子供の英語教育への対策と不安なことは?年齢別に解説

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2020年からはじまる新学習指導要領により、英語教育が大きく変わります。
今回は、楽天スーパーポイントギャラリーで実施した教育に関するアンケートキャンペーンの中から、今後の英語教育に関する設問をピックアップしてご紹介いたします。
本記事では、0歳から高校生のお子様の保護者の方々の回答を元に、今後の英語教育に対して家庭でどう対策をしているか、また英語教育に対してどのような不安があるのかを学年別にご紹介します。

学校の英語教育改革に備え、既に対策をとっている家庭は14%

2020年からはじまる教育改革。
実施まで1年を切り、改革の内容に注目が集まっています。
この教育改革の目玉とも言える変更が「小学生の英語教育」と「大学入試センター試験の廃止」です。
小学生の英語授業では、小学3年生から「外国語活動」が時間割に組み込まれ、小学5年生からは、英語が「教科」になります
さらに、大学入試制度も変わります。
2021年度から、センター試験が廃止され「大学入学共通テスト」が始まります。
英語については、民間資格の成績が適用される予定です。
制度の変更に伴い、家庭で「どのような勉強をしたらよいのか」心配をされる親御さんも多いのではないでしょうか。

楽天スーパーポイントギャラリーで実施した教育に関するアンケートキャンペーンで「2020年からの英語教育」について調査したところ、「新制度への勉強の対策を既に進めている」と回答した方々(0歳~高校生のお子様の保護者)は16%と少数派であることがわかりました。
一方、「不安を感じながらもまだ対策はしていない」と回答は38%であり、不安を感じているが具体的な対策がわからないという状況が見受けられます。

さらに、具体的な勉強の対策を進めているかいないかを問わず、今後の英語教育に不安を感じているかどうかという観点で見てみると、全体の71%と多くの保護者が今後の英語教育に不安を感じていることがわかります。
次章からは、お子様の年齢別に、英語教育への備えの状況と保護者の方々が感じている英語教育への不安について解説します。

【0歳~年長】英語を始めている子は約1割!早期教育志向に戸惑いも…

最近では、乳幼児のうちから「英語」は人気の習い事です。
未就学のお子様を持つ保護者の方々でも、英語教育に関心を持つ方は多いようです。
今回のアンケート調査のうち、0歳~年長のお子様がいる保護者の方の回答では「不安に思うが何もしていない」が39%で最多でした。
一方で、未就学の年齢にもかかわらず、既に10%以上が子供の英語教育への対策を進めているという結果が出ており、関心の高さが伺われます。

同アンケートでは、「英語教育について不安なこと(自由回答)」についても調査いたしました。

 

0歳から年長までのお子様のいる保護者の方々の悩みとしては、

  • 早期に英語を始めると日本語も英語も中途半端にならないか、いつはじめたらよいか
  • 親は英語が苦手。どう教えたらよいのか
  • 学校で英語の授業についていけるのか
  • 幼児期から習わせたいが、費用が高い
  • 塾や教材の選び方がわからない
  • 学校教育の英語で話せるようになるのか

などが挙げられていました。

 

「いつから英語をはじめたらよいか」という悩みは、日本語を覚え始めのこの時期ならではの悩みと言えそうです。
「赤ちゃんと英語」赤ちゃんにはいつからどう教えていくのがベスト?

の記事では、日本語がある程度、理解できる5歳頃から始めてもよいのでは?と英語のスタート時期について解説しています。

 

親の世代では、乳幼児期から英語を学んでいた方は少ないこともあり、塾や教材の選び方や子供への教え方に悩む方も多いでしょう。
幼児期の英語レッスンは、勉強することよりも英語に親しみ、楽しめるかどうかがポイントです。
幼児英語はどう始める?知っておきたいポイント4つ

で、詳しくご紹介しています。

 

【小学生】英語カリキュラムの導入に備え20%以上は既に対策をしている

2020年度からの新学習指導要領で最も影響を受けるとされる小学生。
既に、低学年のうちから外国文化に親しむ授業を取り入れている学校もあり、子供も興味関心を持ちやすい学習環境づくりが進められています。
そのような影響もあるのか、本アンケート調査によると小学生のお子様を持つ保護者の方の20%以上が、「既に英語教育の対策を進めている」と回答しています。

