ゴールデンエイジはいつ?プレゴールデンエイジの運動や習い事は?

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ゴールデンエイジとは、運動能力が急速に発達する時期のこと。
一生に一度の貴重な時期に、どんな運動をすべきか習い事はさせた方がよいのか気になりますよね。
さらに、幼児期のプレゴールデンエイジにできることや勉強との関係も踏まえ、徹底解説します。

目次

  1. 子供のゴールデンエイジとは?いつを指す?
    • ゴールデンエイジが注目される理由
  2. ゴールデンエイジに運動能力を高めるには?
    • ゴールデンエイジに必要な運動
    • 運動の例
  3. プレゴールデンエイジには遊びが大切!習い事をするなら何?
    • プレゴールデンエイジが注目される理由
    • 8歳くらいまでの運動遊び
    • 習い事をするなら
  4. ポストゴールデンエイジのトレーニングとは?
  5. ゴールデンエイジは勉強にもあてはまる?学力と運動能力の関係とは
    • 学力の感受性期(臨界期)
    • 運動ができると勉強もできる?
  6. まとめ

子供のゴールデンエイジとは?いつを指す?

ゴールデンエイジとは、子供の運動能力が急速に発達する9歳~12歳頃のこと。※1
一生のうちで最も運動を習得しやすい時期として注目を集めています。
その前の5歳~8歳頃をプレゴールデンエイジ、ゴールデンエイジの後の13歳~15歳頃をポストゴールデンエイジと呼ぶこともあります。※1
それぞれの時期と特徴をまとめると下記の通りです。

名称年齢特徴
プレゴールデンエイジ5歳~8歳頃遊びの中でいろいろな動きを身につける時期。集中力が続かず未発達な部分もある。※1
ゴールデンエイジ9歳~12歳頃運動技術を身につけるのに適している時期。短期間で習得できる。※1
ポストゴールデンエイジ13歳~15歳頃ゴールデンエイジまでに身につけた技術の質を高める時期。※1

 

上記のような年齢ごとの発達段階を考える基になっているのが、「スキャモンの発達曲線」と呼ばれるデータです。
スキャモンの発達曲線に基づき身体の発達に合った適切な運動指導が必要だという考えが、ゴールデンエイジの根本的な考えです。

 

スキャモンの発達曲線とは

スキャモンの成長曲線は、器官や臓器の発達度合いを示したグラフです。
体の成長パターンを、一般型・神経系型・生殖器型・リンパ系型の4つに分類し、20歳を100%とした時の成長度合いを示しています。※2
運動能力は、この4つのうち、神経系の発達に含まれます。
一般型は、身長体重や呼吸器、心臓などの体の発達です。※2
2歳頃までの第一次性徴と、思春期の第二次性徴で急速に発達します。
神経系型は、脳や視覚器などの発達です。※2
脳の発達は、知能だけでなく運動機能も関係します。
神経系は、生まれてから5歳頃までに急速に発達し、5歳の時点で既に成人の8割にまで成長します。
その後10歳頃までに成人の9割程度まで成長するのです。
生殖器型は、子宮や前立腺などを含む生殖器の発達を示しています。※2
14歳以降に急速に発達します。
リンパ型は、人の免疫機能に関わるリンパ節などの発達を示しています。※2
生まれてから急速に発達し10歳頃がピークです。
ピーク後は低下をたどります。
このように、身体の組織を4パターンに分け成長度合いを表したのが「スキャモンの発達曲線」です。
子供の年齢ごとに発達の特徴を捉えるデータとして教育委員会などでも利用されている理論です。

 

