ハンドリガードとは?いつからいつまで見られる?しないと問題?

公開日:

ハンドリガードとは、小さい赤ちゃん特有のしぐさです。
手を見つめたり、拳をしゃぶったり、指なめをしたりして、赤ちゃんは自分の手を認識していきます。
本記事では、ハンドリガードはいつから見られるのか、する理由はあるのか、などハンドリガードの特徴、ハンドリガードの時期に使えるおもちゃについてもご紹介します。

目次

  1. ハンドリガードとは?いつからいつまで?
    • ハンドリガードとは?
    • ハンドリガードは生後2ヶ月頃から
    • ハンドリガードをする理由
  2. 【月齢別】ハンドリガードをしてからの手指の発達段階
    • 生後2ヶ月頃の手の発達
    • 生後3ヶ月頃の手の発達
    • 生後4ヶ月~5ヶ月頃の手指の発達
    • 生後6ヶ月~7ヶ月頃の手指の発達
    • 生後8ヶ月~9ヶ月頃の手指の発達
    • 生後10ヶ月~12か月頃の手指の発達
  3. 見つめるだけじゃない!拳しゃぶりや指なめもハンドリガードの1つ
    • 拳しゃぶり
    • 指なめ/指しゃぶり
    • 足をなめる
  4. ハンドリガードしない赤ちゃんもいる?遅いのは問題?
    • ハンドリガードは個人差がある
    • ハンドリガードの目安
  5. ハンドリガードの時期のおもちゃ選び、メリーやラトル(がらがら)はいつから?
    • メリーは新生児から使える
    • ラトル(がらがら)は3ヶ月頃から
  6. まとめ

ハンドリガードとは?いつからいつまで?

ハンドリガードとは?

ハンドリガードは、まだ小さい赤ちゃんが自分の手をじっと見るしぐさのことです。※1
赤ちゃんは自分の目の前に手を持っていき、動かしたり両手を合わせたりしながら、じっと見つめます。
見つめるだけでなく、「こぶしをしゃぶる」や「手指をなめる」などのしぐさをすることもあるでしょう。

 

ハンドリガードは生後2ヶ月頃から

ハンドリガードは、生後2ヶ月頃から始まります。※2
4ヶ月頃までに見られることが多いようです。※3
赤ちゃんはハンドリガードで手の存在に気付くと、少しずつ手を使うようになります。
4ヶ月以降、「モノに手を伸ばす」「おもちゃを取る」「両手で持つ」「親指を使ってつかむ」というような発達をしていきます。※3
手が動かせるようになると、ハンドリガードは見られなくなるでしょう。

 

ハンドリガードをする理由

ハンドリガードをすることで、赤ちゃんは手が自分の体の一部だと認識しはじめます。※2
生まれたころの赤ちゃんは、自分の手の存在に気づいていません。
自分の手が見えるようになり「なんだろう?」とじっと見つめるのです。
赤ちゃんがハンドリガードをするのには、他にもいくつかの理由があります。

  • 自分の手を認識する※2
  • 自分で自分の手が動かせることを目と手で確認する※1
  • 自分と他人、自分と外の世界が違うことを知る準備※1

赤ちゃんにとってハンドリガードは、発達の上で意味のある小さい頃特有のしぐさです。
赤ちゃんは自分の手を通じて、多くのことを学んでいくのです。

 

※1 J-STAGE「社会脳からみた意識の仕組み」/苧阪直行 京都大学/基礎心理学研究 第35巻 第1号/2020年4月10日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/psychono/35/1/35_35.4/_pdf
※2 はじめてママ&パパの育児/五十嵐 隆監修 /主婦の友社 2014年9月10日発行
※3  乳幼児健康診査 身体観察マニュアル/平成29 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業乳幼児健康診査のための「保健指導マニュアル(仮称)」及び「身体診察マニュアル(仮称)」作成に関する調査研究/国立研究開発法人 国立成育医療研究センター/2020年4月10日現在
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf

【月齢別】ハンドリガードをしてからの手指の発達段階

ハンドリガードで手の存在に気付いた赤ちゃんは、その後、手指の動きが盛んになります。
月齢別に手の発達の目安を見てみましょう。
記載している月齢はあくまで目安です。
赤ちゃんの発達には個人差があるので、この通りでなければならないというものではありません。

