運動が苦手な子供でも、速く走れるようになる!親でも教えられる走り方のコツ

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「速く走れるようになりたい」と願う子供や「子供が運動会で速く走れるようにしたい」と願う親は多いのではないでしょうか。
歩くことや走ることは誰に教わるでもなく、ある時期になると自然にできるようになります。
しかし、歩き方や走り方は人それぞれ違うため、次第にスピードに違いが出てきます。
足が遅い子供が走り方のコツを身につければ、きっと速く走れるようになります。
走り方のコツや子供への接し方をご紹介します。

目次

  1. 誰でも速く走れるようになる
    • 「走る」ということ
    • 誰でも速く走れるようになる
  2. 最初から早く走れる子供はいない、まずは体を動かす遊びから
    • 子供の運動能力の低下の実態
    • 12歳までにたくさんの運動経験をさせよう
    • 幼児期に外遊びをよくしていた子供は・・・
  3. 速く走れるようになるにはどうしたらよい?
    • 1.正しい姿勢を身につける
    • 2.正しい腕振りをしよう
    • 3.正しい足の動きをしよう
    • 4.スタートとゴールの改善
  4. 走り方を教える時、注意すべきこと
    • 子供に教える時のポイント
    • もし、子供が練習に飽きてきたら
  5. 運動会当日を迎えたら・・・
    • 緊張するのはみんな一緒
    • 運動会当日の子供への接し方
  6. まとめ

誰でも速く走れるようになる

「走る」ということ

まず、「走る」という動作について考えてみます。
歩くや走るという動作はもともと誰に教わることなく、自然にできるようになるもので、最初はみんな自己流で走っています。※1
ある時期から、タイムを測ったり、競争したりすることで、走るのが遅い、速いことに気づきます。
そして、どうしたら速く走れるようになるのかを考えるようになります。※1
走ることは、どのスポーツにも通じる運動です。
バスケットボールやサッカー、野球など、ほとんどのスポーツは走ります。
走ることは基礎的な運動であり、その走り方を正しく身につけることで、さらに高い技術も身につけるようになります。※2
活躍しているスポーツ選手でも、走りの姿勢が正しく自分の体を効率よく動かしている人は、高い技術を持っていることが多いのです。※2

 

誰でも速く走れるようになる

運動が苦手な親の場合、子供も足が遅いのは仕方がないと諦めていませんか?
正しい走り方やコツを知れば、誰もが前より速く走れるようになります
足が遅いのは、正しい走り方を知らないだけなのです。※1、3
足が遅い子は手の振り方、足の動かし方、走る姿勢が悪い場合が多く、また、走ることに対してネガティブな場合が多いです。
「どうせ、勝てない」「転んだらどうしよう」などと思ってしまいがちです。※2、4
少しでもいいから速く走れたら嬉しいですね。
速く走れるようになるために必要なことは一体どんなことなのか、次に見ていきましょう。

 

※1 為末大(著) 2013年4月発行 為末式かけっこメソッド 子どもの足をすぐに速くする! 扶桑社
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594067960
※2 伊東浩司(著) 2012年3月発行 小・中学生のための足がグングン速くなる本 運動会で1等賞になれる!スポーツで活躍できる! カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b100405.html
※3 堀籠佳宏(著) 2018年8月発行 小・中学生のための運動会で1位になる速くなる走り方教室 カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b355938.html
※4 木村匡宏(編著) 2018年7月発行 速攻!5分で伸びる!子どもの走り方トレーニング 東洋館出版社
http://www.toyokan.co.jp/book/02/b372869.html

最初から早く走れる子供はいない、まずは体を動かす遊びから

子供の運動能力の低下の実態

日本では近年、子供の運動能力の低下が問題となっています。※5、6
子供の運動能力低下の原因には、次のようなことが考えられています。

  • 活発に体を動かす遊びの減少

日本小児保健協会では、2000年と2010年の子供の遊び内容について調査が行われました。
お絵描き、ブロックなどのあまり体を動かさない遊びの割合が高く、絵本やテレビ、ビデオについては、約2倍増えています。
交通事情の関係や外遊びの減少が考えられますが、自転車・三輪車などの利用は、年々減少傾向にあります。※5、6、7

