ひらがなは何歳いつから?読み書きの教え方と練習方法はコレ!

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ひらがなは、日本特有の文字です。
日本で生まれ、日本で生活するならば、必ず覚えなくてはならない文字です。
小学校に入ると、これまでの「遊び」ではなく、「学び」としてひらがなを使うようになります。
子供にとって、小学校入学前には覚えておきたいひらがなは、何歳のいつから、どうやって教えれば良いのでしょうか。
教え方と練習方法をご紹介します。

目次

  1. ひらがなを覚えられるようになるまで。子供の知覚の発達
  2. 乳児の知覚は、聴覚が先行する
  3. 幼児は見たものを色と形で覚えていく
  4. ひらがな習得の適齢期はいつ?早すぎてもダメ?
    • 早すぎると、子供の脳はパンクする!?
    • ひらがなを読めるようになる目安は?
    • ひらがなを書けるようになる目安は?
  5. ひらがなは「国語力」の基礎となる文字
    • ひらがなを覚えるのはどこから?
    • 書けなくても「読める」文字を増やそう
  6. 入学前の文字習得率が、その後の人生を大きく変える?
  7. 子供は形で覚える?ひらがな以外で覚える文字
    • ひらがなが読めなくても、意味が分かる漢字がある
  8. 親と子の接し方で、ひらがなの習得はこんなに違う
    • 躾スタイルで変わる、子供の文字習得率
    • 蔵書数でも変わる、子供の文字習得率
    • 習い事の種類や数でも変わる、子供の文字習得率
  9. ひらがなを覚えるベストなタイミングと教え方
  10. ひらがなで何かを書いてみよう
    • ひらがなは順番通りでなくて良い
    • 漢字が先?ひらがなが先?
  11. ひらがなは適切な年齢になってから

ひらがなを覚えられるようになるまで。子供の知覚の発達

泣いても笑っても、寝ているだけでも可愛らしい赤ちゃん。
何気なく呼んでいますが、なぜ赤ちゃんは「赤ちゃん」と呼ぶのでしょう。
不思議に思ったことはありませんか?
この理由は、赤ちゃんの見た目にあります。
生まれたての新生児の皮膚はとても薄く、血管が透けて見えるほどです。
そのため、新生児が泣いた時は、顔が真っ赤になります。
顔だけではなく、体中で何かを訴えるような時は、全身が真っ赤になっていきます。
このことから赤子という単語が生まれたと、一般的には考えられています。
「赤子」に「ちゃん」を付けるのは、親しみを込めているためです。
そして、生まれて1歳未満の赤ちゃんを、一般的には乳児と呼びます。
ここからは、乳児期の赤ちゃんがどのように発達するのか、月齢ごとに見ていきましょう。

 

乳児の知覚は、聴覚が先行する

人間には視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感が存在します。
私たちは、この5つの感覚を用いて自分の置かれている環境を感じることができています。
大人の場合、「百聞は一見にしかず」とうことわざがあるくらい、聞くことよりも見ることの方が、多くの正しい情報を手に入れることができます。
一方の乳児は大人とは違い、視覚よりも聴覚の方が先に発達するため、見て覚えるのではなく、聞いて覚える方が、先行しているのです。※1、※2、※3、※4
では、赤ちゃんが「聞く」ことを優先していることがわかる、「馴化法(じゅんかほう)」と呼ばれる手法を用いた実験を見てみましょう。
対象となる乳児(生後8~12か月)に音と図形のセットを同時に聞かせたり、見せたりし続けると、乳児はその音と図形に慣れて、飽きてしまいます。
これを、馴化(じゅんか)するといいますが、再び新しい音や図形の刺激を加えると、また刺激の方を見つめるようになります。
結果として、音の刺激を新しくした方が、刺激に対する興味を持つことが分かりました。
このことから、赤ちゃんは「聞く」ことを優先していることが分かります。※4

 

