小学校の学費は公立と私立でこれだけ違う!学費と塾代を学年別の比較

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小学校は、公立の場合は費用がかからないと思っていませんか?
実は公立でも意外と学費がかかります。
また、私立小学校に通う場合には、公立の5倍以上の費用がかかっていることが分かっています。
今回は、小学校の学費について、学校生活にかかる費用と、学校外でかかる費用、それぞれを学年別にご紹介します。

目次

  1. 小学校の学費は毎月いくら?公立私立でどれだけ違う?
    • 小学校1年間の学費(公立・私立の比較)
    • 公立小学校の学校にかかる費用は月々1万円未満
    • 私立小学校の学校にかかる費用は月々約8万円も
    • 公立小学校と私立小学校の違い
  2. 学年別にここが違う!公立私立の小学校の学費
    • 1年生は入学費がかさみ最も学費がかかる
    • 6年生は修学旅行費が増加
  3. 一部無料や免除も?給食費が払えない場合は?就学援助について
    • 公立小学校の就学援助費
    • 給食費未納の場合どうなる?
    • 私立小学校の就学援助は自治体ごとに異なる
    • 私立小学校通学に対する国の補助金
  4. 塾・習い事代など、学校外の教育費もかかっている
    • 私立の方が塾や習い事に費用をかける
    • 中学受験の有無に左右される
  5. 小学生の学費を抑えるには、塾や習い事に注意を
  6. まとめ

小学校の学費は毎月いくら?公立私立でどれだけ違う?

小学校は義務教育であり、公立であれば学費はあまりかからないと思われがちですが、無償ではありません。
実際に何にどれくらいの費用がかかるのかはご存じない方も多いのではないでしょうか。
平成28年の文部科学省の調査によると、小学校1年間の学費の総額は、公立小学校321,708円、私立小学校1,535,789円となっています。
ここに表されている学費には、「学校外活動費」という塾や習い事などの費用も含まれています
学校にかかる費用と塾や習い事代を合わせた金額を比較すると、私立は公立の約5倍もの費用がかかっていることがわかります。

小学校1年間の学費(公立・私立の比較)

・小学校1年間の学費(公立・私立の比較) (年間総額:単位円)

項目 公立小学校 私立小学校
学費の年額 322,310円 1,528,237円
学校教育費 60,043円 870,408円
内訳 授業料 0円 461,194円
修学旅行費など 6,738円 41,797円
学校納付金 注)1 10,135円 226,022円
図書費等  注)2 19,049円 30,923円
教科外活動費 注3) 2,714円 12,512円
通学関係費 注4) 17,574円 89,317円
その他 3,833円 8,643円
学校給食費 44,441円 44,807円
学校外活動費 217,826円 613,022円

注1) 入学金・PTA会費・施設整備資金・学級費など

注2) 授業のための図書・文房具類・体育用品など

注3) クラブ活動・運動会・学芸会など

注4) 通学費・制服・学用品等

<平成28年度「子供の学習費調査」/文部科学省>※1

この章では、まずは学校生活にかかる費用である、学校教育費と学校給食費について公立私立の違いをご紹介いたします。

公立小学校の学校にかかる費用は月々1万円未満

公立小学校の場合は授業料がかからないため、学校にかかる教育費は年間約60,000円程度、学校給食費と合わせても、1年間に公立の小学校にかかる費用は約100,000円程度となっています。
月々にすると1万円未満です。
小学校入学前の幼稚園・保育園にかかる費用と比較しても、その後の中学高校の学費と比較しても、費用がかからない時期ではないでしょうか。
公立小学校の6年間は、学校にかかる費用だけを見ると、かかる費用は高額ではないため、その後の教育費の貯め時ともいわれているのです。

私立小学校の学校にかかる費用は月々約8万円も

私立小学校は授業料がかかりますが、そのほかにも入学金や施設整備資金、学級費などの公立小学校にはない費用もかかります。
また、遠方に通う場合は交通費もかかります。
それらの教育費と給食費を合計すると、学校にかかる費用は、私立小学校では1年間で約930,000円程になります。
月々に換算すると、約8万円となります。
公立小学校と比較して、私立小学校は9倍以上の費用が学校生活にかかることがわかります。
私立小学校の場合は、学校により学費は異なりますので、気になる小学校がある場合には、学校のホームページで確認をしてみてください。
また、学校によっては、これらの費用以外にも寄付金や行事にかかる費用など、何かと出費がかさむことも考えられます。
具体的な費用が気になる方は、受験前に、説明会に参加したり、通っている方々に聞いてみるなどして実際にかかる費用感を確認しておくとよいでしょう。