 

生後2ヶ月頃の手の発達

生後2ヶ月頃に、ハンドリガードが始まる赤ちゃんもいます。
手を顔の前にもっていき、見つめたりなめたりし始めるでしょう。※2
また、手のひらに大人の指などを置くとぎゅっと握り返します。
この反応は、生まれたときから備わっている原始反射の1つ「把握反射」です。※2
原始反射は、生後3~4ヶ月頃には見られなくなります。※3
この頃には動くものを目で追う追視もできるようになります。※3
手を見つめられるようになるのも、視力が発達した証拠。
自分の手という身近なモノの動きを、自分の目で確認できるまで成長しています。

 

生後3ヶ月頃の手の発達

生後3ヶ月頃になると、仰向けに寝て胸の前で両手を合わせて遊ぶようなしぐさをする赤ちゃんもいます。※4
大人が細くて軽いおもちゃを手渡せば、自分で口に運ぶこともできるかもしれません。※2
手のひらの触感も発達し、ザラザラやフワフワなども感じ始めるようです。※2

 

生後4ヶ月~5ヶ月頃の手指の発達

自分でモノに手を伸ばせる赤ちゃんも増える時期です。※3
手を伸ばすだけでなく、伸ばした手でおもちゃを取り始める子もいるでしょう。※2
これは五感が発達したからこそできること。
見ること、興味を持つこと、手を伸ばすこと、手でつかむこと、脳に情報を送ることなど、いくつもの能力が身についた証拠です。※2
おもちゃを握るのも上手になります。
生後4ヶ月頃に手のひらから親指だけを離すところから始まり、徐々に指を開けるようになります。※4

 

生後6ヶ月~7ヶ月頃の手指の発達

この頃には、左右の手と指を全て開けるよう手指が発達します。※4
左右別々に手を動かせる赤ちゃんもいるでしょう。※2
布などが顔にかかると、どちらかの手を使い自分で取れることもあります。※4
自分で見ておもちゃを取り、手でさわったり口でなめたりを活発にする時期です。
いろいろな感触のおもちゃがあると、赤ちゃんも興味を持ちやすいかもしれませんね。
赤ちゃんのお座りはいつから?

でも解説されている通り、お座りをし始める赤ちゃんもいます。
お座りしはじめの頃は手をついたままですが、お座りが安定してくると両手を離していられるようになるでしょう。

 

生後8ヶ月~9ヶ月頃の手指の発達

右手に1つ左手に1つおもちゃを持ったり、おもちゃを持ち換えたりすることもできはじめます。※3
持っているおもちゃを自分の意志で手放すこともあるでしょう。※4
お座りが安定してくると、座ったまま両手を使い、おもちゃで遊べるようになります。

 

生後10ヶ月~12か月頃の手指の発達

10ヶ月頃には親指でモノをつかむ子もいます。
さらに11ヶ月頃には、両手のおもちゃを打ち合わせて遊ぶこともあるでしょう。※3
手の発達には個人差があります。
こちらでご紹介している月齢はあくまで目安です。
遅い子もいれば早い子もいます。
赤ちゃんの発達上で気になることがあれば、検診の時や予防接種の時に小児科や保健所で相談をしてみてください。

 

※2 はじめてママ&パパの育児/五十嵐 隆監修 /主婦の友社 2014年10月発行
※3  乳幼児健康診査 身体観察マニュアル/平成29 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業乳幼児健康診査のための「保健指導マニュアル(仮称)」及び「身体診察マニュアル(仮称)」作成に関する調査研究/国立研究開発法人 国立成育医療研究センター/2020年4月10日現在
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf
※4 発達がわかれば子どもが見える/田中真介監修・乳幼児保育研究会編著/ぎょうせい 2009年2月発行

見つめるだけじゃない!拳しゃぶりや指なめもハンドリガードの1つ

ハンドリガードは、手を見つめる以外のしぐさをする場合もあります。
拳をしゃぶったり、指をなめたりすることで、口と手を使い、感覚を確かめているようです。


【赤ちゃんが手足を確認するしぐさ】

  • 手を見つめる
  • 拳しゃぶり
  • 指なめ/指しゃぶり
  • 足をなめるのも同じ

赤ちゃんは、これらのしぐさを通じて手足を確認していると考えられています。

 

