英語初心者におススメ!結果につながる単語の教材・勉強法
英語学習が始まって、一番苦労するのが「単語の暗記」。
これまで見たことのない英単語を、ただひたすら暗記するのはつらい…。
そう感じている中学生は、決してあなただけではありません。
「どうすれば単語をラクに覚えられるの?」
そんな疑問を持つ英語初心者のために、暗記に苦労しない単語の教材や勉強法を詳しく紹介します。
目次
- 単語を覚えられないのにはワケがある
- 単語そのものを実は暗記していない
- ローマ字読みで暗記してスペル(つづり)を間違える
- 暗記してもすぐ忘れてしまう
- 暗記が苦手でも大丈夫!単語マスターになる勉強法のポイント
- とにかく単語を見る回数を増やす
- 耳で聴いて慣れる
- 単語を思い出すきっかけを作る
- 例文で単語を確認する
- 1つの単語を変化させて暗記する
- 英語初心者におススメの単語教材
- 雑学的な内容(語源やイラストなど)が含まれている
- 音声データがついている
- 単語の使用例として例文がある
- 楽しみながら英語が自然と身につく3つの方法
- 海外ドラマを字幕で観る
- 洋楽を聴く
- 英訳版のサブカルチャーを読む
- まとめ
単語を覚えられないのにはワケがある
緑色のチェックペンで必死に単語の意味に線を引き、赤色のシートをかぶせて一つずつ答えて確認する。
テスト前の教室では、よく見られる光景です。
しかし、いざテストになれば、覚えたはずの単語が出てこないことも。
「どうして単語を暗記できないのか?」
まずは、単語をスムーズに覚えられない理由から探ってみましょう。
単語そのものを実は暗記していない
単語を暗記する方法はいくつかありますが、中でも多いのがテキストや教材の単語一覧をそのまま丸暗記するというパターンです。
しかし、実はこの方法には、「本当は暗記できていない」という思わぬ落とし穴があります。
というのも、単語一覧は、アルファベット順などで並べられている場合が多いため、最初の頭文字やその次の文字は、覚えていなくても簡単に予測することができます。
また、何度も繰り返して確認していくうちに、単語そのものではなく、単語が出てくる順番で覚えしまう傾向があります。
そのため、実際のテストでランダムに単語が出題されれば、「練習のときにはできていたのに…」と、本番では全くわかないという状況に陥るのです。
こうして、実際は単語以外の様々なヒントから答えを導き出しているにもかかわらず、単語そのものを暗記したつもりとなり、結果的には、中途半端な単語の暗記となってしまいます。
ローマ字読みで暗記してスペル(つづり)を間違える
英語の難しいところは、単語のスペル(つづり)と、発音が一致しないところです。
そもそも英語学習を始めた当初は、単語じたいを読むことができないため、ローマ字読みでスペル(つづり)を暗記する人もいるでしょう。
しかし、次第に英語学習が進んでいくと、発音にも慣れてきます。
せっかく覚えたローマ字読みのスペル(つづり)が、発音と混ざってしまい、記憶があいまいになることも。
結局、ローマ字読みで覚えても、発音に引きずられてスペル(つづり)を間違えてしまうことがあります。
暗記してもすぐ忘れてしまう
単語を正確に覚えられたとしても、その記憶を忘れずに定着させることは、なかなか難しいものです。
特にテスト前日に詰め込んだ単語は、放置すればあっという間に忘れてしまいます。
復習したとしても、そのうちまた新しい単語を覚えなければなりません。
学年が上がるたびに、暗記しなければならない単語はどんどん増えていきます。
結局、「暗記してもすぐ忘れる」の繰り返しとなり、いつしか確実な知識を身につけることを諦めてしまいます。
暗記が苦手でも大丈夫!単語マスターになる勉強法のポイント
確実に単語を知識として使えるようになるには、相応の勉強が必要になります。
それでは、どのような勉強をすればいいのでしょうか。
なお、ここでは様々な勉強法を紹介しますが、どれか一つが正解というわけではありません。
色々試してみて、自分にあった勉強法をみつけましょう。
とにかく単語を見る回数を増やす
ドイツの心理学者が行った有名な実験「エビングハウスの忘却曲線」というのを聞いたことがあるでしょうか。
「人は、20分後には42%、1時間後には56%、1日後には67%忘れる」などと、人の忘却率を調べたものを思いがちです。
しかし、「エビングハウスの忘却曲線」は、実は「節約率」を調査した実験といわれています。
