赤ちゃんの添い寝、ベッドで寝られる?いつからできる?

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赤ちゃんの添い寝は、窒息などの危険性もあり、注意が必要です。
いつから添い寝ができるようになるのでしょうか?
添い寝の年齢の目安やベッドで寝る場合の注意点、さらに添い寝のメリットデメリットについて解説します。

目次

  1. 赤ちゃんの添い寝、いつからできる?
    • 0歳のうちの添い寝、親が寝入ってしまうと危険
    • 1つの布団で添い寝できるのはいつ?
  2. 大人のベッドで添い寝は可能?ベッドガードを付ければ大丈夫?
    • 大人用ベッドで一緒に寝るのは満2歳から
    • 赤ちゃん用のベッドガードの使用は?
  3. 新生児と添い寝するには?安全に配慮した睡眠環境とは?
    • 新生児との添い寝、親の睡眠不足に注意
    • 安全に配慮した睡眠環境とは
  4. 添い寝にはメリットが!親子で寄り添うとよく寝てくれる?
    • 一緒に寝ると子どもの異変に気付きやすい
    • 子どもに安心感や信頼感を与えられる
    • 親子のコミュニケーションになる
    • 子どもの自立心が高まる可能性もある
    • 親自身も安心できる
  5. 添い寝のデメリットは自立出来なくなること?いつから一人寝させる?
    • 添い寝を続けると自立心に影響する?
    • 添い寝はいつまで?依存しないためには?
  6. まとめ

赤ちゃんの添い寝、いつからできる?

0歳のうちの添い寝、親が寝入ってしまうと危険

まだ赤ちゃんが体を自由に動かせない0歳児のうちの添い寝には注意が必要です。
消費者庁の調査によると、0歳児における不慮の事故の原因として「就寝時の窒息」が32%を占めており、親が寝入ってしまい子どもの圧迫してしまわないよう、注意喚起をしています。※1

赤ちゃんとの添い寝は「赤ちゃんが寝つくまで傍にいる」のがよさそうです。
赤ちゃんが寝ついたら、そっと親は隣の布団に移動するか、赤ちゃんをベビーベッドへ移動させるなど工夫しましょう。
くれぐれも赤ちゃんの隣で寝入ってしまわないよう注意が必要です。

 

1つの布団で添い寝できるのはいつ?

赤ちゃんにはベッド?お布団?安全な寝室の環境と夏冬の布団対策

にもある通り、子どもと添い寝しているというご家庭も多いかもしれません。
0歳のうちは、一緒に寝入ってしまうのはリスクが高いもの。
ただ子どもが一人で起き上がったり、顔にかぶさったものを取り払ったりできる年齢になれば、危険性は下がります。
保育サービスでの睡眠中の事故例でも、1歳~5歳までの事故の約9割が2歳までに起こっています。※2
さらに消費者庁では、2歳まではベビーベッドの使用を推奨。※3
子どもが大人のベッドで一緒に寝るのは2歳からとされています。※3
これらから推測すると、リスクを少なく1つの布団やベッドで添い寝をするのは2歳頃が目安と言えるかもしれません。
ただこの時期の子どもの発達は、個人差が大きいものです。
子どものできること、できないことをよく観察し、一緒に寝る時期を判断してください。

 

※1  0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!/消費者庁/2021年3月11日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf
※2 「認可保育園でのお子様の睡眠中の死亡に関する死因と年齢について」日本スポーツ振興センター 学校の管理下の死亡・障害事例と事故防止の留意点平成 17 年版~平成 24 年版より/託児ママ マミーサービス 中村徳子
http://mommy-sids.com/pdf/siryou.pdf
※3 0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!/消費者庁/2021年3月11日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171108_0001.pdf

大人のベッドで添い寝は可能?ベッドガードを付ければ大丈夫?