ゴールデンエイジが注目される理由

ゴールデンエイジが注目される理由の1つは、子供の体力低下です。
全国体力テストの結果から、小中学生の体力低下が指摘されています。※3
スマホやゲームの普及や外遊び環境の減少など、複数の理由により外遊びが減った影響だと考えられています。※1※2
子供の体力を高めるためには、どのように運動を取り入れるのがよいのかが検討され始めたことにより、ゴールデンエイジが注目されるようになりました。
年代に応じた適切な運動を取り入れることで、体力・運動能力の向上が期待されています。
ここで解説している発達の年代は、あくまで一般論です。
発達の時期には個人差がありますので、お子様の発達に合わせて読み進めてくださいね。

 

※1 どんな子も運動神経が必ずよくなるトレーニング/監修 山本晃永 川島浩史/日東書院本社/2020年5月29日現在
http://www.tg-net.co.jp/item/4528020890.html
※2総合的な子供の基礎体力向上方策第1次推進計画/東京都教育委員会 子供の体力向上推進本部/2020年5月29日現在
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/action_and_budget/plan/physical_fitness_improvement/files/general/suisinkeikaku1.pdf
※3 平成 30 年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果について/スポーツ庁/2020年5月29日現在
https://www.mext.go.jp/prev_sports/comp/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/12/20/1411921_00_gaiyo.pdf

ゴールデンエイジに運動能力を高めるには?

ゴールデンエイジには神経系の能力が目覚ましく発達します。
ただやみくもに運動をすればよいというわけではありません。
子供の発達に応じた適切な運動が必要です。

 

ゴールデンエイジに必要な運動

ゴールデンエイジに運動能力を高めるためには、これをすべきというものは実はありません。
この時期に大切なのは

  • いろいろな運動を通じ「走る」「蹴る」「投げる」など基本動作を習得する※1
  • ハードなトレーニングは避ける※4
  • 運動を楽しむ※5

この3点です。

 

いろいろな運動を通じ「走る」「蹴る」「投げる」など基本動作を習得する

ゴールデンエイジに必要なのは、いろいろな運動の経験です。※1※4
いろいろな運動を通じ、「走る」「蹴る」「投げる」などスポーツの基本となる動作を経験することが大切です。
1つのスポーツを極めるのではなく、興味を持ったスポーツはやってみましょう。※4
この年代にいろいろなスポーツに取り組むと、総合的な体力を高めるだけでなく、巧緻性も高まると考えられています。※1※4
野球だけ、サッカーだけではなく、春や秋はサッカー、夏は水泳、冬はバスケットボールやスキーというように、いろいろなスポーツを経験させてあげましょう。

 

ハードなトレーニングは避ける

ゴールデンエイジにハードなトレーニングは不要です。※4
練習スケジュールにも余裕を持ち、ストレッチや適度な筋トレを練習に取り入れます。※4

 

運動を楽しむ

この時期は、運動の楽しみを知り継続的に運動する習慣をつけることが重要です。※5
積極的に体を動かす子になるには「スポーツが好き」でなければ続きません。
親子で楽しめる運動を見つけてみてはいかがでしょうか。

 

運動の例

いろいろな運動をするにしても、具体的にどんなスポーツがあるのか気になりますよね。
参考になるのが、学校の体育の授業です。
ゴールデンエイジである小学校中学年・高学年の体育には、以下のような運動が取り入れられています。

  • マット運動※6
  • 鉄棒※6
  • 跳び箱※6
  • かけっこ/リレー※6
  • ハードル※6
  • 幅跳び/高跳び※6
  • サッカーやバスケットボールなどのゴール型ゲーム※6
  • バレーボールのようなネット型ゲーム※6
  • 野球のようなベースボール型ゲーム※6
  • ダンス※6

習い事としても人気のダンスやサッカー、野球なども含まれています。


鉄棒やかけっこ、サッカーやバレー、ダンスのような運動は公園や校庭でもできる手軽な遊びです。
ただ最近は、ボール遊びを禁止している公園もあります。
小学校の校庭開放や専用の施設などで遊ぶ時間を作ってあげられるとよいですね。
小学生の習い事事情については、
小学生の習い事おすすめは?いくつ習う?しない子はいる?デメリットは?

