保育園・幼稚園に「行きたくない」!登園渋りの原因は?
子どもが園に「行きたくない」と朝からぐずってしまうことはありませんか?
登園渋りの原因は年齢ごとに様々で、ママと離れたくないだけではありません。
慣れてきたはずの2歳頃に登園を嫌がったり、3歳になっても行きたがらなかったり、子どもによって時期も理由も様々です。
目次
- 「行きたくない」!登園渋りの原因
- ママと一緒にいたい
- 体調が悪い
- 園でイヤなことがあった
- イヤイヤ期
- 保育園・幼稚園を嫌がるときの対応は?
- 楽しい一日が待っていると伝える
- 保育園に行く理由を丁寧に説明する
- 親が率先して挨拶をする
- 登園渋りを先生に伝える
- 園での様子を聞いてみる
- 2歳ごろの「行きたくない」はイヤイヤ期?
- 3歳(年少)頃の登園渋りは、友達トラブルの場合も
- 4歳(年中)も友達関係で保育園を嫌がることも
- 5歳(年長)でも行きたくないこともある
- 園を休ませる基準とは?
- 毎日の「行きたくない!」に困ったら
- まとめ
「行きたくない」!登園渋りの原因
毎日通うべきところに「行きたくない」ことは、大人でもありますよね。
子どもを怒ったりなだめすかしたりしてその場をやり過ごすのではなく、「なぜ今日は行きたくない」のかを探ることが重要です。
理由によっては、「毎日行きたくない」のかもしれません。
行きたくない主な理由を探りましょう。
ママと一緒にいたい
子どもの通園は早ければ、幼稚園で3歳、保育園なら0歳の頃から始まります。※1
この時期に保育園や幼稚園に通い始めた子どもたちは、本来ならお友だちと園庭や公園で遊べるので、園は「楽しい時間を過ごす場所」になるはずです。
しかしそれ以上に、子ども自身が「ママと一緒にいたい」という気持ちが強くなると、園に通うこと自体を拒否してしまいます。
特に連休明けなど、長いお休み明けの時は、昨日までの「ママとずっと一緒」の生活から一転することになります。
自分の希望とは違う行動をしなくてはならないために、「イヤだ、行きたくない」という行動が現れるのです。
いきなり「行きたくない」と言われるとママも焦ってしまいますが、少なくとも連休明けの朝は「行きたくないと言われるであろう」と、予測しておくと良いでしょう。
体調が悪い
子どもには、「ママと離れるのがイヤ」という感情の他にも、子どもにしか分からない「行きたくない理由」があります。
例えば、体調の変化。
明らかに発熱している、下痢やおう吐をしているような状態なら、園を休ませることになります。
しかし、それ以外に「お腹が痛い」「頭が痛い」「体がだるい」などの変化があっても、子どもはそれを上手く伝えることができません。
どこかが変な感じがする、でもどこがどうなっているのか、子ども自身も分からず伝えられないこともあるのです。※2
園でイヤなことがあった
また、園でイヤなことがあったとき、朝になってそれを思い出すと、行きたくない気持ちが大きくなります。
子どもが「園でのイヤなこと」を話してくれれば、親としても対処できるかもしれません。
しかし上手く言葉にできないと、「園でのイヤなこと」は不明なままです。
少しずつ、断片的なことでも話してくれるか、それを親がしっかりと受け止められるかどうかが、子どもの「行きたくない」サインを見逃さない、一つのポイントであるといえます。
これによって、子どもの「行きたくない」を予測できるかどうかが変わってきます。
イヤイヤ期
2歳~3歳くらいの時期は、一般的にも「魔の2歳児」や「イヤイヤ期」と呼ばれていて、かんしゃくを起こす、何にでも「イヤ!」「自分でやる!」など自己主張が増える時期です。※1
気まぐれでわがままで、やきもちを焼いたり、独り占めしたがったりすることもあるでしょう。
嘘をつく、都合の悪いことは無視するなどの行動がみられることもあります。※1
この時期は、ほんの少しきっかけでも「行きたくない」につながる時期です。
ただこれは、子どもにとっては、一人前の子どもになる過程の一つであり、誰もが通る道。
子どもが何にでも「イヤ!」というのは、自分の考えを相手に伝えることができるようになった証です。
子どもの様子をじっくり見ていると、機嫌の良し悪しなどにより、「はい!」と、とても良い返事が出来る時もあるはずです。
※1 発達がわかれば子どもが見える 0歳から就学までの目からウロコの保育実践/田中真介監修 乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい/2022年10月23日現在
https://shop.gyosei.jp/products/detail/5291
※2 朝日新聞出版 編著 2016年11月30日発行 保活から新制度・園生活まで保育園で困ったときに開く本/2022年10月23日現在
https://books.rakuten.co.jp/rb/14507751/
保育園・幼稚園を嫌がるときの対応は?