  • 都市化や少子化により体を動かす場所や遊ぶ仲間、遊ぶ時間の減少

近所に思いっきり遊べる場所が少ない、核家族化の進行や共働き世帯の増加により、子供と遊ぶ時間が減っていることなどが考えられます。※5、6、7

  • 生活が便利になり、体を動かす機会の減少

生活が便利になるにつれ、蛇口をひねる動作、ドアの開け閉めの動作などが少なくなりました。
また和式便器の減少により、しゃがむという動作が上手くできない子も見られます。※5、6

 

12歳までにたくさんの運動経験をさせよう

12歳までは運動機能が急速に発達し、体の基本的な動きを身につけやすい時期です。
神経系機能の発達は5歳頃までに80%、12歳前後でほぼ100%大人と同じになります。※8
また、この時期に身につけた能力は、その後も消えないといわれています。
例えば、自転車に一旦乗れるようになれば、何年も乗っていない場合でもスムーズにのることができます。※8
走ることも同様に、小学生の頃にずっとリレーの選手だった子供は、大人になっても早く走ることができますし、大人になって活躍するアスリートは、子供の頃からよく運動をする子供だったといえます。
このように子供の時の運動経験、遊びの影響は大きいのです。※5、6、8

 

幼児期に外遊びをよくしていた子供は・・・

スポーツ庁「2016年度体力・運動能力調査」の結果によると、幼児期に外遊びをよくしていた子供は、小学校入学後も運動をよくしていることがわかります。
さらに、男女ともに,入学前に外遊びをよくしていた子供は、体力テストの合計点が高い結果となっています。※9
体を動かす遊びを通して、多様な体の動きを習得することを目指しましょう。※6

 

※5 文部科学省 幼児期運動指針ガイドブック https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/05/11/1319748_5_1.pdf
2020年9月30日閲覧
※6 文部科学省 幼児期運動指針 
https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/undousisin/1319771.htm
2020年9月30日閲覧
※7 日本小児保健協会 幼児健康度に関する継続的比較研究 http://plaza.umin.ac.jp/~jschild/book/pdf/2010_kenkochousa.pdf
2020年9月30日閲覧
※8 文部科学省 これからの時代に求められる教育 体育・保健体育が果たすべき役割
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/053/siryo/__icsFiles/afieldfile/2015/06/05/1358298_06.pdf
2020年9月30日閲覧
※9 文部科学省 スポーツ庁 平成28年度体力・運動能力調査の結果について https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/houdou/29/10/__icsFiles/afieldfile/2017/10/10/1396996-1.pdf
2020年9月30日閲覧

速く走れるようになるにはどうしたらよい?

では、走るようになるための4つのポイントをみていきましょう。

1.正しい姿勢を身につける

速く走るためにはまず、人としての正しい姿勢を身につけましょう。
正しい姿勢はスポーツの基本となります。
一番のポイントは、顎を引き、頭から足まで真っすぐ立つ姿勢が取れるかどうかです。
猫背や腰のそり過ぎ、左右の肩の位置のずれなどがないか、身近にいる人に確認してもらいましょう。※2、3
正しい姿勢は、いい走りへとつながっていく、最初の1歩です。※2

 

2.正しい腕振りをしよう

姿勢が整ったら、次は2つ目の正しい腕振りです。
・手は軽く握る程度で
グーやパーにするのではなく、軽く握る程度がベストです。※1、3

 

・腕は力を抜いて自然に構える
肩は上がらないように、力を抜いて構えます。
走るときも腕の力を抜きましょう。※1、2、3

 

・脇をしめて、前後に振る
手は横に振らないようにしてください。
手を横に振ると、体がブレてしまいます。
また腕の振りは、顔から遠くなり過ぎないように、後ろに振り過ぎないように気をつけましょう。※1、3

 

3.正しい足の動きをしよう

次に3つ目のポイント、足の動かし方です。
早く走るために必要な足の動き、それは三角足を身につけることです。
三角足とは、軸足は伸ばしきらず、少しひざを曲げた状態にし、もう片方の上げた足のひざと足首の角度は90度ぐらいにし、足のくるぶしは軸足のひざの少し下ぐらいになる姿勢です。
この足の形がいつでもできるようになると、自然と足の運びが早くなります。※3
足の動きをよくする練習としてもう一つ、もも上げ練習があります。
もも上げ練習は関節の可動域を広げるためによい運動です。※2
また、スキップ運動も早く走るためにおススメのトレーニングです。
足の着地のさせ方が自然と身につきやすく、力を抜いてできるため走るよりも疲れることは少なく、リラックス効果もあります。
練習前後や途中に取り入れると良いでしょう。※2、3