大人用ベッドで一緒に寝るのは満2歳から

消費者庁は、満2歳になるまではベビーベッドの使用を推奨しています。※3
というのも、0〜1歳児による大人用ベッドからの転落事故が発生しているため。※3
大人用ベッドから転落しての骨折や、転落が原因で壁などに頭が挟まれてしまうケースもあったようです。※3
2歳までは、大人のベッドで寝かしつけたらベビーベッドか子どもの布団に移動させてあげると、親も安心して睡眠がとれるでしょう。

 

赤ちゃん用のベッドガードの使用は?

赤ちゃんが大人用のベッドから転落するのを防ぐグッズに「ベッドガード」がありますよね。
この専用ベッドガードを付ければ、赤ちゃんは大人用ベッドで寝ても大丈夫では?と考える方も多いでしょう。
実はベッドガードには、製品ごとに対象年齢が定められています。
日本にある一般財団法人製品安全協会によって定められた安全基準では、生後18ヶ月(1歳半)未満の子どもにはベッドガードを使用しないよう製品への表示が義務付けられています。※3
つまり早くても1歳半になるまではベッドガードの使用は推奨されていません。
実際に2017年には、寝返りを打ち始めた生後9ヶ月の男児がベッドガードとマットレスの隙間に挟まれる事故が起こっています。※4
ベッドガードを使用する際は、製品の対象年齢や正しい使用方法、注意事項をしっかり確認したうえで使用するのが、安全への第一歩です。

 

 

※3 0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!/消費者庁/2021年3月11日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171108_0001.pdf
※4 乳児挟まれ死亡、ベッド柵に「欠陥」 両親、ベビーメーカーを提訴 消費者庁も注意喚起/産経新聞/2021年3月11日現在
https://www.sankei.com/life/news/210212/lif2102120037-n1.html

新生児と添い寝するには?安全に配慮した睡眠環境とは?

新生児との添い寝、親の睡眠不足に注意

赤ちゃんの寝かしつけのコツは?【月齢別】楽に寝かしつけられる方法

にある通り、新生児のうちは昼夜の区別がなく、お世話をする親もまとまった睡眠をとるのは難しいですよね。
ママは産褥期の中、夜間授乳や夜泣きに対応せねばならず、疲れも溜まっているはず。
添い寝をしたまま、自分が寝入ってしまわないよう注意しなければなりません。
赤ちゃんを寝かしつけたら、自分が移動して横になるか、赤ちゃんをベビーベッドに連れていくかして、はやめに移動しておきましょう。
疲れがピークの時は、夫婦で交代する、祖父母など家族に見ていてもらうなど、工夫してみてくださいね。

 

安全に配慮した睡眠環境とは

添い寝の有無にかかわらず、新生児のうちから赤ちゃんの睡眠環境には注意が必要です。
リスクを減らすポイントは以下の6つです。

 

【赤ちゃんの睡眠環境づくりのポイント】

  • できるだけベビーベッドで寝かせ、柵はあげておく※1

  • 布団やマットレスは赤ちゃん用に作られた硬めのものを選ぶ※1 

  • 枕やよだれかけ、ぬいぐるみなどを側に置かない※1

  • 赤ちゃんは壁側に寝かせるなど、隙間を作らない※1

  • 赤ちゃんが顔に誤って被らないよう、布団や毛布は保護者と別の赤ちゃん用の物を使う※1

  • 仰向けに寝かせる※1

 

まず赤ちゃんの窒息のリスクを減らすため、なるべくベビーベッドで寝かせます。
また硬めの布団を選び、赤ちゃんが寝ている側には何も置かない、ベッドや布団の間に隙間を作らない、重い毛布や布団は近づけないなど徹底しましょう。
さらに1歳までは仰向けに寝かせることで、SIDS(乳幼児突然死症候群)の発症を減らせると言われています。※1
寝返りをするようになると、仰向けに寝かせても、うつぶせになってしまうこともありますよね。
長時間うつぶせ寝にならないよう注意が必要です。

 