家を出ようとして子どもが「行きたくない」と泣いて訴えるときは、まずは子どもを落ち着かせましょう。
無理に家を出て連れて行こうとすると、子どもは園に行くこと自体に悪い印象を持ってしまうかもしれません。
まずは一度「そっか、幼稚園に行きたくないんだね」と、子どもの気持ちを受け止めます。※2
楽しい一日が待っていると伝える
子どもが行きたくないと訴える時は、何かしらの理由があるはず。
行きたくない理由は人それぞれですし、いつも同じ理由とは限りません。
体調不良なのか、園での出来事が原因なのか、可能性を一つずつ消していきます。
体調には問題が無さそうなときは、園の方が家よりも楽しいと思えるよう、下記のような内容を子どもと話し合ってみてはいかがでしょうか。
- 仲良しのお友だちとたくさん遊べること
- 園庭の中で思いっきり外遊びができること
- 皆と一緒に歌や踊りで体を動かせること
- 家には無いおもちゃ(パズル、ブロック、積み木など)で遊べること
「○○ちゃんが遊ぼうって待っているよ」、「今日はどんな工作をするのかな?」「今日はブロックで怪獣作ってみたら?」など、園での楽しいことを伝え、子どもの気持ちが前向きになる声掛けをしましょう。
ただ、この場合でも、「そっか、幼稚園に行きたくないんだね」と一度は子どもの気持ちに共感します。※2
その上で「でもね……」と切り返し、幼稚園での楽しいことを想像できるような言葉をかけてあげてください。
保育園に行く理由を丁寧に説明する
保育園ママにとって、子どもが保育園に行ってくれるかどうかは、その日の仕事に関わる問題です。
なぜ保育園に行くのか、その理由も伝えてあげないと子どもは納得できていないかもしれません。
理由を説明する際には、「行ってくれないと困る」というのは避けたい言い回しです。
「行ってくれないと困る」と繰り返し伝えると、子どもは「自分は(家に)居ない方が良いんだ」と思ってしまう可能性もあります。
一度は子どもの気持ちを受け止め、その上で「●●ちゃん(君)が保育園でみんなと楽しく過ごしているとママは安心してお仕事に行ける」と声がけできるといいですね。
親が率先して挨拶をする
「挨拶を返してもらえなかった」ことも、子どもが園に行きたくない理由の一つです。
家とは違う集団に入っていくことは、子どもにとって緊張するものです。
特に進級間もない頃は、なおさら、子どもながらに「おはよう」と声に出して自分を奮い立たせようとします。
しかし周りの人から「おはよう」の声が返ってこないと、それだけで緊張感が高まってしまいます。
園に着いたら、親から積極的に先生や周りの子どもたちに挨拶をしてあげてください。
それが返ってくると、子どもも真似をして挨拶をするでしょう。※2
周りの人からしっかり挨拶が返って来れば、子どもは安心して園に入っていくことができます。
登園渋りを先生に伝える
子どもが園に入ったときに泣いていなかったとしても、先生には行き渋りのことをしっかり伝えます。
先生も子どもの様子が分かり、再び泣き出すようなことが無いか、みんなの輪に入って行けるか気にかけてくれるでしょう。
子どもを先生に引き渡したら、すぐに姿が見えなくなるようにその場を立ち去ります。※2
いつまでも子どもを見送っていると、子どもは「嫌がればママと一緒に帰れるかもしれない」と期待します。
園に着いたら、子どもが気持ちを切り替えられるよう親はさっと立ち去るべきです。
園での様子を聞いてみる
子どもながらに、お友だちと上手く遊べないなど集団生活における何かしらの困りごとを抱えていることもあります。
また、園の中には臭い、音、色、形など、その子供だけが嫌がるものがあるのかもしれません。
それは何なのか子供から聞き出せると良いのですが、難しい場合は園での様子を先生に聞いてみましょう。
※1 発達がわかれば子どもが見える 0歳から就学までの目からウロコの保育実践/田中真介監修 乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい/2022年10月23日現在
https://shop.gyosei.jp/products/detail/5291 ※2 朝日新聞出版 編著 2016年11月30日発行 保活から新制度・園生活まで保育園で困ったときに開く本/2022年10月23日現在
https://books.rakuten.co.jp/rb/14507751/
2歳ごろの「行きたくない」はイヤイヤ期?
