予備校に通うのにかかる費用は?年間費用、学費免除や奨学金制度まで詳しく解説

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大学受験を控えている高校生や浪人生が利用する予備校ですが、そもそも予備校とはどのようなシステムかご存知でしょうか。
学習塾とは異なり、対象年齢・講義の内容・時間割システム・予備校にかかる費用などにも大きな違いがあります。
特に、予備校にかかる授業料や入校料などの費用は事前に理解しておくことが重要です。
こちらの記事では、予備校にかかる費用や各社予備校の比較、大学受験にかかる費用までを詳しくまとめました。
予備校の利用を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

  1. 1年間で予備校にかかる費用は100万円超!
    • 予備校一年間の総額費用は100万円超
    • 入学金は10万円
    • 特別講習は1講座ごとの料金設定
  2. 予備校の授業料を徹底比較!
  3. 予備校ごとに特色あり!費用以外に確認しておきたい点
    • 講師のサポート体制
    • 自習室の環境
    • オンライン講義の有無
  4. 学費免除や奨学金の制度がある予備校も
    • 入学金の免除
    • 授業料の減額制度
    • 予備校の奨学金制度
  5. 予備校のコースとは?現役と浪人でも費用は違う
    • 予備校の一般的なコース
    • 現役高校生コースと浪人生コースで費用が違う
    • 夏期講習・冬期講習など特別講習の費用
  6. 大学受験の費用も計画的に準備を!
  7. まとめ

1年間で予備校にかかる費用は100万円超!

1年間でかかる費用は主に「入学金」+「授業料」+「オプション講習」の合計金額です。
オプション講習は、夏期講習などの特別講習の費用です。
浪人生が予備校に通う場合の費用を、夏期講習・冬期講習のオプションも含めてみてみましょう。

 

予備校一年間の総額費用は100万円超

1年間の予備校費用の総額は100万円を超えます。
受講コースにより必要な費用総額に開きがありますが、こちらでは【予備校年間コースを受講して、季節講習も受講した場合】として内訳を見てみましょう。
総額費用の目安としてお考え下さい。
【予備校の年間総額】
入学金 100,000円
年間授業料 700,000円
夏期講習17,000円×5講座 85,000円
冬期講習17,000円×5講座 85,000円
直前講習15,000円×4講座 60,000円
──────────
総額1,030,000円※1※2※3※4※5

 

入学金は10万円

予備校に入学する際に必要になるのが入学金です。
大手予備校の入学金は100,000円とするところが多いようです。
秋から予備校に通い出す2学期スタートだと入学金が割引になる場合もあります。

 

特別講習は1講座ごとの料金設定

季節ごとに行われる夏期講習や冬期講習の費用は、年間費用である授業料とは別に追加で支払います。

夏期講習や冬期講習、直前講習は、1講座あたり13,000円〜17,000円前後です。

これを4~5講座受講すると、特別講習にかかる授業料は52,000円~85,000円です。

授業料については、コースにより異なりますので次章で詳しくご紹介します。

これらの費用の他に、大学受験の費用もかかります。

1年間でかかる総額を把握し、計画的に費用を準備できると安心ですね。

費用面で不安がある場合には、奨学金制度の活用や単科ゼミや季節講習のみの利用も視野に入れて予備校を選びましょう。

※1 大学受験科入学案内/代々木ゼミナール/2019年9月20日現在
https://www.yozemi.ac.jp/course/diginewterm/pdf/yozemi_daigaku2019honbu.pdf
※2 大学受験科入学案内/河合塾/2019年9月20日現在
https://kawaijuku.meclib.jp/daiju_2019_kanto/book/#target/page_no=1
※3 駿台予備校 首都圏講習会費/2019年9月20日現在
https://www2.sundai.ac.jp/yobi/sv/sundai/scontents/koushukai_D/1337357205211.html
※4 大学受験科入学案内/河合塾/2019年9月20日現在
https://kawaijuku.meclib.jp/daiju_2019_kanto/book/#target/page_no=168
※5高卒生 入学案内|予備校の東進/2019年9月20日現在
https://www.toshin.com/honka/nyugaku.php

予備校の授業料を徹底比較!

