お食い初めとは?男の子と女の子で違う進め方

公開日:

「お食い初め」を進めるにはどんな準備が必要なのか、初めての方は分からないことがたくさんありますよね。
準備する物はもちろん、どんな意味がある儀式なのか、その流れなどもしっかり理解してすすめたいもの。
いつ、誰と、どんな風にすすめていけばいいのか、ご紹介していきます。

目次

  1. お食い初めとは?
    • お食い初めの起源
    • お食い初めで願うこと
    • 一般的には生後100日後に行う
  2. お食い初めの準備
    • 誰を呼ぶかを決める
    • どこでやるか決める
    • お食い初めのために用意するもの
    • 赤ちゃんの当日の服装
  3. お食い初め当日の進め方
    • お食い初めのおおまかな流れ
    • 歯固めの儀式
    • 食べさせる真似をする人は、その場の年長者
  4. 男の子と女の子の違い
    • 食器の色と模様が違う
    • 養い親
  5. お食い初めに呼ばれたら
    • お祝いはいくらつつむ?
    • 服装など、当日の対応
  6. まとめ

お食い初めとは?

お食い初めの起源

お食い初めは、平安時代に中国から伝わった儀式だといわれています。
生後100日後をめどに、赤ちゃんに食べ物を食べる真似をさせる一連の儀式のことをいいます。
地域によっては、「百日(ももか)の祝い」と呼んだり、「箸揃え」「箸祝い」というところもありますが、「お食い初め」という呼び方が一般的です。※1

 

お食い初めで願うこと

「子どもが食べ物に一生困らないように」という願いが込められています。
また、生後100日頃になると、下の前歯が生え始める赤ちゃんもいるため、歯がはえたことにより、子どもが成長したことを喜ぶという意味もあります。
しっかり食べ、丈夫な子どもに育つように願いながら準備をすすめていきましょう。

 

一般的には生後100日後に行う

お食い初めは、生後100日目に行うとされています。
しかし、地域によっては110日や120日ということもあるため、お住まいの地域でどのように行っているかをご近所の方や身内の方に聞いてみましょう。※2
また、必ず100日目にしなければならないわけではありません。
ご家族の事情や赤ちゃんの体調にあわせて多少前後しても問題ありません。
儀式に参加したいというご家族が集まれる日を選べると良いですね。

※1 最新決定版 はじめての育児 (暮らしの実用シリーズ)/細谷亮太 (監修)/2013/学研プラス
※2百日祝い・お食い初め/スタジオマリオ(株式会社キタムラ)http://www.studio-mario.jp/event/momoka/know/menu.html

お食い初めの準備

誰を呼ぶかを決める

昔は親戚や近所の方を呼び、大人数でお祝いを行っていたようです。
しかし、現在はなかなか親戚全員を呼んで行うことは難しいこともあるため、儀式にこだわりがなければ両親と祖父母、または両親のみで行うこともあります。※3
パパママそれぞれの祖父母がお食い初めを直接お祝いしたいと思っているかもしれません。
二人で済ませてしまわず、事前に双方の祖父母に確認し、誰と一緒にお食い初めを行うかを決めた方が良いでしょう。
その際は、自宅に招くのか、どこか別のところで行うのか、場所もお住まいに合わせて相談するようにしておくと安心です。

※3 親戚は?お食い初めには誰を招待したらいい?/スタジオマリオ(株式会社キタムラ)
http://www.studio-mario.jp/event/momoka/know/invitation.html

どこでやるか決める

参加してもらう人を決めたら、どこでどのように行うかを決め、準備に取りかかります。

・ホテルやレストランで行う場合
最近では、ホテルやレストランでお食い初めプランを提供しているところがあります。
人数が多い場合や自宅で準備することが大変な場合は、このようなプランを活用してホテルやレストランでお食い初めを行うと特別な準備をしなくてよいので便利です。
早めに予約をしておき、参加してもらう方々に伝えておきましょう。
あとは、当日の服装などを準備しておけば、他に特別な準備は必要ありません。

・自宅で仕出しやケータリングをたのむ場合
祝い膳を仕出しやケータリングを活用して自宅に運んでもらうという方法もあります。
たくさん招待しているのでお料理の準備が大変……という場合や、凝った料理を作るのは難しいけど、ちゃんとした祝い膳を用意したいな、と思う場合におすすめです。
家庭ではなかなか出せないプロの味を楽しむことができ、準備の手間も省けますので、その分、ご家族や親戚との談話の時間をゆっくりとることができます
お食い初めのお祝い膳に対応しているところを探し、早めに予約をしておきましょう。
当日は、部屋の片づけなどをして、飲み物などを準備します。