 

4.スタートとゴールの改善

4つ目のポイントは、スタート時とゴール時の走り方を改善することです。
これだけでも、タイムは速くなります。※1、2、10
ここでは、スタンディングスタートの場合で見ていきます。
まずはスタート時の注意点です。

 

①足の確認
両足をそろえ、体を前に倒して自然と前に出る方の足を後ろ(軸足)にしてください。
つま先は進行方向にします。※1、2、10

 

②手の確認
手と足は交互に出してください。
同じ側の手と足が出ている場合が多いので確認しましょう。※10
③前傾姿勢で
体重は前足にかけ、かかとは浮いている状態にしてください。
体重は前8、後ろ2ぐらいがベストです。※1、2、10

 

④目線の位置
あごは引いて、目線は2~3m前あたりを見てください。
ドンというスタートの合図の後は徐々に目線を上げていきます。※1、2、3、10

 

⑤スタートの合図
スタートの合図は目で確認するのではなく、耳で反応して出るようにしてください。
目での確認は、姿勢が崩れますし、どうしても出遅れてしまいます。※2
次にゴール時の注意点です。
ゴールを意識しすぎると、体に力が入って姿勢が悪くなったり、逆に力が抜けてしまって、ペースが落ちたりすることがあります
またゴールラインを踏むことを目指すと、ブレーキがかかってしまいます。※2、10
運動会では、ゴールの先にコーンを置いて「ここまで走りなさい」と教えている学校もあります。
ゴールの3m先をゴールだと思って走るようにすると、スピードを落とさずにゴールすることができます。※2、10

 

※1 為末大(著) 2013年4月発行 為末式かけっこメソッド 子どもの足をすぐに速くする! 扶桑社
https://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594067960
※2 伊東浩司(著) 2012年3月発行 小・中学生のための足がグングン速くなる本 運動会で1等賞になれる!スポーツで活躍できる! カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b100405.html
※3 堀籠佳宏(著) 2018年8月発行 小・中学生のための運動会で1位になる速くなる走り方教室 カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b355938.html
※10 川本和久(監修) 2015年3月発行 運動会までにどんどん子どもの足が速くなる! 河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309246963/

走り方を教える時、注意すべきこと

子供に教える時のポイント

正しい走り方を身につけるには、やはり練習は欠かせませんから、子供が練習を楽しく続けられるようにしていくことが大切です。
ただ教えるだけではなく、子供のやる気を引き出せるように教えていきましょう。※2、3、4、10、11
子供に教える時のポイントをいくつか挙げてみます。


・無理はさせない
早く身につけて欲しいと願うあまり、あれもこれもと一気に教えることは避けましょう
一つずつ教え、一つずつ修正してください。※2、3
そして、子供の発育・発達にあった練習方法で進めてください。※2、3
子供がどこかを痛がったりケガをしたりした時は、練習をすぐにやめて様子を見ましょう。
無理は禁物です。※5

 

・ダメ出しはしない
ダメな部分ばかり言われると、ネガティブになりやすく、自信がなくなります。※3、4、10
「どうしてできないの?」「しっかりやりなさい」などの言葉は、親は子供のためと思って言う言葉かもしれません。
しかし、頑張って練習している子供にとっては、「頑張ってやっているのになんでそんなこと言うの?」となります。※3、4、5
良かったところ、できたところは褒めましょう
他人と比べてはいけません
「いまの良かったよ!」「すごい!できたじゃん」「惜しい、もう少しだったね」「この調子で次も頑張ろう」など、子供のモチベーションがあがるようなポジティブな言葉かけをしましょう。
できたときは子供と一緒に親も喜んであげると、子供ももっと頑張ろうという気持ちになります。※2、3、4、5、11

 

・子供が理解しやすい言葉かけを工夫する
細かく説明するより、子供がイメージしやすい、分かりやすい言葉で説明することを心がけましょう。
子供には、「ばたばた」とか「ふらふら」、「ぐにゃ」、「ピシッ」などの擬態語などを上手く活用すると伝わりやすいことがあります。※3、5
そして、一方通行にならないように、子供の意見を聞きながら、コミュニケーションを取っていきましょう。※3

