スマホ育児とは?子供への影響は?やめたい?後悔したときの対処法とは?

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小さい子供をあやすのにスマホを使う「スマホ育児」。
スマホ育児は便利な反面、親としては罪悪感もありますよね。
スマホばかり見せて子供の発達に影響しないか、スマホ依存や視力の低下、電磁波の影響なども気になるところです。
しかし悪影響だと考えられるのは長時間使用した場合です。
長時間使用することによる子供への影響やスマホ育児をやめたいときの対象法など、最新の研究結果などをもとにご紹介します。

目次

  1. スマホ育児とは?実態は?
    • スマホ育児とは?実態は?
    • スマホ育児の現状、いつからどれくらい?
    • スマホ育児、子供に影響はある?
  2. スマホ育児のデメリット、長時間の使用が問題に!
    • 言語発達への影響
    • 生活リズムの乱れ
    • 愛着形成への影響
    • スマホ依存
    • 視力への影響
  3. スマホやテレビは何時間まで?目安は?
    • 1日2時間が目安
    • 30~40分ごとに休憩を
  4. スマホ育児にはメリットも?デジタル世代のスマホ利用
    • 学習ツールになる
    • 使い方次第でコミュニケ―ションにつながる
    • 外出先などやむを得ない時の助っ人に
  5. スマホ育児を後悔!今すぐやめたい時に見直すべきこと
    • 周りの大人がスマホの利用を見直す
    • スマホ使用のルールを決め、「守ろう」とする気持ちを育てる
    • お出かけの時はスマホ以外のお気に入りのおもちゃを持参
    • 見たことを生活に活かす工夫を
  6. 電磁波の影響も心配!スマホの電磁波は危険?!
    • スマホの電磁波、子供に影響はある?
    • 電磁波が心配な時の対処法
  7. まとめ

スマホ育児とは?実態は?

スマホ育児とは?実態は?

スマホ育児とは、主に小さい子供の育児にスマホを利用すること
親が子供の遊び相手ができないときや、おとなしくしていて欲しいときなどに、子供にスマホを見せた経験がある人も多いのではないでしょうか。
小さい頃からスマホを使う子供も増えています。
一方で、スマホ育児による発達への影響、子供のスマホ依存、視力の低下、電磁波の影響など、子供への悪影響が懸念され親としても不安のタネとなっています。

 

スマホ育児の現状、いつからどれくらい?

内閣府の「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、0歳でインターネットを見ている赤ちゃんは約5%ほどです。※1
1歳では約20%、3歳になると50%以上の子がインターネットを利用しています。(保護者回答)※1
スマホでのインターネットの利用時間は、7割前後の人が1時間未満と回答しています。※1
利用しているコンテンツは、主に動画やゲームです。※1
0歳~1歳頃の赤ちゃんは、動画や音楽のみ見せる人が多いようです。※1
スマホ育児が増えているというものの、赤ちゃんの時期から日常的にスマホで動画を見せるなどしている人は多くはないようです。
3歳頃になると、動画や音楽、ゲームなどをする子も増えてくることがわかります。

 

スマホ育児、子供に影響はある?

スマホ育児は、少なからず子供への影響があると考えられています。
2019年にはWHOが子供の健康的な成長に関するガイドラインを出し、デジタル機器の接触時間の目安が記載されています。

  • 2歳未満の子には、デジタル機器を見ることは推奨しない※2
  • 2歳~4歳の子は、1日1時間未満※2

ここでのデジタル機器とは、テレビやビデオを見ること、ゲームをすることなどを指しています。※2
このガイドラインでは、デジタル機器を使うことにより、座りっぱなしの姿勢が続くことによる発達への影響が懸念されています。※2
この他にも、スマホ育児のデメリットは、複数の調査により指摘されています。
次章で詳しく解説します。

 

https://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/r01/net-jittai/pdf/2-3-1.pdf
※2 To grow up healthy, children need to sit less and play more/World Health Organization/2020年9月8日現在
https://www.who.int/news-room/detail/24-04-2019-to-grow-up-healthy-children-need-to-sit-less-and-play-more

スマホ育児のデメリット、長時間の使用が問題に!

