英語が苦手な親でも大丈夫。子供に英語を教える時に大事にしたいこと!

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2020年より、小学校中学年から外国語活動が必修化となりました。
英語は世界でも多く使われており、これからの時代、英語は必要であるという親の認識も強くなっています。
子供の将来のためにと、小さい頃から英語を習わせている親御さんも多くみられます。
しかし、教え方によっては、子供が英語嫌いになってしまう可能性もあります。
子供が英語を嫌いにならないよう、親ができる英語の教え方をご紹介します。

目次

  1. 英語はなぜ必要なのか
    • 英語は世界中で使われている
    • 外国人と接する機会の増加
    • 英語が話せるとよいことがある
  2. 英語は意外と身近で使われている
    • 生活の中には英語がたくさん!
    • 子供も普段の会話で自然と英語を使っている
  3. 小学校の英語での活動はどうなっている?
    • 小学校3・4年生
    • 小学校5・6年生
  4. 英語は長期戦で身につけるもの
    • 低年齢からの英語教育に問題はないが…
    • 年齢に適した英語学習を
    • 英語はすぐには身につかない
  5. 子供に英語を教える時のポイントと注意点
    • 英語は楽しいと感じさせる
    • 親も一緒に英語を楽しむ
    • 学習結果はすぐには出ない
  6. まとめ

英語はなぜ必要なのか

英語は世界中で使われている

世界中にはいろいろな言語があります。※1、2
母語としてもっとも多く話されている言語は中国語で、次いで英語、スペイン語、ヒンディー語、アラビア語、ポルトガル語、ロシア語、ベンガル語、日本語と続きます。
このほかにも世界では数え切れないほどの言語が使われています。※1、2
現在、世界の国の数は196か国あり、そのうち英語を公用語・準公用語とする国は約54か国あります。
いまや英語は世界中の共通語として使われています。※3、4
日本国内ではほぼ日本語が話されていますが、世界の国をみると、同一国内でも複数の言語が存在する国があります。
インドでは、公用語として「ヒンディー語」、準公用語として「英語」が使われていますが、そのほかにもさまざまな言語が飛び交っており、言語が異なる人同士で話す場合は、英語が使われているようです。※5

外国人と接する機会の増加

最近では、携帯やパソコンを使ってリアルタイムに外国の人たちと話をする機会も増えています
学校の勉強の一環であったり、仕事のやり取りであったりと、直接外国人に会わなくても話す機会はたくさんあります。※2
日本へ訪れる外国人も年々増加傾向にあり、2018年では過去最高の入国者数となっています。※2、6
また、近所に外国人が引っ越してくることも珍しくない地域もあるかもしれません
インド人、アメリカ人、フランス人など様々な国の人と話す時、やはり英語を使って話すのではないでしょうか。※2

英語が話せるとよいことがある

将来英語を話せなくても仕事に就くことはできますが、英語を話せるとなると、将来の仕事の選択肢が広がります。※2、5
英語で話す仕事ではない場合でも、外国人と接する機会は多く、活躍の場は広がります
幼稚園や学校の先生においては、日本語が話せない子供がクラスにいれば、その子供や両親とも学校のことで連絡を取り合っていく必要があります。
警察官であれば、日本に旅行に来ている外国人が何かに困って訪ねてくることも多いです。
お店の店員さんだって、同じです。
このように英語を話せれば、さまざまな国々の人とコミュニケーションをとることができます
いまやどんな仕事に就いても英語は必要といえるのかもしれません。※2、5
また英語が使えると、仕事以外の自分のプライベートでも楽しみが増えます。
日本語訳や翻訳なしでオリジナルのニュアンスを楽しめるでしょう。※5

