喃語とは?いつから始まる?クーイングとは違うもの?

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「喃語」は赤ちゃん特有の言葉です。
日に日に話せる喃語の種類が増え、コミュニケーションできるようになるのは嬉しいものです。
喃語がいつからいつまで表れるのか時期や種類、クーイングとの違いを知り、赤ちゃんの時期特有のかわいい言葉を親子で楽しみましょう。
親子で話す時に、赤ちゃん言葉を使うべきかどうかについても解説します。

目次

  1. 赤ちゃんの喃語とは?喃語の意味することは?
  2. 喃語の時期は、いつからいつまで?種類は?
    • 6ヶ月以降から
    • 1歳以降の言葉につながる
    • 喃語の種類と発達
  3. クーイングはいつからいつまで?喃語との違いは?
    • クーイングは喃語の前2~3ヶ月頃に出す音
    • 喃語とは音の出し方が違う
    • クーイングの意味とは?
  4. 「喃語が出ない…少ない…」親ができる対処法
    • 赤ちゃんの声に反応する
    • わかりやすく話しかける
    • 口を鍛える
    • 言葉の発達は個人差が大きい
  5. 赤ちゃん言葉で話しかけると効果がある?
    • 赤ちゃん言葉で話しかける方がよい
    • 赤ちゃん言葉はいつまで使う?
  6. まとめ

赤ちゃんの喃語とは?喃語の意味することは?

喃語は、赤ちゃんが発する「アーウー」「バ・バ・バ」というような音のことです。※1※2
子音+母音で構成され、月齢があがるにつれ出せる音が増えます。
成長すると同じ音を何度も繰り返すようになり、「ママ」「ブーブー」などの意味のある言葉につながります。※2
赤ちゃんは周りに人がいるときのほうが喃語をよく話すそうです。※1
大人から見ると意味のない音かもしれませんが、喃語は赤ちゃんにとって大切なコミュニケーションの1つだと考えられています。

 

※1 幼児・児童心理学/谷田貝公昭、 林邦雄、 成田國英 編集/一藝社
※2 伸ばすための子ども心理学:のびのび育む発達心理と育児心理/ポーポー・ポロダクション/PHP研究所

喃語の時期は、いつからいつまで?種類は?

喃語はいつごろ、どのような言葉が出るものなのでしょうか?
一定の時期にしか発しない言葉なので、見逃さず親子で楽しみましょう。
子供の言葉の発達は、個人差が大きいものです。
ここでご紹介するのは、あくまで目安にすぎません。
この通りではないことも多いものですので、参考程度にご参照下さい。

 

6ヶ月以降から

喃語は、一般的に生後6ヶ月前後から始まるといわれています。※3
赤ちゃんは生後3~4ヶ月頃に喉などの器官が発達し、声帯を使い声が出せるようになるそうです。※2
生後6ヶ月頃になると、それ以前の「アー」という母音だけの状態から、一音一音明確に発音できるまでに。※1
このように明確に出せるようになった音を「喃語」と言います。
生後8~9ヶ月頃には子音混じりの音を繰り返すようになり、出せる音のパターンも増えていくでしょう。※2

 

1歳以降の言葉につながる

赤ちゃんは喃語を経て、早ければ10ヶ月頃、遅くとも1歳半ごろまでには言葉を話すようになるといわれています。※1
赤ちゃんは、一般的に、「耳で音を聞いて覚え、言葉を獲得していく」と考えられています。
喃語を話すようになったら、わかりやすい言葉で赤ちゃんに話しかけ、赤ちゃんの喃語に応えてあげるとよいでしょう。

 

喃語の種類と発達

赤ちゃんが話せるようになるまでをまとめると以下の通りです。


【赤ちゃんの言葉の発達段階】
生後2~3ヶ月頃:

「ウー」や「アー」などのクーイングを発する。※2

 

生後6ヶ月頃:

「ダダダ」や「ババババ」など子音+母音を連ねた喃語が出る。※2※4

 

生後8~9ヶ月頃:

