離乳食を食べない赤ちゃんの原因と「月齢別」対処法。母乳との関係も解説

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離乳食は、せっかく作っても食べないことは日常茶飯事ではないでしょうか。
パパママはイライラしてしまいますよね。
赤ちゃんが離乳食を食べない原因は、発達段階ごとに異なるものもあります。
離乳食の段階別(離乳食初期・中期・後期・完了期)に、食べない原因と対策を解説します。
また、ママが気になる母乳や断乳との関係についても触れています。

目次

  1. 離乳食を食べない赤ちゃんにイライラ
    • 離乳食を食べてくれないと悩むママは多い
    • いつまで続く?時期的なもの?
    • 栄養は取れている?
    • 保育園だけで食べないことも
  2. 離乳食初期に食べない時の原因と進め方
    • 離乳食初期とは
    • 食べない原因
    • 食べない時の対策
    • 離乳食中期への進め方
  3. 離乳食中期に食べない時の原因と進め方
    • 離乳食中期とは
    • 食べない原因
    • 食べない時の対策
    • 離乳食後期への進み方
  4. 離乳食後期に食べない時の原因と進め方
    • 離乳食後期とは
    • 食べない原因
    • 食べない時の対策
  5. 離乳食を食べないのは母乳のせい?断乳・卒乳との関係
    • 離乳食と母乳の関係
    • 卒乳・断乳を考えたほうがよいケース
  6. まとめ

離乳食を食べない赤ちゃんにイライラ

離乳食を食べてくれないと悩むママは多い

子供の首が据わり、食べ物に興味を示しだすことが多い生後5~6ヶ月。
母乳やミルクからそろそろ離乳食をはじめるタイミングです。

しかしいざ始めてみると思うように離乳食を食べてくれない!と壁にぶつかる親は多くいます。
厚生労働省の調査によると、離乳食で困ったこととして「食べる量が少ない」という声が多く挙げられています。※1

 

いつまで続く?時期的なもの?

離乳食を食べてくれない原因は子供によって様々です。
いつまで続くのか不安になる方も多いと思いますが、時期や月齢よりも子供の個性によって離乳食の進み具合は大きく異なります。
月齢による離乳食の進め方の目安はありますが、無理に合わせることはありません。
子供の成長具合や様子を見ながら離乳食を与えていくことがもっとも大切です。※1

 

栄養は取れている?

離乳食を食べてくれないと栄養がしっかり摂れているか不安になりますよね。
成長過程に合わせて、母乳やミルク以外の食事からも栄養を摂れることがゴールではありますが、離乳食をはじめて間もない頃はそこまで気にすることはありません。
十分に食べてくれない時は子供が欲しがるだけ母乳やミルクをあげるなど、様子をみて無理せず調整していきましょう。※2

 

保育園だけで食べないことも

離乳食を食べない理由は先で述べたとおり、子供によって様々です。
環境によって食べる食べないが左右されることもあるので、保育園だけで食べないという子供も少なくありません。
徐々に慣れてくれば改善することもありますが、心配な場合は保育園の先生に普段与えているものや家での様子を伝えるなど相談をしてみましょう。

次からは、離乳食の時期ごとに食べない原因と対策をご紹介します。

離乳食全体の進め方については、
離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?-

こちらの記事で詳しくご紹介しています。

※1 厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/2019年6月1日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
※2 5、6ヶ月頃(初期)の離乳食の進め方の目安| 離乳食の進め方なら和光堂わこちゃんカフェ/2019年6月1日現在
https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/my1_1.html

離乳食初期に食べない時の原因と進め方

離乳食初期とは

赤ちゃんの首がすわり、食べ物に興味を示しだす赤ちゃんが増えるのが生後5~6ヶ月頃です。
一般的に、離乳食初期にあたりゴックン期ともよばれます。
あげる回数は1日1回1さじからはじめ、徐々に増やしていきます。
この時期の赤ちゃんはまだ噛むことができないため、食材を喉ごしの良いペースト状にすり潰して飲みやすくすることがポイントです。※3※4※5※6

 

