赤ちゃんの飲み物、麦茶や水はいつから?

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赤ちゃんが少し大きくなってくると、ミルク以外の麦茶や水などの飲み物をいつからあげるのか気になりますよね。
麦茶や水はあげた方がよいのか、いつからはじめるものなのか、生後5ヶ月からと書かれている市販のジュースは本当にあげてもよいのか、など迷うママも多いでしょう。
さらに、ストローやコップはいつから使えるのか、風邪の時や暑い日の水分補給はどうしたらよいのかなど、赤ちゃんの飲み物について解説します。

目次

  1. 赤ちゃんの飲み物、白湯や麦茶はいつから与える?
    • 赤ちゃんの飲み物、いつから?何をあげる?
    • お風呂上り、ご飯のとき…麦茶はいつ飲ませる?
  2. 赤ちゃんの飲み物、白湯の作り方と麦茶の選び方
    • 白湯の作り方
    • 麦茶の選び方
  3. ジュースはいつから与えても大丈夫?
  4. 赤ちゃんが風邪の時や暑さ対策の飲み物は?
    • 風邪の時は母乳やミルクが飲めるかどうかで判断
    • 暑さ対策にはこまめな水分補給
  5. お出かけ先、コンビニで買える赤ちゃんの飲み物
  6. マグやストローはいつから?飲み物の容器は赤ちゃんの月齢に合ったものを
    • マグはいつから?はじめはスパウトから?
    • ストローやコップはいつから?
  7. まとめ

赤ちゃんの飲み物、白湯や麦茶はいつから与える?

赤ちゃんは、生まれてしばらくは母乳やミルクしか飲みません。
それ以外の飲み物は、いつから与えればよいのか気になりますよね。
いつから何を与えるべきか見てみましょう。

赤ちゃんの飲み物、いつから?何をあげる?

【離乳食をはじめる生後5~6ヶ月ごろから】

離乳食前の赤ちゃんは基本的には母乳やミルクから水分を摂れています。
母乳やミルク以外の飲み物を与える必要はありません。
母乳やミルク以外の飲み物は、離乳食をはじめる生後5~6ヶ月ごろからが与える目安です。※1
離乳食のはじめる目安は、月齢だけではありません。
離乳食の進め方-食材や固さ、進める目安、食べないときは?-

では目安となる成長段階をご紹介しています。

 

【基本は、水や麦茶】

生後5~6ヶ月ごろから水や麦茶を与えはじめるのがよいでしょう。
ノンカフェインで刺激が少ないため、赤ちゃんの飲み物には最適です。
昔は、離乳食を始めるより前に赤ちゃんに果汁を与えていた時代もありました。
しかし現代では、そのようなことはありません。
厚生労働省の「授乳・離乳の 支援ガイド」でも、離乳食以前に果汁を与えることは、栄養的な意義はないことが示されています。※2

 

【赤ちゃん用飲料の対象月齢は、あくまで目安】

市販の赤ちゃん用麦茶には、対象年齢が生後1ヶ月ごろからの商品もあります。※3
しかし、これは生後1ヶ月ごろから麦茶を与えましょうという意味ではありません。
1ヶ月ごろの赤ちゃんが飲んでも問題ないという意味ですので、基本的には生後1ヶ月ごろの赤ちゃんには麦茶や水は必要ありません。

 

お風呂上り、ご飯のとき…麦茶はいつ飲ませる?