こちらの記事で詳しく解説しています。

 

※1 どんな子も運動神経が必ずよくなるトレーニング/監修 山本晃永 川島浩史/日東書院本社/2020年5月29日現在
http://www.tg-net.co.jp/item/4528020890.html
※4 少年スポーツ体のつくり方!/立花龍司/西東社/2020年5月29日現在
https://books.rakuten.co.jp/rb/5734618/
※5 「アクティブプラン to 2020」-総合的な子供の基礎体力向上方策(第3次推進計画)-第4章アクティブプランto 2020/東京都教育委員会/2020年5月29日現在
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/action_and_budget/plan/physical_fitness_improvement/files/active_plan/06.pdf
※6 小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 体育編/文部科学省/2020年5月29日現在
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_010.pdf

プレゴールデンエイジには遊びが大切!習い事をするなら何?

プレゴールデンエイジが注目される理由

ゴールデンエイジの前の時期、5歳~8歳頃をプレゴールデンエイジといいます。
スキャモンの発達発育曲線によると、最も神経系が発達する時期です。※2
ゴールデンエイジに能力を開花させるためには、この時期はとても重要だと言われています。
この頃は、まだ集中して取り組める時間は短いものの、いろいろなものに興味を持ちます。
1つのことにじっくり取り組むよりは、いろいろな運動遊びを取り入れましょう。※1

 

8歳くらいまでの運動遊び

この年代に、興味のないことをやらせるのは難しいものです。
特別な運動を教えるのではなく、遊びの中で体を動かす経験が将来の体力に繋がります。
文部科学省の小学校学習指導要領体育科では、小学校1~2年生には「多様な動きをつくる運動遊び」が示されています。※6
小学校や保育園・幼稚園でも外遊びや運動の時間はありますが、家庭でも楽しんで体を動かせるよう工夫しましょう。
具体的には、

  • ボールゲーム※6
  • 鬼ごっこ(鬼あそび)※6
  • リズム遊び※6
  • 縄跳び※6
  • かけっこ※6
  • ケンパ※6
  • 鉄棒※6

などがあります。
親世代にもなじみにある遊びばかりですよね。

 

習い事をするなら

水泳ダンスは、バランス能力やリズム能力などが鍛えられおすすめです。※7
子供のスポーツ系習い事、年齢別人気スポーツ教室は?

こちらの記事によると、子供のスポーツ系習い事の人気1位は水泳です。
ダンスは女の子に人気のようです。
また運動の基礎を身につけるための、スポーツスクールもあります。※1※8
スポーツスクールでは、科学的根拠に基づいたプログラムを通じ遊びのなかでプレゴールデンエイジから運動能力の基礎を培えます。※1※8

 

※1 どんな子も運動神経が必ずよくなるトレーニング/監修 山本晃永 川島浩史/日東書院本社/2020年5月29日現在
http://www.tg-net.co.jp/item/4528020890.html
※2総合的な子供の基礎体力向上方策第1次推進計画/東京都教育委員会 子供の体力向上推進本部/2020年5月29日現在
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/administration/action_and_budget/plan/physical_fitness_improvement/files/general/suisinkeikaku1.pdf
※6 小学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 体育編/文部科学省/2020年5月29日現在
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_010.pdf
※7 12歳までの最強トレーニング/谷けいじ 著/実業之日本社/2020年5月29日現在
https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-33772-2
※8 忍者ナイン|幼児・小学生向けスポーツ教室/2020年5月29日現在
https://www.ninja9.jp/

ポストゴールデンエイジのトレーニングとは?