食べない原因

お母さんのおっぱいやミルクしか口にしていなかった赤ちゃんにとって、離乳食は何もかもがはじめてのもの。

離乳食の味や食感、乳首と違うスプーンが口に入るとびっくりして、嫌がる反応をするのは自然なことです。

子供が食べないからと無理やり口の奥に入れようとすると、喉を傷つけてしまう恐れがあるので絶対に止めましょう。

母乳やミルクを飲むのと離乳食を食べるのは、口の動きが違います。

赤ちゃんの舌の上に離乳食をそっと乗せて飲み込めるか確認します。

また離乳食は素材の味に慣れさせることも目的のひとつですから、過度に調味料で味付けをすることも避けてください。※3※4※5※6

 

食べない時の対策

離乳食初期に食べない時の対策を4つご紹介します。

  • 飲み込みやすいよう、できるかぎりなめらかにすりつぶす
  • おかゆの上澄みだけをあげて様子を見る
  • 熱すぎないか、ミルクと同じ人肌程度になっているかチェック
  • どうしても難しければ中断してもOK

この時期の赤ちゃんはまだ離乳食自体に慣れていないため、食材をできるだけなめらかにすり潰したり、とろとろのポタージュ状にして飲み込みやすくしてあげましょう。
はじめは消化の良い10倍がゆ小さじ1程度からあげるのがおすすめです。
丁寧にすり潰して飲み込みやすくし、ある程度食べてくれるようになったら少しずつ荒めにすり潰して食感に慣れさせます。
食べてくれない時はおかゆの上澄みをあげて、ミルク以外の味に慣れさせることからはじめてみましょう。
また離乳食をあげる時に注意したいのが温度です。
温度が高すぎたり低すぎたりすることが食べない原因の場合もあるので、ミルクやおっぱいと同じ人肌程度にしてください。
これらの方法でも上手くいかない場合は一旦ミルクやおっぱいを与え、時間を置いてからもう一度離乳食をあげてみても良いでしょう。※3※4※5※6

母乳のあげ方については、
母乳とミルク、混合授乳どれがいい?それぞれのメリットとデメリット

こちらの記事で詳しくご紹介していきます。

 

離乳食中期への進め方

開始から1ヶ月を目安に1回から2回へ回数を増やしステップアップをしていきます。
2回に進む時は、月齢で食べられるものを参考に食材の種類を増やしていき、固さや形状は1回の時と同じ状態からはじめていきます。※4※5※6

※3 厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/2019年6月1日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
※4 5、6ヶ月頃(初期)の離乳食の進め方の目安 | 離乳食の進め方なら和光堂わこちゃんカフェ/2019年6月1日現在
https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/my1_1.html
※5 離乳食初期 5~6ヵ月頃 | 教えて!離乳食のコツ | キユーピー/2019年6月1日現在
https://www.kewpie.co.jp/babyfood/advice/month_5/index.html
※6 明治乳業/離乳食を始める時期の目安<5ヵ月・6ヵ月>/2019年6月1日現在
https://www.meiji.co.jp/baby/club/category/eat/point/ea_point114.html

離乳食中期に食べない時の原因と進め方

離乳食中期とは

離乳食中期は、生後7~8ヶ月頃が1つの目安です。
モグモグ期ともよばれます。
回数を1日2回に増やし、食べるリズムを習慣づけていきましょう。
この時期は舌を使って食材をすり潰し、モグモグと食べることができるようになります。
食材はペースト状から、細かいみじん切りなど小さな固まりにするようにし、指でつぶせる程度の固さに調理します。
進み具合次第でおかゆや野菜以外にもパンや、たんぱく質のある肉類にもチャレンジしてみましょう。※7※8※9※10

 

食べない原因

ミルクやおっぱいから離乳食に慣れてきた段階ですが、固形の食材にはまだ違和感を覚える子も多くいます。
食材が大きすぎる、葉物野菜の繊維感が残っていて食べにくいから嫌がるといったことも多いようです。
離乳食中期は大きさ、食感などを食べやすく調整することがポイントです。
また、スプーンを舌の真ん中より奥に入れてしまうと、赤ちゃんはご飯を飲み込むことができずに危険です。
スプーンの使い方も工夫してみましょう。※7※8※9※10

 

食べない時の対策

離乳食中期に食べない時の対策を6つご紹介します。

  • 食べなれた食材をあげる
  • 食材は大きすぎないようできるだけ細かく
  • 豆腐くらいの固さが目安
  • 食材の繊維は細かく刻む
  • 片栗粉でとろみをつけて食べやすくしても
  • 赤ちゃんのペースで口に運ぶ