幼児は見たものを色と形で覚えていく

発達心理学では、幼児の認知能力の発達を4つの発達段階に分けて考えており、脳もこの順に沿って発達していくといわれています。
知覚化(perception):光を光として認識し、音を音として認識する
表象化(imagery):聴覚刺激には聴覚イメージを形成し、視覚刺激には視覚イメージを形成する
象徴化(symbolism):聴覚や視覚などの感覚的なイメージに対して、意味を持たせる処理が行われる
概念化(conception):象徴化されたイメージの中で、共通する部分をまとめていく ※5、※6
前述のように、乳児は聴覚から発達しますが、1歳を過ぎて幼児期になると、今度は視覚からの情報を脳の中でまとめ上げていくようになります。
概念化まで脳が発達すると、さまざまなものを見たときに、文字とイメージとを区別するようになります。  ※1、※2
例えば幼児向けの絵本には、ひらがなとイラストが描かれていますが、ひらがなは文字として、イラストは絵として、認識し始めるようになるのです。
幼児向けの絵本が、文字が大きく、イラストがカラフルになっているのは、目に入ってくる情報を、色や形で覚えることを手助けしているためです。※5、※6
絵本の読み聞かせについては
絵本の読み聞かせ♪ 赤ちゃんから始める効果と読み聞かせのコツ

の記事で詳しくご紹介しています。

 

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章 [第13講]読み書き能力の獲得/2019年3月7日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※4 はこだて未来大学 こころの科学 乳児の知覚/2019年3月7日現在
http://www.fun.ac.jp/~hanada/kokoronokagaku/csence.pdf
※5 絵本課題における表記知識・手続き的知識の発達/2019年3月7日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/23/3/23_KJ00008230919/_pdf/-char/ja
※6 J-STAGE ヒトの視覚の発達 と発達心理学/2019年3月7日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe1987/12/7/12_7_89/_pdf

ひらがな習得の適齢期はいつ?早すぎてもダメ?

早すぎると、子供の脳はパンクする!?

1994年に行われたある調査によると、就学前5歳児の多くは、すべてのひらがな(清音・撥音・濁音・半濁音の計71文字が)が読めており、およそ半分のひらがなを書くことができていました。
しかしこの結果には、強制的な教え込みが介在しているのではないか、との指摘があります。 ※3
昨今は、比較的早い時期から、読み書きを習わせる家庭が増えています。
その一方で、いやがる子供をつかまえて文字の練習を無理強いする指導方法は、文字や読み書きを嫌いにさせてしまう可能性があるので、行ってはならないとの考え方もあります。
これは文字や読み書きを嫌いになるだけではなく、さらに危惧すべき課題として、子供の遊びの変化が挙げられました。
ひらがなの読みの前提となるのは、音に対する意識の発達です。
これは自然に発達してくるものであり、それを支えてきたのが、乳幼児期からの大人とのことばのやりとりと、ことば遊びです。 ※1、※2
ママだけが焦って無理に教え込んでも、子供が興味を持たなければ意味がありません。
ママとの会話やことば遊びが不十分なまま、いきなり文字を読む、書くような指導法は、子供の学習意欲を削いでしまう可能性があるのです。※6

 

ひらがなを読めるようになる目安は?

前述の通り、就学前の5歳児は、およそ80%程度のひらがなを読めるようになっています。
2008年に3歳、4歳、5歳を対象に行われた、ひらがなの読み・書きに関する調査では、3歳児でひらがなを全て読めたのはわずかでしたが、4歳児ではおよそ3分の1、5歳児では半数以上の子供が、読むことが出来ていました。
また、どの年代でも「0~4文字が読める(つまり、ほぼ読めない)児」が数%はいて、5文字から60文字くらいまでは、どの年代でも読める児の割合がほぼ一定、という結果になっています。
これらを総合的に考えると、個人差は大きくなりますが、ひらがなを正しく読めるようになるのは4歳前後であると考えられます。 ※1、※2、※3

 

ひらがなを書けるようになる目安は?

