赤ちゃんの夜泣きいつからいつまで?月齢別の原因と対策とは

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子育て経験のある人なら、きっと一度は悩んだことがある「赤ちゃんの夜泣き」。
特に新生児の頃は、必ずといってよいほど、夜中であるにも関わらず、「ぎゃー」と泣き出し、ストレスを抱えているママも多いことでしょう。
ひどい夜泣きは、いつからいつまで続くのか、赤ちゃんの夜泣きの原因と対策、また夜泣きにイライラした時の対処法までを考えます。

 

ここでは、目安としての時期を記載しています。
赤ちゃんの発達には個人差がありますので、月齢などの時期は参考としてお読み下さい。

目次

  1. 赤ちゃんの夜泣きは、いつから? 新生児は夜泣きしないって本当?!
    • 赤ちゃんの夜泣きは4か月ごろから
    • 新生児が夜泣くのは「夜泣き」ではない
  2. 夜泣きはいつまで続く? 1歳~2歳に夜泣きが、突然、再発することも
    • 1歳頃の夜泣きは昼間の興奮
    • イヤイヤ期の2歳頃に夜泣きが再発することも
  3. 夜泣きとは?
  4. 【新生児~3ヶ月頃】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策
    • 新生児~3ヶ月の赤ちゃんの睡眠
    • 新生児~3ヶ月の赤ちゃんが夜に泣く原因
    • 夜泣いたときの対策(対処法)
  5. 【4ヶ月頃~1歳頃】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策
    • 4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの睡眠
    • 4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの夜泣きの原因
    • 4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの夜泣き対策(対処法)
  6. 【1歳頃~2歳すぎ】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策
    • 1歳頃~2歳すぎの子供の睡眠
    • 1歳~2歳すぎの夜泣きの原因
    • 1歳頃~2歳すぎの夜泣き対策
  7. 夜泣き対策、王道は「睡眠環境の改善」
  8. ひどい夜泣きにも効果あり?!夜泣き対策グッズで子供を落ち着かせる
    • 音楽で夜泣き対策
    • ぬいぐるみを抱いて寝る
  9. 絶対にしてはいけない?!夜泣きの放置はアリ?なし?
    • 睡眠改善には効果あり
    • 日本の習慣に取り入れやすい方法
  10. つらい夜泣きは、パパとママで協力して乗り切ろう
    • 夜泣きによる生活の変化で、睡眠不足ではありませんか?
    • 夜泣きは、ママとパパで協力して乗り切って
    • 夜泣きがつらく、子育てが不安になったら…
  11. まとめ

赤ちゃんの夜泣きは、いつから? 新生児は夜泣きしないって本当?!

「赤ちゃんがなかなか眠ってくれない」
「赤ちゃんの夜泣きに困っている」
そんな悩みを抱えているママやパパは、少なくありません。
赤ちゃんが眠ってくれないと、ママやパパも睡眠不足になり本当につらいですよね。
まずは、赤ちゃんの夜泣きの時期についてみてみましょう。

 

赤ちゃんの夜泣きは4か月ごろから

赤ちゃんの「夜泣き」がみられるのは、生後4か月ごろから。
この頃に夜泣きが始まるのは、脳が発達し「泣く」ことで自分の気持ちを表現するようになるからだと考えられています。※1※2※3
五感の発達により、「たそがれ泣き」(黄昏泣き・夕方泣き)がひどくなり、理由なく泣き続ける赤ちゃんもいるようです。※4

 

新生児が夜泣くのは「夜泣き」ではない

4ヶ月以前でも夜泣くことはよくあるかと思いますが、泣いて体の不快などを知らせているのだと考えられています。
4ヶ月以前と4ヶ月以降で「泣く」原因が異なり、4ヶ月以前は厳密な「夜泣き」の定義には当てはまらないとされています。※1※2※3
ひどい夜泣きに悩まされたら、赤ちゃんの睡眠環境を見直してみるのも1つの方法です。
布団の状態や室温について、
赤ちゃんにはベッド?お布団?安全な寝室の環境と夏冬の布団対策

で詳しくご紹介しています。

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 4 巻 (1981) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅰ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/4/2/4_19810601004/_article/-char/ja/
※3 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 5 巻 (1982) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅱ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/5/2/5_19820601003/_article/-char/ja/
※4 ママと赤ちゃんのぐっすり本/愛沢文 西野精治監修/講談社/2018年6月発行