・自分で料理を作り、自宅で行う場合
自宅で行う場合は、お料理や食器をご自身で準備する必要がありますが、自分たち好みの料理で安価に行うことができます
食器は自宅にあるものなどで対応する方もいらっしゃいますので、参加される方々やパパママが気にならなければ自宅のものでよいでしょう。

 

お食い初めのために用意するもの

自分で料理をつくる場合は、全て自分たちで用意をしなければなりません。
お食い初めのために用意するものとして大きく4つあります。
その4つとは、「お料理」「食器」「祝い箸」「歯固めの石」になります。
次から、ひとつずつどんな物を用意していくのかをご紹介していきます。

・お料理のメニュー
お食い初めのお料理のメニューは、基本的には一汁三菜に鯛と赤飯がつく、5品となります。※4
食材は地域によって異なりますが、縁起の良い意味を持つ食材を選んで調理することが一般的です。
それぞれのお料理に「こうしなければならない」というものはありませんので、ご家庭で普段作っているようなメニューでもかまいません。
例としては、汁物はお吸い物、季節の煮物、ぬか漬けなどの香の物、お赤飯、鯛は焼き魚として用意します。
煮物に使うお野菜に、にんじんや大根を入れ、紅白を表したり、地域によっては梅干しも用意したりします。

 

使われる食材には、それぞれ意味が込められています。

・・・「めでたい」を名前で表すため、縁起の良い魚としてお祝いごとによく使われます。
鯛のようにすくすくと成長するように。

 

赤飯・・・赤い米は太陽を表現し、豆は星を表しています。たくさんの方にめぐりあえるようにという願いがこめられています。

 

・・・お吸い物に入れると良い蛤(ハマグリ)は、「二枚貝のようにぴったり合う」という意味を込めて、良縁に巡り会えますようにという意味があります。

 

梅干し・・・梅干しのようにしわしわになるまで長生きしますようにという意味があります。

 

海老・・・海老のように腰が曲がるまで長生きしますようにという意味があります。

 

レンコン・・・先が見通せるという意味があり、縁起の良い食材とされています。
海老と一緒に煮物にしたり、季節の野菜と合わせて煮物にすると良いでしょう。※5

・食器は伝統的には漆器の物を用意
食器は、伝統的な形式を重視する場合は漆器(うるし)の食器を用意します。
しかし、最近ではプラスチックのものや、その後も赤ちゃんが使える食器を用意することもありますので、パパママで相談しながら決めると良いでしょう。
最近では食器だけのレンタルもあります。

漆のものを用意する場合は、母方の実家が用意し、父方の家紋を入れることが多いようです。
また、食器は、男女で選び方に違いもあります。
男の子の場合は、内側も外側も朱色で塗られたもの、女の子の場合は外側は朱色、内側は黒色のものを用意します。※6

・祝い箸
祝い箸は、柳で作られた、お箸の先が細くなったものを用意します。
しかしこちらも一般のお箸で代用しても問題ありません。

・歯固めの石
赤ちゃんに、石のように硬い丈夫な歯がはえるようにという願いをこめて、小石1〜3個を用意します。
歯固めの石は、お宮参りを行った際に神社から授かる場合があります。
無い場合は神社にお参りに行った際に境内にある石を拾って返ったり、河原にある石を拾って使用することもあります。
衛生面において心配な場合や、近所で見つけられない場合は、赤ちゃん用品店や通販などで販売しているところもありますので、そちらで購入することも可能です。
大きさは3cm以内程度の小さなものであれば、特に色や形には決まりはないとされています。※7

※4 お宮参り/ 日枝神社 /http://www.gokigan.jp/hatsumiya.html
※5お食い初め儀式手順/魚伊三株式会社
https://www.uoisa.com/wp-content/uploads/2017/03/okuizome.pdf
※6 男の子と女の子で異なるお食い初めの食器の習わし/スタジオマリオ(株式会社キタムラ)
http://www.studio-mario.jp/event/momoka/know/rules.html
※7 お食い初めの石はどんな石?どこで用意する? /スタジオマリオ(株式会社キタムラ)
http://www.studio-mario.jp/event/momoka/pre/stone.html

赤ちゃんの当日の服装

お食い初め当日の赤ちゃんの服装は、正装をする場合もありますが、特に決まりはありません。
習わしとしては、母方の実家から色付きの小袖を贈ることが一般的ですが、最近では袴や着物を着ているように見えるロンパースが売っていたりもしますので、少しおめかしさせてあげる程度で実施することも多くあります。
また、お食い初めのあとにご家族で記念写真を撮影する際に着替えても問題ありません。
みなさんでお祝いする気持ちを込めて儀式をすすめていきましょう。

お食い初め当日の進め方

お食い初めのおおまかな流れ

お食い初めの進め方としては、おおまかに以下のような流れになります。
お食い初めの儀式では、赤ちゃんは実際に食べることがまだできませんので、「食べさせる真似」をして進めます。