具体的には、1回目に暗記にかかった時間と比較して、2回目に暗記する時間がどれほど節約できたかを調べた実験なのです。
ちなみに、結果は、同じ内容を暗記するのに、20分後であれば58%も暗記に必要な時間が節約でき、1時間後であれば44%、1日後であれば33%、31日後であれば21%の時間が節約できたとなっています。※1
この記憶のメカニズムの中心的役割となるのが、人間の脳にある「海馬」という部分です。
「海馬」は、大脳古皮質の一部で、脳に入ってきた情報を短期記憶か長期記憶かに振り分けます。
そのため、単語をずっと覚えておくには、「海馬」に、長期記憶と判断させればいいわけです。
つまり、何度も同じ単語を見て、脳に情報として入る回数を増やすことが大切です。
また、エビングハウスの忘却曲線から、あまり時間を空けずに同じ単語を見ると効果的だといえるでしょう。
例えば、1日時間をかけて単語10個を確実に覚え30日間で300個暗記するよりも、1日100個をざっと軽く覚え3日間で300個暗記し10回反復した方が、長期記憶となりやすいのです。
重要なことは、短期間で何度も同じ単語を見ることです。
耳で聴いて慣れる
単語を見て、ただひたすら書いて覚える。
確かに典型的な暗記方法ですが、様々な五感を使って暗記することも一つの方法です。
具体的には、「目で見る」「手で書く」以外に、「耳」を使うわけです。
シンプルに単語を聴くだけでも、暗記はもちろん、自然な発音も身につきます。
また、声に出すと、単語が頭の中で再認識され、記憶が定着しやすいともいわれています。
なお、英語を意識して聴かなくても、バックミュージックのようにただ流すだけでも効果はあります。
耳は無意識に様々な音を拾うので、暗記しようという意識がなくても、自然と単語に反応できる場合があります。
単語を思い出すきっかけを作る
単語と意味の組み合わせを機械的に覚えるのは、なかなか苦痛です。
特に、英語は同じようなスペル(つづり)の単語も多く、思い出そうとしても記憶の中にある他の単語と勘違いをする場合もあります。
そのため、単語と意味だけでなく関連知識も一緒に覚えることがおススメです。
関連知識がきっかけとなって思い出すことが容易になるでしょう。
イメージ的には、ハッシュタグみたいなものでしょうか。
なお、関連知識はどのようなものでも構いません。
単語に関する雑学的な知識や、音楽の中のフレーズ、友人との会話などを一緒に覚えると効果的です。
例文で単語を確認する
単語と意味だけでなく、用法も一緒に暗記するという方法もあります。
例文は、先ほどの単語を思い出すきっかけの一つです。
また、例文を見ておくと、文法も理解することができるため、さらに知識が広がります。
特に、前置詞の使い方など、例文を見れば参考になるといえるでしょう。
1つの単語を変化させて暗記する
単語の成り立ちには、ある単語が形を変えてでき上がったものがあります。
このような単語は、元の単語とあわせて覚えておくと、非常に便利です。
また、暗記するときには気付かなくても、あとから出てきた単語を見て、先の単語と同じ語源だとわかる場合もあります。
このような場合は同じグループとしておくと、復習のときも2倍同じ単語を見る機会を作ることができ、効率が良い方法だといえます。
※1: 岡田祥吾「英語学習2.0」角川書店 2019年/2019年6月7日閲覧
英語初心者におススメの単語教材
それでは、勉強方法がわかったところで、実際にどのような英語教材を使えばよいのでしょうか。
毎日勉強する教材なので、もちろん、見やすい、使いやすいモノでなければなりません。
また、「楽しい」と感じる教材であることもポイントとなります。
教材を見て、「難しいな」「嫌いだな」と感じれば、勉強に向かおうという気持ちはなくなります。
「面白いな」「楽しいな」「もっと見たいな」と思える教材を探しましょう。
ここでは、具体的に3つの教材を紹介します。
雑学的な内容(語源やイラストなど)が含まれている
様々な単語教材がありますが、面白い、楽しいと思える教材は、色々と工夫がなされています。
例えば、どうしてこのような単語となったのか、単語の成り立ちや語源が書かれている教材は、「覚える」というよりも単語を「理解」することができます。
学校の授業で、勉強の内容よりも、先生が話す雑学の方が覚えているといった人も多いはず。
「興味がある」「面白い」と思った内容は、自然と忘れずに頭の中に記憶として残ります。
このように、自分の興味を引くような教材や、イラスト入りの教材など、インパクトのある教材もおススメです。