夜泣きはいつまで続く? 1歳~2歳に夜泣きが、突然、再発することも

4ヶ月頃から始まる夜泣きですが、いつまで続くのでしょうか。
6カ月、1歳と月齢を追うごとに夜中に起きる回数も少なくなり、ママも少し楽になったと思った矢先に、夜泣きがまた始まってしまうこともあるようです。
2歳すぎまで断続的に夜泣きが続く可能性もあります。

 

1歳頃の夜泣きは昼間の興奮

1歳頃になると睡眠サイクルが整ってきます。
この頃には睡眠時の脳も安定してきて、リラックスしているときに出る脳波であるα波が睡眠時に増加し始める時期だとされており、睡眠が安定してきます。
一方で、1歳頃には、昼間の行動が原因となる夜泣きが始まる子もいるようです。
1歳頃には、それまでよりも記憶力がつき、昼間の行動をよく覚えていられるようになります。※5
その結果、昼間の行動がそのまま夢に現れ、夜泣きにつながっている可能性もあります。
昼間に興奮しすぎると夜泣きが見られるようであれば、寝る前に一旦落ち着かせてあげられるとよいですね。
1歳~2歳の睡眠の理想的な時間について、
寝ない子供とよく寝る子供の違いは?原因はママの行動かも?

では、夜9時までには寝て朝7時までには自分で起きられることと紹介されています。

 

イヤイヤ期の2歳頃に夜泣きが再発することも

イヤイヤ期の時期は、昼間の生活の中で「イヤだ」と思ったまま終えてしまうときも多いでしょう。
「もっと遊びたかったのに」「歯磨きしたくなかったのに」など納得していない状態で寝ることも多く、それが夢に現れ、夜泣きに繋がっているとも言われます。※5
1歳頃に一旦夜泣きがなくなっても、このイヤイヤ期にあわせて夜泣きが突然現れることもあるといいます。
ママは何かあったのかと不安になりますが、自己主張ができるようになったという成長の証です。
イヤイヤ期の対応は、夜泣きに限らずママを悩ませるものです。
「イヤ」と自己主張する原因や対処法

を知り、子供のイヤイヤ対策の参考にしてください。
次章からは、夜泣きとは何かを知り、月齢ごとの発達を踏まえた夜泣きの原因と対策をご紹介します。

※5 発達がわかれば子どもが見える/田中真介監修/ぎょうせい/2009年発行

夜泣きとは?

「夜泣き」とは自我が芽生えた4ヶ月~2歳すぎまでの赤ちゃんが、これといった原因が分からず、毎晩のように泣き出す現象を言います。
4ヶ月以前にも夜中に赤ちゃんが泣くことはありますが、それまでは昼夜の区別がついていないことにより泣いているため、厳密には「夜泣き」には含まれません。 ※6※7※8

 

次章からは、月齢別に夜泣きの原因と対策を探ります。
月齢は、あくまで目安です。
赤ちゃんの発達には個人差があり、時期が前後することもあります。

 

※6 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※7 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 4 巻 (1981) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅰ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/4/2/4_19810601004/_article/-char/ja/
※8 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 5 巻 (1982) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅱ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/5/2/5_19820601003/_article/-char/ja/

【新生児~3ヶ月頃】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策

子供の成長についておさらい!こんなに早い!赤ちゃんから幼児まで

の記事でもご紹介している通り、生まれてから、日々目覚ましいスピード赤ちゃんは成長し、睡眠中の状態も1ヶ月で随分変わっていきます。
生まれて間もない新生児期の赤ちゃんは、眠るのがお仕事です。
まだ昼夜の区別はなく、泣いては目を覚まし、おっぱいを飲んでまた眠るという活動の繰り返しです。

 

新生児~3ヶ月の赤ちゃんの睡眠

睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の二つがあります。
大人も子供も一定のリズムでレム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。
大人はこの繰り返しの周期が約90分であるのに対し、生まれたばかりの赤ちゃんは40分ほどしかありません。
成長するにつれて、この周期は少しずつ長くなり、大人と同じ90分周期近くになるのは、5歳ごろだと言われています。
赤ちゃんは短い周期でレム睡眠が現れるため、夜中に何度も目が覚めてしまうのは当たり前のことなのです。
個人差はありますが、新生児期は、1日の睡眠時間は平均16~18時間ほどで、1日の大半を寝て過ごします。
3~4か月頃になると睡眠時間はだいたい15時間ぐらいまで減ります。※9