はじめは無理に色々な食材を与えようとせず、5倍がゆやにんじんなど離乳食初期に食べ慣れた食材からはじめてみましょう。
中期は食材を固まりであげることが大切ですが、食材はできるだけ細かくし大きすぎないようにします。
固さも舌ですりつぶしやすいよう、豆腐くらいの固さをイメージして指ですり潰せる程度にしましょう。
繊維が残りやすいほうれん草、わかめなどは柔らかく煮てから細かく刻むなど食べやすく工夫します。
片栗粉などでとろみを付けて、食感をなめらかにするのもおすすめです。

また離乳食をあげるペースは赤ちゃんに合わせることが大切です。
赤ちゃんがモグモグを繰り返し、口の中が空になったのを確認してから次の分をあげてください。
慣れないうちはたくさん食べてほしいからと、ついお母さんのペースになりがちなので注意してくださいね。※7※8※9※10

 

離乳食後期への進み方

2回の離乳食を安定して食べられるようになり、授乳やミルクの回数が減ってきたら、離乳食後期に進みます。
3回になる離乳食後期に向けて、少しずつ決まった時間に食べるようにしていきましょう。※7※8※9

※7 7、8ヶ月頃(中期)の離乳食の進め方の目安| 離乳食の進め方なら和光堂わこちゃんカフェ/2019年6月1日現在
https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/my1_2.html
※8 離乳食中期 7~8ヵ月頃 | 教えて!離乳食のコツ | キユーピー/2019年6月1日現在
https://www.kewpie.co.jp/babyfood/advice/month_7/index.html
※9 明治乳業/離乳食のすすめ方の目安<7ヵ月・8ヵ月>/2019年6月1日現在
https://www.meiji.co.jp/baby/club/category/eat/point/ea_point115.html
※10 厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/2019年6月1日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html

離乳食後期に食べない時の原因と進め方

離乳食後期とは

離乳食後期は、9~11ヶ月頃が1つの目安の時期です。
カミカミ期ともよばれます。
回数は1日3回になり、食事のリズムが整ってきます。
離乳食後期は舌だけでなく、歯ぐきで物を噛めるようになる時期ですので物を噛む練習をしていくタイミングでもあります。
また味覚が発達する時期でもあるので、より様々な食材や味に慣れさせていきましょう。
特に不足しがちな鉄分を摂取できるように、レバーや赤身の魚などの鉄を多く含む食材を取り入れるのがおすすめです。※11※12※13※14※15

 

食べない原因

離乳食にもだいぶ慣れてくる時期ですが、それでも嫌がる子供は多くいます。
食材が大きすぎて食べにくい、単に苦手な食材であるなど様々ですが、この時期は自ら手を出して食べようとしはじめる子もみられます。
こうした自立心の芽生えから「お母さんに食べさせられるのが嫌!」という原因もあるようです。
また歯ぐきで物を噛める時期ではありますが、固いものはまだ食べることが難しい状態です。
食材が固すぎるために、口から食べ物を出してしまうこともあります。※11※12※13※14※15

 

食べない時の対策

離乳食後期、食べない時はこの4つを見直してみてください。

  • 食材の固さを見直して
  • 慣れない味なら一旦戻す
  • お腹がすいてないのかも
  • つかみ食べをさせてみる

離乳食後期は噛むことを練習する時期ですが、食材が固すぎると子供は上手に食べることが出来ません。
食材は歯ぐきでも噛みやすいよう、バナナくらいの固さを目安に調理しましょう。
パンはトーストにしてあげることもできます。
ちぎってミルクに浸してやわらかくすると食べやすくなるのでおすすめです。
新しい食材は積極的に試したい時期ではありますが、もし食べないようであれば一旦食べなれた食材のみに戻し、時間をおいて食べなかった食材を出してみるなど工夫すると食べられることもよくあります。
また、3回の食事になり、お腹がすいていないために食べられないということも考えられます。
あまり動かなかった日や授乳が多かった日などは、お腹がすかないかもしれません。
さらに子供が手づかみで食べやすいメニューを取り入れるのもポイントです。
茹でた野菜スティックや小さめのおにぎりなど、子供の手で持ちやすいように工夫しましょう。
子供が自分で食べようとする様子がみられたら、一旦子供が好きなようにさせて少し見守ってみるのも良いでしょう。