「マンマン」や「ブーブー」など意味を伴うような発音が出る。※4

 

生後10ヶ月頃:

自分の名前を理解できるようになり、指差しで自分の意志表示もできる。
早い子では「パパ」「ママ」など単語が言える。※4

 

1歳以降:

話せる言葉が飛躍的に増え、一語文から二語文へと発達する。※2

 

2歳頃:

多語文で表現できるようになる。※1


しっかりとした発音の喃語より前に発する母音は、喃語ではありません。
「クーイング」と呼ばれるもので、喃語とは区別されています。
詳しくは次章でご紹介します。
喃語を経て、徐々に意味のある言葉が出始めるのが8ヶ月頃だそうです。※4
1歳頃には一語文を話し、1歳10ヶ月頃には二語文を話す子もいるでしょう。※4
2歳には三語以上をつなげた文章で、より明確に自分の意志を表せるようになります。
これはあくまで発達の目安。
ここで紹介している時期よりも遅いからというだけの理由で、不安になることはありません。
心配な場合には、小児科や検診、保育園や幼稚園で相談をしてみてくださいね。

 

※1 幼児・児童心理学/谷田貝公昭、 林邦雄、 成田國英 編集/一藝社
※2 伸ばすための子ども心理学: のびのび育む発達心理と育児心理/ポーポー・ポロダクション/PHP研究所
※3 0 歳児の言語習得と四肢運動の発達/正高信男/バイオメカニズム学会誌,Vol.26,No1(2002)/2020年3月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/26/1/26_KJ00000972787/_pdf/-char/ja
※4 発達がわかれば子どもが見える/監修 田中真介/ぎょうせい

クーイングはいつからいつまで?喃語との違いは?

喃語より前の時期に出るのが「クーイング」です。
「クーイング」と喃語の違いは音の出し方にあります。
成長に伴う違いと言えるものですが、時期や音の出し方について見てみましょう。
ここでも、発達段階の目安となる時期を記載しています。

 

クーイングは喃語の前2~3ヶ月頃に出す音

クーイングは、赤ちゃんが出す「アー」「エー」という音のことです。
生後2ヶ月頃から出す母音のような音です。※1
成長とともに、クーイングはしなくなり喃語へと移行すると考えられています。

 

喃語とは音の出し方が違う

赤ちゃんがクーイングを発する2ヶ月頃は喉などの器官が未熟な時期。
声帯が未発達のため、喉を鳴らして優しい音をだしている状態だと考えられています。
生後3~4ヶ月になると声帯が使えるようになり、喃語につながります。※2

 

クーイングの意味とは?

クーイングは、泣き声とは明らかに違います。
クーイングが見られるのは、主に「機嫌のよい時」。
赤ちゃんがリラックスしている時に出すとも言われています。※1
クーイングが始まった頃は、赤ちゃんは音を出して楽しんでいる状態です。
クーイングに親が反応することを繰り返すと、自分が音を出せば大人とやりとりができることに気づくようです。※5
クーイングに親が反応することで、コミュニケーションの土台を築くとも言えるでしょう。
「アー」「ウー」などクーイングをしていたら「そうだね、楽しいね」など返事をして会話を楽しむのがよさそうです。
一方この頃は、泣くことも赤ちゃんにとってはコミュニケーションの手段です。
赤ちゃんの夜泣きいつからいつまで?

の記事では、赤ちゃんが泣く原因について詳しくご紹介しています。

 

※1 幼児・児童心理学/谷田貝公昭、 林邦雄、 成田國英 編集/一藝社
※2 伸ばすための子ども心理学: のびのび育む発達心理と育児心理/ポーポー・ポロダクション/PHP研究所
※5 0~3歳の成長と発達にフィット 赤ちゃんの未来をよりよくする育て方/菅原 道仁/すばる舎

「喃語が出ない…少ない…」親ができる対処法

6ヶ月頃になっても、喃語が出ないと親としては少し心配になりますよね。
しかし6ヶ月に喃語が出ないからと言って、必ずしも問題があるということではありません。
まずは、親ができる働きかけをしてみてはいかがでしょうか。
赤ちゃんの喃語を引き出すためには、赤ちゃんとのコミュニケーションを心掛けるのも1つの方法です。