 

新生児~3ヶ月の赤ちゃんが夜に泣く原因

睡眠時に限らず、赤ちゃんが「泣く」には理由があります。
体や心に不快を感じているとき、赤ちゃんは泣くという動作でそれを伝えようとします。
3か月頃までは「体の不快」で泣くことが多いようです。
「おなかが空いた」「おむつがぬれて気持ち悪い」「暑い」などです。
この頃の赤ちゃんが夜中に何かしらの不快感を訴えて泣くのは、「昼夜逆転現象」といわれるものです。※10※11※12

 

夜泣いたときの対策(対処法)

3か月ごろまでの赤ちゃんの夜泣き対策は、主にこちらの2つです。

  • からだの不快をなくしてあげる
  • バスタオルなどで包み安心させてあげる

このころの赤ちゃんはからだに不快があると、気持ちよく眠りに入れなくなってしまいます。


おやすみ前のチェックで、からだの「不快」の原因を取りのぞいてあげましょう。
【おやすみ前のチェック項目】

  • お腹は空いていませんか
  • おむつは汚れていませんか
  • 寝る前には必ず、キレイなおむつに取り換えましょう
  • 汗をかいていませんか
  • かいているなら、汗を拭いて着替えたり、服を一枚脱ぐなどして調整しましょう※13※14

この頃の赤ちゃんが夜泣きをしている場合、バスタオルなどで赤ちゃんの体を包み、そっと抱っこしてあげても良いでしょう。

ママのお腹にいた時と似たような状況をつくると、安心するかもしれません。 ※14

※9 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※10 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 4 巻 (1981) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅰ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/4/2/4_19810601004/_article/-char/ja/
※11 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 5 巻 (1982) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅱ)/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/5/2/5_19820601003/_article/-char/ja/
※12 秋田大学学術情報リポジトリ 乳児期の夜泣きの重症度と関連する要因の分析//2019年8月1日現在
http://hdl.handle.net/10295/1462
※13 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※14 小山 博史監修 赤ちゃんとママがぐっすり眠れる本  2017年8月発行 ナツメ社

【4ヶ月頃~1歳頃】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策

成長の目安として、生後4か月を過ぎる頃には寝返りをうち、5~6ヶ月頃にずりばいをし、8ヶ月頃にはハイハイをして行きたいところへ移動できるようになります。※15※16
このような赤ちゃんの成長に合わせて、睡眠時間や睡眠パターンも変化していきます。

 

4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの睡眠

5~6ヶ月頃には昼夜の区別がつき始め、お昼寝が午前と午後2回の赤ちゃんもいれば、3回という赤ちゃんもいるでしょう。
6~7ヶ月になると、睡眠時間にはいっそう個人差が出てきますが、夜にまとめて眠れるようになる場合が多いようです。※15※16※17
しかし、まだまだ大人と比べて睡眠サイクルは短いため、大人の生活リズムとの「ずれ」も出てしまいます。

 

4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの夜泣きの原因

この頃の赤ちゃんの夜泣きは、睡眠サイクルが短いこと・脳の発達が未熟なこと・昼と夜の区別がついていないことが大きな原因です。
詳しく見てみましょう。


睡眠サイクルが短い
生後4か月から1歳くらいまでは、まだ睡眠サイクルが短く、眠りも浅いため、夜中でも朝だと思って目覚めてしまう場合があります。
そんな時、まわりが暗くて不安だったり、ママやパパが見当たらなかったりして、不安を感じ、泣いてしまうと考えられています。※15※16※17

 

脳の発達が未熟
さらに、4か月頃の夜泣きは「心の不快」によるものが増えてきます。
これは、赤ちゃんの脳の発達に深く関係していると言われています。
脳の中には、感情や欲求をつかさどる大脳辺縁系という部分があります。
ここは生後4ヶ月頃から急速に発達し、その結果として感情表現が豊かになります。
一方で、大脳辺縁系がつかさどる欲求や欲望をコントロールするのが前頭葉で、こちらはゆるやかに成長していきます。
つまり、大脳辺縁系と前頭葉の成長がアンバランスであるがゆえに、赤ちゃんが感情をうまくコントロールできず、すぐ泣いてしまうなどの行動につながるのです。※18※19※20

