赤ちゃんのお座りはいつから?早いのは問題?ひとり座りまでの段階とサポート
一般的に、赤ちゃんがお座りをする目安は生後6ヶ月頃からです。
しかしお座りにはいくつもの段階があり、その時期にも個人差があります。
無理にお座りをさせるのではなく赤ちゃんの発達に応じたサポートをしていくことで、段階的にお座りが安定していきます。
早くても遅くてもあまり心配はいりません。
ここでは、適切にお座りをサポートする方法や、お座りをサポートするための椅子・クッションなどのグッズもご紹介いたします。
ここでご紹介する時期は、1つの目安です。
文中にもご紹介の通り、赤ちゃんの発達は個人差があるもので、お座りの時期は早い子も遅い子もいます。
目次
- 赤ちゃんのお座りはいつ?早いと問題がある?
- 赤ちゃんのお座り、目安は生後6~7ヶ月頃
- お座りの発達ステップ
- お座りが早いと問題?
- お座りの前兆はある?
- 赤ちゃんがお座りしない場合、練習はする?
- お座りしない場合は無理に練習しなくても
- 赤ちゃんのお座りをサポートするポイント
- 赤ちゃんが自分でお座りできるようになるには
- 赤ちゃんのお座りをサポートするクッションや椅子選び
- 腰の高さまで支えのあるベビーチェア
- 授乳クッションなどで代用も
- お座りが安定したらハイチェアに
- まとめ
赤ちゃんのお座りはいつ?早いと問題がある?
赤ちゃんのお座り、目安は生後6~7ヶ月頃
赤ちゃんのお座りは、首が座る頃に始まります。
お座りをはじめたての頃(目安:生後6~7ヶ月頃)では、手を前について少し座っていられる状態です。
しかし生後10ヶ月頃になると、一人で安定して座れるようになる赤ちゃんもいるでしょう。
厚生労働省の調査によると、9~10ヶ月までに96%の赤ちゃんが1分以上支えなしでひとり座りできるようになっています。
早い赤ちゃんは5~6ヶ月頃から、遅くとも1歳までに約99%以上の赤ちゃんがひとり座りできるようになっています。※2
早い赤ちゃんと遅い赤ちゃんで半年近く差があることが分かりますね。
それほど、個人差があるといえるでしょう。
6~7ヶ月検診では、少しでもお座りをしていられるかがチェックされますが、この時期にまだできなくても、他に問題がなければ心配いらないとされています。※3
この時期は、離乳食を進める赤ちゃんも多い時期です。
お座りが安定し食事も進められるようになり、体も心も成長に繋がっていきます。
この時期の離乳食については、こちらの記事でもご紹介しています。
離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?-
お座りの発達ステップ
お座りは、段階的に上手になっていくものです。
はじめは寄り掛からないと座っていられない状態からスタートし、ひとりで座れても姿勢が崩れてしまう時期を経て、ひとりで座れるようになり、その後、座りながら姿勢を変えたりできるようになります。
お座りの発達5つのステップ
- 足を出し手を前についてすわれる 背中は丸まって少しの間だけ
- 手をついて5分程度座っていられる
- 両手をあげて座れる 背筋が伸びて、おもちゃで遊べる場合も
- お座りが安定し、自分の周りのおもちゃが取れる
- お座りから姿勢を変えて、またお座りに戻れる
はじめのうちは、足を前に投げ出して手を前についた状態で、背中が丸まってしまいます。
赤ちゃんによっては、腰を支えてあげないと、ぐにゃっと姿勢が崩れてしまい座っていられない子もいるようです。
この状態の時期は、椅子に座らせる場合は、転倒してしまわないように支えのある椅子を選んだり、腰の高さまであるクッションを支えにして座らせてあげましょう。
しかし、しばらくすると、手をついて座っていられるようになり、さらに安定した姿勢ができるようになると両手をあげても座っていられるようになります。
背筋を伸ばして座ったり、おもちゃをもって遊びながら座れる赤ちゃんもいるでしょう。
しばらくすると、しっかり座れるようになります。
体をひねって自分の周りにあるおもちゃをとることができるようになったり、姿勢を変えても自分でお座りの姿勢に戻ることができるようになる赤ちゃんもいるようですよ。※1※4※5
段階的にお座りができるようになるのと並行し、つかまり立ちが始まる赤ちゃんもいるでしょう。
つかまり立ちの時期や練習方法
も、併せて参照してみてください。
お座りが早いと問題?