前述の読みのテストとともに、書きのテストも行われています。
全年齢では、およそ3分の1の子供が満点、4歳児では半分以上、5歳児ではほとんどの子供が、ひらがなを書けるようになっています。
ただし、0~4文字書ける(つまりほぼ書けない)子供はどの年代にもいますし、ほぼ満点の子供も、どの年代にもいることが分かっています。 ※1、※2、※3
これらの結果から、ひらがなを書けるようになる目安は、4歳から5歳頃といえます。
しかし、3歳から書けるようになる子供がいる一方で、5歳でもほぼ書けない子供がいることも事実です。
その理由としては、発達のスピードが考えられます。
子供が文字を覚える過程として、耳から入る「言葉の意味」を覚え、ひらがななどの一文字ずつの形を覚えていきます。
1文字ずつの形を読めるようになり、指先が思い通りに動かせるようになると、徐々に「書く」ことができるようになります
その後、一文字ずつから複数の文字を組み合わせた単語へ、さらに意味のある単語へと発展していくことになります。※1、※2、※3、※6、※7

 

ひらがなは「国語力」の基礎となる文字

ひらがなを覚えるのはどこから?

子供はまず、本や周囲にあるものを繰り返し見ることでひらがなの形を覚えます
ひらがなにたくさん出合うことが、必要というわけです。
ひらがなをスムーズに書ける子供の多くは、小さいころから絵本などでひらがなに触れる機会が多いと考えられます。
最初は誰しもひらがなが読めませんし、もちろんその意味もわかりません。
子供に読めないものを見せても、と思うかもしれませんが、子供は文字を形として覚えることから始め、徐々に読めるようになっていきます
最終的には書けるようになることが目標ですが、まずはひらがなに触れる機会をたくさん持ち、読めるようになることが第一でしょう。※8
そして、ひらがなが一通り読めるようになったら、今度は書いてみましょう。
実はひらがなって、大人が書いても結構書くことが難しい、上手くバランスを取るのが難しい文字なのです。
子供が書くとなると、ますます難しいでしょう。
最初のうちはキレイに書けなくて当たり前。
ちゃんと覚えて書けていたら、「よく書けたね」とほめてあげます。
字を書くことが嫌いにならないように、焦らず見守ってあげましょう。※8


また読書は、国語力をつける最もよい手段といえます。
国語力は、すべての学力の基本となりますから、「語彙力」「読解力」が重要になってきます。
語彙力」は、言葉の知識とそれを使いこなす力、「読解力」は、文章の内容を理解する力をいいます。※8
日本人である以上、どの教科も日本語が使われていますので、日本語がしっかり理解できないことで、問題が解けないこともあります。
文章を読むために必要な語彙力や読解力を発揮するのは、国語の授業だけではありません。
数学の文章問題や社会の穴埋め問題にも、語彙力や読解力は必要です。
とはいえ、「語彙力」「読解力」はすぐに身につくものではありません。
たくさんの文章を読み、たくさんの言葉に触れることで、徐々に身についていくものです。
小さいうちから文字に触れ、本を読む習慣をつけてあげることが大切です。※8

 

書けなくても「読める」文字を増やそう

「うちの子は、字が覚えられなくて、全く書けないんです」と悩んでいるご家庭もあると思いますが、焦る必要はありません。
まずは読めるようになることに重点をおいて、たくさん本と触れ合ってみましょう。
外出すれば、駅構内やビルの看板など、見渡せば、あらゆるところに文字が書かれています。
家庭内においても、お菓子や食品のパッケージにたくさんの文字が書かれています。
電車が好きな子の場合は、駅や電車に使われている文字をいち早く習得していくのではないでしょうか。
子供は、自分の興味があるものや好きなものから文字を習得していきます。
意味は分からなくても、声に出して読めるようになったらほめてあげることで、子供はさらに文字を習得しようとします。
お子さんと一緒に、周りにある文字にたくさん触れ、読める文字を増やしていきましょう。※8

 

入学前の文字習得率が、その後の人生を大きく変える?

