タブレット学習は効果あり。目的に沿ったタブレット教材の選び方

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新しい学習方法として注目を集めているタブレット学習。
学校でもタブレットなどを取り入れるところが急激に増加しています。
今回は、タブレット学習の現状を踏まえたうえで、幼児向け・小学生向けの教材、英語やプログラミング教材の選び方と活用方法をご紹介します。

目次

  1. タブレット学習は当たり前になる?平成30年、学校でのタブレット導入が急増
    • 学校での導入状況
    • 学校でどのように使われている?
  2. タブレット学習の効果とデメリット
    • タブレット学習の学習効果
    • タブレット学習のメリット・デメリット
  3. 幼児のタブレット教材は目的で選ぶ。小学校準備なら通信教育
    • 小学校の入学準備なら通信教材
    • 手軽なのは知育アプリをダウンロードする方法
    • 乳児期なら知育玩具タブレットからスタートしても
  4. 小学生になると塾代わりや授業の補完にも。家庭学習タブレット教材の選び方
    • 小学生向けタブレット教材は選択肢が豊富
    • 目的に沿った選び方
    • 英語教育やプログラミング教育に備える
  5. まとめ

タブレット学習は当たり前になる?平成30年、学校でのタブレット導入が急増

近年、学校でも塾などでも導入が進んでいるタブレット学習。
子供にどのような影響があるのか、学習能力はつくのか気になるところではありますが、平成30年度には、学校で導入するところが急増しています。

 

学校での導入状況

文部科学省の調査によると、平成30年3月時点での学校での可動式コンピュータ(ノートPCやタブレットなど)の導入台数は852,207台となっています。
平成30年に急激に増加しており、平成30年度は生徒5.6人に1台の割合でコンピューターが配置され、1台当たりの生徒数も改善しています。※1
文部科学省は、3.6人に1台まで台数を増やす目標を掲げており、2020年にはじまるプログラミング教育に備える形となっています。※2
タブレット学習については様々な意見がありますが、このように教育現場でのタブレットの活用は急速に進んでおり、一部の学校だけの話と他人事にはできない状況となっています。

 

学校でどのように使われている?

学校では、デジタル教材を用いて学習を進めるだけでなく、ドリルを個々の習得度に合わせて進めたり、インターネットを活用して幅広く調査したり、生徒のプレゼンテーションにも活用されたりと、様々な使われ方をしています。
学校側としては、生徒ひとりひとりの理解度や進み具合を客観的に把握することができますし、多くの生徒の意見をとりあげて生徒たちに教えることができるメリットがあるとされています。※3
タブレット学習導入に関して、否定的な意見もあるかと思いますが、教育現場ではすでに導入が進んでいるのです。
それでは、家庭ではどのようにタブレット学習を取り入れていけばよいのか、効果やデメリットについては次章でご紹介します。

※1 文部科学省/平成29年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)(平成30年3月現在)平成30年10月 /2019年2月15日現在
https://r10.to/hbmGKh
※2 未来投資会議 構造改革徹底推進会合「企業関連制度・産業構造改革・イノベーション」会合(雇用・人材)資料/学校教育におけるICT、データの活用 平成30年2月21日/2019年2月15日現在
https://r10.to/hbUPmu
※3 文部科学省/学びのイノベーション事業 実証研究報告書/2019年2月15日現在
https://r10.to/hfXGPk

タブレット学習の効果とデメリット

教育現場に既に取り入れられ始めてるコンピューター学習ですが、本当に効果はあるのでしょうか?
紙や本と同じように学習できるのか、デメリットはないのかなど気になるパパママも多いかと思います。
教育現場での導入にあたり、タブレット学習に関する多くの研究が進められています。

 

タブレット学習の学習効果

タブレット端末を学校に導入した実証実験では、テスト結果・学習に対する意識面ともタブレット導入後の方が向上したという調査報告があります。
テスト結果については、タブレット端末を使った場合と使わなかった場合で比較をして、国語・社会・算数・理科のどの科目でもタブレット端末を使った場合の方が成績が良かったと報告されています。
意識面のアンケート調査では、タブレット端末を活用した場合の方が楽しい・わかる・集中できるなど多くの項目で評価が高くなっています。※4
子供にとってタブレットを使うことで楽しく勉強に取り組むことができているようです。
前向きに勉強できることが、テスト結果にもつながっているのでしょうか。
タブレット学習に不安を感じるパパママもいらっしゃるかとは思いますが、研究結果を見る限り過度の心配は必要なさそうです。

 