音声データがついている
単語を暗記する方法の一つに、先ほど紹介した「耳で聴く」という勉強法があります。
これに対応する教材として、音声データがついている単語教材もおススメです。
音声データがついていれば、通学途中などでも、場所を選ばずに勉強することができます。
また、耳で聴く勉強法は、意外と「勉強している」という意識なく続けられます。
勉強に乗り気がしない、他教科の合間の気分転換などに、音声データを聴いて単語を覚えることもメリットといえます。
単語の使用例として例文がある
単語と意味だけがすっきり整理されていて、持ち運び便利なコンパクトな単語帳もあるでしょう。
ただ、意味だけでは、その単語が持つニュアンスまではわかりません。
例えば、同じ「悲しい」という単語も「sad」「unhappy」「awful」など、いろいろあります。
どれくらいの悲しみなのか、ちょっと気分がブルーというくらいなのか、悲壮感がただようくらいなのか、全ては例文を見て判断することができます。
また、例文だけでなく、言い換えや別のフレーズなどもあれば、他の単語ともつなげて覚えることもできます。
そのため、例文がある単語教材は、他の単語や文法までカバーすることができ、便利といえます。
楽しみながら英語が自然と身につく3つの方法
「英語が苦手!」「英語は難しい…」
そんな英語のマイナスのイメージが消える、とっておきの方法を、最後に紹介します。
楽しみながら英語が身につく3つの方法です。
海外ドラマを字幕で観る
海外でつくられている映画やドラマの登場人物は、基本的にその国の言葉を話しています。
このような海外の映画やドラマを、吹き替え版ではなく、「字幕版」で観ることが一つ目の方法です。
登場人物が話す英語を耳で聴き、目で字幕を見て理解します。
目と耳で同時に入ってくる情報をつなげることで、意識して単語を暗記しなくても、自然と覚えることができるのです。
なお、おススメは、映画よりも海外ドラマです。
というのも、映画は単発ですが、ドラマであれば、回数も多く、何度も同じ単語を使う場面が出てきます。
例えば、海外の刑事ドラマや探偵もののドラマでは、犯人がどうしてそのような行動をしたのか、「動機」(motive)という単語が毎回出てきます。
そのため、同じ単語を聴くことにより自然と覚えることができます。
また、続きが気になって長く続けられることもメリットといえるでしょう。
洋楽を聴く
邦楽しか聴かないという人も、テレビのCMなどで洋楽を耳にしたことがありませんか?
素敵なメロディーもさることながら、洋楽の魅力は、教科書にはない会話表現や言い回しなどの歌詞があることです。
中には、洋楽にはメロディーからは想像できないような歌詞もあります。
特に、結婚式で流れるようなハッピーな曲調や、ゴージャスなメロディーの曲の中には、実は恋に破れた恨み節や、恋愛とは全く関係ない歌詞というパターンも「洋楽あるある」といえます。
日本語訳を見ながら洋楽を聴くと、自然とフレーズの意味を理解できるのもおススメの理由です。
メロディーが気に入れば、つい口ずさみたくなる。
そのまま、英語のフレーズも自然と覚えられて、一石二鳥といえます。
英訳版のサブカルチャーを読む
日本のサブカルチャー、特にアニメやコミックは海外でも非常に人気があります。
そこで、活用したいのが海外向けに英語に訳されたコミックです。
いきなり英語の本を読むのはハードルが高いでしょう。
知らない単語ばかりで、辞書で調べながら読むのは、心が折れるかもしれません。
しかし、コミックであれば、絵だけで大体の話の流れやあらすじがわかります。
内容がわかった上で、英語でもう一度ストーリーを追っていくと、自然とわかる英単語も増えていきます。
特に、一度日本語で読んだコミックであれば、なおさら頭に入りやすいのではないのでしょうか。
毎日少しずつ読み進めて、初めて知った英単語をノートに書いていくこともおススメです。
英語の理解を深めるのに役立つといえるでしょう。
まとめ
「好きこそものの上手なれ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
好きだからこそ、自然と熱中することができるため、そのぶん上達も早いという意味です。
英語学習を始める上で、何よりも一番大事なこと。
それは「英語を好きになること」です。
少しでも英語が楽しいと思えれば、自然ともっと知りたい、もっと話したい、もっと勉強したいと思うはず。
まずは、英語に興味を持つこと。
そのきっかけを作ってみませんか。