双子の育児は負担が2倍!? 不安をなくして喜びも2倍にする方法!

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双子のママになると分かったとき、喜びと同時に、双子の育児をしていくことに、不安や戸惑いを感じますよね。
双子の育児では、一人が泣いたらもう一人も泣く、一人の授乳が終わったと思ったらすぐにもう一人の授乳が始まる、洗濯物が2倍になるなど、お世話の内容がすべて2倍なります。
一人のオムツを変えていたらもう一人がどこかへ行く、ということも珍しくありません。
今回は、2倍の大変さを2倍の喜びに変えるコツについて、考えてみます。

目次

  1. 1:双子の世界を覗いてみよう
    • 双子には2通りある
    • 世の中の双子、どう見られている?
  2. 2:双子の育児は辛さが2倍!
    • すべてが2倍になるお世話
    • お出かけの時はどうなる?
  3. 3:ママのストレスも2倍になるの?
    • 育児に対するイライラは2倍?
    • パパの手助けも2倍必要?
  4. 4:双子育児ならでは、喜びも2倍にする方法とは
    • お世話が2倍、完璧は目指さない
    • 同じ悩みをもつ同士を探そう
    • 社会資源を上手に利用する
    • ママの感情が子供の感情にも影響する
  5. まとめ

1:双子の世界を覗いてみよう

双子には2通りある

双子は一つの受精卵が二つに分かれた一卵性双生児と、二つの卵子と精子が受精して出来た2つの受精卵の二卵性双生児があります。
一卵性の双子はもともと同じ受精卵が分裂し、成長したものなので性別や血液型は同じです。
二卵性の双子では、違う受精卵である為、異性の組み合わせもあり、血液型も同じ場合と違う場合があります。 ※1 

世の中の双子、どう見られている?

近年、二人以上の赤ちゃんが生まれる多胎出生数は少しずつ増加し、現在では年間出生時の約50人に1人が多胎児とされています。
年間に出産する母親のおよそ100人に1人が多胎児を出産していることになるのです。
多胎妊娠の原因には注射による排卵誘発剤や、体外受精などの不妊治療が一般的に普及してきたことにあるとされています。

また、双子の不思議な特徴には、一人が涙を流すともう一人にもその現象が伝わったり、2人の寝る姿勢が一致していたりすることなどがしばしば挙げられます。
この現象は遺伝や環境、感情の伝染などが原因として考えられるものの、未だ解明されていない多くの不思議に包まれ、学術研究の対象にもなっています。 ※1、※2、※3

 

※1 一般社団法人 日本多胎支援協会 多胎児家庭の育児支援に役立つ図と表
https://drive.google.com/file/d/0B2WlVNsbS3AXOFBJa3pRdTRfMVU/view
※2 安藤寿康著 2017年9月発行 「心は遺伝する」とどうして言えるのか:ふたご研究のロジックとその先へ 創元社
※3 東京大学教育学部附属中等教育学校編 2013年5月発行 ふたごと教育: 双生児研究から見える個性 東京大学出版会

2:双子の育児は辛さが2倍!

すべてが2倍になるお世話

双子育児のお世話は授乳もオムツ替えもお風呂も、すべて二人分行うことになります。
授乳では、一人の赤ちゃんが欲しがって泣いていても、もう一人は寝てしまっていた、ということもあります。
いつも同じタイミングで双子に授乳ができるというわけではないのです。
オムツ交換のタイミングも、双子だからといって、同じわけではありません。
さらに赤ちゃんがハイハイをするようになると、一人のオムツを変えている間に、もう一人の赤ちゃんはどこで何をしているか分かりません。
ほんの少し目を離したすきに危険な場所に近づく可能性もあるため、何倍も注意する必要があります。
また、赤ちゃんは母乳やミルクなどの吐き戻しや排せつ物の付着など、肌着を汚すことも多くあります。
ただでさえ赤ちゃんの洗濯物は多くなりがちですが、双子の場合は山のようになりますし、当然ながら衣服代も2倍かかります。

しかし、双子がそろって哺乳瓶を吸っている姿や、お揃いの服を着た姿、まったく同じ格好で寝る姿、双子そろってのヨチヨチ歩き、両脇からのママの取り合いなど、その可愛さは双子だからこそ。
手間やコストが2倍でも、可愛さや愛おしさは何倍にもなるものなのです。 ※4、※5、※6

お出かけの時はどうなる?