スマホ育児のデメリットは、依存や視力低下以外にも考えられます。
ただしどれも、長時間スマホなどのデジタル機器を使用した場合の影響です。
適切な使い方を知るためにも、スマホ育児により懸念される小さい子供への影響を5つ解説します。
【デジタル機器の子供への影響】

  • 言語発達への影響※3
  • 生活リズムの乱れ※3
  • 愛着形成への影響※3
  • スマホへの依存※4
  • 視力への影響※5

など

 

言語発達への影響

子供のテレビの視聴時間に関する研究によると、テレビやビデオの視聴時間が長い子ほど、1歳半の時点で発語の遅れのある確率が高いそうです。※3
1日の視聴時間が4時間以上の子では、約1割に発語の遅れがみられたと報告されています。※3
青少年のインターネット利用環境実態調査を見ても、子供が小さいうちからスマホを4時間以上見せている家庭はあまりないと思われますが、テレビやビデオを見せっぱなしの状況が言葉の発達にはよくないと考えられています。

 

生活リズムの乱れ

3~5歳の子を対象とした調査では、テレビの視聴時間が長い子は寝る時間が遅くなると報告されています。※3
視聴時間が1時間未満の子と3時間以上の子の夜10時以降に寝る割合を比較すると、1時間未満の子で1割程度、3時間以上の子で3割程度まで増えています。※3
寝る時間が遅くなることで、朝起きる時間も不規則になり、食生活にも影響がでているのだそうです。※3
メディアの使用時間が長くなることで、生活リズムや生活習慣の形成に悪影響を与えていることがわかります。
スマホも長時間見ていると、その分寝る時間は遅くなってしまいますよね。
生活リズムの乱れに繋がるほど長時間利用してしまうと、発達に影響すると考えられます。

 

愛着形成への影響

テレビやスマホなどを育児ツールとして長時間利用すると、大人と一緒に遊ぶ時間も減ってしまいますよね。
大人との双方向の遊びが減ることで、愛着形成への悪影響が懸念されています。※3
また親子の時間の減少は、自制心の発達に影響する可能性も指摘されています。※3
子供が小さいうちは、親子で遊ぶ時間は減らさない工夫が必要です。

スマホ依存

普段スマホを利用していると、乳児であっても依存傾向に陥ることもあるといわれています。※4
2018年に行われた国内の調査では、すぐにスマホを使いたがったりスマホを取り上げると機嫌が悪くなったりという依存傾向が、2歳児の約14%にみられることが報告されています。※4

 

視力への影響

近年、近視の小学生が増えています。※5
スマホは画面と目の距離が近くなりがちですよね。
画面までの距離が近いと、目が疲れやすくなります。※5
近視にならないためには、画面から30cm以上離れる、30~40分ごとに休む、屋外で遊び太陽光を浴びるなどに気を付けるとよいとされています。※5
様々な調査から、スマホなどのデジタル機器の使用が子供に影響を及ぼすことがわかります。
ただ、あくまで長時間使用した場合です。
数分の利用であれば、あまり神経質になることもなさそうですよ。

 

※3 IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応/佐藤 和夫/2020年9月8日現在
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007701/005/0018-0022.pdf
※4 育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス/橋元良明 久保隅綾 大野志郎 /2020年9月8日現在
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2019/03/35_2.pdf
※5 デジタルデバイスの小児および若年者に与える影響/大阪大学大学院医学系研究科 感覚機能形成学 不二門 尚/2020年9月8日現在
https://www.gankaikai.or.jp/press/20190226_2.pdf

スマホやテレビは何時間まで?目安は?

1日2時間が目安

スマホなどのデジタル機器を使うことで、子供の発達に少なからず影響を与えていると考えられます。
ただしこれらの影響は、日常的に長時間使用した場合に見られるものです。
小児科学会では、子供のメディア接触時間の目安を1日2時間までとしています。※6

 

30~40分ごとに休憩を

目をいたわるためには、画面を見る時間は30~40分が推奨されています。※5
スマホでもテレビでも、30分見たらやめる習慣にするのがよさそうですね。
スマホを利用することが、全くダメということではありません。
スマホなどの使用時間には制限を設け、親子の触れ合いや遊びの時間を減らさないよう工夫できるとよいですね。

 

※5 デジタルデバイスの小児および若年者に与える影響/大阪大学大学院医学系研究科 感覚機能形成学 不二門 尚/2020年9月8日現在
https://www.gankaikai.or.jp/press/20190226_2.pdf
※6 見直しましょうメディア漬け/一般社団法人 日本小児科医会/2020年9月8日現在
https://www.jpa-web.org/dcms_media/other/media_poster03.pdf