拳しゃぶり

拳しゃぶりは、赤ちゃんがグ―に握った自分の手を口に入れるしぐさです。
拳を口に入れ、手の存在を確かめていると言われています。※2
赤ちゃんが口の中にげんこつを入れすぎないか心配になりますが、無理にやめさせる必要はありません。

 

指なめ/指しゃぶり

ハンドリガードのしぐさとして、指をなめたり、しゃぶったりすることもあります。
手の感覚や視覚が未熟な赤ちゃんにとって、口は最も敏感な感覚器です。
自分の舌と唇を使って、手指を確かめています。※2


【指しゃぶりは、しばらく続く場合も】
指しゃぶりは、赤ちゃんの生理的な現象で、ハンドリガードの後も続きます。
生後2ヶ月~4か月頃の赤ちゃんは、口の近くに来た指やモノを無意識に吸います。※5
5ヶ月頃には自分でなんでも口に持っていき、しゃぶるようになります。※5
頻繁に指しゃぶりをすると衛生面や歯並びが気になりますが、無理にやめさせないというのが小児科医や臨床心理士の考え方です。※5
2歳頃までは無理にやめさせず見守りましょう。※5

 

足をなめる

目の前に見えた自分の足を、赤ちゃんがなめたり見つめたりするのもハンドリガードと同じ意味合いです。
赤ちゃんは、初めのうちは自分の足を認識していません。
目の前に現れた足を見つめたり、なめたりすることで自分の足だと気づきます。※6
ハンドリガードのしぐさは、赤ちゃんごとに様々です。
ハンドリガードが見られない赤ちゃんもいるでしょう。
次章では、ハンドリガードしない場合について、ご紹介します。

※2 はじめてママ&パパの育児/五十嵐 隆監修 /主婦の友社 2014年10月発行
※5 東京都こども医療ガイド/指しゃぶりについての考え方 | 小児科と小児歯科の保健検討委員会
http://www.guide.metro.tokyo.jp/trouble/tsume/pdf/06_01.pdf
※6 赤ちゃんの「育つ力」をわかる信じる伸ばす本/榊原洋一著/主婦の友社 2007年6月発行

ハンドリガードしない赤ちゃんもいる?遅いのは問題?

ハンドリガードが赤ちゃんの発達上、意味のあるしぐさだと言われると、しなかったり遅かったりすると気になりますよね。
しかし他に問題がなく検診で指摘されることがなければ、あまり心配しすぎなくても大丈夫でしょう。

 

ハンドリガードは個人差がある

ハンドリガードの時期ややり方は赤ちゃんそれぞれです。
2ヶ月頃から始まる子もいますが、遅い子もいます。
ハンドリガード以外の理由でも手をなめたり指をしゃぶったりするので、ママが気づかないこともあるかもしれません。

 

ハンドリガードの目安

3~4ヶ月検診では、追視をするかどうか、モノをつかむかどうかが診察の内容に含まれています。※3
ハンドリガードをしないことが問題ではありませんが、もし不安な場合には検診の時に相談をしてみてください。
予防接種の際に、小児科で相談してもよいでしょう。

 

※3 乳幼児健康診査 身体観察マニュアル/平成29 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業乳幼児健康診査のための「保健指導マニュアル(仮称)」及び「身体診察マニュアル(仮称)」作成に関する調査研究/国立研究開発法人 国立成育医療研究センター/2020年4月10日現在
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kokoro_jigyo/manual.pdf

ハンドリガードの時期のおもちゃ選び、メリーやラトル(がらがら)はいつから?