予備校の授業料は受講コースにより多少の違いがあります。
ここでは、大手予備校の費用を、文系・理系・医学部のコース別にご紹介します。
志望校のレベルによりコースが分かれる予備校もありますので、あくまで目安の費用としてご認識ください。

【文系の予備校費用(授業料)比較】

学校区分A予備校B予備校C予備校
国立710,000円730,000円669,000円
私立690,000円705,000円669,000円

【理系の予備校費用(授業料)比較】

学校区分A予備校B予備校C予備校
国立710,000円730,000円669,000円
私立690,000円705,000円669,000円

【医学部系の予備校費用(授業料)比較】

学校区分A予備校B予備校C予備校
国立730,000円730,000円729,000円
私立690,000円1,910,000円729,000円

授業料の目安は70万円前後だと言えそうです。
また、国立と私立では国立の方が、受講料が高くなります
センター試験対策もあり受講する科目数が増えるためです。
ただし、これはあくまでベースの授業料です。
下記のようなコースを選択する場合は、予備校により授業料があがる可能性があります。


・ハイレベル校向けコース
ハイレベルの大学になるほど、授業のコマ数も多く、上記よりも授業料が高くなります
ハイレベルの中でも志望校ごとにコースが分かれています。
偏差値が高い大学ほど高額になります。

 

・個別指導の有無
予備校によっては、個別指導のついたコースも設定されており、その場合費用が高額になります。
医学部系の私立大学向け個別指導ありのコースでは3,400,000円を超える授業料となる予備校もあります。


予備校を選ぶ際には、費用と合わせて、自分が希望する志望大学の大学受験に合わせた講義、プランがあるかを判断して選択しましょう。

※6 大学受験科入学案内/代々木ゼミナール/2019年9月20日現在
https://www.yozemi.ac.jp/course/diginewterm/pdf/yozemi_daigaku2019honbu.pdf
※7 大学受験科入学案内/河合塾/2019年9月20日現在
https://kawaijuku.meclib.jp/daiju_2019_kanto/book/#target/page_no=1
※8 高卒生 入学案内|予備校の東進/2019年9月20日現在
https://www.toshin.com/honka/nyugaku.php

予備校ごとに特色あり!費用以外に確認しておきたい点

予備校はそれぞれに、得意不得意や、特色があります。
受講料だけで判断せず、講師や授業の質や、予備校内の環境や学習環境も確認しておきましょう。
ここでは、予備校の学習環境について確認したい点を3つご紹介します。

 

講師のサポート体制

授業を受けてもわからない内容が出てきたり、進路に迷ったりということもあるはずです。
そのような時に、授業外で講師のサポートが受けられるかどうかも予備校選びの重要なポイントです。
サポート体制があるかどうかを判断するポイントの1つは講師の数です。
通う校舎に、1科目あたり何名の講師がいるかを確認してみるとよいかもしれません。
また、講師以外に受験指導のプロを配置している予備校もあります。
そのような予備校であれば、志望校選びなどの相談も気軽にできるのではないでしょうか。
さらに、スマートフォンを利用してプライベートティーチャーと連絡をとることができる予備校もあります。
講義後や休日等の質問が可能で、気軽に一対一での対面授業のようなわかりやすい解説を受けることができます※6※7※9

 

自習室の環境

大学受験に自習はつきものです。
予備校ごとに自習室の広さやパソコンの有無など特色があります。
席数が少ないと、すぐに満席になってしまい使いたいときに使えないということもあります。
集中して自習できる環境かどうか、席数は充分あるかなど、予備校の見学時に確認しておきましょう。※6※7※9

 

