赤ちゃんの歯磨きはいつから?やり方(磨き方)は?

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歯は一生の付き合いになる体の重要なパーツの1つ。 
赤ちゃんに歯が生え始めたら、いつから歯磨きをはじめるか、嫌がってしまうときはどう磨くか、ガーゼで拭くだけでいいのかなど、赤ちゃんの歯磨きの疑問を解説します。 
正しい歯磨きのコツを知って、大切な赤ちゃんの歯をむし歯から守りましょう。

目次

  1. 赤ちゃんの歯磨きは、いつから?生える前のケアは?
    • 歯が生え始めたら歯磨きを
    • 歯が生え始める時期
    • 生え始めの時期はガーゼでケア
  2. 赤ちゃんの歯磨き、回数は?やり方は?
    • まずは1日1回から
    • ガーゼを使った磨き方
    • 歯ブラシの磨き方
    • 歯ブラシの選び方
  3. 赤ちゃんが嫌がる時の磨き方
  4. 歯磨きしないで寝るとどうなる?
  5. 仕上げ磨きはいつからいつまで?
    • 歯磨き粉はいつから?
  6. まとめ

赤ちゃんの歯磨きは、いつから?生える前のケアは?

赤ちゃんの白い歯が見え始めると、歯磨きをしないと虫歯になるのでは?と心配になりますよね。 
歯ブラシで磨くのはいつからか、生える前にもケアは必要なのか見ていきましょう。

歯が生え始めたら歯磨きを

一般的に、歯が生え始めた頃から歯のケアを始めると言われています 
育児書などにも、歯が生えたら歯磨きの習慣をつけるよう書いてあるものもあるでしょう。※1 
ただ歯が生え始める時期はよだれが多く、歯ブラシを使わなくても汚れが付きにくいとも言われています。※2 

1歳頃を目安に、歯ブラシを使い始めてもよいようです。※2 

ある企業の調査によると、1歳未満で歯磨きをしている子は全体の51%と約半数です。※3 
保育園児を対象に行われた調査でも、0歳児クラスで親が毎日歯磨きをしている」と回答したのは4割。※4 
「ときどき」が2割、「していない」が4割となっています。※4 
1歳未満では、毎日磨けている家庭ばかりではないことがわかります。

歯が生え始める時期

歯が生え始めるのは、一般的に生後8ヶ月前後と言われています。※5 
下の前歯から順番に生えていき、乳歯が生えそろうのは、3歳頃です。※5 

歯が生え始める前の時期は、よだれの量が増える赤ちゃんもいます。 
よだれは増えてもあまり気にしなくても大丈夫ですが、注意が必要な場合もあります。 
赤ちゃんのよだれの量と対策

の記事で、詳しくご紹介しています。 

生え始めの時期はガーゼでケア

歯が生え始めた頃は、水で濡らしたガーゼで歯を拭いてあげます。 
慣れないうちは、歯ブラシで磨いてあげるのは難しいですよね。 
はじめのうちは、ガーゼで汚れを落とし、歯ブラシは慣らせる目的で使いましょう。
 

歯の本数が増えてくると、汚れのたまりやすい歯と歯などはガーゼだけはきれいに磨けなくなります。
歯の本数が増えてきたらガーゼではなく、歯ブラシに切り替えるようにしましょう。 

 

離乳食の時期や進め方については、
離乳食の進め方について

詳しくこちらの記事でご紹介しています。

※1 はじめてのママ&パパの育児/五十嵐隆 監修/2014年10月10日発行/2022年11月20日現在
https://books.shufunotomo.co.jp/book/b182081.html
※2 子どものお口の健康|お口の健康情報ナビ|日本口腔保健協会/2022年11月20日現在
https://jfohp.or.jp/okuchikenko_navi/child/index.html
※3 雪印ビーンスターク 「歯と口の健康週間」に向けてむし歯と歯周病に関する意識調査を実施/PRTimes/2022年11月20日現在
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000011145.html
※4 J-Stage 保育園児の家庭での歯磨き状況と保護者の意識調査 新井 恵/保健医療福祉科学 2018/2022年11月20日現在https://www.jstage.jst.go.jp/article/spujhcs/8/0/8_48/_pdf/-char/ja
※5 歯の知識/日本歯科大学/2022年11月20日現在
http://www.ndu.ac.jp/~pedo/trivia.html

赤ちゃんの歯磨き、回数は?やり方は?