 

・厳しい練習にならないようにする
厳しい練習だと、途中で嫌になることもあります。
楽しく取り組むことで長続きします。
また、できたという成功体験の積み重ねも大事ですので、焦らず、子供の様子を見ながら進めましょう。※3、5

 

・親も一緒に運動を楽しむ
他人の走る動きを実際に見て、イメージしやすくなるという良い点があります。※2
遊ぶこともそうですが、一人より二人のほうが絶対楽しめます。
一人の練習は、恥ずかしい気持ちも出てきます。
くり返しますが、子供にとっては楽しく取り組めることが一番なのです。
ぜひ親は子供の練習を見ているだけでなく、一緒に運動を楽しみましょう。※2、3、4

 

もし、子供が練習に飽きてきたら

もし、子供が走る練習に飽きてきていると感じたなら、練習場所を変えてみたり、練習内容を変えてみたりして、気分転換を図ります。
もちろん、慣れた場所での練習の方が心地よい場合もありますので、子供の状況を見て臨機応変に対応しましょう。※11
時には、子供の頑張りに対するご褒美も、有効的な場合があります。※11

 

※2 伊東浩司(著) 2012年3月発行 小・中学生のための足がグングン速くなる本 運動会で1等賞になれる!スポーツで活躍できる! カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b100405.html
※3 堀籠佳宏(著) 2018年8月発行 小・中学生のための運動会で1位になる速くなる走り方教室 カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b355938.html
※4 木村匡宏(編著) 2018年7月発行 速攻!5分で伸びる!子どもの走り方トレーニング 東洋館出版社
http://www.toyokan.co.jp/book/02/b372869.html
※5 文部科学省 幼児期運動指針ガイドブック https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/05/11/1319748_5_1.pdf
2020年9月30日閲覧
※10 川本和久(監修) 2015年3月発行 運動会までにどんどん子どもの足が速くなる! 河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309246963/
※11 下山真二(監修) 2005年9月発行 かけっこが速くなる!逆あがりができる! 日本で一番わかりやすい体育の本 池田書店
https://product.rakuten.co.jp/product/-/f4d4253fbe9e5d9b0a4f56e7e03f6cd4/

運動会当日を迎えたら・・・

緊張するのはみんな一緒

運動会などの前日は早めに寝て、当日は早めに起きて朝ご飯をしっかり食べましょう。※2、3
走り方のポイントを確認したら、「○○ならできる!」「大丈夫!」と、子供が自信を持てる言葉をかけましょう。
ポジティブな気持ちを持つことが大切です。※2、3

 

運動会当日の子供への接し方

子供への運動会当日の接し方にも注意が必要です。
当日は、走り方に対する多くの指導、指示は控えましょう
「ああしなさい」「こうしなさい」などの注意点をいろいろ言いたくなりますが、子供の混乱を避けるためにも、1つ、2つ程度に留めておきましょう。※2
また、子供に過剰な期待はしないことです。
「1番になれ!」は、かえってプレッシャーになります。※3
当日は「今まで練習してきたんだから大丈夫だよ」とか「楽しんで走ってこい」などの言葉で送り出してあげましょう。※3
そして、走り終わった後は、勝敗や順位に関わらず、「頑張ったね!」と頑張りを讃えてあげてください
頑張りを認めてくれる存在がいることは心強く、子供はこれからもきっと前に前に、次へ次へと進むことができるでしょう。※3

 

※2 伊東浩司(著) 2012年3月発行 小・中学生のための足がグングン速くなる本 運動会で1等賞になれる!スポーツで活躍できる! カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b100405.html
※3 堀籠佳宏(著) 2018年8月発行 小・中学生のための運動会で1位になる速くなる走り方教室 カンゼン
http://www.kanzen.jp/book/b355938.html

まとめ

親が走るのが遅いから子供も遅い、と諦めることはありません。
運動が得意になる、足が速くなるチャンスは、誰もが持っています。
特に12歳頃までは神経系の発達が著しく、基礎的な動きを身につけるのに適した時期です。
遊びや運動をたくさん経験させてあげましょう。
走るのが遅い大人でも、正しい姿勢や走る時のコツを習得すれば、前よりきっと速くなります。
ぜひ親子で、楽しみながら走り方トレーニングを進めていきましょう。

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