子供が片付けないのは理由があった!子供が片付けをしたくなるコツとは?
子供が片付けをしない、片付けてもすぐ散らかすなどの悩みを持つご家庭も多いのではないでしょうか。
何度も「片付けなさい!」と言うのは疲れます。
子供が面倒がらずに進んで片付けができるようになると、ママも嬉しいですよね。
子供はなぜ片付けができないのか、片付けられるようになるためにどうしたらよいのか。
子供も一緒に、子供のための片付けを考えていきましょう。
目次
- 子供が片付けられないのはどうして?
- 子供が片付けられないのはどうして?
- 環境が整っていない
- 子供の心理の問題
- 子供が片付けられるようになる時期
- いつから「片付ける」という動作ができるようになる?
- 園では片付けできるが、家庭ではできない子もいる
- 片付けられない子から、片付けられる子へ
- 片付けられない子から、片付けられる子へ
- 片付けられるようになると、身につく力
- 子供が片付けしたくなるコツ
- 片付けるタイミングがある
- 片付けポイント
- 親が片付けてしまうのではなく、子供と一緒に
- まとめ
子供が片付けられないのはどうして?
子供が片付けられないのはどうして?
子供が片付けられない理由の一つに、子供はそもそも片付けるということがどういうことなのかを理解できていない、ということがあります。※1、2
たしかに、学校では片付け方法をゼロから教えてもらうことはありません。
家庭では「片付けなさい」とガミガミ言われるだけ。
親は、自分の身の回りの片付けぐらいできると思っているので、「片付けなさい」と言葉を発するだけで、深く関わることは少ないかもしません。
しかし、子供は片付け方法を知らなかったり、なぜ片付けをしないといけないのかという疑問を感じていたりするのです。※1、2
「片付けたよ」と言ってきた子供の部屋を見ると、物を端に寄せただけ、床にあるものを棚や机の上に置いただけ、詰め込んで隠しただけだったりします。
多くの子供は、物を移動し、その場から無くすこと=片付けだと思っています。※1、2、3
そのうえ、子供は親が思っているほど、散らかっている状態が嫌ではないし、困ってもいないのです。
親に言われるから仕方なく片付けをしている場合も多いのです。※2
環境が整っていない
片付けられない子供は、部屋の環境が整っていない場合も考えられます。
・不要なものが多すぎる
昔は使っていたが今は使ってないものがずっと仕舞ってあったり、使う用途が同じものがいくつもあったりと、不要な物が多すぎる場合です。※3
・収納スペースが少ない、あるいは収納スペースが多すぎる
物を収納するスペースが少ないと、床や机の上に出しっぱなしになりがちです。
逆に、必要以上に収納スペースが多すぎると、物を詰め込みがちになり、全体的に物が増えていきます。※3、4
・子供の成長に合った収納環境ができていない
使った後、すぐ戻せる位置に収納スペースがなかったり、子供の手の届くところに収納スペースがなかったりしませんか。
また、分類が細かすぎたり、詰めすぎた状態でスペースに余裕がなかったりする場合も、片付けにくい、次に使う時に取り出しにくい原因です。※3、4
子供の心理の問題
親にとっては簡単な作業かもしれない、片付け。
しかし、子供にとって片づけは意外と難しい行動です。
子供の心理を見てみましょう。※1
・どこから片付けたらいいのかわからない
片付けの順番を理解できず、結局すべてを片付けようとして手が付けられない状態になってしまい、さらに散らかってしまいます。※1
・要る・要らない、の基準がわからない
何を基準に、要るか要らないかを決めれば良いのかが分からず、片付けが進まないことがよくあります。
例えば、「使ってない、着ていないものは思い切って無くす」とか、「文房具などは最低○つまで」といったようなはっきりとした基準があれば、子供は取り組みやすくなります。※1
・もったいない、捨てられない
何個も同じものがあった場合、どれも使えるのに、手放すのはもったいない、またいつか使えるのではないかと思っています。
自分のおこづかいで買ったものならなおさら、もったいなさを感じるでしょう。※3
さらに、子供が片付けしようとしない理由に、「自分が片付けをしなくても、最終的には親が片付けをしてくれる」と思っているということがあります。
「片付けしなさい」と子供に言っておきながら、最後には「自分が片付けした方が早い」などの理由で、お母さんが片付けてしまっていると、子供は親に頼ってしまい余計に片付けしなくなります。※5
※1 旺文社(編) 2015年7月発行 学校では教えてくれない大切なこと① 整理整頓 旺文社
※2 橋口真樹子(監修) 2018年9月発行 親が知っておきたい(1)自分から片づけるようになる整理整頓 旺文社
※3 飯田久恵(著) 2009年2月発行 飯田久恵の[出し入れ]楽チン!クイック収納術 PHP研究所
※4 須藤昌子(著) 死んでも床にモノを置かない。 2019年2月発行 すばる舎
※5 立石美津子(著) 2016年6月発行 1人でできる子になる「テキトー母さん」流 子育てのコツ 日本実業出版社
子供が片付けられるようになる時期
いつから「片付ける」という動作ができるようになる?
