胎教とは?いつから、何をやる? その効果は?

公開日:

おなかの赤ちゃんが成長すると、気になることの一つが「胎教」ではないでしょうか。
胎教というと、音楽を聴かせたり、早期教育をしたりというイメージもありますが、実はもっと簡単なことです。
何をするとよいのか、いつから始めるとよいのか、本当に効果はあるのか、など胎教についてご紹介します。

目次

  1. 胎教とは?
  2. 胎教は、いつから?
    • 胎動を感じる妊娠5~6ヶ月頃からがおすすめ
    • 妊娠6ヶ月頃は聴覚も発達している
  3. 音楽だけではない!胎教の方法8つ
    • 音楽を聴く
    • 絵本を読む
    • 歌を歌う
    • キックゲーム
    • 語りかけ
    • おなかをさする
    • 赤ちゃんの心音を聞く
    • 手軽な胎教アプリは遊び感覚で
  4. 「胎児ネーム」があればパパでも胎教に参加しやすい
    • 胎児ネームをつけるメリット
    • 胎児ネームはいつまで使う?
  5. 早期教育としての胎教
  6. 胎教に効果は?親としての心の準備にも
    • リラックス効果
    • 親としての自覚
  7. パパとママが仲良くすることも大切
  8. まとめ

胎教とは?

おなかの赤ちゃんに働きかけ、親子の絆を深めることを胎教といいます。
胎児の頃から能力の発達に働きかける早期教育のイメージもありますが、実際にはもっと身近な働きかけも含まれます。
おなかの赤ちゃんに話しかけたり、音楽を聴いたり、おなかをトントンしたりすることなども胎教の一つの方法です。※1

※1 最新版 らくらくあんしん 妊娠・出産 荻田和秀 監修/学研プラス/2017年4月発行

胎教は、いつから?

胎動を感じる妊娠5~6ヶ月頃からがおすすめ

胎教はいつから始めるという決まりはありません。
しかし、胎動がわかるようになってからはじめると、赤ちゃんの反応があるように感じられておすすめです。※1
胎動にあわせておなかをトントンしたり、話しかけて胎動があったりすると、赤ちゃんとコミュニケーションが取れているように感じ、親子の絆が深まります。
穏やかなリラックスした気持ちになるでしょう。

 

【胎動はいつ?】

胎動は、妊娠18週頃から感じ始めると言われていますが個人差があります。※1※2
おなかを触って外から胎動がわかるようになるのは妊娠6ヶ月頃です。※1

 

妊娠6ヶ月頃は聴覚も発達している

妊娠5ヶ月頃は、赤ちゃんも活発に動くようになる時期です。※2
妊娠6ヶ月頃には赤ちゃんの聴覚が発達し、おなかの中でママの血流の音などが聞こえるくらいに成長していると言われています。※2
外からの音も聞こえて反応する可能性もなくはないようです。※1
その後、妊娠7ヶ月頃にはモノを見る力が発達し、妊娠8ヶ月頃には外の光や音に反応するくらいに感覚器が発達します。※2
この頃は、おなかも大きくなり胎動もより感じやすいので、胎教による赤ちゃんの反応がわかるかもしれませんね。

※1 最新版 らくらくあんしん 妊娠・出産 荻田和秀 監修/学研プラス/2017年4月発行
※2 はじめての妊娠と出産 井上裕子 監修/西東社/2016年9月発行

音楽だけではない!胎教の方法8つ

胎教というとクラシック音楽を聴くというイメージがある方もいるかもしれませんが、おなかの赤ちゃんとコミュニケーションをとる方法はほかにもあります。
代表的な方法を8つご紹介します。

 

音楽を聴く

クラッシック音楽に限らず、パパママの好きな音楽を聴くことも胎教の一つです。※1
音楽を胎教に取り入れた場合の乳幼児の発達に関する研究では、母親の70%以上が何らかの効果があったと感じているとアンケートで回答しています。※3
胎教向けのCDやアプリ、動画を聴くのもよいですし、妊娠前からパパママが聴いていた音楽でもよいでしょう。
ママがリラックスできる音楽を取り入れるとよいですね。

 

絵本を読む

赤ちゃんは、パパの声よりもママの声の方が聞き取りやすいとも言われており、ママが読む絵本が大好きです。
おなかの中にいる頃から絵本を準備して読んであげることで、赤ちゃんもママもリラックスできるのではないでしょうか。
絵本の読み聞かせの効果

は、乳児期・幼児期で異なります。
また、パパとママで読み聞かせの役割も違うと言われています。
上記の記事で、詳しくご紹介しています。

 