 

夢と現実の区別がつかない
昼間、知らない人に会うことで不安を感じたり、興奮することでも睡眠が浅くなります。
寝ていても、不安を感じますし、楽しい遊びや、怖い体験、お出かけや、嫌な音など昼間の体験が夜泣きにつながる場合もあります。
赤ちゃんは、レム睡眠(浅い眠り)のとき、脳内で記憶を整理しているといいます。
赤ちゃんの脳の中では、昼間に起きた出来事を「嬉しい」「悲しい」などの記憶として、整理していると言われています。
このとき、赤ちゃんは夢と現実の区別がつかず、目覚めては泣くのです。
この、記憶を整理することが、夜泣きの原因の1つだといえるのです。※16※18※19※20

 

4ヶ月頃~1歳頃の赤ちゃんの夜泣き対策(対処法)

4か月~1歳くらいまでの夜泣き対策としておすすめの方法は、こちらの4つです。

  • 寝る前には興奮させない
  • スキンシップを心掛ける
  • 泣き始めても抱き上げず、少し様子を見守る
  • 泣き止まなければ、抱っこして揺らしたり背中をトントンする

前述の通り、赤ちゃんは日中の興奮や怖い思いの記憶などが原因で情緒が不安定になり、夜の眠りが浅くなって目覚めやすくなることが原因で、不安を感じて泣いてしまうのです。
寝る前には、興奮する遊びを避け、夜泣きにつながりそうな出来事があった日はたっぷりスキンシップをとり、赤ちゃんの心を落ち着かせてあげましょう。 ※15
赤ちゃんは、眠りの浅いレム睡眠時に、寝言のように泣く場合もあります。
これは寝言泣きというもので、しばらくすると泣き止み、また眠り始めることもあります。 ※15※16
泣き始めたらからといってすぐに抱き上げてしまうと、赤ちゃんは目を覚ましてしまいます。
まずは、2~3分様子を見守りましょう。
しばらく泣いているようであれば、抱っこしてゆらゆら優しく揺らしてあげたり、抱っこしながら背中をトントンしてあげるのもいいでしょう。 ※17
「寝る子は育つ」と昔から言いますが、深い睡眠の間に成長ホルモンが分泌されています。
この時期、質の良い睡眠をとることは、赤ちゃんの体と脳の成長のために欠かせないポイントです。※15※16※17
赤ちゃんが質の良い睡眠をとれるよう環境を整えていきましょう。

※15 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※16 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※17 小山 博史監修 赤ちゃんとママがぐっすり眠れる本  2017年8月発行 ナツメ社
※18 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 4 巻 (1981) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅰ)2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/4/2/4_19810601004/_article/-char/ja/
※19 J-STAGE 日本看護研究学会雑誌 / 5 巻 (1982) 2 号 / 書誌 乳児夜泣きの要因分析(Ⅱ)2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsnr/5/2/5_19820601003/_article/-char/ja/
※20 秋田大学学術情報リポジトリ 乳児期の夜泣きの重症度と関連する要因の分析/2019年8月1日現在
http://hdl.handle.net/10295/1462

【1歳頃~2歳すぎ】赤ちゃんの夜泣きの原因と対策

1歳を過ぎると、伝い歩きや歩き始める赤ちゃんも増えてくるでしょう。
活動量が増えるだけでなく、自分ではできないことも理解しはじめ、イヤイヤも始まる時期です。

 

1歳頃~2歳すぎの子供の睡眠

1歳頃には、お昼寝が1回になり夜中に起きる回数が減る赤ちゃんもいるでしょう。
夜は8時間程度まとめて寝ることができ、睡眠サイクルも大人に近づいてきます。※21
1歳ごろになると、歩けるようになる赤ちゃんもいて、ますます活発に動き回ります。
昼間、動き回り体力を使うと、夜もよく眠れるようになるということもあります。
赤ちゃんのひとり歩きの時期は個人差がありますので、遅くてもあまり神経質にならなくても大丈夫です。
赤ちゃんの歩く練習は必要?早くても遅くても心配?