公立小学校と私立小学校の違い

公立小学校と私立小学校にかかる費用を比較し、大きく異なるのは授業料と学校納付金と言われる入学金・PTA会費・施設整備資金・学級費などの費用です。
また、私立小学校の場合は多くの学校で学校指定の制服があります。
6年の間には何度か制服を買い替えなければならない場合もあるでしょうし、学用品も指定のものを用意しなければならない私立小学校もあり、制服や学用品の指定のない公立小学校よりも費用がかかることが考えられます。
これから小学校入学を控え、公立か私立かを検討されている場合には、授業料以外の費用にも目を向け、何にいくらかかりそうかを一度把握しておくと、入学後に「こんなはずじゃなかった」という事態にならずに済むのではないでしょうか。
大学進学までを考えると、学費が必要になるのは小学校卒業以降です。
小学生の間に計画的に貯蓄できるよう、一度将来の教育費をシュミレーションしてみてはいかがでしょうか。
小学校は、お金がかからない時期といわれており、大学までの子育て費用の貯め時と言われることもあります。
子育て費用については、
子育て費用、実際にかかる費用は?無理のない貯め方は?

こちらの記事でも詳しく解説しています。
次に、公立小学校・私立小学校それぞれの学年別の学費をご紹介します。

※1 平成28年度子供の学習費調査の結果について/文部科学省/2019年4月5日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_1.pdf

学年別にここが違う!公立私立の小学校の学費

公立か私立かで学校にかかる学費には大きな差があることがわかりましたが、実は学年ごとの学費にも差があります。
学年別の学校にかかる費用をご紹介します。

・公立小・私立小における学年別学費 (年間総額:単位円)

公立小学校 私立小学校
合計 教育費 給食費 合計 教育費 給食費
1年生 143,108 99,524 43,584 1,276,908 1,232,027 44,881
2年生 80,882 36,322 44,560 782,414 737,758 44,656
3年生 87,826 43,370 44,456 819,756 773,672 46,084
4年生 91,470 46,424 45,046 842,319 797,548 44,771
5年生 97,992 52,619 45,373 868,231 823,297 44,934
6年生 125,973 82,336 43,637 894,504 850,988 43,516
6年間合計 627,251 360,595 266,656 5,484,132 5,215,290 268,842

<平成28年度子供の学習費調査/文部科学省より>※2

1年生は入学費がかさみ最も学費がかかる

6年間で最も学費がかかるのは1年生の入学時です。
金額感は違いますが、公立小学校も私立小学校も1年生が6年間で最も学費がかかっています。
公立小学校の場合、入学時にかかると思われる1年生の通学用品費が5万円程度。
私立小学校の場合は、初年度入学金などのその他学校納付金が43万円程度、教科書などの学用品や通学用品に約10万円かかり、合計約53万円となっています。
準備しなければならないものが多い入学時ですが、ある調査によるとランドセルは祖父母に購入してもらう方が半数以上との結果もあります。
ランドセルに関しては、入学1年前の4月頃に購入を検討しはじめ、8月頃に購入する方が多いようです。※3
事前によく話し合い、何を購入してもらうかを早めに決めておくと、入学にかかる費用の準備もスムーズに進められるのではないでしょうか。

6年生は修学旅行費が増加

公立・私立とも多くの小学校が6年生で修学旅行を実施しており、修学旅行費の負担が増える分、6年生の学費が増加しています。
旅費以外にも旅行のための衣類やバッグなど揃えなければならないものもあり、出費がかさみがちですので、事前に貯蓄をしておくと慌てずに済みます。
塾・習い事代など、学校外の教育費もかかっているの章で詳しくご紹介しますが、中学受験をする場合は、6年生になると通塾代がかさみ、学校以外での教育費も含めると公立小学校の場合で375000円、私立小学校の場合1660000円程度の学費がかかっています。

※2 平成28年度子供の学習費調査の結果について/文部科学省/2019年4月5日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_1.pdf
※3 ランドセル購入に関する調査 |ランドセル購入に関する調査|ランドセル工業会/2019年4月5日現在
http://www.randoseru.gr.jp/graph/