参考

※1 文部科学省 (1)世界の母語人口(上位20言語) / 2021年1月29日閲覧
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379956.htm
※2 鈴木佑治(著) 2008年6月発行 英語が大好きになっちゃう本 Global English 小学館
https://product.rakuten.co.jp/product/-/832d747d31689ae47fe87ee55d79c886/spec/
※3 外務省 世界と日本のデータを見る(世界の国の数、国連加盟国数、日本の大使館数など) / 2021年1月29日閲覧
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/world.html
※4 文部科学省 (3)英語を公用語・準公用語等とする国 / 2021年1月29日閲覧
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1379959.htm
※5 廣瀬由衣(編) 2018年2月発行 学校では教えてくれない大切なこと(20) 英語が好きになる 旺文社
https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011193
http://obunsha.tameshiyo.me/01119301?page=5
※6 法務省 平成30年における外国人入国者数及び日本人出国者数等について(確定値) / 2021年1月29日閲覧
http://www.moj.go.jp/isa/publications/press/nyuukokukanri04_00080.html

英語は意外と身近で使われている

生活の中には英語がたくさん!

私たちの生活の中には、英語がたくさん使われています。※2、5
普段カタカナで表記される言葉が英語由来の場合も多いです。
アクセントなどは違いますが、キャンディ、ケーキ、サッカー、スタート、カメラなどは英語でも使われます。※2、5
カタカナ表記でも英語が略されて使われている場合もあります。
パソコン→パーソナルコンピューター、ビル→ビルディング、デパート→デパートメントストアなどは英語を略して使われています。※2、5
このように英語はカタカナにして身近に使われています
子供と一緒にカタカナ表記するものを探してみたり、カタカナの意味について調べたりするのも面白いかもしれません。
身近なもので英語に触れてみましょう。※2、5

子供も普段の会話で自然と英語を使っている

ふと子供同士の会話に耳を傾けてみると、家庭で英語を教えているわけでもないのに、子供たちが自然と英語を使っていることがあります
最近ではゲームをする子も多く、そこから英語を吸収しているようです。※5
ある姉弟の会話をみてみましょう。※5
弟:ねえねえお姉ちゃん、僕○○ゲットしたよ。
レベルも30になったよ。
姉:いま私はレベル31だから、もう少しで一緒だね。
私にも次やらせて~
弟:うん、いいよ。
いまセーブするからちょっと待って。
この会話の中には、ゲットレベルセーブという英語が使われています。
知らず知らずのうちに覚えていたのです。
このように好きなことで英語を取り入れれば、スムーズに吸収できるのかもしれません。※5

参考

※2 鈴木佑治(著) 2008年6月発行 英語が大好きになっちゃう本 Global English 小学館
https://product.rakuten.co.jp/product/-/832d747d31689ae47fe87ee55d79c886/spec/
※5 廣瀬由衣(編) 2018年2月発行 学校では教えてくれない大切なこと(20) 英語が好きになる 旺文社
https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011193

小学校の英語での活動はどうなっている?

小学校3・4年生

小学校3・4年生の英語は、外国語活動(英語活動)と呼ばれます。※7
文部科学省の小学校学習指導ガイドブックでは、外国語活動の基本的な理念を3つ挙げています。※7
・外国語を用いたコミュニケーションを図る素地となる資質・能力の育成
・幅広い言語に関する能力の育成
・外国語の音声や基本的な表現への慣れ親しみ
この時期は、歌を歌ったり、ゲームをしたりして、英語に慣れ親しむことが目的です。
音声によるコミュニケーションを重視し、「聞くこと」「話すこと」を中心とした活動を行います。※7

小学校5・6年生

小学校5・6年生では、教科として外国語科(英語科)が導入され、次のことを目標としています(文部科学省 外国語活動・外国語研修ガイドブックより)。※7
・外国語を用いたコミュニケーションを図る基礎となる資質・能力の育成
・「聞くこと」「話すこと」及び、「読むこと」「書くこと」の 4 技能を扱う
・音声から文字への指導を行う
3・4年生との違いは、「聞くこと」「話すこと」だけではなく、「読むこと」「書くこと」も少しずつ勉強し、英単語を少しずつ書けるような指導が行われています。※7

参考

※7 文部科学省 小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック / 2021年1月29日閲覧
https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1387503_1.pdf