赤ちゃんに飲み物をあげるタイミングは、ご飯の前後やお風呂上り、起きたとき、外遊びから帰ってきたときなどです。※4
母乳やミルクと併用の時期は、水や麦茶を与えすぎないよう注意が必要です。
赤ちゃんが水や麦茶を飲みすぎてしまうと、母乳やミルクを飲む量が減ってしまうことも。
母乳やミルクの量が減ると、必要な栄養が摂れなくなってしまう可能性もあります。※4
水や麦茶を飲ませはじめても、母乳やミルクの量に影響しないよう注意しましょう。
赤ちゃんに水を与える場合は、煮沸した白湯を使います。※1
白湯や麦茶の作り方や選び方について、次章で詳しくご紹介します。

※1 はじめてママ&パパの育児/監修 五十嵐 隆 /主婦の友社 2014年9月発行 
※2 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」2019 年3月/2020年2月7日現在
https://www.mhlw.go.jp/content/11908000/000496257.pdf
※3 紙パック飲料 ベビー麦茶 125ml×3コパック | 商品情報 | ピジョン株式会社/2020年2月7日現在
https://products.pigeon.co.jp/item/index-1700.html
※4 J-Stage「乳幼児の飲料摂取と母親の飲料に対する意識との関連」/島本和恵 1)、反町吉秀 2)、岩瀬靖彦 3)1)千葉明徳短期大学、2)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター自殺総合対策推進センター、3)大妻女子大学家政学部食物学科/日本栄養士会雑誌/59 巻 (2016) 9 号/2020年2月7日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjda/59/9/59_555/_pdf/-char/ja

赤ちゃんの飲み物、白湯の作り方と麦茶の選び方

赤ちゃんの水分補給は、基本的には刺激が少ない水白湯)や麦茶を選びます。
赤ちゃんの飲み物となると、白湯はどの程度煮沸すればよいのか、麦茶は大人が飲むものと分けるべきか、など悩みますよね。
白湯の作り方や麦茶の選び方を知っておくと安心です。

白湯の作り方

衛生面を考えると、水道水を赤ちゃんにそのまま与えるのは控えたいものです。
赤ちゃんが飲む水は、鍋ややかんで一度沸騰させ冷ましたものを使いましょう。※5
水は、沸騰させることで水道水に含まれるカルキなどが除去されるそうです。
レンジで白湯を作れればラクですが、レンジでは水を沸騰させられません。
手間がかかりますが、水道水を使う場合には鍋ややかんで必ず沸騰させましょう。
沸騰させる手間がかけられない時は、加熱殺菌されている赤ちゃん飲料用の純水が便利です。
ペットボトルに入った純水がベビー用品店などで販売されています。
加熱殺菌済みの純水は不純物などを取り除いてボトリングされており、そのまま赤ちゃんに飲ませても大丈夫です。※6
購入する時は、「加熱殺菌済み」と記載されていることを確認しましょう。

麦茶の選び方

赤ちゃん用の麦茶は、大人の麦茶と成分は同じです。
自宅で大人と共用の麦茶を作る場合には、赤ちゃん用は取り分けて白湯で2~3倍に薄めます。※5
赤ちゃん用麦茶として販売されている商品は苦みを抑えて作られています。
薄めず、そのまま赤ちゃんが飲んでも大丈夫です
赤ちゃん用の麦茶は、国産原料が使われている商品も多く、安全面に配慮されています。※6
着色料や保存料などの添加物が使われていない商品もあるので、選ぶ際にはよく確認してみてください。※7
また、「乳児用規格適用」と記載されている商品は、放射性物質の乳児基準を満たしている商品です。
「乳児用規格適用」のマークは、1歳未満のベビー向けの低い放射性物質の基準値を満たしている商品に記載されています。
放射性物質の基準値は、食品衛生法に基づき、一般食品の基準100 ベクレル/kgに対し1歳未満児は50 ベクレル/kgと定められています。※8
麦茶に限らず、ベビーフードやベビー飲料にも「乳児用規格適用」は記載されています。
購入する際の参考にしてくださいね。

※5 赤ちゃんの水はいつから? | ウォーターサーバー・宅配水の子育てアクア/2020年2月7日現在
https://www.aquaclara.co.jp/kosodate/omizunohanashi/baby/baby02.html
※6 ベビー飲料・水|和光堂 粉ミルク、ベビーフード、スキンケア用品/2020年2月7日現在
https://www.wakodo.co.jp/product/special/babyfood/drink/babydrink/
※7ペットボトル飲料 ベビー麦茶 500ml | 商品情報 | ピジョン株式会社/2020年2月7日現在
https://products.pigeon.co.jp/item/index-1638.html
※8 【消費者庁】乳児用食品の表示基準に関するQ&A/2020年2月7日現在
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/information/qa/pdf/syokuhin912.pdf

ジュースはいつから与えても大丈夫?

