受験の不安で寝られない…と悩む高校生必見!効果的な解消法とは?

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誰しも、受験の前は不安でいっぱいです。
「目を閉じても、なかなか寝られない…」と悩んでいる人もいるでしょう。
そんな受験の悩みを解消する方法は、大きく分けて2つあります。
不安の根源を断ち切るか、不安を認めて真正面から向き合うか。
ここでは、精神的アプローチ、物理的アプローチなど、具体的な手法も含めて紹介します。

目次

  1. 受験の「不安」の正体とは?
    • 受験の「不安」は、これまでの自分の後悔や心残りの表れ
    • 「なぜ?」と自分に7回問いかけてみよう
  2. 受験の「不安」をなくすための3つのステップ
    • 試験までの必要な準備を全て書き出す
    • 必要な準備と達成度合いを目で見えるようにする(可視化)
    • 試験直前期の教材(お守り的なもの)をあらかじめ作る
  3. 受験の「不安」が消えないときは、あえて真正面から「不安」を認めよう!
    • エクスプレッシブ・ライティング(不安を書き出す)
    • 心配スケジューリング(あらかじめ心配する時間を決めておく)
    • 呼吸法トレーニング
    • ポジティブ思考で「不安」を認知する
    • 不安を分かち合える仲間を作る
  4. 受験の「不安」と上手に付き合う3つの方法
    • 適度な運動で身体を疲れさせる
    • ラベンダーなど好みの香りを上手に使う
    • スムーズに眠りにつくためには、お風呂の入り方がカギ
  5. まとめ

受験の「不安」の正体とは?

「落ちたらどうしよう…」「緊張して実力が出せなかったら…」
受験に対する不安で、頭の中のモヤモヤは、なかなか消えてくれません。
実は、人間の脳裏に思念が浮かぶのは、毎日5万回以上になるという報告もあるのだとか。※1
さて、「不安」を克服するためには、まずは敵である「不安」の正体を正確に知らなければなりません
一体、「不安」の正体とは、どのようなものなのでしょうか。

 

受験の「不安」は、これまでの自分の後悔や心残りの表れ

将棋界のレジェンド羽生善治さんといえば、2019年6月4日に歴代単独一位となる公式戦通算1434勝を打ち立てたことでも有名です。※2
勝負へのプレッシャーも半端なものではないでしょう。
しかし、羽生さんは、平常心を保つには「一生懸命にやり尽くすこと」つまり、「もうこれ以上はやれないというところまでやれば、本番ではいい意味で開き直れます」と対談の中で語っています。※3
逆をいえば、「これ以上はできることがない」というレベルまでやり尽くさない限り、「不安」につきまとわれるわけです。
要は、不安の本当の正体は「受験」ではありません
不安は、「これまでの自分自身」に対して生まれるものだといえます。
「もっと勉強すれば良かった」「あの部分を見直していなかった」と、自分のこれまでの後悔や心残りが「不安」という形で、頭の中に表れるのです。

 

「なぜ?」と自分に7回問いかけてみよう

さて、「不安」の正体が「自分自身」に対するものだとしても、具体的な後悔の内容は人それぞれでしょう。
自分の、これまでの行動のどの部分に後悔があるのか、これを探るには、自分自身に問いかけをする必要があります。
ここでのポイントは、ただ問いかけるのではなく、「なぜ」を何回も重ねて、自分の心の中を深ぼりしていくことです。
例えば、「なぜ不安なのか?」との問いかけに対して、「受験に合格するレベルまで達していないから」という答えになったとしましょう。
この答えに、さらに「なぜ合格レベルに達していないのか」と問いかけするのです。
さらに「英語の勉強の時間が足りなかったから」という答えに、重ねて「なぜ?」と問いかけを行います。
このように「なぜ?」を7回繰り返すと、具体的な後悔や心残りの内容が絞り込むことができ、今後の対策を立てることが可能となります。

 

※1: 加藤俊徳「脳を「接待」する!上手な脳内リズムの整え方」清流出版 2019年/2019年6月6日閲覧
※2:朝日新聞朝刊2019年6月5日/2019年6月6日閲覧
※3: 丹羽宇一郎「仕事と心の流儀」講談社 2019年/2019年6月6日閲覧

受験の「不安」をなくすための3つのステップ

これまでの自分の行動に対する後悔や心残りが、受験の「不安」になることを説明してきました。
それでは、この「不安」に対してどのように対処すればよいのでしょうか。
まず、一つ目の方法は「不安」自体をなくすことです。
つまり、後悔や心残りがないように、受験まで行動すればいいわけです。
やれるだけのことはやったと胸を張ることができれば、自然と不安は消えてなくなるでしょう。
ここでは、後悔や心残りがないように行動するための3つのステップを説明します。