 

赤ちゃんの声に反応する

赤ちゃんが喃語を話せるようになるためには、周りからの働きかけが重要だとする研究結果があります。※3
赤ちゃんに対して親が反応することで、声の出し方を学んでいくと言います。※3
大人にとっては意味がない発語であっても、赤ちゃんにとってはコミュニケーションを経験する機会です。
親は赤ちゃんの言葉に反応してあげることが大切です。
「あーあー」と言っていたら「そうだね」「楽しいの?」など言葉で返してあげてもいいですし、「うんうん」と目をみてうなずいてあげるだけでもコミュニケーションが取れているようで親も楽しくなりますよ。

 

わかりやすく話しかける

赤ちゃんに話す時には、大人と話す時よりも高めの声で抑揚をつけて話すことで、赤ちゃんの注意をひくことそうです。※3
大人と話す時よりも、はっきりと分かりやすく話すことを意識しましょう。
まだ赤ちゃんだからと放っておくのは、赤ちゃんの発達によくありません。
「あついねー」とか「何して遊ぼうか?」「パパ遅いね」など、その時々の様子を言葉で表現するだけでもよいでしょう。
大人にとっては、少し大げさだと思えるくらいの話し方で、赤ちゃんにはちょうど良いのかもしれませんね。

 

口を鍛える

言葉を発するには舌やあごの筋力が必要です。
喃語を話すために、生活の中で少し工夫するとよいかもしれません。
子供の言葉の遅れ

の記事で紹介されているように、舌やあごの筋力は、食事を通じて鍛えることもできます。
離乳食が進んでいれば、噛む回数が多くなるような食材や調理の工夫するのもよいですね。
5~6ヶ月頃は何でも口に入れたがる時期でもあります。
歯固めを使うと、噛む練習にもなるはずです。

 

言葉の発達は個人差が大きい

喃語が出ないのが気になるのと同じように、1歳以降も言葉の悩みはつきないものです。
言葉が出ない・どもる・上手く発音できないなど、いろいろなケースがあります。
言葉を発するまでには、実は多くの能力が必要です。
声を出す機能、聴く能力、理解する知力、話したいという気持ちが揃って初めて話せるようになると考えられています。
これだけの能力が必要だと考えると、個人差があって当然ではないでしょうか。
大人としては、遅い・早いや、出来る・出来ないが気になりますが、あくまで目安。
もし気になる場合は、早めに専門家に相談してみてくださいね。
小児科や保育園・幼稚園、自治体の育児相談などで相談できるでしょう。
言葉の発達には、何より親の働きかけが大切です。
子供が赤ちゃんのうちは、親も赤ちゃん言葉で話しかける方がよいでしょうか。
いつ頃まで赤ちゃん言葉を使うものなのでしょうか。
赤ちゃん言葉で話しかける意味について、次章で詳しくご紹介します。

 

※3 0 歳児の言語習得と四肢運動の発達/正高信男/バイオメカニズム学会誌,Vol.26,No1(2002)/2020年3月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/26/1/26_KJ00000972787/_pdf/-char/ja

赤ちゃん言葉で話しかけると効果がある?

赤ちゃんに話しかけた方がよいと分かっていても、大人は喃語のような赤ちゃん言葉を使って赤ちゃんに話しかけるのは少し抵抗がありますよね。
また赤ちゃん言葉を使わない方がいいという意見をお持ちの方もいるでしょう。
赤ちゃん言葉を使わないと考える理由の1つは、赤ちゃん言葉を覚えたところで、また正しい言葉を覚えなおさなければないからというものです。
しかし近年、赤ちゃん言葉で話しかける方が赤ちゃんの発達にはよい影響があるという研究データが発表されています。※6

 