 

【食べさせる真似を行う流れ】
1.ご飯(赤飯)
2.お吸い物
3.ご飯(赤飯)
4.お魚
5.ご飯(赤飯)
6.お吸い物

この流れを、「3回」繰り返します。
これを繰り返したあと、歯固めの儀式として、以下を行います。※8

 

歯固めの儀式

用意した歯固めの石に、祝い箸を当てます

ちょんちょんと軽く当てるだけでOKです。

先程ご紹介したように「丈夫な歯がはえますように」という気持ちを込めて、その箸を赤ちゃんの歯ぐきにやさしくあてます。

強く当てず、そっと触れる程度で構いません。

赤ちゃんのアレルギーや衛生上気になる場合は、歯ぐきに触れず、食べさせる真似だけでももちろん大丈夫です。

これで、お食い初めの儀式は終了です。※9

 

食べさせる真似をする人は、その場の年長者

食べさせる真似をする人は、その場にいる一番年長の方に「養い親」役として行っていただきます。※10

これは、「長寿にあやかる」という意味がこめられており、赤ちゃんが長生きできますように、という気持ちを込めて食べさせる真似をします。

男の子は男の年長者、女の子は女の年長者が対応します。

※8お食い初め儀式手順/魚伊三株式会社
https://www.uoisa.com/wp-content/uploads/2017/03/okuizome.pdf
※9お食い初め儀式手順/魚伊三株式会社
https://www.uoisa.com/wp-content/uploads/2017/03/okuizome.pdf
※10お食い初め儀式手順/魚伊三株式会社
https://www.uoisa.com/wp-content/uploads/2017/03/okuizome.pdf

男の子と女の子の違い

男の子と女の子でのお食い初めの儀式では、「食器の選び方」と「養い親」の役について違いがあります。

 

食器の色と模様が違う

食器については、男の子は朱色、女の子は内側が黒の塗り物を選ぶと、色の違いを先程ご紹介しましたが、それ以外にも器の模様を男の子と女の子で分ける場合があります。

男の子の場合は日輪や菖蒲など、活発で昇運をあらわす模様、女の子には花模様が入った可愛らしい柄を選びます。

しかし、松や鶴など、おめでたさを表す模様が入っていれば、そこまで気にする必要はありません。

気になる場合は地域での習わしを確認したり、お食い初め用の食器を販売する店舗に確認してみましょう。

 

養い親

「養い親」についても先程ご紹介したように、基本的には男の子には男性、女の子には女性の年長者が対応します。
しかし、最近ではご両親のみで行ったり、母方、父方どちらかの祖父母だけが参加する場合もありますので、特に厳密に行わなくても構いません。

 

お食い初めに呼ばれたら

お祝いはいくらつつむ?

お食い初めの儀式に招待された場合は、そのお食い初めで準備している食事の金額にあわせて用意するのが良いでしょう。

ご自宅で実施する場合は5,000円〜10,000円程度となりますが、ホテルやレストランなどで行う場合にはお食事代もかかるため、それ以上にするなども検討しましょう。※10

ご祝儀袋に包む場合は、水引は紅白、蝶結びにします。

のしの表書きは、「御初膳御祝」「祝御食初」「箸ぞろえ」などと記載しますが、「御祝い」でも問題ありません。※11

現金を用意する以外に、お食い初め用の食器やベビー用の食器をプレゼントしたりすることもあります。

その場合は事前にすでに揃えていないかを確認してくださいね。

※10ご祝儀袋のお作法/結姫(アクティライフ株式会社)
https://musubime-japan.com/html/page33.html
※11 出産祝い/株式会社マルケイ
http://marukei-gift.com/baby

服装など、当日の対応

お食い初めは正装で行うことが一般的ですので、スーツや綺麗めのワンピースなどを着ていくと安心です。
しかし、ご自宅でカジュアルに行う場合は、赤ちゃんやご両親が正装していない場合もありますので、参加者が不釣り合いにならないよう、事前に調整しておきましょう。

まとめ

お食い初めの儀式は、お宮参りなどと違い、神社に行ったり誰かが行ってくれるものではないため、どうしていいのか分かりにくいものかもしません。
しかし、大切なのは赤ちゃんが元気に育つようお祝いする気持ちです。
お子様の誕生から、お食い初めを迎えるこの日まで、成長できたことの喜びをみなさんで感じ、その幸せを分け合えるような時間にできるように心がけてみましょう。
食事だけでなく、その後ご家族みなさんでお写真を記念に撮影し、参加できなかった方や御祝いを頂いた方へは、そのお写真をお送りすると喜ばれます。

 

 

公開日:
上へ