タブレット学習のメリット・デメリット

タブレット学習は、紙や本では表現できないものを説明することができたり、子供が自分のペースで進められたり、親が進捗を把握しやすかったり、時間を有効活用できたりというメリットがあります。
一方で、対面のコミュニケーションや実際の体験、紙に書く練習といったことが手薄になってしまう可能性があります。
タブレットだけで学習するのではなく、紙に書いたり、話をしたり、体験したりといった経験が積めるように配慮してあげましょう。※5
きちんと理解できるのか、視力が悪くならないか、紙と同じように書けるようになるのかなどの不安もあるかと思いますが、タブレット学習の取り入れ方次第です。
タブレット学習だけで完結しようとせず、デメリットを理解し、ご家庭ごとの効果的な学習スタイルを見つけてみてはいかがでしょうか。

※4 ICTを活用した教育の推進に資する実証事業 報告書/文部科学省/2019年5月15日現在
https://r10.to/hfNQP0
※5 文部科学省/学びのイノベーション事業 実証研究報告書/2019年2月15日現在
https://r10.to/hfXGiK

幼児のタブレット教材は目的で選ぶ。小学校準備なら通信教育

最近では、幼児からタブレット学習ができるツールが増えています。
入学前にタブレットなどの電子機器の操作に慣れておくことで、小学校の授業で活用する際に戸惑わずにすみます。

 

小学校の入学準備なら通信教材

小学校の入学準備として、タブレットに慣れながら学ばせたいという場合には、通信教材のタブレット学習がおすすめです。
幼児向けのタブレット教材を提供している企業は多くはありませんが、どこも4歳児クラスから始められるコースがあり、勉強だけでなく幅広い内容を学べるようになっています。
文字や数字だけでなく、生活マナーや自然観察などのジャンルも含む講座が毎月20本以上配信されていたりと、教材のカリキュラムが工夫されています。
安心面にも配慮されており、専用タブレットを使った教材であればインターネットへ接続できないため、見せたくないサイトを見てしまったり、勝手に動画を見てしまって勉強しないなどということにはならず安心です。
また、専用タブレットは、目を近づけなくても見やすい文字の大きさで配信されていたり、時間がくると終了する機能がついていたりといった配慮もされており、幼児でも安心して学ばせることができます。
通信教材のタブレット学習ではカリキュラムも端末も幼児向けに安全性を考えられたもので学べるという点は、大きなメリットです。※7

 

手軽なのは知育アプリをダウンロードする方法

年中より前にタブレット学習を取り入れたいという場合や、まず子供に少しさわらせてみたいという場合には、手軽な知育アプリをダウンロードする方法もあります。
市販のタブレット端末やスマートフォンに知育アプリをダウンロードすれば使えます。
年齢に応じた多くの知育アプリが公開されていますし、無料のものもあります。
子供の興味関心を引くキャラクターが登場するアプリもありますので、子供も手に取りやすいのではないでしょうか。
安心できるアプリなのかをよく確認してからダウンロードし、子供が使いすぎてしまわないよう見守った方が安心です。

 

乳児期なら知育玩具タブレットからスタートしても

市販のタブレット端末を持っていない場合には、子供用の玩具のタブレットを購入する方法もあります。
知育玩具のタブレットは、専用端末にすべてインストールされており、インターネットにはつながりません
対象年齢が1歳半~というタブレットもあり、乳児期から遊べる内容がインストールされています。
数や文字、形などから、お絵かきや音楽など低年齢の子供でも遊べる内容となっています。
こちらも時間制限が設定できたりと安全面に配慮されているものもあります。

※7 タブレットで学ぶ幼児向け通信教育「スマイルゼミ」/2019年2月15日現在
https://smile-zemi.jp/youji/
※8 教育 - App Store iTunes でダウンロード/2019年2月15日現在
https://itunes.apple.com/jp/genre/id6017
※9 知育 - Google Play の Android アプリ/2019年2月15日現在
https://r10.to/hfCmfj
※10 【楽天市場】タブレット(おもちゃ|おもちゃ・ゲーム)の通販/2019年2月15日現在
https://r10.to/hf9Vbv

小学生になると塾代わりや授業の補完にも。家庭学習タブレット教材の選び方

小学生向けタブレット教材は選択肢が豊富

小学生向けのタブレット学習を提供している企業は多く、カリキュラムや料金も様々です。
学年、教科数、専用タブレットの有無、添削の有無、学習時間、進め方などそれぞれに特長があります
従来の教材を郵送するスタイルの通信教材をタブレットにして配信している教材や、一人一人に講師がついている講座、ゲーム感覚で学習できるもの、人気塾講師の講義を動画で受講できるものなど、各社それぞれに特色を出しています。※11※12※13※14※15※16
お子様の性格や目的に沿った教材を選びましょう。

 

目的に沿った選び方

タブレット教材は、子供の学習目的に合わせた教材を選びましょう。
教材を選ぶ際のポイントをご紹介します。※11※12※13※14※15※16

 

