赤ちゃんがハイハイしない!いつから?原因は?練習する?
赤ちゃんは寝返りができるようになるとハイハイが始まります。
しかしハイハイは個人差が大きく、始める時期やパターンも赤ちゃんそれぞれです。
中にはハイハイを全くしない赤ちゃんもいますが、成長の上ではあまり問題ではありません。
赤ちゃんのハイハイについて詳しくご紹介します。
目次
- 赤ちゃんのハイハイはいつからいつまで?
- ハイハイはいつ始まる?
- ハイハイはいつ終わる?
- ハイハイの成長過程
- お座り
- ずりばい
- ハイハイ
- 高ばい
- つかまり立ち
- 赤ちゃんがハイハイしない場合も心配しすぎないで
- ハイハイをしないシャフリングベビーとは?
- ハイハイしない原因
- ハイハイを促すには?無理なく練習してみよう
- 練習の前に環境を整える
- 遊びの中で練習する
- ハイハイの時期の安全対策!部屋の中では床に注意を
- ケガだけでなく誤飲にも注意
- 床は洗えるラグかジョイントマット
- 床掃除のコツ
- まとめ
赤ちゃんのハイハイはいつからいつまで?
ハイハイはいつ始まる?
厚生労働省の調査によると、9割の赤ちゃんが9ヶ月~10ヶ月までにハイハイできるようになっています。
早い赤ちゃんは5ヶ月~6ヶ月頃から、遅くとも1歳までに約97%の赤ちゃんがハイハイをしており、ハイハイを始める時期には個人差があることがわかります。※1
ハイハイやつかまり立ちは、9ヶ月~10ヶ月検診の際に診られます。
個人差がある時期なのでできなくても小児科で指摘されなければ問題ないとされています。※2
心配であれば、検診時に小児科で相談をしてみましょう。
この時期は、多くの赤ちゃんが離乳食をスタートし、喃語を話すようになるなど成長目覚ましい時期です。
周りがわかるようになり人見知りが激しくなったり、後追いが増えることもあります。
いままでは、ママは昼夜を問わずの授乳やおむつ替えなどで大変だったかと思いますが、この時期になると赤ちゃんが自分で動く意志を持つようになるため、その対策が大変になります。
この時期の離乳食については、こちらでご紹介しています。
離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?-
赤ちゃんの発達は、個人差が大きいものです。
周りの赤ちゃんと自分の子を比較して、あまり気にしすぎないようにしてくださいね。
ハイハイはいつ終わる?
ハイハイは安定して歩けるようになるまで続きます。
歩けるようになっても始めのうちはよちよち歩きで安定せず、ハイハイで移動する方が早いという赤ちゃんもいます。
歩けるようになってもハイハイと併用して移動をする赤ちゃんもおり、長い場合は半年以上ハイハイを続ける場合もあります。※3
ハイハイをはじめて3か月未満で終了する赤ちゃんが約1/3、3ヶ月~5ヶ月で終了する赤ちゃんが約1/3となっており、終わりの時期にも個人差があると言えます。※1
ハイハイの成長過程
赤ちゃんがハイハイをしだすと、壁などにぶつかってけがをしないか、口に入れるものが落ちていないか、床にほこりがないかなど、ママは気になることが増え大変な時期です。
しかし、赤ちゃんにとってハイハイは、身体能力を身につける成長過程です。
ハイハイは、四つ這いで移動するだけではなく成長ごとにステップがあります。
お座り
ハイハイをはじめる前の6ヶ月頃にはお座りをし始める赤ちゃんが多いようです。
足を前に出して、腕で体を支えて座る姿勢から、両手を上にあげても少しの間なら座っていられるようになります。
お座りが安定してくる時期の目安は、10ヶ月~11ヶ月頃。
ハイハイとお座りは並行して進みます。
お座りができると視野が広がり、自分でおもちゃを取りに行きたいと思う気持ちなども出てきます。※4※5
ずりばい
いわゆるハイハイをする前には、お腹を床にずったまま進む「ずりばい」をする赤ちゃんもいます。
まだ両手と両足を交互に動かして前に進むということが難しい時期は、腕の力と足の力だけで進むため「ずりばい」になります。
はじめは、前に進めずくるくる回ったり後ずさりすることもありますが、それも上半身を支えられる力がつき、足に力が入るようになった証です。※4※5
ハイハイ
お座りが安定してできるようになる頃には、腕で体を支え前進できるようになり「ずりばい」から「ハイハイ」に移行する赤ちゃんもいるでしょう。
ハイハイは、膝と手のひらを床につけた四つ這いの姿勢で前進できる状態です。
全身の筋肉を使い、右と左を交互に動かすことができるようになり、足先に力を入れて踏ん張りお腹を持ち上げられるようになると、ハイハイで進むことができるようになります。※3※4
高ばい
ハイハイから、膝を伸ばし、足の裏と手のひらを床について進む姿勢を高ばいと言います。
高ばいはしない赤ちゃんも多く、ハイハイからそのままつかまり立ちや伝い歩きにステップアップする場合もあります。
高ばいをしなくても、特に問題はありません。
つかまり立ち
腕で体を支え、どこかにつかまって立てるようになる「つかまり立ち」。
ハイハイの後には、全身のバランスを取り「つかまり立ち」ができるようになります。
ハイハイは、つかまり立ち・つたい歩きと歩くことにつながる成長過程の1つですが、そのステップは個人差があります。
どれかを飛ばしてステップアップすることもよくあることです。
ハイハイから歩くまでの成長過程については、こちらの記事でも紹介しています。
赤ちゃんの歩く練習は必要?早くても遅くても心配?