 

試験までの必要な準備を全て書き出す

1番目のステップは「試験までのすべきこと」を全て書いてリストアップすることです。
実は、このステップが一番重要です。
というのも、「試験までの必要な準備」が一つでも漏れてしまえば、「不安」が生まれてくるからです。
そのため、受験の内容から逆算して、いつまでにどのようなことをしておくべきかを、十分時間をかけて考える必要があります。
注意すべきは、様々な情報に頼ることです。
受験参考書だけでなく、先生や先輩、友人など周りの人からも知恵を借りて、万全の準備ができるようにしましょう。

 

必要な準備と達成度合いを目で見えるようにする(可視化)

必要な準備を全て書き出すことができれば、2番目のステップに移ります。
受験までにすべき準備を、スケジュールを立てて丁寧に一つずつ実現させていくのです。
ここで重要なのは、リストアップされた内容が達成できれば、「線を引く」、「達成と書き込む」など、目で見えるようにするということです。
受験までの準備として行ってきた内容を可視化することで、「ここまでできた」「これ以上はすべきことがない」ということを、自分自身に理解させるのです。

 

試験直前期の教材(お守り的なもの)をあらかじめ作る

そして最後の仕上げとして、3番目のステップには、試験直前期に「これだけ見ればいい」という教材を作っておくことです。
特に試験直前期の1週間前などは、スケジュールを順調にこなしていても、弱気になって何をすればいいかとパニックになることもあります。
そのため、受験までの必要な準備をする中で、お守り的な意味合いのものをあらかじめ用意するのです。
自分の苦手な分野だけを集めたノートでもいいでしょう。
これまでに5回以上間違えた問題だけを集めたセレクトノートでもいいです。
頻出分野に絞ってまとめノートを作るでも構いません。
とにかく、試験1時間前でも「これだけ見ておけばいい」というものがあれば安心します。

 

受験の「不安」が消えないときは、あえて真正面から「不安」を認めよう!

受験に必要な準備を順調に行っていても、準備途中では、「不安」は消えてなくならないものです。
そのため、「不安」と上手に付き合うことも、場合によっては必要となります。
それでは、どのようにして「不安」とうまく折り合いをつければいいのでしょうか。
ポイントは、逃げずに「不安」を真正面から認めることです。
その上で、自分に合う「不安との共存方法」を見つければいいでしょう。
以下、いくつか方法を紹介します。

 

エクスプレッシブ・ライティング(不安を書き出す)

1980年代に生まれた心理療法である「エクスプレッシブ・ライティング」は、現在では認知行動療法の一つとされています。※4
具体的な実践の方法としては、自分がイライラする、ネガティブな気持ちになった出来事と、そのときの感情や思考をノートに書き留めるという、非常にシンプルなものです。
例えば、「公開模試で30番も順位が下がった。受からないかも。受験するのが怖い…」
など、自分の素直な感情を吐き出すのです。
さらに、ミシガン大学の研究チームが効果を検証した2017年の論文では、「エクスプレッシブ・ライティングによって心配事が棚卸しされ、もっと脳を効率よく使えるようになる」とのこと。※4
不安を認めて共存するだけでなく、脳機能の低下が抑えられるという副次効果が得られるかもしれません。

 

心配スケジューリング(あらかじめ心配する時間を決めておく)

次に紹介する「心配スケジューリング」は、受験の不安について思い悩む時間が多い人にはうってつけの方法です。※4
まず、心配してしまうことを一つだけ選びます。
そして、1日1回、15~30分の間で心配をする時間帯を決めて、スケジュールの中に入れます。
つまり、あらかじめ心配をする時間を決めて、それ以外の時間は不安とは共存しないようにするわけです。
これは、自分の不安を客観的に眺めることができ、「いつも不合格になったらどうしようと悩んでいるな」と自分の悩みを受け止められるようになります。

 

呼吸法トレーニング

一般的に不安を感じると、脳に酸素を送るために血圧が上昇しますが、この血圧を下げる最適な方法が、ゆっくりと深い呼吸をすることです。※1
不安だと感じれば、目を閉じて少しゆっくりと呼吸をしてみましょう。
数字を数えながら呼吸をしてもいいですし、入ってくる空気の流れに意識を集中して呼吸を行う方法でも構いません。
様々な呼吸の方法を試して、一番自分が落ち着くことのできる方法を見つけましょう。

 