また、同アンケート内の「英語教育について不安なこと(自由回答)」の設問では、

  • 学校の授業についていけるか
  • 今後、学校の授業がどのような内容になるのか
  • 英語塾はどういう基準で選べばよいか
  • 通わせたい英語塾がない
  • 将来使える英語力が身につくのか
  • 塾に通わせたいが費用がかかる

などの悩みが挙げられていました。

 

ついていけるか不安という回答には、「周りが塾などに通っているので、周りについていけるのか」というものと、「学校の授業そのものについていけるのか」ものがありました。
小学生になると、既に習い事として英語を学んでいる子も増えてくるので、差が開いてしまうと感じている保護者の方もいるようです。

 

また、塾選びに対する不安の声にもいくつかのパターンがあります。
周りに塾が多すぎて選び方がわからない、近所に英語塾がない、ネイティブの先生のクラスがないなど、悩みは様々です。
最近では、通塾タイプの英会話レッスンだけでなく、オンライン英会話や通信教材・タブレット教材でも英語を学ぶことができます。
選択肢が増えているがために、迷ってしまう方も多いかもしれません。

英語に限りませんが、習い事は無理なく通えるものを親子で選ぶことが上達のポイントです。
小学生の塾・習い事選びについては、
小学生に塾や習い事は必要?子供の個性と環境に合わせた選び方を

で詳しくご紹介しています。

 

小学校高学年になると

  • 中学受験と英語学習の両立
  • 既に習っていても、きちんと身についているのか
  • リスニングを強化したい
  • 学校の先生の英語力が心配

などの不安も見られます。

 

高学年になると、英語力がついてきているからこそ子供の足らない技能が目に付いたり、中学受験でどのように英語を学んだらよいのかなど、悩みがより細分化されていくようです。

中学受験の英語については、
中学は私立と公立どっちがいいの? 公立中高一貫校と私立中学の違い

こちらの記事で詳しくご紹介しています。

 

【中学生】子供の英語力が具体的に見えてくる時期。テストや受験に対する不安も。

保護者の方々が子供のころから、中学生になると授業もテストもあったのではないでしょうか。
しかし、親世代が中学生の頃の英語のカリキュラムと今後の英語のカリキュラムは、難易度が全く違います
今後は、いままで高校生の学習内容であった一部の内容は中学時点で終了するなど、学習の難易度が上がり、ヒアリングやスピーキング、プレゼンテーションなどの能力も必要になります
最近では、中学卒業時に英検2級に合格する目標を掲げている私立中学校もあり、パパやママが子供の頃とは学習環境が全く異なるのです。

今回のアンケートでは、中学生の保護者の方々の回答を見ると、20%は「既に対策を進めている」と答えています。
さらに「塾や通信教育などを具体的に考えている」も20%となっており、小学生よりも具体的に検討を進めている方が多いことが分かります。

「英語教育について不安なこと(自由回答)」の設問では、

  • 今後さらに英語学習が難しくなり、ついていけるのか
  • リスニングが出来ていない
  • どう対策していけばよいのか
  • 既に授業についていけてない
  • 通っている塾の講師の質や学校の先生の語学力で子供は話せるようになるのか

などの不安が挙げられていました。

 

高校受験・大学受験を見据え、今後どのように勉強していくべきなのか、また、試験対策の勉強をするだけで、海外で通用する語学力が身につくのか、気になっている方も多いようです。
親世代は、学校の英語教育を受けていても、実際に話せるようにはならなかったという経験をしている方も多いと予想され、子供には使える英語力をつけて欲しいという思いもあるのかもしれません。

中学校の英語学習については、
【私立・公立】中学と高校の勉強!違いと塾選びに注目!