ここ数年、社会問題にもなっている、「小1プロブレム」という言葉をご存知でしょうか。
これは、小学校に入学すると急に、それまでの生活とは大きく変わることにより、子供がそれを受け入れられなくなって起こる問題と考えられています。
例えば
遊びから学びが中心になること
授業中は、席を立つ、お友だちとおしゃべりをすることが「悪いこと」になること
経験のカリキュラムから、学問の体系を重視したカリキュラムへ変わること
などの変化を受け入れることができず、集団生活が出来なくなってしまうのです。
小学校では、教科書が学びの中心ですが、そこには文字が書かれており、読める、書ける、単語を使って表現することが、求められるようになります。 ※3、※4
幼児期から学童期の初期の段階で「文字が読める、書ける」を経験した子供たちは、文字をコミュニケーションの道具として使うようになります。
さらに、「文字を使って誰かに何かを伝えたい」と考えられるようになれば、自分なりの物語を作り出すようになり、想像力が豊かな大人へと成長していきます。
そのためにも、小学校入学前にひらがなが読める、書ける、語彙※1を増やしておくことが、必要となるのです。※1、※2、※4、※6、※7

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章 [第13講]読み書き能力の獲得/2019年3月7日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※4 はこだて未来大学 こころの科学 乳児の知覚/2019年3月7日現在
http://www.fun.ac.jp/~hanada/kokoronokagaku/csence.pdf
※6 J-STAGE ヒトの視覚の発達 と発達心理学/2019年3月7日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe1987/12/7/12_7_89/_pdf
※8 祖川泰治(著) 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと 2015年11月第1刷発行 すばる舎

子供は形で覚える?ひらがな以外で覚える文字

ひらがなが読めなくても、意味が分かる漢字がある

子供が文字を覚えるきっかけは、日常生活の中にたくさんあります
例えば、家の中にあるものに限らず、外出した時に見た看板の文字や、ロゴに使われる文字などの読み方を、家族が答える形で覚えていくことが多いでしょう。※1、※2、※3、※4
絵本なら、そこに書かれている文字を耳から覚え、やがて文字の音と形を覚えていきます
図鑑なら、そこにあるイラストや写真の名前を耳から覚え、一緒に書かれている文字を形として覚えていきます。
場合によっては、カレンダーにある漢字の形と、読み方を覚えていることもあります。
保育園や幼稚園に通うようになると、お友だちの名前、自分の名前、教室の名前など、いたるところに貼られているひらがなを、読み方と文字の形で覚えていきます。※1、※2、※4

 

何十年も前から子供に人気のキャラクターが受ける理由、幼児の好きな形は丸です。
赤ちゃんから幼児になる頃には、物の形や色を区別できるようになってきます。
しかし最初の頃は、あまり複雑な形状や色を認識できないため、形は丸、色は赤、青、黄などはっきりとした色を覚え、区別ができるようになります。 ※1、※2
あるアンケート調査では、何十年も前から子供に人気のあるキャラクターについて、保育士さんたちにその理由を聞いたところ、「子供たちは丸い形に愛着がわくのではないか」という意見が出されていました。
実際、複雑な形の「を」や濁音のある文字よりも、「あ」や「み」などを先に読めるようになる子供が、多いようです。 

 

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章 [第13講]読み書き能力の獲得/2019年3月7日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf
※4 はこだて未来大学 こころの科学 乳児の知覚/2019年3月7日現在 http://www.fun.ac.jp/~hanada/kokoronokagaku/csence.pdf
※11 安田女子大学図書館 乳幼児のキャラクター志向に関する研究/2019年3月7日現在
lib.jimu.yasuda-u.ac.jp/library/reposit/bulletin/02896494038013.pdf