歌を歌う

音楽胎教の一環ですが、ママがおなかをさすりながら歌を歌ってあげる方法もあります。
ママが楽しく歌っていると、歌の音だけでなく楽しさも赤ちゃんに伝わるはずです。※2
「お風呂に入ったときに、同じ歌を歌っていました。話しかけたりするのは恥ずかしい気がして、湯船につかりながら歌いかけていました」(30代女の子ママ)

 

キックゲーム

赤ちゃんがおなかを蹴った時に、ママが蹴られた場所をトントンたたくコミュニケーションをキックゲームといいます。※1
妊娠後期になると赤ちゃんも成長し、蹴られることも増えます。
キックゲームで赤ちゃんと触れ合いを楽しんでみるのもおすすめです。
ママがトントンした回数と同じ回数、赤ちゃんがキックしてくれることもあるようですよ。

 

語りかけ

赤ちゃんに語りかける・話しかける方法は、どこでも簡単にできる胎教です。※2
胎児の間だけの名前「胎児ネーム」をつけて、パパとママでおなかの赤ちゃんに呼びかけたりする方も多いものです。
胎児ネームについては、次章で詳しくご紹介します。
パパとママ、二人で語りかけられるとよいですね。

 

おなかをさする

語りかけたほうがいいと思っていても、恥ずかしくて、なかなかできなかったという方もいらっしゃいます。
そんな方にもやりやすいのが、おなかをさする方法です。
おなかを優しくさすりながら、赤ちゃんをイメージするだけであれば、恥ずかしさを感じることもないのではないでしょうか。※2
声に出さなくても、赤ちゃんに頭の中で話しかけるだけでも、ママはリラックスできるはずです。

 

赤ちゃんの心音を聞く

おなかの赤ちゃんとコミュニケーションをとるための、心音を聞くグッズも市販されています。
ママのおなかに心音計をあてて、赤ちゃんの心音を聞くことができるというグッズです。
健診を待たず、毎日家で心音を確認できパパも一緒に聞くことができます。
赤ちゃんの様子を音で感じることで、安心したり幸せを感じたりすることができるでしょう。

手軽な胎教アプリは遊び感覚で

おなかの赤ちゃんがキャラクターとして登場し、音声で会話ができるスマートフォンアプリが話題となっています。
妊娠週数ごとの様子を赤ちゃんキャラクターが話してかけてくれたり、ママの気持ちを代弁してくれたりと、マタニティ期を楽しくしてくれるアプリです。※4
他にも、胎教音楽を流せるアプリなどもあり、手軽にいろいろな胎教を試すことができます。※5

※1 最新版 らくらくあんしん 妊娠・出産 荻田和秀 監修/学研プラス/2017年4月発行
※2 はじめての妊娠と出産 井上裕子 監修/西東社/2016年9月発行
※3 胎児・乳児への音楽の関わりが乳児期・幼児期の発達に及ぼす影響についての特徴的傾向 /岡村弘 | 東京福祉大学教授/科学研究費助成事業 研究成果報告書/平成26年6月23日/2020年1月10日確認
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-23531078/23531078seika.pdf
※4 お腹の赤ちゃんと話せるアプリ|赤ちゃんと話そう|エレビット (Elevit)|バイエル薬品/2020年1月10日確認
https://www.elevit.jp/pr/heymommy/
※5 ‎「すくすく胎教オーケストラ 癒しのクラシック音楽」をApp Storeで/2020年1月10日確認
https://apps.apple.com/jp/app/id839374345

「胎児ネーム」があればパパでも胎教に参加しやすい

ママは自分で胎動を感じることができるので、キックゲームをしたり歌を歌ったりもしやすいかもしれません。
しかし、赤ちゃんの反応を感じられないパパは、自分で胎教をすることに抵抗がある方もいるでしょう。
パパでも簡単にできる胎教は、やはり「話しかけること」です。
パパに「胎児ネーム」をつけてもらうと、胎教に参加しやすくおすすめです。

 

胎児ネームをつけるメリット

あるアンケートによると、7割以上の人がおなかの赤ちゃんに名前をつけて呼んでいたそうです。※6
名前をつけることで、パパとママで赤ちゃんの呼び方を統一できますし、より愛着もわいてきます。
親になる自覚が芽生えるということ効果もあるでしょう。
胎児ネームをパパにつけてもらうと、親になる実感が希薄なパパでも、赤ちゃんへの愛着が増すこともあるようです。

 

胎児ネームはいつまで使う?