赤ちゃん言葉で話しかける方がよい

喃語などの赤ちゃん言葉を使うと、赤ちゃんは大人の言葉を理解しやすいと言われています。※2
赤ちゃん言葉は音が分かりやすいもの。
赤ちゃんにとっては、覚えやすい言葉なのです。※6
「くるまがきたね」よりも「ブーブーきたね」と言い、「おしっこでた?」と聞くよりも「ちっちでた?」と聞く方が、大人でも聞き取りやすいですよね。
ある研究では、生後1歳4ヶ月頃の赤ちゃんは、赤ちゃん言葉しか覚えられないことが示されています。※6
大人が使う単語と赤ちゃんが使う単語の両方を教えても、二つは覚えられないそうです。※6
これらのことから、喃語や言葉が出始めるころには、親も赤ちゃん言葉を使って話しかける方がよいと言えそうです。
絵本の読み聞かせ♪ 赤ちゃんから始める効果と読み聞かせのコツ

でも紹介されている通り、赤ちゃんの絵本の読み聞かせには、擬音語などリズムが楽しめるモノがオススメです。
赤ちゃん向けの絵本は、「ブーブー」や「じゃあじゃあ」など擬音を使ったカラフルなものも多いですよね。
絵本の読み聞かせも子供の語彙の発達に役立ちます。
ぜひ毎日の生活に取り入れてみてください。

 

赤ちゃん言葉はいつまで使う?

喃語を話す赤ちゃんに話しかけるとき、親も自然と赤ちゃん言葉になってしまいませんか?
子供が赤ちゃん言葉を抜け出し、普通の言葉を話せるようになるころには、親子とも赤ちゃん言葉を使わなくなります。
子供が2歳頃になり単語をつなげて話せるようになると、親も赤ちゃん言葉を使わなくなるという調査結果もあります。※7
2歳頃にはイヤイヤ期が始まります。
子供の自己主張が激しくなり、親は手を焼くことも多いでしょう。
赤ちゃん言葉で優しく話しかけるような状況が減るということもあるかもしれませんね。
イヤイヤ期の頃は言葉が話せるようになったとはいえ、まだまだ自分の思いを上手く伝えられません。
子供の気持ちを汲み取りながら、ダメなことはダメだと伝えていきましょう。
イヤイヤ期の原因は?子供への正しい対応を知って親のイライラも解消!

では、イヤイヤ期の子供への対応方法について詳しくご紹介しています。

 

※2 伸ばすための子ども心理学: のびのび育む発達心理と育児心理/ポーポー・ポロダクション/PHP研究所
※6 1歳児における育児語と成人語の複数ラベル学習/小林哲生・村瀬俊樹/公益社団法人日本心理学会/2020年3月1日現在
https://psych.or.jp/meeting/proceedings/76/contents/pdf/2AMC01.pdf
※7 J-stage | 母 親 の 育 児 語 使 用 と 子 ど も の 言 語 発 達 一 質 問 紙 を 用 い た 予 備 的 調 査 /江 尻 桂 子/2020年3月1日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pamjaep/43/0/43_111/_pdf

まとめ

赤ちゃんの喃語やクーイングについてご紹介いたしました。
今回ご紹介している言葉の発達には、個人差が大きいものです。
目安として、参考にしてください。
赤ちゃんが喃語を話す時期の目安は6ヶ月頃です。
それまでの時期に発する「アー」「ウー」などはクーイングと呼ばれています。
喃語から少しずつ出せる音が増え単語に近づいていく様子は、親としても子供の成長を感じ嬉しいものです。
喃語やクーイングの段階では、大人にとっては何を言っているのか意味がわかりません。
しかし赤ちゃんにとっては周りとコミュニケーションをとる手段です。
「そうだねーかわいいねー」「これが好き?」など、赤ちゃんの言葉に反応をするのが大切です。
大人が赤ちゃんに話しかけるときは、赤ちゃん言葉を使った方が分かりやすいようです。
分かりやすい言葉で、優しい赤ちゃん言葉で話しかけてあげると、言葉の習得にもつながるかもしれません。
言葉でのコミュニケーションを親子で楽しみましょう。

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