※1 平成22年乳幼児身体発育調査/厚生労働省/2019年3月8日現在
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
※2 たまひよ新・基本シリーズ 初めての育児最新版/ひよこクラブ編 川上義 監修/2016年発行/ベネッセコーポレーション
※3 赤ちゃんの「育つ力」をわかる信じる伸ばす本/榊原洋一/主婦の友社/2007年6月発行
※4 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/編著 乳幼児保育研究会/ぎょうせい/2009年3月7日発行
赤ちゃんがハイハイしない場合も心配しすぎないで
ハイハイをなかなかしてくれないと心配になるママもいるかもしれませんが、ハイハイは必ずしなければならないというものでもありません。※6
ある調査でも約1割の赤ちゃんは全くハイハイをしていないことが報告されています。※7
ハイハイをすることで促される成長もありますが、寝返りができていて、体を動かせるようであれば問題ないとされています。※6
ハイハイをしないシャフリングベビーとは?
ハイハイをせずに座ったまま移動する赤ちゃんもいます。
シャフリングベビーと呼ばれ、歩くのが遅くなる傾向があるという説もあります。※8
その後は正常に発達する子がほとんどだとされています。※8
ハイハイをせずシャフリングベビーだとしてもあまり心配する必要はないようです。
ハイハイしない原因
赤ちゃんがハイハイをしないのは、ハイハイするスペースがなかったり、すぐにつかまれるものがあったり、便利な育児グッズの使用が影響していたりと、生活環境による原因が考えられます。※7
また、自分で動いておもちゃを取りに行きたいと思わせるような工夫も必要です。
赤ちゃんが自発的に動けるような環境になっているか、一度見直してみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの発達の問題ではなく環境が原因であれば、ママはその環境を整えてあげることでハイハイを促すことができます。
※6 赤ちゃんの「育つ力」をわかる信じる伸ばす本/榊原洋一/主婦の友社/2007年6月発行
※7 乳児のはいはいに関する調査報告/カルマール良子/発育発達研究 第76号/2017年 /2019年3月8日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hatsuhatsu/2017/76/2017_1/_pdf/-char/ja
※8 いざりっ子(シャフリングベビー) | 一般社団法人 大阪小児科医会 /2019年3月8日現在
http://www.osk-pa.or.jp/child-care/cc5/03-6month/20060901305.html
ハイハイを促すには?無理なく練習してみよう
ハイハイをしなくても心配はありません。
ただ、うつぶせの状態から手足を動かせそうになっていたら、赤ちゃんのハイハイをサポートしてあげてもよいでしょう。
練習の前に環境を整える
赤ちゃんがハイハイできる環境を整えてあげましょう。ポイントは3つです。※9※10
- おもちゃを取りに行きたいと思わせる
赤ちゃんが自分でおもちゃを取りに行きたいと思うように、赤ちゃんがハイハイの姿勢の時に目に入る低い位置におもちゃを置くようにしましょう。
- 床のスペースを広くする
ハイハイができるだけのスペースを確保してあげるとよいです。
住宅事情により狭い部屋で難しいという場合には、児童館などに連れていき、広いスペースでハイハイをさせてあげられるとよいですね。
- ママが先取しすぎない
ママは、ハイハイの重要性を理解し、赤ちゃんが自分でおもちゃなど欲しいものを取りに行けるよう促すことが大切です。
先取してママから渡してしまうことがないよう心掛けましょう。
遊びの中で練習する
ハイハイを促すための遊びをご紹介します。※9
必要なものは、
- お気に入りのおもちゃ
- 転がるおもちゃ(玉など)
- ロールクッション
などです。
- 進みたい気持ちを持ってもらう
赤ちゃんの30センチ位前に赤ちゃんがお気に入りのおもちゃを置き、取りに行きたいという気持ちを持たせるところから始めます。
進めるようになってきたら、転がる玉などをハイハイで追いかけるように働きかけます。
- 進む力を体験させる
まだ自分で進む力がないうちは、ママが赤ちゃんの足の裏を押し、膝を曲げてあげます。
伸びて進む力を経験することで赤ちゃんも自分で進む力をつけていきます。
- 上半身を起こす力をつける
上半身が起き上がらない赤ちゃんは、クッションを胸の下に置いてあげて上半身を乗り出させた状態で両手を使って遊び、力をつけるさせます。
ずりばいからハイハイへステップアップする場合も、クッションにお腹を乗せて前に手をつき体を支える練習をします。
少しの段差を乗り越える経験をするのもよいようです。
※9 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/編著 乳幼児保育研究会/ぎょうせい/2009年3月7日発行