遊び食べをするなど親はついイライラしてしまいますが、手を使うことはスプーンやフォークの使い方の基礎にもなります。
食べこぼしの汚れが気になるようなら予め床に新聞紙を敷く、食器を倒れにくい吸盤付きのものにするなど環境を整えて、子供の自らやりたいという意欲に出来る範囲で応えてあげましょう。
※11※12※13※14※15

つかみ食べについては
つかみ食べはレシピやグッズ活用でイライラしない!積極的にさせる理由と促し方

こちらの記事で詳しくご紹介しています。

※11 9~11ヶ月頃(後期)の離乳食の進め方の目安| 離乳食の進め方なら和光堂わこちゃんカフェ/2019年6月1日現在
https://community.wakodo.co.jp/community/babyfood/my1_3.html
※12 離乳食後期 9~11ヵ月頃 | 教えて!離乳食のコツ | キユーピー/2019年6月1日現在
https://www.kewpie.co.jp/babyfood/advice/month_9/index.html
※13 明治乳業/離乳食のすすめ方の目安<9ヵ月~11ヵ月>/2019年6月1日現在
https://www.meiji.co.jp/baby/club/category/eat/point/ea_point116.html
※14 厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/2019年6月1日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
※15 授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)実践の手引き/監修 五十嵐隆/公益財団法人母子衛生研究会/2021年4月26日現在
https://hanbai.mcfh.or.jp/material/detail/166

離乳食を食べないのは母乳のせい?断乳・卒乳との関係

離乳食と母乳の関係

子供は幼児期に入ると母乳だけでなく、さまざまな食材から栄養を摂らなければなりません。
とはいえ歯や消化器官はまだ未熟なため、はじめは母乳と平行しつつ、成長過程に合わせた離乳食を与える必要があります。
そして最終的に母乳以外の食事から、大部分の栄養を摂れるようになった状態を離乳といいます。
離乳食初期・中期は母乳は欲しがるだけ与え、後期に入ったら1日2回、離乳食後に1~3回にしていくなど子供の様子を見ながら徐々に母乳をあげる回数を減らしていきます。
離乳の進み方は月齢ではなく子供の個性によるところが大きいので、無理は禁物です。
離乳食が十分に取れない時は母乳の回数を増やすなど、子供の発達に合わせて進めるようにしましょう。

 

卒乳・断乳を考えたほうがよいケース

断乳の仕方は?時期は?

にもある通り、基本的に、いつになったら卒乳・断乳をすべきという時期は決められていません。
断乳の必要性を感じたとき、親子ともに卒乳してもよいと感じたときが、断乳・卒乳の時期です。
一方、「離乳」の観点で考えると、離乳食が完了し幼児食になる頃が離乳の時期の1つの目安です。
1歳半~2歳頃でしょうか。

離乳をするためには、食事から栄養がとれているか、マグマグやコップを使い母乳以外の水分補給ができているかもポイントです
いずれにせよ子供の健やかな成長のために、母乳以外から食事や水分がとれるかどうかが大切。
まだ心配な場合には、無理に離乳させることはありません。※16※17※18

16 厚生労働省/授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)/2019年6月1日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04250.html
※17 赤ちゃん通信 No.26「授乳・離乳の支援ガイド」解説~離乳編|離乳食、粉ミルク、ベビーフードの和光堂/2019年6月1日現在
https://hanbai.mcfh.or.jp/material/detail/166
※18 ユニ・チャーム/ムーニー卒乳はいつ頃?初めての卒乳/2019年6月1日現在
https://jp.moony.com/ja/tips/lesson042.html

まとめ

離乳食は子供にとって栄養を摂るだけでなく、食べることの楽しさを覚えるという目的もあります。
せっかく作った食事を子供が食べてくれないとイライラしたり、落ち込んだりすることもあるでしょう。
大切なのは我が子の成長や様子に合わせて進めていくことです。
同じ月齢の子供と比べて、出来る出来ないを判断せずに子供のペースにあわせて、無理のない離乳を進めてくださいね。

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