親と子の接し方で、ひらがなの習得はこんなに違う

躾スタイルで変わる、子供の文字習得率

前掲の、2008年に行われたひらがなの読み・書きに関する調査では、家庭での躾スタイルを3パターンに分け、それぞれのスタイルと、読み書き能力の習得には、一定の関係性があることが示されています。
中でも、共有型と呼ばれる躾スタイルをとっている家庭の子供は、読み書きともに比較的習得率が高く、強制型と呼ばれる躾スタイルの家庭では、習得率が比較的低くなるという結果になったのだそうです。
例えば、
絵本を読むとき、「子供と物語を楽しむ」ことを優先しますか?
あるいは、子供に「内容を理解させる」ことを優先しますか?
この2つの場合を比較すると、前者の方が読み書き能力が高くなる傾向にある、ということです。
つまり、ひらがなを教える時には、読み方でも書き方でも、無理に「覚えなさい」と教えるのではなく、覚えようとする子供の気持ちを優先し、覚えることを楽しめる環境を作ってあげることが必要なのです。※1、※2、※3

 

蔵書数でも変わる、子供の文字習得率

今、家の中には何冊の絵本や図鑑がありますか?
家の蔵書数と文字の認識率との間にも、一定の関係があるといわれています。
家の中での蔵書数が多い家庭の子供ほど、文字の認識率が高くなる傾向があるそうです。
子供たちが文字を覚えるきっかけとして、絵本や図鑑、マンガや学習雑誌など、何かしらの「本」からであることが多い、ということが考えられます。 ※1、※2、※3
ひらがなに興味を持ち始めた年齢によっては、本よりもパズルや積み木などの、おもちゃを使っても良いでしょう。
遊びの中で文字に多く触れることで、自然とひらがなに興味を持つようになります。※9

 

習い事の種類や数でも変わる、子供の文字習得率

文字の認識率は次の順に高くなる傾向があるといわれています。
文字の読みは、学習系の習い事>運動系の習い事>習い事無し
文字の書きや語彙は、学習系の習い事≒運動系の習い事>習い事無し
子供たちは、習い事などを通じて文字に触れる機会が多くなるほど、文字の認識率が高くなる傾向にあるのです。※3、※9
習い事についての詳しい情報は、

でもご紹介しています。

 

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※3 発達心理学概論[特論] 第Ⅶ章 [第13講]読み書き能力の獲得/2019年3月7日現在
http://www.hss.ocha.ac.jp/psych/devpsy/uchida_lecture/13.pdf

ひらがなを覚えるベストなタイミングと教え方

自宅でひらがなを教えるのであれば、あいうえお表や、読み・書きができるワーク(ドリル)などがあり、ひらがなを覚えるには良い道具となります。
学びをスタートするベストなタイミングは、子供がひらがなに興味を持ったときです。
子供が興味を持ち、自分から取り組める年齢の目安は、読みは4歳、書きは4~5歳です。※1、※2
幼児の場合、思い通りにペンを動かすよりも、耳から入ってくる音を先に習得します。※5、※6
最初は1文字ずつの読みから、やがて複数の文字の単語の読み方を教えていきます。
自分の名前や、お友だちの名前の字から覚えるのも、楽しいですよね。 ※1、※2
また、まっすぐな線やキレイな丸が書けるようになったら、書き方も学ぶようにします。
最初は「く」「し」「つ」「へ」のような、一筆で書ける文字から始めると良いでしょう。
気を付けたいのは、最初から厳しく添削すると、子供はやる気をなくしてしまうということです。
子供自身が「何が違うのか」を理解し、楽しみながら学べる工夫も必要です。※5、※6
子供の言葉遅れが気になる方はこちらの記事もご覧ください。
子供の言葉の遅れ、不安になってない?専門家に相談するタイミングは?

