤ちゃんの「育つ力」をわかる 信じる 伸ばす本 主婦の友社
※12 愛知東邦大学人間学部 絵本がもつリズム性がこどもに与える教育的意味 / 2019年9月27日閲覧
https://goo.gl/9zZt6F
※13 国立特別支援教育総合研究所 教育相談情報提供システム 言語障害のある子どもの教育相談におけるQ&A / 2019年9月27日閲覧
http://forum.nise.go.jp/soudan-db/htdocs/index.php?page_id=30
※14 文部科学省 子どもの徳育の充実に向けた在り方について (報告) 3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題 / 2019年9月27日閲覧
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/gaiyou/attach/1286156.htm
※15  文部科学省 教育支援資料 6 言語障害/ 2019年9月27日閲覧
https://goo.gl/Tre9ij

まとめ

生後間もなくの喃語から始まり、小学校に入るまでには、かなりの語彙を獲得し、空想の物語まで話せるようになる子供たち。
言葉は、人対人における、もっとも基本的なコミュニケーションツールです。
発達のスピードや、得手不得手という個人差はありますが、言葉の遅れを客観的に判断できるようになってくるのは、おおよそ3歳から5歳くらいを目安と考えると良いでしょう。
いきなり専門家へ相談することが躊躇されるなら、幼稚園や保育園の先生に普段の様子を聞いてみてはいかがでしょうか。

公開日:2019.12.19
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