で詳しくご紹介しています。

【高校生】変わる大学入試への備えは?対策方法がわからない

2021年度から大学入試センター試験が廃止され大学入学共通テストがスタートします。
英語は、英検やTOIC・TOEFLなどの民間試験の成績が入試に活用されます。

今回のアンケートでは、高校生の保護者の方々の回答では、「不安に思うが何もしていない」が37%と最も多く、「なんとも思わない」が30%という結果でした。
小中学生よりも「なんとも思わない」の割合が多いことが分かります。

 

 「英語教育について不安なこと(自由回答)」の設問では、

  • 勉強のさせ方がわからない
  • 塾の選び方がわからない
  • 会話できるようになるにはどうしたらよいか
  • 本人が英語に興味関心がない
  • 受験対策の英語と使える英語にギャップがある

などの悩みが挙げられていました。

 

既に中学・高校の勉強を通じて子供が英語嫌いになってしまっている場合もあるようで、興味を持たせる方法や勉強をさせる方法が、悩みとしてあげられていました。
また、受験対策としての英語と、使える英語(英会話)に差があるため、どちらに重点を置いて勉強をさせるのか悩むという意見も多くみられました。

2020年の教育改革、学校の英語教育はどうなる?

2020年以降、学校での英語教育は大きく変わります。※1

  • 小学校では5年生から教科として導入される
  • 中学ではコミュニケーション能力を伸ばすカリキュラムが取り入れられる
  • 高校の英語学習は、民間試験が導入される大学入試に備え4技能を重視したカリキュラムになる

このように、小中高を通じて今後の英語教育は「聞く・読む」英語から「コミュニケーション重視」に変わります。※2

 

しかし、学校教育の現場で具体的にどのような英語学習が行われるのか、受験対策の英語はどう進めたらよいのかなど、不明な点も多く戸惑う保護者の方も多い時期だと言えます。
小学校の英語授業については、
小学校で導入された英語授業はどんなもの?親が押えておくきポイントとは

こちらの記事で、さらに詳しくご紹介しています。

中学・高校の勉強は、受験や進路にも関わります。
試験の制度や出題の範囲など、最新情報を入手できるように塾や学校との関係性を築いておくことも大切になりそうです。

英語教育は、これからの数年で大きく変化することが予想されますが、どの年齢においても従来の英語教育よりも実践的なカリキュラムになることは間違いありません。
この機会に、子供の英語学習にあわせて親子で英語を学んでみるのもおすすめです。
親子のコミュニケーションの種にもなりますし、身近な競争相手として子供のやる気を引き出せるかもしれませんよ。

 

※1 迫る大学入学共通テスト 英語民間検定試験の全体像 | 教育新聞/2019年7月10日現在
https://www.kyobun.co.jp/commentary/cu20190402/
※2 今後の英語教育の改善・充実方策について 報告/文部科学省/2019年7月10日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm

アンケート実施概要

タイトル:教育に関するアンケート
実施期間:2019年5月29日~2019年6月28日
回答数:18371
Q1.未既婚に関してのご質問
既婚 10751 / 未婚 6839 / その他 777

Q2.既婚の方に質問です。現在共働きですか。(任意)
夫が働いている 4176 / 妻が働いている  336 / 共働き 5457 / その他 3341

Q3 -1.ご自身の職業について教えてください。
会社員 9140 / パート・アルバイト 2183 / 自営業 1480 / 自由業 594 / 専業主婦 2015 / 主婦 1777 / 学生 237 / その他 947

Q4 - 1.お子様はいらっしゃいますか。
はい 8548 / いいえ 9823

Q4 - 2.お子様の学年を教えてください。
0歳 207 / 1歳 168 / 2歳 221 / 年少 322 / 年中 230 / 年長 241 / 小学1年 273 / 小学2年 246 / 小学3年 268 / 小学4年 242 / 小学5年 216 / 小学6年 258 / 中学1年 235 / 中学2年 265 / 中学3年 269 / 高校1年 314 / 高校2年 283 / 高校3年 338 / 大学1年 328 / 大学2年 274 / 大学3年 291 / 大学4年 309 / 大学院生 546 / 浪人中 73

Q4 - 3.現在、お子様の受験対策をされている、また今後、受験対策をする予定がありますか。
はい 2594 / いいえ 7556

Q4 - 4.2020年からの英語授業改革について、どうお考えですか。
なんとも思わない 4119 / 既に勉強の対策をしている 625 / 塾や通信教育を考えている 413 / 不安に思うが何もしていない 1786

英語について、不安に思う点、塾選びなどで悩んでいる点がありましたらお書きください。(自由回答)

Q5.勉強・受験の悩み、最近の子育ての悩みなど、ご自由にお書きください。(自由回答)

※本記事で取り上げた「英語教育に関するアンケート」は、0歳~高校生のお子様がいる方の回答を集計しています。

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