英語は長期戦で身につけるもの

低年齢からの英語教育に問題はないが…

小さい頃から英語を取り入れても、その英語に触れる時間は生活の一部しかないので、日本語習得に支障をきたすことはありません。※8
英語習得にあたって心に留めておきたいことは、英語を習得するのには時間がかかるということです。
小さい頃から習わせていなくても、しっかり継続していけば、英語力はいずれ身に付ついてきます
しかし、そもそも文章を組み立てたり読み込んだりする日本語力が低いうちから英語を詰め込んでも、簡単には身につかないのです。※8、9
たしかに、低年齢の子供は学習評価を気にすることがないため、歌や遊びを通して楽しく英語に取り組めるというメリットはあります。
さらにこの時期は、いろんなことに興味を示し、どんどん吸収できる時期でもあります。
だからこそ、まずは母語である日本語をしっかりと習得していきましょう。
日本語力・国語力は、どの教科にも必要な力です。※9、10
小さい頃は、日々の生活の中で自然に楽しく英語に触れられるものにしてあげましょう。※9

年齢に適した英語学習を

それでは、子供の成長時期に合わせた、英語との関わり方をみていきます。
【幼児期】
英語の絵本やDVDなどを一緒に見たり、英語の歌を歌ったりして、英語を楽しむ時期です
絵や映像があるものであれば、一層楽しみながら英語に触れることができます。
しかし無理やりさせることはよくありません
時間も、飽きない程度でほどほどにすることで、長く続けられます。※2、9
【学童期】
この時期に注意したいのが、英語を「勉強」にしないことです。
文法や発音などよりもコミュニケーション力を育てることに重点を置き、話すことは楽しい、話したいという気持ちを持てることが大事です。※5、9
自分の気持ちや体の状態は、気分がよいならばhappy、怒りを感じているならangry、お腹が空いているならhungry、眠い時はsleepyなど、1語でもコミュニケーションは取れます。
まずは、子供が知っている言葉で、親の方から話しかけてみましょう。※2、5
もしかすると、親でも知らない単語、「まさかこんな言葉は知らないだろう」と思うような単語が、ポンッと出てくるかもしれません。
また、興味のあることや好きなことを英語で試してみましょう
音楽が好きなら海外の曲を、映画が好きなら日本語字幕なしの映画を見ながら、自分がどれだけ聞き取れるかチャレンジしてみるのも面白いですね。※2、5
分からない言葉を「これってどういう意味?」と聞いてくるようになれば、英語に興味を持っているということです。
何事も、失敗を繰り返し、何度も練習を重ねながら上達していくものです。
「違っていたらどうしよう」とか「英語でしゃべるのは恥ずかしい」という気持ちが解消されていくと、コミュニケーション力はますます身についていくでしょう。※2、9
【中学校期から】
中学からが、本格的な英語の勉強と考えましょう。
学校の授業でも、「聞く、読む、書く、話す」ことを、授業として受けることになります。
中学生になると、初めて本格的な勉強がスタートしますから、それまでの概念、文章の構造などが、日本語とはだいぶ違うことに気付き、子供によっては「英語嫌い」や「覚えられない」など、苦手意識をもってしまうこともあります。
小さい頃から英語と楽しく触れ合っておけば、中学生になった時に、スムーズに頭に入ってくるようになるでしょう。※9

英語はすぐには身につかない

低年齢の子供は五感が鋭く、吸収も早いといわれています。
しかし、幼い頃に詰め込んで教えたからといって、短期間で立派な英語力が身につくというわけでもありません
英語は年齢に合わせて段階を経て身につけていくものです。
つまり、英語学習は長期戦です。
小さいうちはぜひ英語を長く楽しく学べる環境を整えてあげましょう。
焦らず、たくさんの英語に触れていくことを意識していくとよいでしょう。※5、9