ポジティブ思考で「不安」を認知する

一つの事象は表と裏の両側面からみることができます。
例えば、コップに半分の水が入っていたとしましょう。
「これだけしか水がない」と捉えるか「半分も水が入っている」と考えるか。
考え方次第で、印象も大きく変わります。
これと同じように、頭の中で不安が出現すれば、ポジティブな言葉で言い換えることも効果的な方法です。
「60点しか取れなかった」というネガティブな思考を「あと40点も伸びしろがある」とポジティブな思考へと変えるわけです。
不安と共存できる方法としておススメです。

 

不安を分かち合える仲間を作る

「不安」がどんどん頭の中で増えていくのは、自分だけの視点で物事をみているからです。
狭い視野では、自分の考えのみで判断していまい、客観性を失います。
そこで大事なのが、共感してもらえる仲間です。
例えば、「今回のテストは解けなかったから自分はダメだ」と思っていても、友人から「あのテストは偏差値70の人も解けない難問だよ」と言われれば、不安は急に小さくなります。
自分の心配や不安を分かち合える仲間、孤独な受験を支え合える仲間を作り、互いの不安や悩みを見せることもおススメです。

 

※4: 鈴木祐「超ストレス解消法イライラが一瞬で消える100の科学的メソッド」鉄人社 2018年/2019年6月6日閲覧

受験の「不安」と上手に付き合う3つの方法

受験の不安のせいで、落ち着かない、ドキドキして汗をかく、呼吸が苦しいなど、人によって表れる症状は様々です。
中でも、「眠れない…」という悩みは日頃の生活リズムを乱す非常にやっかいなものといえます。
そこで、最後に、受験の不安に打ち勝って、「眠れない」という悩みを解決する方法を紹介します。

 

適度な運動で身体を疲れさせる

寝つきが悪く質の良い睡眠が取れない場合、起きている間も集中力が途切れるなど、日中のパフォーマンスが最大限に発揮できません。
しかし、「眠れない」弊害は、このような一時的なものだけではありません。
最大の弊害は、規則正しい睡眠サイクルを乱すことです。
「眠れない」ことにより、朝起きる時間が遅くなり、その結果、さらに夜も就寝時間が遅くなるといった悪循環に陥ります。
つまり、どんどん睡眠サイクルがズレて、規則正しい生活が困難になるのです。
そこで、この睡眠サイクルの悪循環を断ち切るおススメの方法が「運動」です。
具体的には、激しい運動ではなく、ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく30~40分続けられる有酸素運動がよいでしょう。
運動によって身体を動かすと、遅くまで起きて活動し続ける体力が持ちません。
つまり、身体を適度に疲れさせて、夜に眠れるようにするわけです。
また、運動は気分転換、ストレス発散にも効果的です。
眠れないと悩んでいる場合は、一度と試してみてはいかがでしょうか。

 

ラベンダーなど好みの香りを上手に使う

様々な植物の香りを使って自身の気持ちをケアする方法は、古代ローマ帝国時代から採用されていました。※4
香りによって得られる効能は異なるとされていますが、あまり気にせず、自分の好みの香りを選ぶとよいでしょう。
静かな部屋で、心地よい香りに満たされるだけで、頭の中でモヤモヤしていた考えがすっきりと整理され、気持ちが落ち着くでしょう。

 

スムーズに眠りにつくためには、お風呂の入り方がカギ

実は、スムーズに眠りにつくカギとなるのが、身体の温度です。
温度には身体の表面と深部の二つがありますが、深部体温が下がるほど、眠りやすくなるといわれています。
特に、体温のリズムは、下がる直前に逆に上げておくと、より深く下げることができます。
そのため、眠る時間から逆算してお風呂に入って身体を温めると、深部体温がうまく下がる頃に眠ることができ、スムーズに入眠しやすくなるのです。
具体的には、就寝時間の約1時間半前にお風呂に入ると、ちょうどゆっくり時間をかけて深部体温が下がり始め、就寝時間には最も低い深部体温になるでしょう。
熱いお風呂が好きであれば就寝の約2時間前、ぬるいお風呂であれば約1時間前を目安にしてみてください。※5

 

※5: 菅原洋平「あなたの人生を変える睡眠の法則」自由国民社 2018年/2019年6月6日閲覧

まとめ

受験は誰しもが通る道です。
自分一人で悩まずに、不安を声に出してみると、周囲の人から意外なアドバイスがもらえるかもしれません。
また、受験は決して「目的」ではありません。
その先の自分のしたいことこそが人生の「目的」です。
受験だけをクローズアップするのではなく、その先を見つめることが大切なのです。

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