【3歳・4歳・5歳】幼児のひらがな読み書きはいつから?教え方は?英語の読み書きは?

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ひらがなの読み書きは、いつから教え始めればよいのでしょうか。
3歳・4歳・5歳では、それぞれどのようにひらがなと接していけばよいのか、また親は子供にどのようにひらがなを教えてあげればよいのかについてご紹介します。
さらに英語の読み書きの進め方についても触れていますので、参考にしてみてください。

ひらがなの読み書きはいつから?

幼稚園や保育園で、周りの子がひらがなを読めたり書けたりすると、心配になるのが親心ではないでしょうか。
しかし、

ひらがなは何歳からどう教える?
でも紹介されていますが、子供がひらがなを習得する時期は、個人差が大きく一概にいつとは言えません。
平均的に、ひらがなが読めるようになるのは4歳ひらがなが書けるようになるのは5歳と考えられていますが、早い子もいれば遅い子もいます。
ひらがなの読み書きの目安として、小学校入学までに「ひらがなが読める」「名前がひらがなで書ける」程度の理解があると、小学校1年生の授業でつまづかずにすみます。※1
授業以外の生活面でも、ひらがなが読めたほうが子供も安心できるでしょう。
入学前に、生活に困らない程度のひらがなを読む力を身につけておくのも、ひらがな習得の一つの目安です。
1年前から始める小学校入学準備
では、ひらがな以外の小学校入学準備についても触れています。
次章からは、3歳・4歳・5歳と年齢別に、ひらがなの読み書きの段階をご紹介します。

 

※1  7歳までに学力アップ!: 勉強ができる1年生にしてあげよう/親野智可等/学研プラス/2011年11月発行

3歳のひらがな、「読めない」「書けない」でも心配しすぎない

3歳児では、まだひらがなが読めない子も多いです。
ある調査によると、3歳児で全てのひらがなが読めるのは2割程度、4文字程度のひらがなが読めるのは約4割です。
さらに、ひらがなが書ける子となると1割程度とされています。※2
3歳は、まだひらがなを読み始める段階で、ひらがな全てを読める子も少数派。
さらに、書ける子となると1割程度とごく一部であることがわかります。
あまり焦って読み書きを教える必要はないと言えます。
この時期は、文字に興味を持たせることの方が大切です。
「かるた」や「しりとり」で遊んだり、家に50音訓のあいうえお表を貼るのもよいでしょう。※3
「あいうえお」の順番で教える必要はないので、子供が興味を持った時に表を指さして教えていく程度から始めましょう。※4

 

3歳におすすめのひらがなを使った知育玩具
https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2019/baby_puzzle_3st/
※2 読み書き能力の獲得|発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章/内田伸子/2019年8月3日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※3  発達がわかれば子どもが見える/ 田中真介/ぎょうせい/2009年3月発行
※4 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと/祖川泰治/すばる舎/2015年11月発行

4歳のひらがな、読めるのは半数!書けるのは?

4歳になると、全てのひらがなが読める子は5割超まで増えます。※2
増えたとはいえ、まだ半数です。
4歳になり、ひらがなが読めなくても、あまり焦ることはありません。
4歳は、ひらがなが出来る子もいれば、出来ない子もいるという時期です。
家庭など習い事で学習している子としていない子で、ひらがなの読み書きの差が開くのが4歳だということが分かっています。※2
その後、5歳になると、習い事の有無による差はなくなります。※2
4歳の時点で、周りの子と比べて遅れていると感じても、長期的に見れば問題ないことが多いので、無理強いせず、子供の興味に応じて家庭で教えてあげるのが良いでしょう。
4歳は記憶力が高まり、一日の出来事や覚えたことを言葉にすることができるようになる時期です。※5
「なぞなぞ」や「早口言葉」のような言葉遊びで言葉に対する興味をひきだすのがおすすめです
道具を使わずにできるので、簡単にどこでもできます。
「言葉がたのしい」と感じられるよう、送り迎えの時などに親子で遊びながら取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

※2  読み書き能力の獲得|発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章/内田伸子/2019年8月3日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※5 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ/監修 西坂小百合/ナツメ社/2016年11月発行