で詳しくご紹介しています。

 

1歳~2歳すぎの夜泣きの原因

イヤイヤ期は、夜泣きの原因の1つです。
「まだ寝ない!」と寝る時間になってもイヤイヤしていることもあるでしょう。
そのまま疲れて寝てしまうこともありますが、イヤな気持ちのまま寝つくと夜泣きに繋がるとも考えられています。※22

 

1歳頃~2歳すぎの夜泣き対策

1歳~2歳すぎまでの夜泣き対策として考えられるのはこちらの2つです。

  • 心配しすぎない
  • 生活リズムを見直す

2歳前後になると、いままでなかった夜泣きを突然するようになる場合もあります。
パパママは心配になってしまいますが、心が発達した証拠です。
この時期の子供は、イヤイヤが多く、気持ち的に納得できないことも多いですが、成長とともに納得した行動が増えると、夜泣きは減ってくると言われています。
ママは、昼間にあった出来事や行動を思い返したり、保育園に通っている場合は先生に昼間の様子を聞いてみると、原因がわかり安心できることもあるでしょう。※7
お昼寝の回数と時間も減ってくる時期でもあります。
お昼寝に合わせた生活リズムになっているか、一度見直してみましょう。
次章からは、どの月齢でも対応できる、夜泣きがひどいときの基本的な対処法をご紹介します。

 

※21 0~3才!寝かしつけまとめ。/主婦の友社/2017年2月発行
※22 発達がわかれば子どもが見える/田中真介監修/ぎょうせい/2009年発行

夜泣き対策、王道は「睡眠環境の改善」

赤ちゃんにしてあげられる夜泣きへの対策として、「赤ちゃんが気持ちよく眠れる環境作り」も1つのポイントです。
これは、どの年齢の子であっても同じ対策になります。
赤ちゃんはまだ言葉を理解できなくても、ママの優しい声や、楽しそう、嬉しそうな様子、自分に触れる手の感触を感じ取っています。
親子のふれあいを楽しみながら、安心して眠れる環境を作ってあげましょう。※23

 

【見直したい主な3つのポイント】

  • 寝具やパジャマ
  • 部屋の明かり
  • 昼間の活動量

それぞれの理由と対策方法を見てみましょう。

 

寝具やパジャマ
気持ちよく眠るために、寝具やパジャマが心地よいかどうかというのは、赤ちゃんも大人も同じです。
敷布団はかため、掛布団は軽めで、湿っていない状態が基本です。
布団干しやカバー類の洗濯は、こまめに行いましょう。
寒いときは、寝る前に湯たんぽを入れて布団を温めておくと、寝つきがよくなります。※23

 

部屋の明かり
眠るときは部屋の明かりを消しましょう。
明るい部屋では、部屋の様子が気になってしまい、なかなか眠ることができません。
寝る時間になってから暗い部屋に連れて行っても、気持ちが落ち着かず、すぐには眠れないときもあるでしょう。
夕方から部屋の照明をオレンジの夕陽色に変えるなど、徐々におやすみモードに入るなど時間の流れも考えましょう。
夜間の授乳やおむつ替えは、薄暗い部屋で手元を照らすライトなどを使うとよいでしょう。※23
また、赤ちゃんの寝具や寝室環境についての詳しい対策は
赤ちゃんにはベッド?お布団?安全な寝室の環境と夏冬の布団対策

の記事をご確認ください。

 

昼間の活動量の見直し
子供の寝かしつけでイライラ!寝ない原因と寝かしつけ対策

の記事でご紹介している通り、昼間の活動量が少なかったり、お昼寝が長かったりすると、赤ちゃんもなかなか寝られずに睡眠が浅くなってしまうという場合も考えられます。
しっかりと寝られるよう昼間の行動を調整し、睡眠リズムを整えてあげることも対策の1つです。

 

※23 小山 博史監修 赤ちゃんとママがぐっすり眠れる本  2017年8月発行 ナツメ社

ひどい夜泣きにも効果あり?!夜泣き対策グッズで子供を落ち着かせる

夜泣きがひどいときは、何をしても泣いていて「どうしてよいかわからない…」というママもいるのではないでしょうか?
睡眠環境にも日中の過ごし方にも気を付けていても、夜泣きが続く…という場合には、音楽やぬいぐるみなどの睡眠グッズを使ってみてはいかがでしょうか。