参考

※2 鈴木佑治(著) 2008年6月発行 英語が大好きになっちゃう本 Global English 小学館
https://product.rakuten.co.jp/product/-/832d747d31689ae47fe87ee55d79c886/spec/
※5 廣瀬由衣(編) 2018年2月発行 学校では教えてくれない大切なこと(20) 英語が好きになる 旺文社
https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011193
※8 中村亮(編) 2015年6月発行 英語子育て大百科2015完全保存版 プレジデント社
https://presidentstore.jp/category/EXTRA_ISSUE/007417.html
https://books.rakuten.co.jp/rb/13296734/
※9 安河内哲也(著) 2010年5月発行 子どもを英語嫌いにしない11の法則 学研プラス
https://hon.gakken.jp/book/1340419300
※10 中根克明(著) 2016年12月発行 小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」 総合出版すばる舎
https://www.subarusya.jp/book/b253308.html

子供に英語を教える時のポイントと注意点

英語は楽しいと感じさせる

英語に限らず、楽しいと感じればそれは、子供の好きな教科やスポーツとなります。
学習意欲や向上心が高まれば、継続へとつながります。
好きこそ物の上手なれというように、何事も最初が肝心で、楽しんで続けられることが大事なのです。
英語も同様に、最初に英語は楽しいと感じてもらえることが大切です。※2、8、9
小学校までは、楽しく英語に触れ合うことを中心にし、興味を持つことにはどんどんチャレンジさせてあげましょう。※8

親も一緒に英語を楽しむ

どんなことでもそうですが、子供は親と一緒なら喜んで取り組みます
「子供とたくさん遊んであげてください」といわれるように、ぜひ親も子供と一緒に英語に触れて楽しんでください。※9
発音や文法が違っていてもよいです。
親が英語を積極的に使おうとする姿勢は子供の手本となります。※2、8
そして子供に対して上から目線ではなく、親も子供と一緒の目線に立つことを意識しましょう。
親が英語が苦手でも大丈夫です。
苦手だからと英語を拒否するのではなく、一緒に学ぶという姿勢が、子供の学習に対する姿勢を前向きにします。※9

学習結果はすぐには出ない

よくありがちなのが、結果をすぐ求めてしまうことです。
早くから英語の習い事をさせているとつい、もういろんな英単語を覚えているだろうと思ってしまいます。
子供に「○○は英語でなんて言うの?」とか、「今日習ったことを言ってごらん?」などといろんな質問をし、子供を試したくなってしまいます。
しかし、英語の習い事の結果はすぐに表れるものではありません
学習を継続することで次第に正しく習得していくものなので、すぐに結果が出なくても心配ありません。※8、9
親は焦らず、子供に英語力が付くのを待ちましょう。
せっかく小さい頃から英語を始めても、できないことを叱ったり、押し付けたりすると英語嫌いになる可能性もあり、かえって逆効果です。
また習得スピードには個人差がありますので、まわりの子供と比べることはやめましょう。※8、9

参考

※2 鈴木佑治(著) 2008年6月発行 英語が大好きになっちゃう本 Global English 小学館
https://product.rakuten.co.jp/product/-/832d747d31689ae47fe87ee55d79c886/spec/
※8 中村亮(編) 2015年6月発行 英語子育て大百科2015完全保存版 プレジデント社
https://presidentstore.jp/category/EXTRA_ISSUE/007417.html
https://books.rakuten.co.jp/rb/13296734/
※9 安河内哲也(著) 2010年6月発行 子どもを英語嫌いにしない11の法則 学研プラス
https://hon.gakken.jp/book/1340419300

まとめ

子供の英語力を伸ばすには、英語が好き、楽しいという気持ちを持ち続けることが大切です。
好きこそ物の上手なれといわれるように、英語が好きという気持ちがあれば、学習意欲は高まり、次第に英語力もついていきます。
焦らず、英語にたくさん触れて言葉を増やしていってください。
ぜひ親も子供と一緒に、英語の歌を歌ったり、英語を取り入れたゲームをしたり、英語の本を読んだりして、英語を楽しんでみましょう。

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