【教科数】
教科数は、教材により幅があります。
タブレット教材は、塾などと違い教科ごとに受講するスタイルではありません
3教科限定のもの、6教科のもの、生活や英語、プログラミングを含むものなどもあります。
配信されている全講座が受講できるので、どの教科が配信されているのか確認しましょう。
2020年から必修化される英語とプログラミングの有無や、生活などの学習以外の教科の有無、受験対応の有無などの違いがあります。

 

【金額】
金額については、980円~1万円台と幅があります。
マンツーマンの添削指導やサポートがあるかどうか、受験対策かどうかで金額に差が出ています。

 

【時間】
1コマ5分程度の教材から、30分程度のものまで様々です。
お子様の集中力や、目的に沿って選ぶことができます。

 

【サポートの有無】
専任の担任がつく教材や、年数回の添削の教材、わからないときにサポートを使える教材などがあります。
担任がつくものであれば塾のように学ぶことができますし、わからないところは塾や授業で先生に聞くという場合にはサポートが少ないものでもよいでしょう。

 

【専用端末の有無】
専用端末で配信される教材と、パソコンやタブレットにダウンロードする教材があります
専用端末はインターネットにつながらないので安心できる反面、インターネットを使って調べるということもできません。

 

【先取、振り返りなど学年を超えた学習の可否】
学校の授業を先取りして進めることができたり、学年を超えて不安なところは振り返りできたりする教材もあります。
学年という概念がないものもありますので、学力と進め方に合わせたものを選ぶことができます
タブレット教材を何のために受講するか、一度お子様と考えてみることをおすすめします。
わからないところを復習したい、受験に備えて先取したい、プログラミングや英語力を身につけたいなど、目的はいろいろ考えられますが、何を重視するか優先順位をつけ、教材を選ぶとよいといえそうです。

英語教育やプログラミング教育に備える

プログラミング教育必修化にどう備える?

幼児英語はどう始める?知っておきたいポイント4つ

でも紹介されていますが、2020年より小学校での英語とプログラミング教育が必須化されます。
これに備え、習い事でも英語教室やプログラミング教室は人気となっています。
タブレットは、英語やプログラミングを学ぶのに向いているため、タブレット教材で学ばせたいというパパママもいらっしゃるでしょう。
英語とプログラミングの講座が用意されているタブレット教材もありますので、他の教科と合わせて気軽に学ぶことができるでしょう。
また、英語もプログラミングも、子供向けオンライン講座を開講しているところもあります。
タブレット教材ではありませんが、マンツーマンで学ぶことができるものもあるので、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

※11 タブレットで学ぶ小学生向け通信教育「スマイルゼミ」|【公式】スマイルゼミ/2019年2月15日現在
https://smile-zemi.jp/shogaku/
※12 【公式】進研ゼミ小学講座(チャレンジ/チャレンジタッチ)/2019年2月15日現在
https://sho.benesse.co.jp/touch/
※13 【公式】自宅で楽しく学習!オンラインデジタル教材『すらら』|対話型で続く/2019年2月15日現在
https://surala.jp/home/
※14 【公式】スタディサプリ小学講座(旧:勉強サプリ)|神授業、見放題。/2019年2月15日現在
https://studysapuri.jp/course/elementary/
※15 小学3年生タブレットコース | 通信教育 小学3年生 小学生タブレットコース | Z会 | 基礎学力と学習習慣を身につけるなら、いま!/2019年2月15日現在
https://www.zkai.co.jp/el/s3t/index.html
※16 【公式】デキタス|小中学生向け通信教育/2019年2月15日現在
http://dekitus.johnan.jp/lp/

まとめ

タブレットをはじめとしたコンピューター機器は、教育現場で今後ますます活用されていく流れにあります。
様々な研究で、小中学生のタブレット学習は学力・メンタルとも効果があることが実証されていますが、不安を感じるパパママもいらっしゃるでしょう。
タブレット学習にはメリットもデメリットもありますが、デメリットを理解した上で、どのように学習に取り入れていくか、ご家庭で話し合うことも必要になるのではないでしょうか。
また、家庭学習向けのタブレット教材は様々なものがあります。
カリキュラム・価格・教科数などそれぞれ特長がありますので、目的に合った教材を選ぶようにしましょう。
タブレット教材の最大のメリットは、通塾しなくてよく自分のペースで進められる点です。
タブレットで学ぶと「視力が落ちてしまうのでは?」「途中で遊んでしまうのではないか?」「インターネットにつながると心配」というパパママは、専用タブレットで配信される教材を選ぶとよいでしょう。
教材選びの際の参考にしてみてください。

 

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