赤ちゃんの飲み物は基本的には麦茶や水です。
しかし、お出かけの時などに赤ちゃんにジュースをあげたい時もありますよね。
乳児用規格適用のベビー向けジュースの中には生後5ヶ月ごろからを対象年齢としている商品もありますが、あくまで目安です。
そのような商品でも生後5~6ヶ月のうちは白湯で薄めるよう注意書きがあります。
そのまま与えてしまわないよう注意してください。※9
また、体にやさしいイメージがある果汁100%ジュースは、糖分が多く含まれているため赤ちゃんにはあまりオススメできません。
ジュースを飲んでしまうと離乳食が食べられなくなることもありますし、虫歯も心配です。
離乳食期のジュースは控え、1歳以降に乳幼児向けの野菜ジュースなどを少しにしておきましょう。※10
ジュースに限らず市販のお菓子も、基本的には離乳食期の赤ちゃんには必要ありません。
赤ちゃんにおやつは必要?いつから、何を食べさせる?
https://point-g.rakuten.co.jp/educare/articles/2019/baby_snack/

でもご紹介していますが、ベビーを対象としたおやつ商品もありますが、栄養的には離乳食だけで充分だとされています。

※9 紙パック飲料 緑黄色野菜&りんご100 125ml×3コパック | 商品情報 | ピジョン株式会社/2020年2月7日現在
https://products.pigeon.co.jp/item/index-1702.html
※10 最新版らくらくあんしん育児/監修 土屋恵司/学研プラス/2020年2月7日現在

赤ちゃんが風邪の時や暑さ対策の飲み物は?

風邪の時は母乳やミルクが飲めるかどうかで判断

風邪をひいた時、熱が高いと赤ちゃん用イオン飲料などを飲ませるべきか悩みますよね。
基本的に母乳やミルクがいつも通り飲めていれば水分は摂れていると考えられます。
母乳やミルクを飲めず、汗をかいているのに水分が摂れていない場合には、赤ちゃん用のイオン飲料などもよいでしょう。※11

暑さ対策にはこまめな水分補給

暑い夏には熱中症が心配です。
暑い日は母乳やミルク、水、麦茶などをこまめに与えます。※11
赤ちゃんの水分が足りているかどうかは分かりづらいものですが、オムツの状態が一つの目安です。
おしっこがいつも通りの回数と量かどうか、こまめにチェックをしてくださいね。※12

※11 赤ちゃんが必ずかかる病気&ケア/監修 土田晋也・鳥海佳代子・宮下守/主婦の友社2017年10月発行 
※12 こどもの救急(ONLINE-QQ) - 事故と対策 - 熱中症/2020年2月7日現在
http://kodomo-qq.jp/jiko/index.php?pname=jiko_necchusho

お出かけ先、コンビニで買える赤ちゃんの飲み物

お出かけ先で赤ちゃんの飲み物がなくて慌ててしまうこともありますよね。
さっと立ち寄れるコンビニは、飲み物も豊富に揃っていて赤ちゃん連れママの強い味方です。
コンビニでも麦茶も水も買えますが、どの商品でもよいわけではありません。

 

【麦茶】

コンビニでも「乳児用規格適用」のマークがある麦茶も販売されています。
マークの記載と合わせて、原材料などもよく確認して、国産原料の麦茶などを選ぶと安心ですね。

 

【水」

赤ちゃん用の純水はコンビニではあまり見かけません。
コンビニに並んでいる水はミネラルウォーターがほとんどです。
赤ちゃんが飲めるミネラルウォーターは加熱殺菌済みの軟水です。※13
硬度が高い水は、赤ちゃんには負担になりますのでなるべく硬度が低い軟水を選びましょう。※13