 

音楽で夜泣き対策

夜泣き対策用の音楽CDが売られていたり、寝かしつけ専用の無料動画がアップされていたりと、「音」も赤ちゃんの睡眠に取り入れやすいアイテムです。
音楽で赤ちゃんの気持ちが落ち着き、夜泣きが減る場合もあります。※24
落ち着いたヒーリングミュージックをかければ、大人もリラックスできるのではないでしょうか。

ぬいぐるみを抱いて寝る

ぬいぐるみなどのアイテムを使うと、子供も安心して眠れるかもしれません。
赤ちゃんをぬいぐるみと一緒に添い寝をさせてみてはいかがでしょうか。
ママが添い寝をしていて寝ついても、赤ちゃんはママが布団から出たことに気づき泣いてしまいます。
寝つくときからぬいぐるみが横にいれば、安心してそのまま寝られる赤ちゃんもいます。
あまり小さい頃は、ぬいぐるみが寝ている間に顔にかかってしまうと危険です。
ぬいぐるみと添い寝するのであれば、6ヶ月頃からにしましょう。※25
寝かしつけ用のオルゴール音楽がなるぬいぐるみも売られています。

※24 最新版 0~3才心と脳をすくすく育てる本/小西 行郎 監修/学研パブリッシング/2009年12月発行
※25 0~3才!寝かしつけまとめ。/主婦の友社/2017年2月発行

絶対にしてはいけない?!夜泣きの放置はアリ?なし?

欧米では、赤ちゃんの頃から大人と子供は寝室が別々にする習慣があります。
赤ちゃんが泣いても対応せず「そのまま」にして泣き止むのを待つという説もありますが、本当なのでしょうか。

 

睡眠改善には効果あり

赤ちゃんの夜泣きの対応については世界中で様々な研究が進められています。
赤ちゃんを別の部屋で寝かせ朝まで全く対応しない方法や、親子同じ部屋で寝るものの、対応しない方法で、赤ちゃんの睡眠が改善されたという複数の研究結果が発表されています。※26
それらの研究結果を踏まえ、海外では、赤ちゃんの睡眠の質を上げる方法の1つとして、赤ちゃんが朝まで泣いても対応しない方法が紹介されています。※27
ただ、睡眠の質が改善することで「夜泣きが減る」ことは期待できますが、赤ちゃんの発達への影響はまた別の問題です。
米国での研究レビューでも、赤ちゃんが泣いても朝まで対応しない方法をとった時の、長期的な影響は不明だと報告されています。※26

 

日本の習慣に取り入れやすい方法

日本では、赤ちゃんの頃から親子別室で寝る家庭は少数派です。
基本的に、同じ部屋で、また同じ布団で寝て赤ちゃんを見守る習慣ですので、親子別室で赤ちゃんが泣いても放置しておくことはできないという育児感を持つ親が多いのではないでしょうか。
赤ちゃんを放置するのではなく、夜泣きをしても抱き上げたり授乳したりせず、しばらく様子を見るという方法でも、夜泣きを減らす効果は期待できます。※26

  • すぐ抱きかかえない
  • 起こさないよう様子見
  • トントンして見守る※28

赤ちゃんが夜泣きをしたら、放っておくのではなく、これらの対応で改善しないか様子を見てはいかがでしょうか。
赤ちゃんが泣いていると、条件反射的に「抱きかかえなければ」と行動しまう方もいらっしゃるかと思います。
しかし、それを続けてしまうと夜泣きしたら抱っこするが癖になってしまう可能性もあります。※29
夜泣きは、赤ちゃんの寝言の場合もあると言います。
寝言であれば、少し待てばおさまりますので、少し様子を見て、泣き続けるようであればトントンしてあげると、赤ちゃんも起きてしまわずにすみます。