5歳、ひらがなに興味がないときの教え方のポイント

5歳~6歳は、小学校入学を控え、読み書きはできるようにしておいた方がよいと思う方も多いでしょう。
5歳では9割程度の子が読み書きできるという報告もあります
しかし、文字に興味がない子も一定数います。※2
ひらがなくらいはできるようにならなければ…と親が頑張っても、子供が興味を持たなければできるようにはなりません。
まずは、引き続き、ひらがなを読めるよう、かるたやパズルなどの遊びを通じて教えていきましょう。
厚生労働省の定める保育所保育指針には、幼児の保育の狙いの一つに「文字などで伝える楽しさを味わうこと」とあります。※6
ひらがな本来の「伝える」ことに楽しみを見出すのも一つの方法です。
お手紙ごっこなどを通じて、子供が文字に興味を示す可能性もあります。※6
ひらがなが書けないうちは、ママパパが子供にお手紙を書いてあげてもよいでしょう。
さらに、お友達に手紙をもらったりすると、読みたい意欲がわいてくるかもしれません。
読み書きを同時に教えるよりも、読みを習得してから書く練習に入った方が習得率が高いと言われていますので、焦らず読むことから始める方がよいでしょう。※1※4
読みの練習として、親子で習慣にしたいのが「読み聞かせ」です。※4※7
絵本に使われている正しい日本語に触れることで、子供はひらがなを理解するだけでなく、国語の土台となる語彙力も身につきます。
読み聞かせには、年齢ごとに様々な効果があります

こちらの記事を、併せてご確認ください。

 

※1  7歳までに学力アップ!: 勉強ができる1年生にしてあげよう/親野智可等/学研プラス/2011年11月発行
※2  読み書き能力の獲得|発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章/内田伸子/2019年8月3日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※4 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと/著者: 祖川泰治/すばる舎/2015年11月発行
※6 厚生労働省|保育所保育指針解説/2019年8月3日現在
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000202211.pdf
※7 3~6歳 能力を伸ばす 個性を光らせる/汐見稔幸/主婦の友社/2010年8月発行

ひらがなの読み書きはどう教える?

勉強させるのではなく興味を持たせる

ひらがなの読み書きを出来るようにさせねば!と急にドリルを購入して勉強させようとしても、子供は興味がなければ嫌がってしまうだけかもしれません。
「ひらがなが嫌い」になってしまわないよう、強制的に勉強させるのはやめたほうが良いでしょう。※4※7
小学校入学前なのに、ひらがなができないと、親としては心配になる方もいらっしゃるかもしれません。
出来ないからと言って、ひらがなを教えるのではなく、文字に興味を持たせることを考えましょう。※7

 

遊びの中で読む力をつける

子供が興味のある本を一緒に読み、読みながら文字をちょこちょこ教えていくと、ひらがなを読みはじめるようになると言います。※7
少し読めるようになったら、かるたで遊んだり、パパママから子供にひらがなでお手紙を書いたりして、文字と接する環境を整えてあげましょう。※5

 

書く練習は名前から

いきなり「あいうえお」を書く練習をしても、イヤになってしまうかもしれません。
まずは、自分の名前がひらがなで書けるよう練習してみましょう。
自分で作ったおりがみに名前を書いたり、お友達や祖父母への手紙に名前を書いたりと、名前を書く機会を作り練習させてあげると、興味を持ちやすいかもしれません※7
ひらがなの読み書きは、小学校1年生のうちにマスターできるよう、小学校入学後に授業でしっかりと教えてくれます。※4※7
入学前にできなくても、焦らず、子供が文字への関心を持てるよう、遊びの中で働きかけるよう工夫してみてください。

 

※4 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと/著者: 祖川泰治/すばる舎/2015年11月発行
※5 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ/監修 西坂小百合/ナツメ社/2016年11月発行
※7 3~6歳 能力を伸ばす 個性を光らせる/汐見稔幸/主婦の友社/2010年8月発行

英語の読み書きは、どう進める?