厚生労働省の調査では、早い赤ちゃんは5~6ヶ月頃からお座りをしています。※1
この頃でも約8%の赤ちゃんがひとり座りできているということなので、お座りの時期は個人差が大きいと言えるでしょう。
「お座りができる」とは、支えがなくてもひとりで座れる状態を指します。※1
お座りができるようになるためには、首が座り、垂直に体を支えられるだけの筋力が発達していなければなりません。※4
しかし、この筋力が発達しないうちに、早い時期から無理に長時間お座りをさせてしまうと、本来使うべき身体機能ではない部分を使って座ってしまったり、ズリバイなど発達に必要な他の動作ができなくなってしまうこともあるようです。※4※6
また、筋力がなく前に倒れてしまったりして不安定なため、安心感や自信がつかない、お座りしたままのひとり遊びを嫌がるようになる、などの精神面での影響もあると言われています。
赤ちゃんは自分で動き回ることで運動能力を身につけ、段階的に習得していくとされています。※6
早い時期からサポートのある椅子などを使って無理に長時間座らせるのではなく、赤ちゃんが自分で座れるようになるためのサポートをしましょう。
この時期は、お座りができるようになるだけでなく、寝返りが盛んになり、ハイハイも始まり、自分で動いて身体能力を身につける時期です。
ひとり歩きに繋がる重要な発達段階の時期でもあります。
ハイハイから歩くまでの成長過程については、こちらの記事でも紹介しています。
赤ちゃんの歩く練習は必要?早くても遅くても心配?
お座りの前兆はある?
お座りができるようになる前には、体を横に倒す姿勢ができ、お座りに移行する場合が多いようです。
他にも寝返りができる、ズリバイができるなども、お座りがはじまる目安だといわれています。※6
お座りができるには、首が座っていること、姿勢がずれたら修正できる力が必要になるため、寝返りやズリバイなどが1つの目安となるようです。※4
ただし発達の段階にも個人差があります。
お座りの前兆も、赤ちゃんによって個性がでるかもしれません。
※1 育育児典(全2冊)暮らし編/毛利子来・山田真/岩波書店/2007年発行/3月18日現在
※2 調査結果の概要 平成22年乳幼児身体発育調査/厚生労働省/3月18日現在
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
※3 乳幼児保健指導の手引 改訂第4版/新潟県福祉保健部/3月18日現在
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/1/18/hokennsidou.pdf
※4 武庫川女子大学教育研究所/子ども発達科学研究センター2013年度活動報告/3月18日現在
http://www.mukogawa-u.ac.jp/~kyoken/report_pdf/44th_05.pdf
※5 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/編著 乳幼児保育研究会/ぎょうせい/2018年発行/3月18日現在
※6 育児をもっと豊かに 赤ちゃん目線の子育てガイド/ジャネット・ランズベリー/SMART GATE/2009年発行/3月18日現在
赤ちゃんがお座りしない場合、練習はする?
お座りしない場合は無理に練習しなくても
赤ちゃんのお座りはいつ?成長過程を確認の章でもご紹介していますが、99.6%の赤ちゃんが1歳までにひとり座りできるようになっています。
ただし、この時期の発達は個人差が大きいものです。
6~7ヶ月検診で出来なくても、他に問題がなければ心配ないとされています。
段階ごとに発達できるよう、遊びなどを通じてサポートをしていくとよいとされています。
お座りをするためには、しっかりと首がすわり、体を支える筋力が必要です。
また、足を広げて安定して座れるよう股関節が使えるようになっていなければなりません。
無理せず、段階を経て発達できるようサポートしていきましょう。※7※8※9
赤ちゃんのお座りをサポートするポイント
- 自由に動き回り運動能力を発達させる
- 手が届く少し先におもちゃを置くなどして運動能力の発達を促す
- 腰の高さで支えながら少しの時間座らせる
- 足を開いて両手を前につくとお座りの姿勢を保ちやすくする
- 座っていられれば腰をおさえてあげ両手を離しておもちゃで遊べるようにサポートする
※7※8※9※10
座らせる練習をする前に、寝返りやズリバイ、ハイハイなどで動き回らせるのも1つの方法のようです。※7※8※9※10
自由に動き回ることで体が発達し、お座りに必要な筋力も整います。
あと少しで手が届くという位置におもちゃを置き、それを取りたいという意欲を持たせると、赤ちゃんの動きを促します。
さらに、お座りができるようになっても、はじめのうちは長時間お座りをしすぎると赤ちゃんの腰に負担がかかってしまうとされています。
無理に補助椅子などに座らせっぱなしにすることのないようにしましょう。
お座りの姿勢を取り入れ、自分で姿勢を立て直したりおもちゃを取りに行くことができるようになると、赤ちゃんも自分で気持ちを整えることができるようにもなると考えられています。
さらに、お手玉を頭の上に乗せ、赤ちゃんも頭の上に手を伸ばすことで、手を上にあげてお座りの状態を促すなどの方法もあるそうです。※11
赤ちゃんが自分でお座りできるようになるには
赤ちゃんが自分でお座りをするようになるためには、自分で姿勢を変えられる力が必要です。
お座りの姿勢から自分の力でハイハイなど、他の行動に移行することができ、またお座りに戻れるようにならなければなりません。
お座りの姿勢から後ろのおもちゃを取れるようにしたり、ハイハイからお座りの姿勢に移行できるよう段差や斜面のハイハイにも挑戦し、筋力をつけていきます。※11
赤ちゃんが興味を持つおもちゃを上手に活用し、行動を促すのがポイントです。
この時期の赤ちゃんの玩具については、こちらの記事でも詳しくご紹介しています。
赤ちゃんのおもちゃいつ買う?何買う?どう遊ばせる?