※26 小児の睡眠問題に対する行動科学的アプローチ/羽山順子 津田彰/久留米大学心理学研究 第 10 号 2011/2019年8月1日現在
https://www.kurume-u.ac.jp/uploaded/attachment/2409.pdf
※27 侮ってはいけない!生活リズム|NPO法人 赤ちゃんの眠り研究所/2019年8月1日現在
https://www.babysleep.jp/%E8%B5%A4%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93%E3%81%AE%E7%9C%A0%E3%82%8A%E3%81%AE%E4%B8%8D%E6%80%9D%E8%AD%B0/%E7%9D%A1%E7%9C%A0%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E8%B5%B7%E3%81%93%E3%81%99%EF%BC%92%E5%A4%A7%E5%8E%9F%E5%9B%A0/
※28 ママと赤ちゃんのぐっすり本「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド/愛波文・西野精治監修/講談社/2018年6月発行
※29 夜泣き - 和歌山市 の小児科 生馬(いこま)医院|小児科/2019年8月1日現在
https://www.ikomaiin.com/index.php?%E5%A4%9C%E6%B3%A3%E3%81%8D

つらい夜泣きは、パパとママで協力して乗り切ろう

産後のイライラの原因は?その解消法は?
子育てのイライラをチェック!原因と今すぐできる解消法。一人で悩まないことが大切。

の記事でもご紹介している通り、産後、子育てのイライラの元は様々なところにあります。
夜泣きにより生活リズムが大きく変化してしまうと、ママも疲れとイライラが貯まってしまい悪循環に陥ってしまいます。
まずはママ自身の生活が夜泣きによってどのようになっているのか把握をし、ママが夜泣きに対して不安を感じないようにするが大切です。
パパとの協力体制を築けるように調整しましょう。

 

夜泣きによる生活の変化で、睡眠不足ではありませんか?

家事に育児に、ママは日中休む間もなく動いています。
中には、仕事をしているママもいるかもしれません。
夜泣きは生後4ヶ月頃以降から始まり2歳すぎまで続くと聞くと、途方に暮れてしまう方もいらっしゃるでしょう。 ※30※31
毎晩夜泣きが続くと、ママは思うように睡眠がとれず、ママ自身が寝不足になってしまいますね。
寝不足になると前頭葉の働きが弱まり、ママも感情コントールができなくなってしまいます。
泣き止まない赤ちゃんにイライラしたり、育児を投げ出したくなり、自己嫌悪に陥るときもあるかもしれません。 ※32
気を付けたいのは、ママが怒ったり悲しんだりする姿を赤ちゃんに見せると、不安を感じた赤ちゃんは、ますます泣いてしまう、ということです。
そして、そんな赤ちゃんにママがイライラしてしまい、赤ちゃんはさらに泣く、という悪循環が起きます。
寝不足によって、気持ちのコントロールができなくなるのは、脳の働きからみれば当然なのです。※32

 

夜泣きは、ママとパパで協力して乗り切って

ただでさえ赤ちゃんのお世話や家事で疲れているのに、夜泣きで起こされることは、とても苦痛なことです。
普段は可愛く思える赤ちゃんに、ついイライラしてしまう場合もあるでしょう。 ※32
家事・育児をやる上で、まず頼りになる存在はパパですよね。
共働きのワーママは辛い!子育てと家事の両立、その実態と対策とは?

の記事からもわかるように、共働きのご家庭も増えているのが現状です。
夫婦共に仕事で疲れて大変ではありますが、夜泣きの対応だけでもパパに交代で相手をしてもらえれば、ママはすごく助かります。
イライラがピークに達し何も対策が浮かばないというときは、パパに赤ちゃんの相手をお願いしてみたり、数分だけ寝室から離れて深呼吸をしたり、お水を一杯飲むなどして、気持ちを落ち着かせてみましょう。
パパにお願いすることは、簡単なお世話から始めてみるのがおすすめです。
まずは、ミルクの作り方とあげ方、オムツの替え方などを、パパの仕事がお休みの日を利用して、少しずつ覚えていってもらうようにしましょう。
パパにとっては負担になるかもしれませんが、赤ちゃんに本当に手がかかる時期は、いつか終わります。
夫婦で協力しながら夜泣きに付き合って、体調をくずさないよう助け合うことも対策の1つと考えられるといいですね。※33
子育てと仕事を両立させたいママには、
子育てと仕事を両立するためのポイント!