スマホ育児にはメリットも?デジタル世代のスマホ利用

小さい子供に長時間スマホを見せることで悪影響が考えられる一方で、メリットがないわけではありません。
親としては、悪影響を心配する反面、インターネットを介して情報を得ることの大切さも教えたいですよね。
国内の調査でも、スマホを育児に利用した後の子供の変化として「知識が増えた」「楽しそう」「視野が広がった」とポジティブな変化に当てはまるという親が多かったと報告されています。※4

 

学習ツールになる

スマホやタブレットでは、数多くの知育アプリや学習動画が利用できますよね。
乳幼児向けのキャラクターの知育アプリも多いので、利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
幼児がインターネットを活用することで、学習効果が得られるという研究結果もあります。※7
タブレット学習の効果

に関する記事でも解説されている通り、小中学生でもタブレットを勉強に活用することで成績が上がったという調査報告もあり、一定の学習効果が期待できるといえそうです。
デジタル機器を学びに利用するためには、質のよいコンテンツを選ぶことが大切です。
大人は、子供が見ているコンテンツを把握し、年齢にあった質の良いものを選んであげる必要があります。※8
小さいうちは、トイレトレーニングや交通ルール、箸の持ち方などを動画で学ぶのもいいですね。
キャラクターが分かりやすく教えてくれるコンテンツであれば、子供は親が説明するよりも素直に聞いてくれることもあるでしょう。

 

使い方次第でコミュニケ―ションにつながる

子供に一人でスマホを見せていると、親子で触れ合う時間が減ってしまいます。
しかし親子で一緒にスマホを楽しめば、コミュニケーションのきっかけにすることもできるでしょう。
親子で一緒に会話をしながら見れば、子供の理解を助けることにもつながります。※8
また見た後に感想を話し合えば、子供の発想に驚かされることもあるかもしれませんよ。
さらに遠方に住む家族とオンラインで会話ができるのもスマホの強み。
オンラインでのコミュニケーションは、現代の子供には必要不可欠です。
学校のオンライン授業はもちろん、オンラインレッスンで受けられる幼児の習い事も増えています。

 

外出先などやむを得ない時の助っ人に

子供を静かにさせるためのスマホは良くないと分かっていても、頼らざるを得ないことも多いですよね。
公共の場で静かにしていて欲しい時など、やむを得ない時には、長時間にならないように気をつけて利用しましょう。※8
外出先でどうしてもスマホを見せたい時は、15分以内が目安だそうです。※8
電車や車で移動中の視聴は子供の目に負担がかかるため、避けたほうがよいといわれています。※8

 

※4 育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス/橋元良明 久保隅綾 大野志郎 /2020年9月8日現在
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2019/03/35_2.pdf
※7 幼児のICT機器利用に関する保護者の認識に及ぼす教育効果/勝見慶子 田村隆宏 藤村裕一/2020年9月8日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaems/25/2/25_1/_pdf/-char/ja
※8 未就学児の情報機器利⽤ 保護者向けセルフチェックリスト解説シート/子どもたちのインターネット利用について考える研究会/2020年9月8日現在
https://www.child-safenet.jp/wordpress/wp-content/uploads/checklist_03.pdf

スマホ育児を後悔!今すぐやめたい時に見直すべきこと

一度子供にスマホを見せる習慣がついてしまうと、やめたいと思いつつもその習慣から抜け出すのは難しいですよね。
長時間のスマホ育児をやめたいときに、見直すべきは大人のスマホの使い方です。


【スマホ育児をやめたいときの対処法】
周りの大人がスマホの利用を見直す(子供と一緒にいるときはスマホを使わない)※3※4
スマホ使用のルールを決め、「守ろう」とする気持ちを育てる※8
お出かけの時はスマホ以外のお気に入りのおもちゃを持参※8
見たことを生活に活かす工夫を※8

 

周りの大人がスマホの利用を見直す

よく言われることですが、スマホ育児をやめたい時には、まず大人から。
親が自分のスマホの使い方を見直すところからはじめます。
親子のコミュニケーションを阻害しているのは、大人がスマホなどのモバイル機器を使うためだと言われています。※4
海外では、親のモバイル機器の利用が子供の問題行動を引き起こすとして、様々な研究が進められているそうです。※4
日本の調査でも、母親のスマホ依存傾向が強いと子供の依存傾向も高いことがわかっています。※4
食事をしながらスマホを触る、寝る前にスマホを見るなど、子供にしてほしくないことは大人からやめたほうがよさそうです。