オンライン講義の有無

対面授業とオンライン講義を使い分けている所もあります。
オンライン講義があれば、欠席時やもう一度受けたい講義に対応することができます。
わからなかった単元をオンラインで繰り返し受講することが出来れば、苦手克服にもなります。
予備校ごとに、オンライン講義の有無や対応方法が異なりますので、事前に確認しておくとよいでしょう。※6※7※9

※6 大学受験科入学案内/代々木ゼミナール/2019年9月20日現在
https://www.yozemi.ac.jp/course/diginewterm/pdf/yozemi_daigaku2019honbu.pdf
※7 大学受験科入学案内/河合塾/2019年9月20日現在
https://kawaijuku.meclib.jp/daiju_2019_kanto/book/#target/page_no=1
※9 入学案内 駿台予備校/2019年9月20日現在
https://www.sundai.ac.jp/dp/2019/sotsu/syuto/p/html5.html#page=1

学費免除や奨学金の制度がある予備校も

まとまった費用がかかる予備校ですが、条件を満たすことで学費が全額免除されたり、奨学金の制度を利用したりすることができる予備校もあります。
費用免除の一例を以下にまとめています。

 

入学金の免除

入学金の減免・免除の制度を実施している予備校もあります。
入学金が減額や免除される条件は、

  • WEB申し込み特典
  • 通塾履歴により入学金が半額に免除される
  • 兄弟や姉妹の予備校利用履歴により、入学金の一部が免除される

というような条件があります。
予備校を選ぶ際に、免除制度の条件を確認しておきましょう。

 

授業料の減額制度

予備校によっては、授業料を一部減額する制度を設けています。

  • 前年から予備校に通っている場合は全額免除
  • 予備校実施の模試を受けたことがある方は一部免除
  • 予備校の説明会に参加された方は一部免除
  • 高校からの推薦がある方は一部免除※10※11

このような条件で授業料が免除される制度があります。
予備校実施の模試や説明会は、一度参加するだけで授業料の減額を受けることができます。
説明会などは、積極的に参加したほうがお得です。
また、高校の推薦により、予備校の授業料一部減額と入学するための診断テストが免除される予備校もあります。※11

 

予備校の奨学金制度

予備校によっては、奨学金の制度もあります。
学力試験・書類審査・面接を受け、予備校側に認定された方のみが奨学金の対象者になります。
また、被災者特別奨学制度という奨学金制度もあります。
2017年4月以降に起きた自然災害の被災者に対し、特別措置として設けられた奨学金制度です。
入学金が全額免除となり、授業料は20%免除、予備校の寮に入る場合も免除を受けることができます。
こちらの被災者奨学金制度はいくつかの予備校で導入されていますので、事前に確認をしてみてください。※10※11
受講するコースによっては高額な授業料になりますので、費用が心配な場合にはこのような制度を活用しましょう。
次章では、予備校の授業料を左右するコース設定について詳しくご紹介します。

※10 大学受験科入学案内/河合塾/2019年9月20日現在
https://kawaijuku.meclib.jp/daiju_2019_kanto/book/#target/page_no=168
※11 大学受験科入学案内/代々木ゼミナール/2019年9月20日現在
https://www.yozemi.ac.jp/course/diginewterm/pdf/yozemi_daigaku2019honbu.pdf

予備校のコースとは?現役と浪人でも費用は違う

予備校の一般的なコース

予備校は受講するコースにより費用が異なります。
自分が行きたい志望校を決めて、コースを選びましょう。
文系・理系・医系など進みたい分野を絞り、国立・私立など志望校が決まったら、予備校の受講コースを選択できます。
その際に、自分が受ける大学の受験要項を必ず確認しておきましょう。
センター試験、二次試験、一般入試試験と、大学によって受験要項は決まっており、必要となる科目が変わってきます。
文系の場合には数学や理科が不要であったり、理系では英語や国語が不要であったりする大学もあります。※12
科目数に応じて費用も増減しますので、事前によく確認をしておきましょう
さらに、夏季や春季などの特別講習もあります。
特別講習の受講費用は、通常の授業料に含まれない場合もあるので追加の費用が必要になる可能性もあります。