お出かけの場合、オムツだけでも持ち歩く量は2倍です。

また、哺乳瓶や汚れた時用の着替えなども、すべて2倍。

こんなにあっても……と思いながらも、万が一の時に足りなくなったら、困ります。

双子を乗せたベビーカーを押しながら、肩に乗せた大きな荷物には二人分の赤ちゃんの荷物。

おでかけが億劫になってしまうママもいるかもしれません。

また双子の横型ベビーカーは、双子が仲良く並んで乗るので横幅が広くなっています。

そのため駅の改札が通れなかったり、スーパーのレジも狭い所では通行できないため、不便も多いです。

しかし、お出かけは赤ちゃんも刺激を受け、発達によい影響がありますし、双子のおでかけは可愛いので、それだけでも注目の的。

無理のない範囲でのおでかけを楽しみましょう。 ※4、※5、※6

※4 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※5 奥井亜輝 2016年11月発行 この1冊で安心! 双子育児の乗りこえ方―乳児期から3歳までのお悩み相談Q&A ごきげんビジネス出版
※6 関和男監修 2014年1月発行 最新版 双子&三つ子ママの妊娠・出産・育児(たまひよ新・基本シリーズ) ベネッセコーポレーション

3:ママのストレスも2倍になるの?

育児に対するイライラは2倍?

双子の育児は、生まれた瞬間から始まります。
一人の授乳が終わって眠っても、もう一人の授乳がすぐに始まってしまう、そんな毎日が始まってしまうのです。
ママは睡眠不足で疲労が溜まり、溜まった疲労はストレスとなります。
例え産まれた赤ちゃんが二人でも、ママの腕は一人分しかないのです。
双子の育児は一人の育児と違い、労力は全て2倍以上です。
赤ちゃんが一人の授乳でも、初めの頃はどのママもそつなく授乳をしているわけではありません。
飲んでくれない赤ちゃんにイライラしたり、泣いたからといって授乳を始めたらすぐに寝てしまい、抱っこから降ろすとまた泣いたりと、なかなか赤ちゃんは思う通りに授乳を終わらせてくれません。
これが双子になると、同じような事が2回繰り返されるのです。
例え一人の授乳がすんなりと完了しても、二人目は授乳に時間がかかったり、こまめに飲む子の場合、ママにとっての授乳時間はとても長時間になってしまうのです。
さらに一人に授乳している間、もう一人が空腹で泣くこともあります。
しかもこれは日中だけの話ではありません。
産まれたばかりの赤ちゃんへの授乳は、まさに24時間体制、ママのストレスは何倍にもなり得ます。※7

 

子育てのストレスについての詳しい内容はを、子育てストレス解消法!子育てにイライラしたその時は…ご覧ください。

 

パパの手助けも2倍必要?

赤ちゃんを授かった女性は、定期的に産婦人科へ通いながら、お腹の中の赤ちゃんの成長を見守ります。
時には赤ちゃんの動きを感じたり、皮膚の上から見えた赤ちゃんの足や手に感動したりします。
日々大きくなっていく双子に、不安と嬉しさを抱えながら、陣痛を乗り越え、赤ちゃんと対面してママになります。
しかし、パパはどうでしょう。
妻の妊娠中から、双子のいる生活をイメージしていたでしょうか。
パパもまた、赤ちゃんが生まれたばかりの時は新米パパです。
パパはミルクをあげたこともなく、オムツをかえたこともないのです。
妻が入院し、ママになっていく練習をしている間、パパはパパになる練習が十分にできてないことが多いでしょう
ママは双子の赤ちゃんのお世話をしながら、パパに何をしてもらえば助かるのかを、一つひとつお願いしていく必要があるのです。
また、家事においても同じことが言えます。
普段から料理や掃除、洗濯を率先してやる夫はまだ少ないためか、子供が生まれたからといって夫が家事を手伝うのは当たり前だということには、なかなかなりません。
家事も育児と同じで、今までやったことがなければ、一つひとつ説明する必要があります。
洗濯を頼むなら、洗剤はどこか、洗剤の適量、洗濯物の干し方、取りこむ時間、しまい方など、細かく説明することもあるでしょう。
双子の世話に追われ、パパに細かくお願い事を伝えるというのはママには大きなストレスとなります。
一人の場合はまだ、ママが赤ちゃんをおんぶしながら家事をすることも有り得ます。
しかし双子の場合は、おんぶと抱っこをしながら出来る家事は無いでしょう
それでも、双子の育児というものは、パパの協力なくしてはありえません。
双子が生まれてからパパに協力をお願いするのではなく、妊娠が分かったその日から、パパにも家事が分担できるよう、準備しておく必要があるのです。 ※1、※5、※6