一般的には、胎児ネームは生まれてくるまでのニックネームです。
赤ちゃんが生れてくるまで使うという方が多いでしょう。※6
ただ、妊婦健診で分かった性別は、胎児ネームと違った…ということもあるかもしれません。
性別に合わせた胎児ネームに変えてもよいでしょうし、妊娠の時期ごとに胎児ネームを変える方もいるようです。※6

※6 ミキハウス「名づけ調査」から見えた 「胎児ネーム」と「名づけ」に込めるママ・パパの想い | 妊娠・出産インフォ|ミキハウス出産準備サイト/2020年1月10日確認https://baby.mikihouse.co.jp/information/post-8898.html?readmore=1

早期教育としての胎教

ここまでにご紹介した家庭でできる胎教とは別に、胎教を早期教育の一環として取り入れるという考え方もあります。
教育的な考え方に基づく教室や教材もあり、目にしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
早期教育として、おなかの赤ちゃんの能力を開発するという目的のもと、様々なプログラムが実施されていますが、赤ちゃんへの効果は証明されていません。※7
早期教育としての胎教では、

  • 絵やカードを使い、ママが胎児にイメージを送りコミュニケーションをとる
  • 胎児に数字や文字、図形などのイメージを正確に教え、3歳頃までに復習する

というようなプログラムを実施しているところもあります。※7

※7 妊娠管理における胎教/日本医科大学 越野立夫・中井章人/平成5年度厚生省心身障害研究「妊産婦をとりまく諸要因子と母子の健康に関する研究」/2020年1月10日確認
https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1993/h050320.pdf

胎教に効果は?親としての心の準備にも

胎教は、妊娠中の親子のコミュニケーションの1つです。
赤ちゃんの成長に効果があるかどうかはわかっていませんが、パパとママへの効果は、期待できると言われています。※7

 

リラックス効果

胎教を通じて、おなかの赤ちゃんとの絆を深めることで、ママはプラスの感情を持つことができます。
安心したり、リラックスしたり、幸せな気持ちになったりと、精神面でよい影響が得られることは、胎教の効果の一つでしょう。
妊娠中にママのストレスが多いと、母体の血流が悪くなり、体調にも影響が出てしまうかもしれません。※1
また、ママが不安な気持ちを抱えていると、赤ちゃんの脳に伝わり、その後も心の傷になってしまうという説もあります。※8
マタニティ期間中、ママがリラックスすることはとても大切なことなのです。

親としての自覚

胎教を通じて親としての自覚が芽生えるというのも胎教の効果の一つです。※7
育児に必要不可欠な母性が芽生えることで、妊娠中の生活環境を見直し、出産・育児に備えることができるでしょう。

※7 妊娠管理における胎教/日本医科大学 越野立夫・中井章人/平成5年度厚生省心身障害研究「妊産婦をとりまく諸要因子と母子の健康に関する研究」/2020年1月10日確認
https://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1993/h050320.pdf
※8 新しい胎教/七田眞/PHP出版/2002年1月発行

パパとママが仲良くすることも大切

妊娠中は、何でもないことにイライラしたり落ち込んだりすることもあります。
パパのちょっとした発言にイラつき、親になる自覚のなさに絶望することもあるかもしれません。
しかし、おなかの赤ちゃんの成長にはパパとママのコミュニケーションも大切です。※2
ママがパパにイライラしてストレスをためていると、赤ちゃんにも母体にもよくありません。
さらに、赤ちゃんが生れてからも夫婦喧嘩が続くと、子供の心身に影響を与えてしまいます。
トラウマとなってしまい、子供の性格や言葉の遅れ、コミュニケーションにも支障をきたす恐れもあります。
赤ちゃんがおなかにいるうちから、夫婦のコミュニケーションを心掛けることも、胎教のひとつと言えるかもしれませんね。

夫婦喧嘩の影響については

夫婦喧嘩が子供に与える影響!喧嘩後は子供へのフォローが大事!

こちらの記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

胎教は、親子の絆を深めるコミュニケーション手段です。
おなかの赤ちゃんに胎児ネームをつけて話しかけたり、絵本を読んだり、一緒に音楽を聴いたりという時間は、ママにとって幸せなひとときです。
ママがリラックスをして幸せな気持ちで過ごしていないと、おなかの赤ちゃんにも不安が伝わるという説もあります。
胎教を取り入れ、リラックスしたマタニティライフを過ごしましょう。
しかし、パパは体の変化がない分、親になる自覚が薄いという方もいるでしょう。
パパこそ、胎児ネームをつけて話かけることで、愛着がわき、父性が芽生えるきっかけになるかもしれません。
胎教は、おなかの赤ちゃんへの早期教育としての効果はまだ分かっていませんが、パパとママの精神面での効果は期待できます。
妊娠中のゆったりした時間を見計らって、家族で胎教を取り入れられるとよいですね。

公開日:
上へ