幼児英語はどう始める?知っておきたいポイント4つ

公開日:2019.01.29

2020年度から小学校の英語教育が大きく変わることをご存知でしょうか?
現在小学校5年生と6年生で行われている「外国語活動」が小学校3年生から導入されるという点。5年生と6年生で行われていた「外国語活動」が、「教科」として扱われるようになり、“成績”がつくようになるという点が大きく変わるポイントです。
英語教育の導入範囲が広がることで、幼児向けの英語教育はますます注目が高まっています。「何から始めたらいいか分からない」「子どもがついていけるのだろうか」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。そこで、文部科学省から発表されている内容も踏まえながら、幼児英語のメリットや始め方のポイントなどを解説します。

目次

  1. 幼児英語が注目される背景
    • 日本の英語教育は遅れている
    • 2020年から英語教育はこう変わる
    • 幼児英語教育がなぜ注目されているのか
  2. 幼児期に英語を学ぶことのメリット
    • リスニング力が身につく
    • 英語を学習する時間を確保できる
    • 外国文化にふれ、感性を磨くことができる
    • 「英語が話せるようになった」という成功体験を積むことができる
  3. 早期に英語教育を行うデメリット
    • 日本語の理解が遅れる可能性がある
    • 継続して学ぶ機会がなければ習得した言語も失ってしまう
    • 英語に対してネガティブなイメージを持ってしまう
  4. 幼児期に英語学習を始める場合のポイント
    • 1.ネイティブの発音に触れ、「聞く力」を身につける
    • 2.どんどん発音し、「話す力」を高める
    • 3.楽しむこと
    • 4.継続できる方法を選ぶこと
  5. まとめ

幼児英語が注目される背景

日本の英語教育は遅れている

2016年のTOEICにおける国・地域別平均スコアランキングでは、日本は41位の516点でした。
アジア圏の他国と比較すると、19位で679点である韓国とは大きく差がついており、22位のマレーシアや33位のインドよりもかなり低い順位です。
現状、アジアの国においては日本の英語教育は遅れているといっても過言ではありません。

 

19位 韓国 679点
22位 マレーシア 644点
33位 インド 596点
35位 中国 586点
40位 台湾 534点
41位 日本 516点 ※1

 

※1 『日本経済新聞』2017年11月27日夕刊2面

2020年から英語教育はこう変わる

冒頭でもご紹介したとおり、現在政府の方針として、2020年より小学校3年生からの英語教育がスタートすることが決まっています。
現状の英語教育では、小学校5年生と6年生において、年間35単位の「外国語活動」という体験型学習が行われています。
これは「英語に触れよう」という主旨で行われているもので、成績はつきません。
今後大きく変わる点は2つ。


1つ目は、

小学校で導入された英語授業はどんなもの?親が押えておくきポイントとは

でも詳しくご紹介しているように、外国語活動が2020年より小学校3年生からスタートする点です。
高学年だけでなく、中学年にも範囲が拡大します。
2020年の導入に向けて、2018年より段階的に英語教育を取り入れている小学校もあります。

 

2つ目の大きな変化は、小学校5年生から“教科”として日々の時間割に組み込まれる点です。
つまり、「成績がつく」ということです。
現在はあくまでも体験型学習として取り入れられていますので、「国語」「算数」のような“教科”ではありませんでした。
学ぶ時間についても、現在年間35単位ですが、2020年には70単位にまで増え、500?600語の英単語を身につけることが目標とされています。
「聞く」「話す」といった、英語を体験してみるというところから、「読む」「書く」ということも学ぶようになります。
中学生から学んでいる内容を、小学校高学年の間で習得し、中学生からはより「理解する」「話す」という点が重視されるカリキュラムになります。
具体的には、授業の時間はオールイングリッシュで行われるようになり、自分の考えを英語で発表したり、ディスカッションするような授業が取り入れられるようになります。
このような取り組みにより、これまで、「読む」「書く」ということに偏っていた高校教育や試験などにも影響があります。「聞く」「話す」を加えた4つの技能が問われる教育や試験内容に変化していきます。※2

※2 文部科学省「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」について
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1343704.htm