赤ちゃんの部屋作り、リビングや寝室のポイントは?狭い場合の対策とは

にもある通り、赤ちゃんの健康のためにはエアコンの風が直接当たらないようなレイアウト配置も大切です。
お昼寝をする時も、夜に寝る環境と同じよう配慮しましょう。

赤ちゃんは成長とともにできることが増えていきます。
寝返りやつかまり立ちなども、急にできるようになることもあるでしょう。
赤ちゃんの発達段階を知り、危険を予測するのも、睡眠時の事故防止に役立ちます。※3
赤ちゃんと過ごすリビング作り、レイアウトは?床や布団はどうする?何して過ごす?
の記事では、赤ちゃんの月齢ごとの注意点や対策をご紹介しています。

 

※1  0歳児の就寝時の窒息死に御注意ください!/消費者庁/2021年3月11日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/161024kouhyou_1.pdf
※3  0~1歳児の大人用ベッドからの転落事故に御注意ください!/消費者庁/2021年3月11日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_171108_0001.pdf

添い寝にはメリットが!親子で寄り添うとよく寝てくれる?

親と子が寄り添って寝るのには、さまざまなメリットがあります。
子どもと1つの布団で寝られるようになると、親自身も添い寝で安心感を得ることもあるでしょう。

 

【添い寝のメリット】

  • 一緒に寝ると子どもの異変に気付きやすい
  • 子どもに安心感や信頼感を与えられる
  • 親子のコミュニケーションになる
  • 子どもの自立心が高まる可能性もある
  • 親自身も安心できる

 

一緒に寝ると子どもの異変に気付きやすい

4~5歳の子どもの保護者を対象にした調査では、親が子どものそばで寝ることで、子どもの体調に変化や、夜目を覚ました時にすぐ気付けるという回答が見られます。※5
小さなうちは夜中に急に嘔吐をするなど、体調が突然変わることもよくありますよね。
一緒に寝ていれば、アクシデントにもすぐ対応でき、体が極端に熱いなど体調が悪化する兆候にも気付きやすいものです。
子どもの体調管理をしやすいのは1つのメリットと言えるでしょう。

 

子どもに安心感や信頼感を与えられる

母親が子どもと添い寝をすることで、親子の距離が身体的にも精神的にも近くなります。
そのため、子どもは母親に愛されているという安心感や信頼感を得られるという研究結果があります。※6
また赤ちゃんは添い寝により「求めれば叶えてもらえる」という経験を重ね、親だけでなく自分の周りの社会への信頼感が育つとも言われています。※6
こうした結果を踏まえると、添い寝には子どもに安心や信頼を与えるというメリットがあると考えられます。
安心感を得ることで、子どももよく眠れるかもしれませんね。

 

親子のコミュニケーションになる

子どもと寄り添う時間は、大切な親子のコミュニケーションの時間。
4歳~5歳の子どもの親を対象とした調査では、添い寝をしながら今日あったことを話し合ったり、絵本の読み聞かせを行ったりしていることが分かっています。※5
共働き家庭が増え、親子のコミュニケーションの時間が減っていると言われています。
添い寝で親子のコミュニケーションを図り、子どもが安心して寝てくれるのは大きなメリットですね。

 

子どもの自立心が高まる可能性もある

意外な気もしますが、ある調査では、女の子は添い寝の経験がある子の方が、自立心は高い可能性があると報告されています。※6
添い寝をしたのちに、添い寝から卒業するという過程を経て、親から離れていられる自立心が育つと考えられています。※6

 

親自身も安心できる

子どもと一緒に寝ることで、親自身も安心して眠れるというメリットもあります。※5
子どもが小さいうちは、何かあったらという不安もありますよね。
体調の変化はもちろん、トイレに起きたり、飲み物を欲しがったりすることもあるでしょう。
それらを見守っていられることも、親自身が安心できる要素の1つです。

 

※5 幼児の添い寝に関する実態調査/吉田美奈、浜崎隆司、黒田みゆき/2021年3月11日現在
https://core.ac.uk/download/pdf/235102781.pdf
※6 添い寝が子どもの信頼感・自立心・依存心へ及ぼす影響/吉田美奈/2021年3月11日現在
https://uedawjc.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=1770&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=38&block_id=28

添い寝のデメリットは自立出来なくなること?いつから一人寝させる?