13歳~15歳がポストゴールデンエイジと呼ばれる時期です。
中学生にあたるこの頃に、神経系の発達がほぼ完成します。
ゴールデンエイジまでに身につけた技術を高める時期だと言われています。※1
中学生の体育では、陸上競技、水泳、球技、武道、ダンスが取り入れられています。※9
小学生までとは違い、競技スポーツが増えていますよね。
この時期はスポーツを通じて、体力や運動能力だけでなく、知識や技能、思考力や判断力なども養うことが期待されます。※9
中学生は、運動ばかりしていると定期テストや受験に影響しないか、親としては気が気ではないものですよね。
受験勉強の開始時期や定期テストについて
中学生・高校生の受験勉強はいつから?どのくらいの時間をかける?

こちらの記事で詳しく解説しています。

 

※9 中学校学習指導要領(平成 29 年告示)解説 保健体育編/文部科学省/2020年5月29日現在
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_008.pdf

ゴールデンエイジは勉強にもあてはまる?学力と運動能力の関係とは

学力の感受性期(臨界期)

ゴールデンエイジの考え方は、主に運動能力の発達に使われています。
勉強や学力にも同じように最適な時期と学び方があるのか、気になりますよね。
学力の面では、「感受性期(臨界期)」という考え方がよく使われています。
感受性期とは、学習効果が高い時期のこと。※10
この時期を逃すと、学習効率が低下するという考え方です。※10
幼児英語はどう始める?知っておきたいポイント4つ

でも解説の通り、英語のリスニング習得は7歳が感受性期(臨界期)だとも言われています。
ただ感受性期(臨界期)について、詳しいことは分かっていません。
感受性期(臨界期)の研究は主に視聴覚機能や音声言語機能で進められ、最近の研究では臨界期が固定的なものではないことが示されています。※11
まだまだ分からないことが多く、今後の研究結果が気になりますね。

 

運動ができると勉強もできる?

アメリカの小中学生を対象にした調査では、運動能力が高い子は学力テストの結果がよいという結果があります。※12
体力テストのスコアが高い子ほど算数のスコアが高かったそうです。※12
運動も頭で行うものと考えると、運動ができる子の方が勉強もできるというのは納得ですね。
また運動で筋力がつくことで、集中力が高まるという相関関係もあります。
運動をして筋力がつけば、正しい姿勢を保てるようになります。
正しい姿勢で勉強すると、脳に酸素が十分いきわたり、集中力が高まると言われています。※7
勉強に集中できる!集中力を持続させる4つの方法をご紹介!

こちらの記事では、勉強中に軽い運動をすると集中力が高まると紹介しています。
軽く伸びをする程度でも、脳の血流がよくなり集中力が高まるとのこと。
普段の運動習慣で筋力をつけ、勉強中にも軽く体を動かすと、子供でも集中力を高められると言えそうです。

※10 「脳科学と教育」研究の推進方策について-3.「脳科学と教育」研究の推進に当たっての基本的考え方/文部科学省/2020年5月29日現在
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/gijyutu/003/toushin/03071003/003.htm
※11 周産期からの発達研究の意義/明和政子/2020年5月29日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp/28/4/28_195/_pdf
※12 スポーツ庁 Web広報マガジン DEPORTARE|運動ができるようになると、アタマもよくなる!? 専門家に聞く!子供の能力を引き出すためのメソッド
https://sports.go.jp/tag/kids/post-20.html
※7 12歳までの最強トレーニング/谷けいじ 著/実業之日本社/2020年5月29日現在
https://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-33772-2

まとめ

ゴールデンエイジには運動能力を効率的に習得する一生に一度の機会です。
子供の運動能力を高めるためには、何か1つのスポーツ競技をするのではなく、いろいろな運動を生活に取り入れることが大切です。
親子で運動する習慣を身につければ、親のダイエットや健康維持にもなります。
プレゴールデンエイジの頃から習慣づけられるとよいですね。
運動能力は学力にも好影響を与えるとも言われています。
習い事や勉強で忙しい小学生も多いかと思いますが、外遊びの時間も確保してあげる方が学力のためにもなるのかもしれませんね。

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