まずは1日1回から

歯磨きをはじめて間もないうちは赤ちゃんの機嫌の良い時に磨きます
歯が生えはじめの時期は比較的何でも口に入れたがるので、このタイミングを逃さずに歯ブラシに慣れさせてしまうとよいかもしれませんね。
寝ている間は唾液が少なくなり、虫歯菌のリスクが高まります。
奥歯が生えてきたら、夜の歯磨きは特にしっかり行うように心掛けましょう。※2 

ガーゼを使った磨き方

ガーゼでのケアは、ミルクや離乳食の後に行います。
清潔なガーゼを指に巻いて、やさしいタッチで口の中をぬぐうようにふいてあげます。
特にミルクなどのカスが溜まりやすい上唇の裏は丁寧に行いましょう。
はじめのうちはガーゼ磨きに慣れることを重視して長く磨きすぎないよう、赤ちゃんの様子を見ながら無理のないペース進めていきましょう。

使用するガーゼは、清潔なものを選びます。

赤ちゃん用のやわらかいガーゼが磨きやすいです。

ガーゼの他に、赤ちゃんの歯磨き用ウェットシートも市販されています。

ガーゼを濡らす手間もなく、成分も赤ちゃんに配慮した優しいものが使われており、使い捨てできて衛生面でも安心です。

用途に合わせて使う種類を選びましょう。

歯ブラシの磨き方

歯ブラシに慣れないうちは、赤ちゃんが舌で押し戻してきたり、嫌がって手が出たりして一筋縄にはいかないものです。
やさしく丁寧に磨いてあげるのがポイントです。

  • 仕上げ磨き用の歯ブラシを使う

仕上げ磨き用の歯ブラシがあるのをご存じでしょうか。
ヘッドが小さいので、まだ歯が小さい赤ちゃんでも歯茎を傷つけずに磨けます。
小刻みに動かしやすく、力を入れなくても磨きやすいです。
子ども用の歯ブラシとは別に、仕上げ磨き用を使って磨いてあげましょう。※6

 

  • 赤ちゃん用の歯ブラシを噛ませる

赤ちゃんの歯を磨こうと思っても、口をあけてくれないことも多いですよね。
その時は、赤ちゃん用のガードが付いた歯ブラシを噛ませてあげると、その隙間から磨けます。
おもちゃを噛ませてあげてもよいかもしれません。
歯ブラシなどを噛んでいると、赤ちゃんが舌で押し戻してくることもなく磨きやすいです。
赤ちゃんがかみかみしている間に、磨いてあげましょう。

 

  • 力を入れすぎずにブラッシング

力を入れて磨いてしまうと赤ちゃんが痛がってしまい、歯磨きを嫌がる原因になりかねません。
歯ブラシはえんぴつを持つイメージで人差し指と親指ではさみ、他の指は軽く添える程度にします。※6
この持ち方にすると力が入りすぎず、適度な力で磨くことができます。

※2 子どものお口の健康|お口の健康情報ナビ|日本口腔保健協会/2022年11月20日現在
https://jfohp.or.jp/okuchikenko_navi/child/index.html
※6 YouTube 小諸市公式チャンネル/赤ちゃんの歯磨き「歯が生え始めてきたら(8ヶ月頃・離乳食教室頃)」/2022年11月20日現在
https://www.youtube.com/watch?v=oOaDJYY-ld4

歯ブラシの選び方

歯ブラシは赤ちゃんが使うものと、親が行う仕上げ磨き用のものの2本を用意します。
赤ちゃん用はあくまで歯ブラシに慣れさせる目的ためのものであり、歯をきれいに磨くのは親が使う仕上げ磨きのブラシになります。
歯ブラシは赤ちゃんの月齢に合ったものを選びましょう。
小さめで毛先が丸くなっているものだと磨きやすく、歯や歯ぐきにもやさしくブラッシングできます。
赤ちゃんが楽しく歯磨きできるようにお気に入りのキャラクターがついたブラシを選ぶのもおすすめです。
また、仕上げ磨き用のブラシは親が持ちやすい柄の長めのものを、赤ちゃん用のブラシはのどを突かないようにガードが付いているものを選びます。

 

赤ちゃんが嫌がる時の磨き方

多くの子供がはじめのうちは歯磨きを嫌がってしまうものです。
しかし、むし歯になってしまうとさらに痛い思いをするだけでなく、永久歯の生え方などにも影響を及ぼすことがあります。
そうならないためにも小さなうちから歯磨きを習慣付けることは非常に大切なのです。