 

現役高校生コースと浪人生コースで費用が違う

多くの予備校は、現役の高校生に向けた「高校生コース」と、高卒者や社会人に向けた「大学受験科コース」が用意されており、授業料も単位数も異なります。

 

・高校生コースとは
現役高校生に向けたコースは、高校に通いつつ予備校に通える週間受講プランや年間受講プランなどがあります。
高校1年生、2年生、3年生と学年によって受講コースがあります。※13
コースと対象学年により費用が決まります。

 

・大学受験科コース
浪人生コースと高卒者や社会人が大学受験に向けて受講するコースは、丸一日時間割が組まれています。
年間を通して模試やテスト演習を行い、大学受験に備えるコースとなっています。※2
1日の時間割を1年間通うコースとなるため、高額な費用がかかります。
費用を抑えたい場合には、「単科ゼミ」という1講座から受講できるコースを用意している予備校もあります。※13
当然、受講するコマ数が増えると予備校の費用がかさみますので、単科ゼミを受講するのか、必要科目全てを受講するコースにするのか、費用面と学力面から検討が必要になるでしょう。

 

夏期講習・冬期講習など特別講習の費用

予備校は通常の授業とは別に「夏期講習」や「冬期講習」、「春期講習」を行っていることが多いです。
これらの講習を受講すると、通常の授業料とは別に費用がかかる場合もあります。
入学前でも夏期講習や冬期講習は利用可能です。
予備校選びの段階であれば、入学のトライアルとして講義を体験することができるよい機会です。※14※15※16

※12 栄光のビザビ 予備校と塾の違いとは?高校生に合うベストな選択を考えよう!/2019年9月20日現在
https://www.eikoh-vis-a-vis.com/kyoiku/vol05/
※13 大学受験科受講案内/代々木ゼミナール/2019年9月20日現在
https://www.yozemi.ac.jp/course/
※14 河合塾 夏期講習/2019年9月20日現在
https://www.kawai-juku.ac.jp/summer/stc/
※15 河合塾 冬期・直前講習/2019年9月20日現在
https://www.kawai-juku.ac.jp/winter/stc/
※16 河合塾 春期講習/2019年9月20日現在
https://www.kawai-juku.ac.jp/spring/

大学受験の費用も計画的に準備を!

大学を受験には、受験費用も必要です。
受験費用は、下記の通り国公立大学と私立大学で受験費用が大きく異なります。
国立大学:9,800円〜17,000円
私立大学:35,000円前後
国公立大学1校当たりの受験料が9,800円〜17,000円前後であるのに対し、私立大学の受験料は35,000円前後と国公立大学に比べて約2倍の費用がかかります。※17※18
国公立大学を1校、私立大学を1校受験する場合は、受験費用が50,000円ほどかかることになります。
大学受験をするときには、一般入試試験にも費用がかかることを考えて、予備校選びしておくことが大切です。

※17 首都大学東京 授業料、入学料その他の費用/2019年9月20日現在
https://www.tmu.ac.jp/kyouikujouhoutop/legal-matters/hiyoutop.html
※18 慶應義塾大学 入学検定料について/2019年9月20日現在
http://grad.admissions.keio.ac.jp/af.html

まとめ

大学受験が近づいてくると考える予備校通いですが、その費用は決して安いものではありません。
大学受験には予備校費用だけではなく、大学受験費用もかかります。
しかし、予備校の費用は学費免除や奨学金を利用することができるところもあります。
年間で通うことを前提にせずとも、季節講習や苦手科目のみ受講するなどさまざまな方法があります。
そういった制度を利用しながら上手に予備校を活用することがポイントです。
まずは志望大学を決めて、無理なく予備校に通えるよう考えていきましょう。

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