いつまでも添い寝をしていると、一人で寝ることが出来なくなってしまうのでは?と心配になるパパやママもいるかもしれませんね。
添い寝と自立心の関係については、研究結果をもとに様々な意見があります。

 

添い寝を続けると自立心に影響する?

自立心が育まれる
ある研究者によると、母親を真ん中にして川の字で添い寝した子どもは、情緒が安定して社会性や自立心が育まれるとされています。※6
さらに、添い寝経験のある女性は添い寝経験がない女性よりも自立心がある、男性については添い寝と自立心の相関性は見当たらないという調査結果もあります。※6

 

依存心が高まる可能性も
一方で、4歳を過ぎても母親と添い寝を続けると、子どもの情緒は安定するものの、母親に依存し続ける形になり、依存心が高まるという研究結果もあるようです。※6

 

添い寝はいつまで?依存しないためには?

 

子供が一人寝に興味を持つのを待つ
様々な研究から考えた結果、4歳頃までは子どもに求められれば親子で添い寝をし、それ以降、子どもが一人寝をしたいと言った時期に一人寝を始めてみるのがよさそうだとの論文があります。※6
無理に一人寝をさせてしまうと、子どもは親に拒絶されたというマイナスな感情を抱いてしまう可能性もあるようです。※6
子どもが自分から一人寝に興味を持つのを待ちましょう。
4~5歳児の保護者を対象とした調査は、いつまで添い寝を続けたいかという設問に対して、約半数の55%が小学校にあがるまでと回答しています。※5
次いで約4割が中学校にあがるまでと回答しており、家庭ごとに考え方は様々です。※5

 

添い寝が長くても、依存心を高めないために
親子の依存傾向に陥らないためには、添い寝をやめるだけでなく、子ども優先の育児スタンスを改める必要もあるようです。※6
子どもに過干渉になりすぎないよう、注意することも大切です。

 

子どもの寝かしつけでイライラ!寝ない原因と寝かしつけ対策

で解説されている通り、子どもが一人で寝られるようになるには、自分から布団に入る、自分で自分を寝かしつけられる、一人で起きられるという段階を経て完成します。
4歳を過ぎたからといって、すぐに一人で寝られなくても当たり前です。
子どもに「ひとりで寝てみよう」と心の準備ができたら、少しずつひとり寝を取り入れていきましょう。

 

※5 幼児の添い寝に関する実態調査/吉田美奈、浜崎隆司、黒田みゆき/2021年3月11日現在
https://core.ac.uk/download/pdf/235102781.pdf
※6 添い寝が子どもの信頼感・自立心・依存心へ及ぼす影響/吉田美奈/2021年3月11日現在
https://uedawjc.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=1770&item_no=1&attribute_id=22&file_no=1&page_id=38&block_id=28

まとめ

子どもとの寄り添う添い寝には、親子の愛着関係を深めるなどいくつものメリットがあります。
その一方で赤ちゃんのうちは、不慮の事故に関するリスクが高いのも事実です。
赤ちゃんと添い寝をする時は、大人は赤ちゃんの横で寝入ってしまわないよう細心の注意を払いましょう。
心配な時は夫婦で声を掛け合うなど、工夫してみてください。
安心して一緒に寝られるのは2歳頃から。
2歳になれば、大人のベッドで一緒に寝ることもできます。
子どもがひとりで寝たいというまでの時間は、それほど長くはないかもしれません。
添い寝を卒業しても、親子のコミュニケーションの時間は減らさないよう、大切にしてくださいね。

 

 

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