多くの子供は、2歳頃から、物を使って一人で遊べるようになります。
ジェスチャーや単語、音を交えながら、コミュニケーションが取れるようになるのもこの時期です。
親の指示や要望に対して、自分の気持ちを伝えようとします。
理由などは上手く伝えられなくても、違う(NO)、ない(NOT)などの簡単な意思表示はできます。※6
3歳頃になれば、親のサポートや集団生活を通じて、身支度や身の回りのことが自分でできるようになります。
そして徐々に、どこに注意を向けたらよいのかをコントロールできる力が備わっていきます。※6
しかし、子供が何かに夢中になっている場合は、注意をうまく引きつけることは難しいため、親の言葉かけに工夫が必要です。
子供の活動が終わった時に声掛けすると、子供はスムーズに応答してくれるでしょう。※6
個人差はありますが、このようにコミュニケーションが図れて、言葉の理解ができるようになれば、片付けはできるようになります。
ただし、親や保育者の言葉かけや、一緒に片付けするなどのサポートは必要です。※7
園では片付けできるが、家庭ではできない子もいる
園では片付けができるのに、家では全くしない、できないというご家庭もあるかもしれません。
それはなぜでしょうか。
保育園や幼稚園では、登園してからの1日の流れがあり、子供は切り替えがしやすいという点が、家庭とは違うところです。
また、使用するものと片付けるものが決まっていますし、周りの子の片付けの行動を見て、同じようにしようとするため、自然と片付けできるようになります。
3歳頃までは、子供は園での片付けを、友達と一緒に行う遊びの一つと思っているのかもしれません。
友達と一緒だからこそ楽しく行動できているのでしょう。※7、8
一方、一人っ子や兄弟姉妹の年が離れているなど、家庭の中に一緒に遊ぶ相手、一緒に片付けをする相手がいないことが多い子供は、うまく片付けられないことがあります。※8
※6 B.バックレイ(著) 2016年3月発行 0歳~5歳児までのコミュニケーションスキルの発達と診断 北大路書房
http://www.kitaohji.com/books/mokuji/m2363.html
https://books.rakuten.co.jp/rb/1660018/
※7 日本家政学会誌 Vol. 62 No.11 735 ~ 741 (2011) 集団保育における幼児の生活習慣行動の習得過程:「片付け場面」に着目して / 2020年5月29日閲覧
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/62/11/62_735/_pdf
※8 日本家政学会誌 Vol. 64 No. 6 289 ~ 298(2013) 集団保育の片付け場面にみる幼児の生活習慣 / 2020年5月29日閲覧
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/64/6/64_289/_pdf
片付けられない子から、片付けられる子へ
片付けられない子から、片付けられる子へ
片付けられない子によく見られる行動、ありがちなことを見てみましょう。
・使ったら出しっぱなし、元に戻さない
例えば、小学生が学期末に学校から持ち帰ってくる防災頭巾入れの中を見てみると、防災頭巾以外に、鉛筆や消しゴム、ハンカチ、ティッシュなどがたくさん入っていてパンパンな状態ではありませんか。
子供もどこに入れたか忘れることも多く、後で、「そうだ、ここに入れていたんだった」ということもよくあることです。※1
・忘れ物をしやすい、物を大切にしない
持ち物や時間割を連絡帳に書き忘れたり、面倒で書かなかったりします。
自分の記憶だと正確さに欠けてしまうので、忘れ物をしやすくなります。
また、筆箱の中身をみると、消しゴムがなかったり、赤鉛筆がなかったりと、持ち物をよく無くしています。
無いことにもあまり気に留めず、探すこともしません。
それどころか、親に「○○がないから買って」と言って、新しいものを買うことで解決しようとします。※1
・頻繁に探し物をしている
どこに何があるのか把握できていないため、よく「○○がない」とか「どこかで○○見なかった?」と言います。
探し物に時間が取られてしまい、いつも時間がありません。
学校にもギリギリになって家を出たり、遅刻したりしてしまうことが多々見られます。※1
片付けられるようになると、身につく力
片付けができるようになると、毎日部屋が散らかっているという状態は改善してきます。
身の回りがスッキリした状態であると、作業効率が上がり、時間にも気持ちにも余裕ができます。
すると、勉強も集中して取り組みやすくなります。※1
さらに、自立に必要な力、決断力、まとめる力、継続力がアップします。
意外かもしれませんが、片付けるという行為には、これらにつながる部分があるのです。
決断力は、自分のことを自分で決められる力です。
片付けには、必要なものと不要なものを判断し、捨てるという決断が必要です。
これに慣れると将来の進学や就職を、親に判断してもらうのではなく、最終的には自分の判断で決めることができるようになります。※1