ハンドリガードを通じて自分の手に気づくと、赤ちゃんは手を使って遊べるようになります。
ただまだ動けない仰向けの時期です。
この時期から遊べる代表的なおもちゃ「メリー」と「ラトル(がらがら)」の遊び方や効果について見てみましょう。

 

メリーは新生児から使える

メリーは、ぬいぐるみを赤ちゃんの上に吊るしたり、音楽を流したりできるおもちゃです。

 

【メリーを使う時期】

生まれて間もない新生児から使えます。※7※8※9
メリーに吊るしたおもちゃを見て、触って遊ぶのは、基本的にはお座りをする頃まで。※8※9
メリーの形や高さを変えることで、1歳頃まで使えるものもあります。※8※9

 

【メリーの効果(役割)】

  • 目で見る練習
  • 手の感覚の発達
  • 寝かしつけやグズリ対策

小さい赤ちゃんはメリーに吊るされたおもちゃを目で追うことで、追視の練習になると考えられています。※7
赤など少し強めの色のおもちゃは、赤ちゃんから見えやすいようですよ。※10
さらに赤ちゃんがおもちゃに手を伸ばせるようになれば、おもちゃを触ったり握ったりしてモノの感触を確かめられます。
吊るされたおもちゃを自分でつかんで揺らす、音を出す、ひっくりかえすといろいろな手のしぐさをしてくれるでしょう。
足元にもおもちゃがついているメリーであれば、足も使って遊べますね。

 

また、メリーは赤ちゃんの夜泣きや寝かしつけにも活躍します。
ぐずった時や寝かしつけにも使えるよう、赤ちゃんが安心する曲を内蔵しているメリーも多いです。※8※9※10
胎内音やクラッシック曲、ヒーリングミュージックなどが内蔵されています。※8※9※10
赤ちゃんの寝かしつけのコツは?

でもご紹介している通り、ゆったりとしたクラッシック曲やヒーリングミュージックは寝かしつけに向いています。
メリーは、赤ちゃんが小さいうちから使えて便利なおもちゃです。
メリーが落ちて赤ちゃんがケガをすることのないよう、安全に配慮して取り付け、使っている間はそばから離れないように注意しましょう。

 

ラトル(がらがら)は3ヶ月頃から

ラトルも小さい赤ちゃんの代表的なおもちゃです。

 

【ラトルの時期】

赤ちゃんのおもちゃいつ買う?何買う?

でも解説されている通り、ラトルは生後3ヶ月~4ヶ月頃にはつかめるようになります。
パパママが持って鳴らしてあげるなら、新生児から使えるでしょう。

 

【ラトルの効果(役割)】

振って音が出るラトルを使えば、「自分が振ると音が出る」ことを理解し、面白くてまた振るという動作の繰り返しを始めることもあります。
このような繰り返しを経て、何をしたらどうなるという原因と結果の関係を認識していくとも言われています。※10
何でも口に入れて確認する時期なので、口に入れても安心な素材や大きさのものを選びましょう。
オーガニックコットンで作られたものやお米を原料として作られたものを選ぶと安心です。

 

※7 【コンビ】メリーの製品情報|ベビー用品のコンビ株式会社/2020年4月10日現在
https://www.combi.co.jp/products/toy/merry/
※8 くまのプーさん えらべる回転6WAYジムにへんしんメリー|タカラトミーのベビー総合サイト タカラトミーベビー|タカラトミー/2020年4月10日現在
https://www.takaratomy.co.jp/products/babyonline/lineup/merry/004.html
※9 うちの赤ちゃん世界一 全身の知育 メリー&ジム | ベビーおもちゃ | おもちゃ | 乳幼児玩具メーカー・ピープル/2020年4月10日現在
https://www.people-kk.co.jp/toys/baby/sekaiichi.html
※10 新装版0~3歳 能力を育てる 好奇心を引き出す/汐見稔幸著/主婦の友社 2016年7月発行

まとめ

ハンドリガードは、生後4ヶ月頃までに見られる赤ちゃんが手を見つめるしぐさです。
ハンドリガードを通じて、赤ちゃんは自分の手の存在に気づき、自分の体の一部であることを認識します。
拳をしゃぶったり指をなめたり、口で手を確認する赤ちゃんもいるでしょう。
このようなしぐさが見られたら、メリーやラトル(がらがら)などのおもちゃで遊ばせるのもよさそうです。
一人で遊んでくれると、ママも少し楽になりますよ。
ハンドリガードは、赤ちゃんが成長する上で意味のあるしぐさではあるものの、全くしない赤ちゃんもいるかもしれません。
赤ちゃんの成長は個人差が大きいものです。
こちらでご紹介した時期や発達の順序はあくまで目安です。
発達上、何かが気になることがあれば保健所や小児科で相談しましょう。

公開日:
上へ