【嫌がるときに試したい方法】

  • 遊びの中で教える
  • 口の中を鏡で見せる
  • 歯磨きジェルを使ってみる


歯磨きにちなんだ絵本や歌で親しみを持たせたり、手鏡を持たせ自分の口の中を見せながら「○○ちゃんの口の中にばいきんさんがいるよ!歯ブラシでやっつけようね」などと声かけをするなど工夫をしてみましょう。
最近では歯磨きが楽しくできるような支援アプリなどもあるので、スマートフォンの使い方に配慮しながら上手に活用していくのも良いでしょう。
6ヶ月頃から使えるフルーツ味などの赤ちゃん用の歯磨きジェルを使うのもひとつの方法です。
子供が好む味付けがされているため、歯ブラシを嫌がらずに口に入れてくれることもあります。
歯磨きができたらちょっとしたご褒美をあげて、やる気を出させてあげるものおすすめ。
1回出来たごとにシールをあげたり、1歳半頃から食べられる子供用のキシリトールタブレットをあげるなど親の負担にならない範囲で行ってみましょう。

歯磨きはなるべく子供が楽しめる状況を根気強く作ってあげることが大切です。
逃げ回る子供を無理やり押さえつけて磨くと、かえって歯磨きを嫌いになってしまうこともあるため注意してくださいね。

歯磨きしないで寝るとどうなる?

赤ちゃんの歯が生えると、むし歯になるリスクがゼロではありません。
赤ちゃんの歯はまだ硬くなく、甘いものを食べたり飲んだりすると虫歯になりやすいと言われています。※7
夜、寝ている間は唾液の量が減り、虫歯になりやすくなります。※7
ジュースを与えたり、卒乳が遅かったり、親が歯磨きをし始めるのが遅いと虫歯の原因となるようです。※7
赤ちゃんの乳歯は成長と共に生え変わるものですが、その後一生の付き合いになる永久歯の土台になる存在です。
乳歯の段階からしっかり歯磨きを行い、むし歯にさせないことは赤ちゃんの健やかな成長にとって必要不可欠なのだと意識しましょう。

※7 子供のむし歯の特徴と有病状況/e-ヘルスネット/厚生労働省/2022年11月20日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-002.html

仕上げ磨きはいつからいつまで?

仕上げ磨きは、歯磨きをスタートした段階からはじめます。
赤ちゃん用の歯ブラシはあくまで歯磨きに慣れされるものであって、磨くことが目的ではありません。
パパやママが仕上げ磨きをしてあげる必要があります。

子どもが自分で磨けるようになっても、まだまだ自分ではしっかりと磨けていないものです。
永久歯が生えそろうまでは、大人が仕上げ磨きをしてあげた方がいいようです。※2

※2 子どものお口の健康|お口の健康情報ナビ|日本口腔保健協会/2022年11月20日現在
https://jfohp.or.jp/okuchikenko_navi/child/index.html

歯磨き粉はいつから?

保育園を対象に行われた調査によると、0歳児クラスで歯磨き粉や歯磨きジェルを使っているとの回答はありません。※4
1歳児クラスでは8割、2歳児クラス以降は9割以上が使っていると回答しています。※4
市販の歯磨き粉は1歳半ごろから使えるものもあり、この時期に使い始める方もいるかもしれませんね。

むし歯の予防に使われているフッ素入りの歯磨き粉は、幼児から使えるものもあります。※8
自分でぶくぶくうがいができないうちは、ジェル状の歯磨き粉が奨められています。※8
3歳頃、自分でうがいをして歯磨き粉を吐き出せるようになったら、フッ素入りの歯磨き粉をはじめるとよさそうです。

※4 J-Stage 保育園児の家庭での歯磨き状況と保護者の意識調査 新井 恵/保健医療福祉科学 2018/2022年11月20日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/spujhcs/8/0/8_48/_pdf/-char/ja
※8 フッ化物配合歯磨剤/e-ヘルスネット/厚生労働省/2022年11月20日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-02-007.html

まとめ

永久歯の土台となる乳歯のケアはその後の歯の成長を左右するものです。
まだ自分で磨くことのできない赤ちゃんにとって、パパやママがしっかりケアを行うことでその後の歯の健やかな成長が守られます。
まだ小さいうちは歯磨きを嫌がって逃げ回ることもあり、苦労することも多いと思いますが、根気強く続けて習慣付けていきましょう。

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