※10 乳児のはいはいに関する調査報告/カルマール良子/発育発達研究 第76号/2017年 /2019年3月8日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/hatsuhatsu/2017/76/2017_1/_pdf/-char/ja
ハイハイの時期の安全対策!部屋の中では床に注意を
ハイハイをするようになると、自分で部屋中動き回ることができる上に、この時期は何でも口に入れたい時期でもあります。
部屋の角に頭をぶつけてけがをしないか、床に落ちているものを口に入れてしまわないか、床のほこりが不衛生ではないかなど、ママは部屋の中で気を遣うことが増えてくるかもしれません。
ケガだけでなく誤飲にも注意
厚生労働省の調査によると、子供の誤飲は6ヶ月~11ヶ月が最も多いと報告されています。
リビングでの発生が多く、この月齢の赤ちゃんの場合はビニールなどプラスチックのフィルムや食品、たばこなどの誤飲が多くなっています。※11
何でも口に入れたい時期なので、赤ちゃんが届く位置には小さいものや触られて困るものは置かないようにしましょう。
床は洗えるラグかジョイントマット
ハイハイで動き回るようになると、床をどうするか悩むママも多いのではないでしょうか。
動き回ってもずれないもの、汚れてもすぐに洗え、ほこりが立たないものにするとよいでしょう。
ラグであれば、大き目の洗えるラグで、滑り止めがついているもの、ほこりの出にくいものがおすすめです。※12
自由に広さを変えられ、防音対策にもなるジョイントマットも便利です。
汚してしまったら、汚れた部分だけ洗うことができるので掃除も簡単です。
離乳食も始まり、よだれが多い時期でもあり、ハイハイしながらよだれが垂れてしまうこともよくあるので、掃除が簡単なものの方が楽です。
リビングなど赤ちゃんと過ごすスペースの広さなどを考慮して、ラグなどは、赤ちゃんがケガなく遊べるものに取り換えておくと安心です。
赤ちゃんのよだれについては、こちらでもご紹介しています。
赤ちゃんのよだれ、こんなに多くて大丈夫?対策は?
床掃除のコツ
赤ちゃんがハイハイをすると床のほこりも気になりますし、赤ちゃんがたらすよだれの掃除も大変です。
赤ちゃんと一緒だと掃除機をかけるのも大変というママも多いかと思います。
ほこりの掃除は、使い捨てシートでこまめに拭き掃除をするのが楽です。
床の雑菌が気になるという場合は、重曹やお酢を使うと赤ちゃんにも優しくきれいになります。
ラグに重曹を振りかけてなじませ掃除機で吸う方法や、フローリングにお酢水をスプレーし拭き取る方法などがあります。※13
ハイハイを促す遊びについては、こちらの記事でもご紹介しています。
赤ちゃんと過ごすリビング作り、注意するポイントは?何して過ごす?
※11 2016年度家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告/厚生労働省 /2019年3月8日現在
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11124000-Iyakushokuhinkyoku-Kagakubushitsuanzentaisakushitsu/0000193417.pdf
※12 【楽天市場】洗える ラグ 赤ちゃん(カーペット・ラグ|カーペット・マット・畳):インテリア・寝具・収納の通販 /2019年3月8日現在
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/%E6%B4%97%E3%81%88%E3%82%8B+%E3%83%A9%E3%82%B0+%E8%B5%A4%E3%81%A1%E3%82%83%E3%82%93/551228/
※13 ラクラク楽しい家事の基本大事典/成美堂出版編集部/成美堂出版/2015年11月1日発行
まとめ
赤ちゃんのハイハイは、個人差が大きいものです。
平均的に9ヶ月~10ヶ月頃にハイハイをはじめ5か月以内にしなくなる赤ちゃんが多いようです。
中には全くハイハイをしない赤ちゃんもいますが、その後の歩行などの成長に影響はないとされていますので、心配はいりません。
また、はじめから四つ這いできれいなハイハイができるわけではなく、上手に前に進めない時期、お腹を付けたままのずりばいの時期を経て、四つ這いで前に進めるようになる場合が多いようです。
ハイハイはしなくても問題ないものの、その後のお座りや歩行につながる全身の筋肉を鍛えられるよい運動です。
ママがそのことを理解し、上手にハイハイを促せるよう遊びの中で運動を取り入れていくのが良いようです。
そこで重要となるのが、赤ちゃんが自分でおもちゃなどを取りに行きたいという自発的な気持ちです。
ママが取ってあげるのではなく、赤ちゃんが頑張れば自分で手が届くような位置におもちゃを置いてあげるなど、ハイハイの時期だからこその環境づくりも必要になってきます。
安全面でも、ケガや誤飲が増えてくる時期ですので、部屋作りも工夫してみてはいかがでしょうか。