※7 乳幼児保健指導の手引 改訂第4版/新潟県福祉保健部/3月18日現在
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/1/18/hokennsidou.pdf
※8 育育児典(全2冊)暮らし編/毛利子来・山田真/岩波書店/2007年発行/3月18日現在
※9 武庫川女子大学教育研究所/子ども発達科学研究センター2013年度活動報告/3月18日現在
http://www.mukogawa-u.ac.jp/~kyoken/report_pdf/44th_05.pdf
※10 育児をもっと豊かに 赤ちゃん目線の子育てガイド/ジャネット・ランズベリー/SMART GATE/2015年発行/3月18日現在
※11 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/編著 乳幼児保育研究会/ぎょうせい/2009年発行/3月18日現在
赤ちゃんのお座りをサポートするクッションや椅子選び
お座りも始めの頃は不安定です。
支えになるような椅子やクッションを使うと、倒れてしまうことなく一人で座っていられます。
腰の高さまで支えのあるベビーチェア
お座りが安定しない時期の赤ちゃん向けの椅子が市販されています。
おしりから腰まで深く支えられるようになっているので、ぐらぐらしてしまっても倒れにくい作りになっています。
いくつか種類がありますので、ご家庭にあった使い勝手の良いものを選びましょう。
重心が低く安定性のあるしっかりとした作りのものや、空気で膨らませられ持ち運びがしやすいタイプのもの、肌に優しい布製のものなどがあります。※12
離乳食が始まる時期ですので、洗えたり、簡単に掃除できるものにしましょう。
安定性のあるしっかりしたベビーチェアは価格も高めですが、お座りが安定してからも座卓でご飯を食べる場合には長く使えるでしょう。
安全性の高さを最優先に考え、洗いやすさ・大きさ・使い勝手を考慮して選びましょう。
授乳クッションなどで代用も
お座りが安定するまでの間は、授乳クッションで代用することもできます。
コの字型になっている授乳クッションを使い、真ん中に赤ちゃんを座らせます。※13
専用椅子のような足回りのサポートがなく、椅子に比べると不安定になってしまいますので目を離さないよう注意しましょう。
新生児期の授乳用に購入したけど、もう使っていないという方は赤ちゃんの遊びのスペースに置いておき、サポート椅子として活用してみてください。
お座りが安定したらハイチェアに
ダイニングテーブルで大人と一緒にお食事する場合は、ハイチェアが必要になります。
ハイチェアが使えるようになるのは、ひとり座りが安定してからです。
はじめのうちは、ベルトなどでサポートできるタイプのハイチェアだと安心です。
ハイチェアに取り付けられる布製のベルトもありますので、外食の時などには重宝します。
ベビーチェア選びは、安全性が第一です。
赤ちゃんの発達に応じて適切な椅子を選びましょう。
※12 【楽天市場】赤ちゃん お座り 椅子の通販/3月18日現在
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※13 【楽天市場】授乳クッションの通販/3月18日現在
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まとめ
赤ちゃんのお座りは、成長に伴って段階的にできるようになっていくものです。
多くの赤ちゃんは、首がすわり寝返りができるようになった後、6ヶ月頃から1歳頃までの間にひとりで安定して座れるようになります。
はじめのうちは、背中が曲がってしまい、前に手をついた姿勢で座り、不安定な状態ですが、次第にまっすぐ座れるようになり、床や支えから手を離しておもちゃなどをとれるようになり、次第に動きの幅が広がります。
お座りから前に倒れてしまうような状態で長時間座らせるのは少し早いかもしれません。
長時間無理に座りっぱなしにさせておくことで、運動機能や精神面でも影響がでてしまうこともあります。
はじめのうちは、短い時間、ママがサポートしてあげながらお座りの姿勢をさせてあげましょう。
自分でお座りできるようになるためには、体を支えられる筋力が発達している必要があり、運動能力をつけるためには、寝返りやハイハイなどを十分にさせてあげることが大切だと言われています。
自分で動けるようになる時期ですので、赤ちゃんが存分に動けるよう環境を整えてあげましょう。
寝返り・おすわり・ハイハイ・つかまり立ち・伝い歩きというように成長著しい時期ですが、順番は赤ちゃんによって様々ですし、時期も個人差が大きいものです。
あまり心配しなくても大丈夫ですが、心配な場合は検診時に相談してみるとよいでしょう。