※13 赤ちゃんにもやさしい軟水 | い・ろ・は・す (I LOHAS) 公式サイト/2020年2月7日現在
https://www.i-lohas.jp/products/safe/

マグやストローはいつから?飲み物の容器は赤ちゃんの月齢に合ったものを

赤ちゃんが母乳やミルク以外の飲み物を飲む時に必要になるのがマグなどの容器です。
発達に応じた容器を選ばないと、赤ちゃんがうまく飲めないこともあります。
月齢に合った容器を選びましょう。

マグはいつから?はじめはスパウトから?

哺乳瓶以外で赤ちゃんに飲み物をあげるならば、取っ手付きマグを使うのが主流です。
マグの使い始めは、哺乳瓶の乳首と同じ飲み口のものを使います。
生後5~6ヶ月ごろからはスパウトの飲み口をはじめることもできます。※14※15
スパウトは、赤ちゃんが吸っても口に入る飲み物の量が調節しやすく作られています。※14
乳首以外の飲み口に慣れさせストローの練習にもなります。

ストローやコップはいつから?

ストローやコップは生後8~9ヶ月ごろからはじめます。※14※15※16
保育園でも、生後8~9ヶ月ごろからコップ飲みを教え始めるようです。※17
はじめのうちは、ストローもコップもなかなか上手に飲めない赤ちゃんもいるでしょう。
保育園の入園時にコップで飲めるようにと言われる園もあり、使えないと焦りますよね。
しかし、こぼさずに飲めるようになるまでには、数か月かかることもあります。※18
卒乳も考慮し、離乳食を完了する頃が、ストローやコップを使える目安になるのではないでしょうか。

※14 マグマグ | 商品情報 | ピジョン株式会社/2020年2月7日現在
https://products.pigeon.co.jp/category/index-26.html
※15 やさしくわかる 月齢別 離乳食のきほん事典/監修 太田百合子/西東社/2020年2月7日現在
※16【コンビ】teteoマグ バルーン Neoの製品情報|ベビー用品のコンビ株式会社/2020年2月7日現在
https://www.combi.co.jp/products/mug/teteo_balloon_neo/
※17 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/編著 乳幼児保育研究会/ぎょうせい 2009年3月発行 
※18 乳幼児の水分摂取機能発達に関する研究 第3報 発達的観点からの適切な食具選択の検証/石田 瞭,大久保真衣,服部美鈴*,細谷美穂*,松原範宜*/コンビ株式会社/2020年2月7日現在
https://www.combi.co.jp/company/concept/po/dl/No.48_children_3report.pdf

まとめ

赤ちゃんの飲み物は基本的には麦茶と水です。
離乳食が始まる生後5~6ヶ月ごろからが目安です。
赤ちゃんは抵抗力が弱く味覚も敏感ですので、大人と同じ麦茶や水は控えます。
麦茶は赤ちゃん用に薄めたものを、水は加熱殺菌して冷ました白湯を飲ませてあげましょう。
また、市販の麦茶は「乳児用規格適用」マークがついている商品や無添加の商品を選ぶと安心です。
赤ちゃんの飲み物用に容器を用意するならば月齢に合ったものを選びます。
生後5~6ヶ月ごろはスパウトの飲み口を、生後8ヶ月を過ぎたらストローやコップを練習し始めてもよい時期です。
水や麦茶を飲めるようになったら、与えすぎには注意が必要です。
離乳食を食べない赤ちゃんの原因と「月齢別」対処法。母乳との関係も解説

こちらの記事では、母乳の飲みすぎで離乳食が食べられないことが指摘されていますが、水や麦茶でも同じです。
水や麦茶でお腹いっぱいになってしまうと、離乳食が進まないこともあります。
赤ちゃんが一気に飲んでしまわないよう少しずつあげるとよいかもしれません。

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