一部無料や免除も?給食費が払えない場合は?就学援助について

公立小学校の給食費や学用品購入代の支払いが難しい場合や、私立小学校の学費が支払いが難しい場合は、条件を満たせば補助金などを受けられる場合もあります。
詳しく見てみましょう。

公立小学校の就学援助費

公立小学校に通う場合、経済的に困難な家庭に対して就学を援助する制度が自治体ごとに決められています。
世帯年収や世帯人数から基準が定められており、基準に見合う世帯や生活保護世帯が支給対象となります。
援助費の内容としては、入学準備補助金として入学前に固定金額が支給、給食費や教材費など毎月学校で徴収される金額の全額援助、修学旅行費の全額援助などがあります。
自治体や学校へ申請をし、承認された場合に支給されてます。※4※5※6

給食費未納の場合どうなる?

近年、問題となっている給食費の未納。
給食費など学校への支払いは、口座振替が普及しており、一般的には年間を通して決められた日にちに登録した口座から自動引き落としとなります。
しかし、決められた引き落とし日に給食費が支払えない場合、その後の対応は自治体ごとに異なります。
自治体や学校から催促があっても払えない場合、上述の就学援助費が支給されている家庭には就学援助費から天引きで支払い、そうでない家庭には児童手当からの天引き、自治体からの直接徴収など様々な対策が取られています。
それでも支払われない場合は、裁判所を介入した法的措置がとられる自治体もあるようです。※7※8

私立小学校の就学援助は自治体ごとに異なる

私立学校に通う場合も、就学奨励制度がある自治体もあります。
公立小学校の就学援助と同じように、生活保護や世帯年収の状況などにより支給条件や対象となる費用が決められていますが、申請時期や申請方法が公立小学校とは異なる場合がありますので、お住まいの自治体に確認をしてみてください。※5※6※9

私立小学校通学に対する国の補助金

私立小学校へ通う家庭への支援を検討するため、文部科学省は私立小中学校に通う家庭で条件を満たした家庭に対して補助金を出す実証を開始しています。
平成29年~33年度の期間限定の実証事業として、年収400万円未満の家庭で、申請が承認された場合は、年間最大10万円の補助金が授業料として支給されます。※10

※4 就学援助費 | 世田谷区/2019年4月5日現在
http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/103/134/527/d00125518.html
※5 就学援助制度について|横浜市/2019年4月5日現在/2019年4月5日現在
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kosodate-kyoiku/kyoiku/soudan/shugakuenjo/shugakuenjo.html
※6 平成31年度(2019年度)就学援助制度のお知らせ|大阪市/2019年4月5日現在
https://www.city.osaka.lg.jp/kyoiku/cmsfiles/contents/0000370/370721/oshirase_h31souki2.pdf
※7 平成28年度の「学校給食費の徴収状況」の調査結果について/平成30年7月27日/文部科学省/2019年4月5日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/07/__icsFiles/afieldfile/2018/07/27/1407551_001.pdf
※8 学校給食費未納に対する滞納整理について|稲城市/2019年4月5日現在
https://www.city.inagi.tokyo.jp/smph/kosodate/gakko_kyoiku/gakkoukyuusyoku/kyuusyokuhi_tainou.html
※9 足立区/就学援助・就学奨励/2019年4月5日現在
https://www.city.adachi.tokyo.jp/gakumu/k-kyoiku/shochu/tetsuzuki-shugaku.html
※10 私立小中学校等に通う児童生徒への経済的支援に関する実証事業について/文部科学省/2019年4月5日現在
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1385578.htm

塾・習い事代など、学校外の教育費もかかっている

小学校の学費は毎月いくら?公立私立でどれだけ違う?の章でも少し触れましたが、小学校にかかる学費以外にも、最近では塾や習い事にかかる教育費の負担も見過ごせない金額となっています。
塾や習い事は、学年が上がるにつれて費用もあがりがちです。
学年別の塾・習い事代を、公立小学校・私立小学校ごとに見てみましょう。

・公立小・私立小における学年別、学校外の教育費 (年間総額:単位円)

公立小学校 私立小学校
合計 学習費 習い事 合計 学習費 習い事
1年生 199,532 70,321 129,211 565,742 218,111 347,631
2年生 190,035 44,531 145,504 493,520 155,054 338,466
3年生 201,446 51,201 150,245 546,158 207,990 338,168
4年生 219,438 83,735 135,703 621,771 308,217 313,554
5年生 247,086 119,279 127,807 689,117 404,312 284,805
6年生 249,385 129,117 120,268 764,188 539,342 224,846
6年間合計 1,306,922 498,184 808,738 3,680,496 1,833,026 1,847,470