幼児英語教育がなぜ注目されているのか

小学校の英語教育が早期化されることは、親としても関心の高いニュースです。
ある調査によると、「英語・英会話」は、今、習っている習い事のランキング2位にランクインし、実際に英語を習わせているご家庭は多いようです。
実際に、矢野経済研究所の調査によると、幼児や子ども向けの外国語教室の市場は、2012年度と2016年度を比較して929億円から1,030億円へ10.87%増加しています。この増加の伸び率は、外国語教室全体の伸びより3.29ポイント高く、引き続き子供向けの外国語教室は伸びていくと予測されています。
また、幼児向け英会話教材についても2012年から2016年の間に25.3%大きく伸びています。教室だけでなく、自宅で独学するご家庭も増えており、小学校からの英語教育対策のため、幼児英語教育がますます注目されていることが分かります。※3 ※4

 

その他の幼児向けの習い事が気になる方は

【特集】勉強系の習い事は通信教育で!年齢別おすすめ教材と選び方

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※3発表!2017年子どもの習い事ランキング1位は…??
https://www.keikotomanabu.net/news/entry/20171002/kodomoranking17
※4 語学ビジネス市場に関する調査/2017年8月/矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/press/download.php/001720

幼児期に英語を学ぶことのメリット

リスニング力が身につく

幼児期に英語を学ぶことのメリットの一つは「リスニング力」です。
言語と聴覚科学の研究者であるパトリシア・クール博士が発表した内容によると、生後6ヶ月の赤ちゃんは「耳」で得た言語を、脳で統計処理し、自分に必要な言葉のデータかどうかを判断するそうです。
この期間は、母国語か外国語かに関わらず、耳で言語を理解しています。
また、第二言語の習得には、「臨界期」があり、子どもが第二言語を理解できる力を発揮するのはおよそ7歳までだといわれています。
その後ももちろん第二言語を理解していくことは可能ですが、7歳以降はその能力が下降し、習得までに時間がかかるようになります。臨界期の考え方は多々ありますが、小さいうちにすでに外国語を「耳」で学習する能力があるということは確かです。※5

※5 Patricia Kuhl|TEDxRainier The linguistic genius of babies
https://www.ted.com/talks/patricia_kuhl_the_linguistic_genius_of_babies?language=en#t-195332

英語を学習する時間を確保できる

EnglishTutorsNetworkの独自調査によると、日本人が英語を習得するためには4,000時間~5,000時間が必要とのこと。大人になってから習得しようとすると、1日30分学んだとしても約8年かかることになります。
日本の英語教育では、小学生から大学生まで合わせてもこの時間には達しません。現行の政府の方針では、習得できるまでの学習時間十分に確保できていない中、どうやって習得していくべきかを考えた場合、幼少期からの英語教育の時間で補うことは大きなメリットの一つとなります。
また、幼児期はさきほどご紹介したメリットである「リスニング力」のある間ですので、大人になってからの集よくより効率的に英語力を高めることができるのではないでしょうか。※6

※6 英語の習得に必要な学習時間|ETNのアプローチ|English Tutors Network - ビジネスパーソンの英語コミュニケーションhttp://www.etn.co.jp/approach/period.html

外国文化にふれ、感性を磨くことができる

外国文化に触れて新しい発見をすることで、多様な文化に対する理解をや学びが得られます。
これからの時代、社会で活躍するには多様性に対する理解が求められ、商品やサービスに対するニーズも多種多様です。
英語教育を通じて、外国の歴史や背景に触れることで、早いうちに多様性への寛容力を身につけることができます
また、日本と異なる文化に触れ、柔軟な発想力を鍛え、感性を磨くことができます。英語力そのものだけでなく、そのような文化の違いや国ごとにことなる背景を知るきっかけを与えるだけでも、大きなメリットがあるのではないでしょうか。

「英語が話せるようになった」という成功体験を積むことができる

ちょっとしたことでも英語を話すことができたり、英語を聞き取れるようになると、子供にとって小さな成功体験を積み重ねることにつながり、自分に自信を持つことができます
たとえ、その後英語を忘れてしまったとしても、「あの時英語が少し分かった」という経験があれば、英語の勉強に再チャレンジする時も前向きに取り組めるのではないでしょうか。
その土台づくりとして、幼児英語教育を取り入れるのも一つです。

早期に英語教育を行うデメリット

日本語の理解が遅れる可能性がある

早期に英語教育を行うことへの反論として、多いのはこの意見です。
言葉の理解力は論理的思考能力を鍛えるために必要な力ですが、日本語と英語がどちらも中途半端な場合、日常会話以上の「より深く考える力」が不足してしまう可能性があります
日本語と英語、それぞれをしっかり学ぶには、時間だけでなく本人の努力も必要です。バランスを考えず過度に教育することで年齢相応の言語能力が身につかない「ダブルリミテッド(セミリンガル)」になる恐れもあります。※7