まとめる力は、机や身の回りのものをキレイに整えたり、使いやすいようにわかりやすいようにまとめたりする力です。
片付けには似た様な用途のものをまとめるという作業がありますから、これに慣れると、要点をしぼってまとめていくという行動が身に付き、慌てることも少なくなります。※1
継続力は、いわゆる三日坊主ではなく、コツコツと努力すること、最後まであきらめずに頑張る力です。
やり遂げたことによって、さらに自信になります※
※1 旺文社(編) 2015年7月発行 学校では教えてくれない大切なこと① 整理整頓 旺文社
子供が片付けしたくなるコツ
片付けるタイミングがある
片付けるにも適した時、適さない時があります。
大人だって経験上、遊びや好きなことに夢中な時は、それを中断してまで片付けする気にはなれません。
そんな時は、子供に何度言ってもダメです。※1
一方、何もすることがなく退屈な時間を過ごしている時は、片付けに向いています。
気持ちに余裕があるかないかが大きく関わってくるのです。
子供の予定を聞き、片付け日を決めておくのもいいかもしれません。※1
また、自分から片付けたいと言い出した時は、「さあ、片付けるぞ」という気持ちが強いので、片付けが捗りやすいと言えます。
どこから(何から)片付けるのか、どこにどのように片付けていくのかなど、親も子供の意見に耳を傾け、片付けやすい環境になるよう、サポートしてあげましょう。※1
今日から親は、口癖のように「片付けなさい」というのは止めて、子供の様子を見ながら片付けのタイミングを計っていきましょう。※1、4
片付けポイント
子供にとっての片付けが苦行とならないために、日頃から注意すべきことや片付け環境のポイントをいくつか挙げてみます。
・まずは物の確認・整理から始める
今ある物を確認し、要らないものを捨て、物を減らしていくことが重要です。
用途が同じものがたくさんある場合は、自分が使いやすいものだけを残し、その他は誰かに譲ったり捨てたりして、物を減らしましょう。
物は少なければ少ないほど、部屋はスッキリとして、片付けやすくなります。
きっと心もスッキリするはずです。※1、3
・取り出しやすい、片付けやすい、を意識する
学校で使うものは机やその近くに置き、すぐ取り出しやすいようにしましょう。
鍵などは玄関近くに置く場所を作ることで、自然に習慣化していきます。
習慣化すれば、「鍵がない、ない」と探し慌てることもなくなります。
勉強に使うものは机周りに、マンガ本など勉強に集中できなくなるものは敢えて視界に入らない後方に置くとよいです。※1、3、4
幼い子であれば、収納箱の色を変えてみるとか、何が入っているかがわかる絵やラベルを貼ってあげるとわかりやすく、片付けがしやすくなります。※3、4
細かく分けすぎない、収納箱に蓋をつけないことも重要ポイントです。
片手でも仕舞うことができる収納箱がよいです。※3、4
・基本は「出したら仕舞う」
ごみはごみ箱に捨てるというように、出したら仕舞うということを習慣づけていくことが大事です。
指定の場所に置くようになると、散らかることはありません。※5
自分の物だけでなく、爪切りや体温計など家族で共有しているものも同じです。
まずは出したら仕舞う、定位置に戻すことを習慣づけていきましょう。
子供だけではなく、家族みんなが同じ意識をもつことが大切です。※3、4
親が片付けてしまうのではなく、子供と一緒に
親が子供のものを片付けてしまうと、子供は物の在りかが把握できません。
必要なときは当然、探します。
しかし、子供が自分で片付ける場所を決めて片付ければ、探すことはなく、使った後も元の場所に戻せます。※4
人によって使いやすさ、片付けやすさは違います。
使う本人が要る・要らないを判断し、収納場所を決めて片付けてこそ、片付けやすい環境が整うのです。※1、4
ただし、親は子供に丸投げしていいというわけではありません。
親は子供の意見を尊重しながら、一緒に考え、サポートしていくことが大切です。※1、4
子供が自分で片付けられるようになったら、片付けは難しくなく、簡単と感じられるように、工夫してあげましょう。※4
※1 旺文社(編) 2015年7月発行 学校では教えてくれない大切なこと① 整理整頓 旺文社
※3 飯田久恵(著) 2009年2月発行 飯田久恵の[出し入れ]楽チン!クイック収納術 PHP研究所
※4 須藤昌子(著) 死んでも床にモノを置かない。 2019年2月発行 すばる舎
※5 立石美津子(著) 2016年7月発行 1人でできる子になる「テキトー母さん」流 子育てのコツ 日本実業出版社
まとめ
子供が片付けをしないと、ついつい親が片付けてしまいますが、片付けは本来、自分ですることに意義があります。
子供が片付けをできそうになったら、「片付けは楽しい」と感じるように工夫してみてください。
片付けが習慣化すれば、将来、自立に必要な力が身につきます。
ガミガミ言うことはやめて、まずはなぜ子供が片付けをしないのかを知り、子供が使いやすく、片付けやすい環境を、子供と一緒に考えていきましょう。