<平成28年度「子供の学習費調査」/文部科学省>※11

私立の方が塾や習い事に費用をかける

塾や習い事の学校外活動費も、私立小学校の方が公立小学校よりも費用をかけていることがわかります。
特に、私立小学校の場合学習費が学年を追うごとに上がっており、中学受験に向けた通塾代がかかっている様子がわかります。
習い事代にも公立よりも私立の方がお金をかける傾向にあることがわかり、私立に通う場合、学校教育費以外にも教育費をかける家庭が多いということを知っておきましょう。

中学受験の有無に左右される

公立の場合も私立の場合も5年・6年になるにつれて学習費が上がっています。
中学受験を考えている場合は、通塾費の負担が一気に増えるためです。
塾通いのための費用、またそれを補うための家庭学習のための補助学習費がこの学校外の学習費に含まれています。
6年生の1年間で学習塾のみにかかる通塾代は、公立小学校の場合は94,000円程度、私立小学校の場合は430,000円程度となっています。
私立に通う小学生の方が中学受験率が高いようで高額となっています。

習い事の費用については、
幼児の習い事はいつから?学習・知育系の幼児教室、通信教育は?
https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2019/kids_cramschool_merit/
子供の習い事いつから?おすすめの習い事とメリットをご紹介!
https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2018/kids_lesson/
の記事でもご紹介しています。
※11 平成28年度子供の学習費調査の結果について/文部科学省/2019年4月5日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_1.pdf

小学生の学費を抑えるには、塾や習い事に注意を

小学生の学費には、学校生活にかかる費用と学校外の塾や習い事にかかる費用があります。
学校の学費は、公立と私立で大きく異なります。
小学校は6年間と長く、公立小学校と私立小学校では総額で500万円近い差となっています。
さらに、学校以外に、塾や習い事代もかかります。
公立に通う場合でも毎月の学校にかかる学費以上に、習い事や塾の費用がかかっていますし、私立の場合は、公立の場合の塾や習い事代よりさらに多くの学費がかけられています。
この塾の費用を左右するのは中学受験です。
小学校入学前で、公立にするか私立を受験するか悩んでいる場合は、中学生以降の進路と合わせてマネープランを練ってみてはいかがでしょうか。
また、最近では習い事をしている子が多く、お友達が習っていると子供もやりたくなったり、親もやらせた方がよいのでは?と感じることもあるかもしれません。
子供の将来のためといくつも習い事をさせ、中学以降の学費が貯蓄できなかったということのないよう、学校外の活動費も家計のうちいくらまでと決めておくとよさそうです。

まとめ

今回は、小学生の学費についてご紹介しました。
学校にかかる学費と給食費を、公立小学校・私立小学校で比較すると、私立小学校では約9倍もの費用が掛かります。
また、学校外活動費にも私立小学校の方が費用をかける傾向にあり、私立小学校に通う場合の学校と学校外の学費は6年間で900万円以上かかっています。
子育てにかかる費用全体をみてみると、小学校を卒業してからの方が学費がかかります。
高校・大学と進学を考えている場合には、そこまでの学費をどう準備するかと合わせて、小学生の間にどれだけ教育費をかけられるか考えてみてはいかがでしょうか。
小学生の間の学費のポイントとなるのが、塾や習い事代です。
習わせすぎにならないよう、予算を決めておくとよいでしょう。
最近では、通信教育やタブレット教材などのオンライン教育も選択肢が増え充実しています。
低価格でも質が高く、場所や時間を拘束されずに学ぶことができるのでおすすめです。
2020年から義務化される英語やプログラミングなど新しい教科も、タブレット教材やオンライン学習ならプロから質の高い学びを受けることができます。
学び方も多様化しています。
1on1のレクチャーがついている通信教育で学んだり、タブレット教材でネイティブの英語に触れたり、オンライン学習でプロからプログラミングを学ぶなど、従来の進学塾や英会話教室などへの通塾以外の選択肢も豊富です。
費用も、数千円台からのものも多く、気軽に始められます。
大学までの費用を考え、小学生のうちは学費を抑えたいという場合には、一度試してみてはいかがでしょうか。

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