グローバル化が進む中、小さい頃から英語を習い事として始める家庭も増えています。※8
赤ちゃんの頃から英語を教えること
には賛否両論ありますが、小さい頃から外国文化に触れておくと将来の語学習得に役立つはずです。
では、英語の読み書きは、いつどのように始めるのか見てみましょう。

 

読み書きの前に、聞く・話す

近年の幼児向け英語教室では、読み書きよりもリスニングやスピーキングが中心です。
英語の読み書きについては、英単語を覚え、聞く・話すができるようになるなかで、文字に親しんでいくという順番で進めるとされています。※9※10※11
単語を覚えてから、頭文字のアルファベットを覚えていく順序は、日本語の習得と同じですね。
英語を幼児期から学ぶメリットとデメリットは
幼児期の英語の習得のポイント

でもご紹介しています。

 

英語の読みも、生活の中で覚えていく

ひらがなを遊びを通じて覚えていくように、アルファベットも遊びや生活の中で教えていくのが効果的です。※11
小学校の外国語学習においても、聞いたり話したりという活動を通じてアルファベットに触れ、読み書きへと進むため、読みを授業で習うのは高学年になってからです。※11
子供は、文字を色や形で覚えていきますので、ひらがなが難しく漢字やアルファベットが難しいと認識しているわけではありません。※12
4歳頃からは、絵本を読んでも絵よりも文字に注目していると言われており、ひらがなが読めてアルファベットに興味を示すようであれば、遊びに取り入れてもよい時かもしれません。※13
幼児期は、ひらがなやカタカナ、小学校になると漢字と日本語の文字も多くのことを学ばなければならない時期です。
無理にアルファベットを教え込もうとすると英語嫌いになってしまいかねませんので、興味を持ったら教えていくのがおすすめです。

 

英語を書くのは急がなくてOK

小学校で導入された英語授業

の記事でも紹介していますが、小学校の英語の授業で「書く」ことを学ぶのは高学年になってからです。
高学年では、単語の綴りや文法を踏まえた「英語を書く」活動が行われます。※11
それまでに、アルファベットの大文字小文字を書けるようにしておくと、授業がスムーズに進められるのではないでしょうか。
小学校の授業でも、3~4年生から読み書きよりもスピーキングやリスニング、プレゼンテーションが重要視されたカリキュラムですし、実社会でも書くより話す英語力の方が重要です。
子供がアルファベットを書くことに興味を持った時に教え、小学校に入ってからの外国語活動の中で学んでいくのがよいのではないでしょうか。
2020年から小学生の英語教育が変わる

ことにより、英語への関心は高まっています。
幼児期から参加できる親子留学

なども注目を集めています。

 

※8 語学ビジネス市場に関する調査|2017年8月|矢野経済研究所/2019年8月3日現在
https://www.yano.co.jp/press/download.php/001720
※9 子どもに英語のスペルを教えるのはいつから? | GLOBAL CROWN/2019年8月3日現在
https://www.global-crown.com/blog/english-teaching/1
※10 アルファベットの練習はいつごろ・どのようにすべき?|ワールドファミリー/2019年8月3日現在
https://world-family.co.jp/cetimes/one/english/article-3.html
※11 文部科学省|小学校外国語活動・外国語研修ガイドブック/2019年8月3日現在
http://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/__icsFiles/afieldfile/2017/07/07/1387503_2.pdf
※12 ひらがな「書字」教育における評価法の検討/長岡由記/2019年8月3日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokugoka/74/0/74_KJ00008931249/_pdf/-char/ja
※13  絵本課題における表記知識・手続き的知識の発達/2019年8月3日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/23/3/23_KJ00008230919/_pdf/-char/ja

読み書きは文字に興味を持つことから(まとめ)

ひらがなや英語の読み書きは、親が意気込んでドリルなどを与えたところで、出来るようになるわけではありません。
日ごろの遊びや生活の中で言葉に触れ、興味を持たせることが、読み書きの第一歩です。
子供が文字に興味を持つよう、知育玩具で遊んでみてはいかがでしょうか。
年齢別の知育玩具については、
幼児向けの知育玩具の選び方

で、詳しくご紹介しています。
幼稚園や保育園などで、周りがひらがなの読み書きができるようになると、焦ってしまう親御さんもいるでしょう。
しかし、ひらがなの習得が早すぎることによる問題があるのも事実です。
あまり焦らず、子供が興味を持つまで見守りましょう。
子供が興味を持っていないと、教えたところで身につきません。
読み書きを促すのではなく、言葉の発達を十分に促すため、しりとりなどの言葉遊びも取り入れるのもよいでしょう。
また、親子や親族で手紙のやりとりをし、わからない文字はすぐに調べられるように「ひらがな表」を見やすい場所に貼っておくなど、工夫をしてみてください。
子供は、興味を持ったら、あっという間に読み書きできるようになるはずです。

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