赤ちゃんの時期に泣いていやがるのは、ママと離れたくない不安が一因です。※3
人見知りが強い子の場合、園の先生に「この子は○○をすると安心する」「こうすると喜ぶ」などを伝えておくと、赤ちゃんも安心して園で過ごせます。※3
一方、言葉が出始め自我が芽生えてくる「イヤイヤ期(魔の2歳児)」になると、ちょっとしたことがきっかけとなり「行きたくない」と主張をしたり泣きわめいたりします。
理由があっても上手に伝えられず「イヤ!行かない」とぐずっている可能性もあります。※1
そんなときは、園での様子やお友達とトラブルを起こしていないかなど、保育士に相談してみると何か原因が見つかるかもしれません。
イヤイヤ期の時期は、はやければ1歳半ごろから始まり、3歳すぎまで続きます。
子どもの「イヤ」に対応できるよう時間の余裕も必要です。
※1 発達がわかれば子どもが見える 0歳から就学までの目からウロコの保育実践/田中真介監修 乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい/2022年10月23日現在
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※3 分離不安および人見知り/MSDマニュアル家庭版/2022年10月23日現在
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/23-%E5%B0%8F%E5%85%90%E3%81%AE%E5%81%A5%E5%BA%B7%E4%B8%8A%E3%81%AE%E5%95%8F%E9%A1%8C/%E4%B9%B3%E5%85%90%E3%81%A8%E5%B9%BC%E5%85%90%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6/%E5%88%86%E9%9B%A2%E4%B8%8D%E5%AE%89%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E4%BA%BA%E8%A6%8B%E7%9F%A5%E3%82%8A
3歳(年少)頃の登園渋りは、友達トラブルの場合も
3歳頃は、言葉や運動能力の発達がぐんぐんと進む時期。
体も心も乳児から幼児へと切り替わり、子ども同士で遊べるようになり、遊びの中で貸し借りや順番を待つことも少しずつ分かるようになります。※1
ただまだ3歳児。
貸してといっても貸してもらえなかったり、順番を抜かしたり抜かされたりなどのトラブルも日常茶飯事です。※1
お友達とのトラブルが続き「行きたくない」のかもしれません。
園での様子を、先生に確認してみてください。
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4歳(年中)も友達関係で保育園を嫌がることも
4歳をすぎると、少しイヤなことがあっても頑張れたり、友達と協力したりもできてきます。※1
一方で、まだまだ泣けてしまったり、怒ったりすることも多く、友達に攻撃的な言葉を言ったりすることもあるでしょう。※1
ただ、子どもも怒ったり攻撃的な言葉を掛けたりするのがよくないことだと分かってはいるはず。
子ども自身も、「こうしたい」「こうあるべき」とそれができない間で揺れています。※1
先生と相談しながら子どもの気持ちをサポートしていきましょう。
※1 発達がわかれば子どもが見える 0歳から就学までの目からウロコの保育実践/田中真介監修 乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい/2022年10月23日現在
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5歳(年長)でも行きたくないこともある
子供も5歳くらいになると、周りを見る目が育ってきます。
例えば、3歳や4歳なら「○○ちゃんは意地悪」と感じていたことも、5歳くらいになると「○○ちゃんは意地悪なときもあるけど、年下の子にはやさしい」など、状況を捉えるようになります。※1
また集団生活のルールを守ることで気持ちよく過ごせること、集団の中で上手にふるまうことを理解し始めます。※1
ルールを守ったりお友達と上手く遊んだりしているように見えても、我慢していることもあるかもしれません。
一番年上の学年として、子どもなりに「しっかりしなければ」と感じていることもあるはずです。
子どもの話をよく聞いてあげたり、園での様子を先生に聞いたりしながら、子どもの不安をとりのぞいてあげられるといいですね。
※1 発達がわかれば子どもが見える 0歳から就学までの目からウロコの保育実践/田中真介監修 乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい/2022年10月23日現在
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園を休ませる基準とは?
当たり前ですが、体調不良が行きたくない原因であれば、園は休ませるべきです。
小さいうちは、子どもは自分で体調が悪いことを伝えられません。
熱がないか検温するだけでなく、普段と違う様子がないか、子どもをよく観察します。
ママが子どもの変化に気づくためには、日頃から子供の訴えを聞く姿勢が必要です。
発熱、おう吐、下痢などの症状がないのに、朝の登園時になると「お腹が痛い」とくり返す場合、何かしらのストレスを抱えていて、園には行きたくないと訴えていることもあります。
続くようであれば、かかりつけの小児科に相談しましょう。
毎日の「行きたくない!」に困ったら
朝、子供に「行きたくない」と泣かれると、ママも気持ち良く送り出すことができませんよね。
何かしらの原因があったとしても、早急に解決しようとするのではなく、焦らずじっくりと子供の訴えに耳を傾ける姿勢が大切です。
また、子供が抱える理由の中には、ママだけでは対応が難しいことがあります。
子供の成長はママだけが支えるのではなく、時にはパパの協力も必要です。※2
子供の「行きたくない」が解決しないときは、思い切って周囲の人の力を借りましょう。
地域の保健師や、地域で行われる子育て相談などで相談できます。
自分と子供の状況を客観的に見て判断してもらうことで、解決の糸口が見つかるかもしれません。
※2 朝日新聞出版 編著 2016年11月30日発行 保活から新制度・園生活まで保育園で困ったときに開く本/2022年10月23日現在
https://books.rakuten.co.jp/rb/14507751/
まとめ
朝の登園時間が近づくと、「行きたくない」とぐずり出す時期もあります。
それは、子どもからの何かしらのシグナルかもしれません。
親の対処法によっては、気を取り直して登園出来る子供もいますが、場合によっては本当に休ませた方が良いこともあります。
大切なのは、普段から子供の様子をよく観察し、子供の訴えに耳を傾けること。
忙しい毎日、「行きたくない」が続くとイライラしてしまいますが、子どもの気持ちに寄り添うことで「行きたくない」は減らせるかもしれませんよ。