小学生の睡眠時間の目安は?睡眠不足の影響は?

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小学生の理想の睡眠時間の目安は、9時間以上とも言われています。
足りていない…という家庭も少なくないかもしれません。
成長期の小学生、睡眠不足は親としても心配ですよね。
小学生の平均的な睡眠時間や、睡眠不足が発達に与える影響、そして中学受験の勉強のための睡眠時間を確保する方法などを解説します。

 

目次

  1. 小学生に必要な睡眠時間の目安は?
    • 小学生の睡眠時間、目安は8~11時間
  2. 小学生、寝る時間の平均は?睡眠不足が多い?
    • 平均的な寝る時間は、およそ22時
    • 睡眠不足な子も多い
  3. 小学生の睡眠不足、学力に影響する?発達への影響は?
    • 学力にも影響あり
    • 睡眠不足は肥満のもとにも
    • イライラの原因にも
  4. 中学受験を控えた小5・小6、理想の睡眠時間を確保するには?
  5. まとめ

小学生に必要な睡眠時間の目安は?

必要な睡眠時間には個人差があるものです。
何時間あれば足りていると決められるものではないものの、公表されている一般的な目安をご紹介します。

 

小学生の睡眠時間、目安は8~11時間

厚生労働省の資料によると、学童期にあたる小学生の睡眠時間は8〜10時間です。※1
米国国立睡眠財団では、6〜13歳の望ましい睡眠時間は9〜11時、最短睡眠時間は7~8時間と発表しています。※2
この2点から考えると、小学生のうちは8~11時間を目安に睡眠時間を確保する必要がありそうです。

 

お子様の睡眠時間と比べていかがでしょうか?
子どもの睡眠は、心身を健やかに成長するために必要不可欠です。※1
睡眠不足が慢性化すると、疲労やストレスが蓄積され、様々な悪影響も考えられます。※3
最近の小学生は、何時に寝ているのでしょうか。
次章で詳しくみていきましょう。

 

※1 未就学児の睡眠指針/厚生労働省 /2021年4月2日現在
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
※2 早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来/文部科学省/2021年4月15日現在
https://katei.mext.go.jp/contents2/pdf/H26_keihatsushiryo-student.pdf
※3 提言111:睡眠負債の返済と児童生徒の睡眠教育/東京都教育会 /2021年4月2日現在
https://t-kyoikukai.org/teigen/teigen111/teigen111.html

小学生、寝る時間の平均は?睡眠不足が多い?

寝る時間は、家庭環境によって違いがありますよね。
共働きの家庭や、塾や習い事が多い小学生は遅くなりがちです。

 

平均的な寝る時間は、およそ22時

厚生労働省の調査によると、小学生の平均就寝時刻は21時57分、平均起床時間は6時38分。※4
睡眠時間は、8時間41分ということが分かります。
さらに、民間企業が実施したアンケート調査では、小学生が平日の夜に寝る時間は夜10時ごろが38%と最も多く、次いで夜11時ごろが23%という結果もあり、およそ10時ごろに寝る小学生が多いようです。※5
9時間の睡眠をとるならば、夜10時に寝て朝7時に起きる生活リズムですね。

 

睡眠不足な子も多い

文部科学省の調査では、授業中に眠気を感じたり、十分な睡眠がとれていないと感じたりしている小学生もいることがわかります。※6
午前の授業中に眠くて仕方がないことが「よくある」「ときどきある」と答えた小学生は5年生で31.0%、6年生で38.9%となっており、3割超の子が午前中から眠気を感じているようです。※6
また民間企業のアンケート調査では、小学生の約半数は睡眠時間が足りていないと回答しています。※5
お子様にも、授業中に眠気がないか聞いてみてください。

 

塾や習い事で帰宅時間が遅くなること、共働き家庭で親の帰宅時間が遅くなることが、子供の睡眠時間に影響しているようです。※7※8
ただ睡眠不足の状態で勉強を頑張っても、効果的ではない可能性もあります。
次章では、睡眠不足が心身の発達に及ぼす影響について解説します。

 

※4 平成27年版 子供・若者白書(全体版) /内閣府/2021年4月2日現在
https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h27honpen/b1_06_01.html
※5 キッズ調査レポート夜ねる時間と睡眠/キッズ@nifty /2021年4月2日現在
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000142.000023383.html
※6 平成 26 年度「家庭教育の総合的推進に関する調査研究」 - 睡眠を中心とした生活習慣と子供の自立等との 関係性に関する調査- /文部科学省/2021年4月2日現在
https://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/katei/__icsFiles/afieldfile/2015/07/13/1357460_03.pdf
※7 バンダイこどもアンケートレポート Vol.183/バンダイナムコ /2021年4月2日現在
https://www.bandai.co.jp/kodomo/pdf/question183.pdf
※8 男女共同参画白書(概要版) 平成30年版/内閣府/2021年4月2日現在
https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/h30/gaiyou/html/honpen/b1_s03.html

小学生の睡眠不足、学力に影響する?発達への影響は?