 

ひらがなで何かを書いてみよう

鉛筆を握るのも初めてで、握り方も知らない。
筆圧も不安定。※1、2
そんな状態で、はじめからうまく書ける子供はいません。
ましてや、ひらがなは大人でもバランスを正しく書くのが難しい文字なのですから、最初からキレイに書ける子供はいません。
しかし、上手く書けないからと、書くことが嫌いになることは避けなければなりません。
読めたからすぐ書けるわけではありませんから、焦らず、ゆっくりと進めていきましょう。
「書く」ことを覚えるなら、まずは〇や△などの簡単な記号から。
直線と曲線の書き分けができるようになったら、ひらがなに挑戦しても大丈夫です。
上手に書けたら、自信につながります。
書くことが面白いと感じれば、習得スピードも速くなるでしょう。※8

 

ひらがなは順番通りでなくて良い

ひらがなの練習をする時、「あ」から順番通りに書く必要はありません。
50音表全体をみてみると、「あ」は、ひらがなの中でも難易度の高い文字なのです。※8
ほぼ直線が2つ真ん中で公差し、さらにぐるりと大きなカーブもあります。
直線、ほんの少しカーブした直線、さらに大きく円を書くようにカーブした曲線、これをバランス良く配置しなくてはいけません。
普段、私たち大人は何気なく「あ」を書いていますが、こうして動作を分解して考えると、「大人でも難しい」ことがお分かり頂けるのではないでしょうか。
まずは、自分の名前にあるひらがななど、身近で簡単なものからはじめると良いでしょう。※8
ひらがな表を見て、好きなひらがなを書くのも良いですし、一筆でさらりと書ける「く」や「へ」、「し」、「つ」などから書くのも良いです。
子供が書きたいひらがなを、好きなだけ書かせてあげましょう
そして、親は書いた文字に対して花丸を付けたり、ほめてあげることが大切です。
つい、「ここはこうしたほうがいいよ」と口を出したくなりますが、ここは我慢です。

 

漢字が先?ひらがなが先?

もちろん、ひらがなを先に覚えなくてはならないということはありません
カタカナでもよいですし、漢字でも良いのです。
「ノ」「へ」「エ」「コ」「ト」などのカタカナや「一」「二」「土」「日」などの漢字の方が、簡単にキレイに書けるかもしれません。※8
小学校1年生くらいまでは、名前をひらがなで書きますし、国語の「書き取り」はひらがなから始まりますから、「まずはひらがなから」となるのです。
しかし本来は、書くことに興味を持つことが大切なので、子供の思うままにさせてあげましょう。
子供は何事も興味を持つと、学びたいという感情になると考えられます。
文字に興味を持ったならば、おそらく「これって、なんて読むの?」「この漢字書きたいんだけど、どう書くの?」など、質問攻めになるかもしれません。※1、2
子供からの発信があった場合は、きちんと向き合って、寄り添ってあげましょう。
時には子供と手紙の交換をするなど、文字に触れ合う機会をたくさん作ってあげるようにしましょう。
少しずつ文字が書けるようになれば、自信につながり、もっと文字に触れたいと感じるようになるでしょう。※8

※1 金子龍太郎監修 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 2011年7月発行 ナツメ社
※2 西坂小百合監修 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 2016年10月発行 ナツメ社
※8 祖川泰治(著) 小学校前の3年間にできること、してあげたいこと 2015年11月第1刷発行 すばる舎

ひらがなは適切な年齢になってから

ひらがなを覚えるには、適切な時期があり、書くことよりも、読むことの方が先行するのが一般的です。
目安としては、読みは4歳、書きは4~5歳です。
小学校入学準備、1年前から取り組むポイント
でもご紹介しているように、早すぎてはダメですし、遅すぎると今度は学校の勉強に大きな影響を与えてしまうのです。
親ならば「早く覚えてほしい」という気持ちもありますが、無理強いも良くありません。
子供の興味を引き出しつつ、一つずつ確実に習得していきましょう。

公開日:
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