の記事もおすすめです。

 

夜泣きがつらく、子育てが不安になったら…

どうしても子育てへの不安を抱きがちになる、赤ちゃんの夜泣き。
乳児の場合、夜だけではなく、夕方に泣き続ける黄昏泣きというのもあります。
黄昏泣きの原因はまだ不明な点もあり、誰にでも有効な対策は見つかっていません。
このような「子供がなぜ今泣いているのか分からない」という状態が、ママやパパにとって一番の不安材料なのではないでしょうか。 ※30
世の中にあるたくさんの育児雑誌や育児書に書かれているのは、あくまでも発達の目安としてのアドバイスであり、完璧な対策はありません。
実際には、赤ちゃんの発育や性格は、みな違います。
大切なのは、泣き止まずにイライラしてしまうからといって、ママやパパが自己嫌悪に陥らないことです。
さらに、夫婦喧嘩は
夫婦喧嘩が子供に与える影響はこんなにこわい!

の記事でもご紹介しているように、子供へも影響してきます。
なかなか泣き止まず辛くなったときは、まず、ママは自分の気持ちを落ち着かせましょう。
赤ちゃんの方も、毎回同じ理由で泣いているとは限りません。
赤ちゃんの様子をよく見ながら、対策を一つずつ試していくくらいの大らかな気持ちで接していきましょう。
それでも不安が解消されない場合は、お住まいの自治体が行っている、保健師や助産師による「新生児訪問指導」などを利用しましょう。
赤ちゃんのお世話のプロに、育児の悩みや不安について相談することができます。
インターネットや情報誌などで、育児に関する情報を手に入れることもできますが、ひとりで悩みを解決することは簡単ではありません。
家の中にこもり、1日中赤ちゃんと二人で過ごすことは、ママのメンタルにも大きな影響を及ばします。
その点、家族以外の誰かに会い、不安や悩みを打ち明けるだけでも、心が軽くなるかもしれません。
夜泣きがつらくなったら…

  • まずはパパと協力して、気持ちを落ちつかせる
  • 赤ちゃんの様子を観察し1つずつ対策を試してみる
  • つらい時には保健師さんの訪問指導や保健所の相談窓口を頼る

子育ての正解は一つではありません。
いろいろな意見があるのも当然です。
いくつもの意見の中から、自分たちに合う対策を探していけば良いのです。
その中で、赤ちゃんとママやパパにできること、赤ちゃんにとって心地よいと感じることを探し出していきましょう。
実際に相談できる場所を利用することで、育児に対するママの不安や悩みを軽減できれば、前向きになれるのではないでしょうか。 ※33※34
赤ちゃんの夜泣きは誰でも通る道だと考え、おおらかな気持ちで接してあげたいですよね。
赤ちゃん自身が、ゆっくりと大きく育っていくために、「今を乗り切る」その子に合った対策を、見つけてください。

※30 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※31 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※32 小山 博史監修 赤ちゃんとママがぐっすり眠れる本  2017年8月発行 ナツメ社
※33 J-STAGE 日本公衛誌 第52巻 第4号 保健師・助産師による新生児訪問指導事業の評価/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/52/4/52_328/_pdf
※34 J-STAGE ワーク・ライフ・バランスと乳幼児を持つ父母の育児行動と育児感情/2019年8月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/63/4/63_345/_pdf 

まとめ

赤ちゃんの夜泣きについてご紹介いたしました。
夜に赤ちゃんが「泣く」という行為は、新生児の頃から2歳すぎまで断続的に続く可能性があります。
赤ちゃんが「泣く」のには必ず原因がありますが、赤ちゃんの発達段階によりその原因は異なります。
小さいうちは、睡眠サイクルが整わず昼夜の区別がつかないために頻繁に起きてしまいますが、1歳に向けて徐々に整います。
すると、今度は赤ちゃんの心身の発達により、精神的な不安が原因となる夜泣きが起きる子もいます。
あまりに泣かれるとパパママはイライラしてしまうのも仕方ありません。
しかし、親がストレスをためていると、赤ちゃんの不安も増幅し、さらなる夜泣きを招いてしまうことも考えられます。
赤ちゃんの睡眠環境を整え、今回ご紹介したような夜泣き対策を試して、夜泣きを減らす工夫をしてみましょう。
「赤ちゃんのために」と思い対応していた泣いた時の抱き上げが、夜泣きの原因ということも考えられますので、いろいろ試してみることをおすすめします。
それでも泣き止まずに、ママがストレスをためてしまうのであれば、パパと協力をしたり、地域のサポートを利用したり、一人で抱え込まないよう早めに対策を取りましょう。

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