学力にも影響あり

しっかり睡眠をとった方がよいことは分かっていても、勉強もおろそかにさせたくありませんよね。
特に中学受験をする場合には、学校の宿題や塾、家庭学習と勉強のために睡眠時間を削らざるを得ない状況になってしまっていることもあるでしょう。
ただ様々な調査結果から、睡眠時間はしっかりと確保した方が学力のためになりそうです。

 

山陽小山田市の小学生を対象に行われた調査では、8時~9時に寝ている小学生が国語算数の学力が最も高く、それ以降、寝る時間が1時間遅くなるごとに学力が徐々に低下していくことが報告されています。※9
また米国で行われた調査でも、成績が下位のグループと上位のグループを比較すると、上位のグループの方が睡眠時間は長く、平日と週末の睡眠時間の差が少なかったそうです。※10
これらの調査から、睡眠時間と学力は少なからず影響があると考えられます。

 

また記憶の定着にも睡眠が関係していると言われています。※11
睡眠中の脳の働きから見るに、十分な長さの睡眠をとらないと日中に覚えたことを忘れてしまう可能性があるそうです。※11
勉強で寝るのが遅くなり、せっかく勉強した内容も翌朝には覚えていないということでは本末転倒です。
学力のためには、睡眠時間は確保した方がよさそうですね。

 

睡眠不足は肥満のもとにも

睡眠不足は身体の発達にも影響すると考えられます。
身体の成長への影響だけでなく、肥満への影響もあるようです。
ある調査では、睡眠時間が短い人に肥満が多かったとされています。※12
睡眠不足になると、寝ている間に脂肪の分解が進まず、肥満傾向になる可能性が指摘されています。※12
さらに就寝時間が遅くなると、夜おなかが空きますよね。
夜食を食べてしまうと、朝ごはんが食べられないこともあるでしょう。
子供は、朝ごはんを抜いてしまうと、学校で集中力が続かない上に、十分な運動が出来ないという悪循環に陥ってしまう可能性もあります。※12
睡眠が足りないと生活リズムが乱れ、肥満につながる生活習慣になりやすいと言えます。

 

イライラの原因にも

睡眠不足は、イライラの原因の1つでもあります。※10
海外で行われた調査では、夜遅くに起きている子どもは機嫌が悪くなりやすく、反社会的行動や攻撃性に関連するという結果も報告されているそうです。※13
睡眠不足でイライラするのは、起きる時間が遅くなり朝の光を十分に浴びていないため。
人間は朝の光を浴びることで体内時計を整え、心を穏やかにするホルモンが分泌されると言われています。※13
朝、光を浴びないことと、日中ぼーっとしてしまい運動量が少なくなることで、このホルモンの分泌を増やせず、イライラしてしまうと考えられています。※10

 

睡眠不足は、子供の心と体の成長、さらに学力にも影響があると考えられます。
勉強や習い事で忙しい小学生も多いものですが、睡眠時間は適切に確保したほうがよさそうですね。

 

※9 生活習慣の乱れは子どもに何をもたらすのか/立命館小学校副校長 陰山英男/2021年4月2日現在
https://www.kobun.co.jp/Portals/0/resource/dataroom/magazine/dl/hoken58.pdf
※10 特集2 子どもの睡眠不足はなぜ悪い? 夜更かしっ子大国、日本 生活習慣病、イライラ、学力低下招く/全日本民医連/2021年4月2日現在
https://www.min-iren.gr.jp/?p=4711
※11 第1回 睡眠と記憶について|知っていますか?「勉強に効果てきめんな睡眠」の手に入れ方/甲南大学/2021年4月2日現在
https://www.konan-u.ac.jp/special/vol_1.html
※12 小児期からの生活習慣病予防/富山大学大学院 医学薬学研究部 保健医学講座/2021年4月2日現在
http://www.med.u-toyama.ac.jp/healpro/toyamast/toyamast.html
※13 日本の乳幼児の睡眠状況 ~ 国際比較調査の結果から~ /神山潤 /2021年4月2日現在
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2009/006802/019/0219-0223.pdf

中学受験を控えた小5・小6、理想の睡眠時間を確保するには?

睡眠不足になると集中力が続かず、学力にも影響することが分かりました。
学力との睡眠時間の統計から考えると、夜9時には眠りにつきたいところです。※9
夜9時に寝て9時間睡眠をとると、起きるのは朝6時。
朝6時に起きれば、登校前にゆとりがありませんか?
十分な睡眠と勉強時間を確保するために、この登校前の時間に勉強するのも1つの手です。
朝型の生活リズムにすれば日光を浴びられるので、心を穏やかにするホルモンも分泌されるでしょう。※14
朝って勉強してる?学習を効率的にする朝勉強のコツを紹介!
の記事に開設の通り、朝は「脳のゴールデンタイム」とも言われているようです。
朝の脳は、疲労がない状態で、新しい情報を受け入れやすい状態だと言います。
集中しやすい朝に勉強すれば、効率もあがるかもしれません。
睡眠不足だと感じるようであれば、朝の時間を見直してみてください。

 

※1 未就学児の睡眠指針/厚生労働省/2021年4月2日現在
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
※9 生活習慣の乱れは子どもに何をもたらすのか/立命館小学校副校長 陰山英男/2021年4月2日現在
https://www.kobun.co.jp/Portals/0/resource/dataroom/magazine/dl/hoken58.pdf
※14 第32回幸せホルモンって!? /東北大学病院生理検査センター/2021年4月2日現在
http://www.physiology.hosp.tohoku.ac.jp/custom90.html

まとめ

小学生は、将来の生活リズムの基盤をつくる時期。
小さい頃に夜型だと、成長しても夜型の子が多いことがわかっています。
子供の成長や学力のためにも、十分な睡眠時間を確保した方がよさそうです。
夜9時ごろまでには布団に入り、少なくとも9時間前後の睡眠時間を目安に生活習慣を見直してみるとよいかもしれません。
ただ共働きで帰りが遅いと、なかなか難しいという場合もありますよね。
まずは朝早めに起きることを目標にし、少しずつ生活リズムを朝方にシフトしていきましょう。

 

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