※7「英語を子どもに教えるな」市川力  中央公論新社 2004/2/1

継続して学ぶ機会がなければ習得した言語も失ってしまう

早期に英語教育を行ったとしても、実際に聞いたり話したりする機会が無くなれば、忘れてしまいます。これまで英語を学んでいたが、小学生になってからは他の習い事を優先して英語を学ぶ時間がとれなくなってしまったりすると、一気に忘れてしまうデメリットがあります。習得した言語を忘れないようにするには、活かす場も継続して必要なのです。

英語に対してネガティブなイメージを持ってしまう

親が熱心に教育したいという気持ちがあっても、本人が好きになれない場合、英語を学ぶことが「嫌なこと」として記憶に残ってしまいます。一度「嫌なこと」になってしまうと、その後英語を学ぶ場になってもネガティブなイメージがつきまとい、なかなか英語力が身につかなくなってしまうかもしれません。
重要なのは、本人の意思を尊重しながら楽しく学ぶことです。

 

小さいお子様への英語教育については

「赤ちゃんと英語」赤ちゃんにはいつからどう教えていくのがベスト?

の記事でもご紹介しています。

幼児期に英語学習を始める場合のポイント

メリットとデメリットを理解したうえで、幼児期に英語学習を始める場合のポイントは何なのか、解説していきます。

1.ネイティブの発音に触れ、「聞く力」を身につける

教材や英語教室など、あらゆる英語に触れる場合は、その「耳」の力を活かすため、ネイティブの発音ができる人と接するようにしましょう。
「L」と「R」、「C」と「K」の発音など、大人になってからはうまく聞き取れなかったり、発音できなかったりする単語は多くあります
正しい発音をしっかり耳で聞き取れるような環境を準備しましょう。

自宅での学習であれば、DVDなどの教材や英語圏のアニメを英語で鑑賞するなどの方法があります。
英語教室などでも、まずは英語で歌ったり簡単な会話を行うようなプログラムから実施してみると良いでしょう。

2.どんどん発音し、「話す力」を高める

幼児期には「耳」で英語を理解できる強みがありますので、まずは耳でしっかり聞いて、聞いた内容を口で発することができるような英語教育が良いでしょう。
「書く」「読む」といった内容は一旦無視し、まずは聞く力と話す力の習得に集中させることがおすすめです。
一度でも聞いたことがあれば、再度学ぶ時にも抵抗が少なくなります。
また、耳でしっかりネイティブの発音を聞くことで、綺麗な発音ができるようにもなります。
ただ教材を見るだけ、聞くだけでは効果は低いでしょう。
口に出して発音し、どんどんアウトプットしていくことが重要です。ネイティブの発音ができる人と実際にコミュニケーションをとる機会を設けると、より「英語で会話できた」という喜びを感じることができます。

3.楽しむこと

普段日本語で話しているのに、急に何を話しているか分からない環境に放り込まれると、子供にもストレスがかかります。
受験勉強のように詰め込んで教育すると、英語を嫌いになってしまうかもしれません。まずは長い目で見て、本人が英語を楽しんで学んでいるか、楽しめそうか、という点に注意しながら進めることをおすすめします。

4.継続できる方法を選ぶこと

せっかく英語を学んでも、継続して学ぶ環境がなければ忘れてしまいます
自宅で学ぶ場合は、どんな教材を使うのか、これから先、年齢に合わせて継続して活用できるものなのかを確認しましょう。
幼児期だけでなく、小学生になってからも続けられる教材やカリキュラムを考えたうえで始めるとスムーズです。

まとめ

幼児英語にはメリットもデメリットもあり、様々な意見を持つ人がいます。
「ニュースで専門家が“子供に英語なんてダメ”と言っていた」「早く英語を学ばないと手遅れだと本に書いてあった」と、親が振り回されてしまうことも。
しかし、本人のやる気や興味があれば、始める時期に関わらず英語の習得は可能です。幼児英語をなぜ始めるのか、子供にどんな経験を積んでほしいのか、その目的を明確にできれば、意味の無い幼児英語教育にはなりません
これから先、AIなどのテクノロジーが進化し、英語が話せなくても問題ない時代が来ることも予想されますが、英語に触れることで得られる体験や感性は子供だけのものです。
子供が英語を話すことによって、新しい世界が広がるきっかけになることも考えられます。

より豊かな人生歩むため手段として、英語教育に触れてみるのも一つではないでしょうか。

公開日:2019.01.29
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