 

スマホ使用のルールを決め、「守ろう」とする気持ちを育てる

子どもとスマホの付き合い方

でも解説の通り、スマホを利用する上でルールを決めることは重要です。
小学生になると、スマホのルールについて授業を行う学校もあります。
ルールを守る上で、大切なのは親もルールを守ること。※8
スマホを使うと親もラクができるので、つい使いたくなりますよね。
子供と決めたルールの範囲内で使うよう大人も気をつけましょう。

 

お出かけの時はスマホ以外のお気に入りのおもちゃを持参

スマホのルールを守るためにも、スマホ以外に子供が集中できるものを用意しておくと安心です。※8
小さい子であれば、ぬいぐるみなどのおもちゃや絵本など。
少し大きくなれば塗り絵やお絵かき、あやとりなど、お気に入りの遊びを用意して出かけましょう。
何もなければ、手遊びなどでもいいかもしれませんね。

 

見たことを生活に活かす工夫を

突然スマホを絶つのが難しい場合は、上手に使うのも1つの手です。※8
見て終わりの動画やゲームはやめ、工作や歌、ダンスなどの動画にシフトします。
自分では作れない工作動画で学んだり、覚えたての歌を聞いて歌ったり、お出かけ予定のある場所の動画を見て予習するのもよいかもしれませんね。
スマホのコンテンツをただ見るだけでなく、情報収集ツールとしての使い方を教えるのも親の役目です。

 

※3 IT の功罪:電子メディアの子どもへの影響とその対応/佐藤 和夫/2020年9月8日現在
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2018/007701/005/0018-0022.pdf
※4 育児と ICT―乳幼児のスマホ依存、育児中のデジタル機器利用、育児ストレス/橋元良明 久保隅綾 大野志郎 /2020年9月8日現在
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/manage/wp-content/uploads/2019/03/35_2.pdf
※8 未就学児の情報機器利⽤ 保護者向けセルフチェックリスト解説シート/子どもたちのインターネット利用について考える研究会/2020年9月8日現在
https://www.child-safenet.jp/wordpress/wp-content/uploads/checklist_03.pdf

電磁波の影響も心配!スマホの電磁波は危険?!

スマホなどの通信機器は、電磁波の影響も心配ですよね。
最近では、新たにはじまった5Gの電磁波が人体に影響するのでは?と話題になりました。
電磁波の子供への影響はあるのでしょうか?

 

スマホの電磁波、子供に影響はある?

日本で発売されているスマホなどのデジタル機器は、健康被害が発生するものではないと認められた基準値内のものです。
日本では国内外の様々な研究結果に基づき「電波防護指針」で電波の基準が定められています。※9
市販されているスマホは、この基準を満たしたもののみなのです。
この基準は、乳幼児を含むすべての人を保護するためのものとのこと。※9
WHOも「国際的なガイドラインを下回る強さの電波で健康被害が発生する証拠はない」という見解を示しています。※9
基準を満たして販売されているデジタル機器であれば、子供への影響も過度に心配する必要はなさそうです。

 

電磁波が心配な時の対処法

影響はないと言われても、なんとなく心配ですよね。
総務省のパンフレットによると、電磁波が心配な時の対処法は下記4つです。


【電磁波が心配な時の対処法】

  • 通話時間を抑える※9
  • ハンズフリー機器を利用する※9
  • 通話ではなくメールにする※9
  • 通信状態が悪い時は通話を控える※9

電磁波が気になる場合には、これらの対策を取り入れてみてください。

 

※9電波と安心な暮らし [携帯電話端末編] 携帯電話端末とわたしたちの暮らし/総務省/2020年9月8日現在
https://www.tele.soumu.go.jp/resource/j/ele/body/1-02.pdf

まとめ

スマホ育児は、親の罪悪感も伴いますよね。
ここでご紹介している悪影響は、あくまで長時間スマホを利用した場合のものです。
どうしても静かにさせたい時に数分スマホを見せる程度であれば、あまり神経質にならなくてもよいでしょう。
使用時間としては、1日のデジタル機器の使用時間は2時間、1回あたり30分で休憩するのが目安です。
大切なのは、親子の触れ合いの時間や体を動かす外遊びの時間を減らさないこと。
家事の合間にスマホを見せたら、手が空いた時に子供と遊び、親子で動画を見れば、親子のコミュニケーションにもつながります。
情報収集など、スマホを上手に利用する方法も教えてあげられるとよいですね。

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