※5 奥井亜輝 2016年11月発行 この1冊で安心! 双子育児の乗りこえ方―乳児期から3歳までのお悩み相談Q&A ごきげんビジネス出版
※6 関和男監修 2014年1月発行 最新版 双子&三つ子ママの妊娠・出産・育児(たまひよ新・基本シリーズ) ベネッセコーポレーション
※1 一般社団法人 日本多胎支援協会 多胎児家庭の育児支援に役立つ図と表
https://drive.google.com/file/d/0B2WlVNsbS3AXOFBJa3pRdTRfMVU/view
※7 一般社団法人 日本多胎支援協会 多胎育児支援ハンドブック
http://jamba.or.jp/pdf/handbook.pdf

4:双子育児ならでは、喜びも2倍にする方法とは

お世話が2倍、完璧は目指さない

双子のお世話は本当に大変ですが、それはひと時の間だけの事。
生活リズムが整ってくる1歳までを過ぎてしまえば、双子育児も楽になってきます。
例えば、一人遊びができるようになると、双子同士で遊び始めるでしょう。
「双子は2倍以上に可愛い」と思える日が、きっと訪れます。
では、この大変な時期を乗り越えるコツを見てみましょう。
まず、一番大事な事は完璧を目指さないことです。
部屋が多少散らかっていても気にしない、赤ちゃんの周りさえ片付いていれば大丈夫くらいの大らかさを持ちましょう。
授乳でも、毎回哺乳瓶を消毒するのは大変ですから、できるだけ多くの哺乳瓶を用意し、時間がある時にまとめて消毒ができるような工夫も必要です。
また双子なら、同時泣きやぐずりはつきものです。
一人を抱っこしても、もう一人は泣いたままですよね。
こんな時、パパやおばあちゃんがそばにいれば「抱っこしてあげて」と、どんどん声をかけましょう。
他にも、ママが「目についた、やってほしいこと」は、どんどん声に出して助けを求めることで、パパやおばあちゃんも、そのうち当たり前のように手を貸してくれるようになります。
パパには、病院や自治体などで行う、多胎向けの両親学級に参加してもらい、育児について一足先に勉強しておいてもらうのもよいでしょう。
すると、実際にどのようなお世話があるのかも理解でき、育児分担の話し合いもしやすくなります。
パパが家にいることが少ない場合は、乳児の間だけでも思い切ってベビーシッターさんをお願いするのもよいでしょう。
コストはかかってしまいますが、ママが倒れてしまっては、元も子もありません。
今だけと割り切って、ママが少しでも身体を休める時間を作れるようにしましょう。
また、育児の便利グッズもどんどん使ってみましょう。
おしゃぶりを咥える事で赤ちゃんが安心して泣き止むこともありますし、バウンサーは揺れの心地よさにそのまま寝てくれることも。
月齢にあった音の鳴る玩具などは興味を持つことも多く、ご機嫌になるアイテムの一つです。
しかし、どんなにあやしても泣き止んでくれず、寝てくれないこともあります。
こんな時はもう「仕方がない」と諦めることも必要です。
ママは自分を責めなくてよいのです。
「双子なのだから仕方ない」と、自分の頑張りを認めてあげることも大切なのです。  ※6

同じ悩みをもつ同士を探そう

子育ての支援は広がりを見せ、全国でもいろいろな地域で子育てサークルが活動し、自主的なサークルや行政のサークルなど、多胎児のための育児サークルも増えてきました。
このような多胎児サークルには、多胎児特有の悩みなどを共有できる仲間を求めて参加されていることが多いようです。
双子育児は、双子の育児をしている人にしか、本当の辛さは分かりません。
二人の赤ちゃんを連れて外に出るのはちょっと億劫かもしれませんが、いざ多胎児サークルに行ってみると同じ悩みをもつママに出会えて励みになることがあります。
また先輩双子ママからは、アドバイスがもらえたりすることもあるでしょう。
双子の出産、育児はとてもうれしいことの反面、大変な事も多く、また身近に同じような立場の人は少ないため不安やイライラが募りがちです。
先輩双子ママの情報からは、実体験で子育てに役立つものだけではなく、心の持ち方や双子育児の楽しさなどを、教えてもらうことができるかもしれません。 ※7

社会資源を上手に利用する

ピアサポートという言葉を知っていますか?
これは、同じ経験をした仲間同士の支え合いという意味です。
妊娠中から乳児期の、双子や三つ子などの多胎児を育てている家庭を訪問し、当事者同士が寄り添い支え合う活動をしている多胎児支援を、ピアサポートといいます。
多胎の妊娠は母体にも負担が大きく、嬉しさとともに大きな不安も抱えがちです。
ピアサポートでは、妊娠中からもこのような不安に対し、同じ多胎児を育ててきた仲間からの共感の言葉をもらうことが出来ます。
同じ経験をした仲間同士がお互いを支え合うこの活動は、一般的な子育て支援では満たされず疎外感を感じていた多胎児ママの情報交換や、サークル活動紹介の場ともなり、引きこもりがちな多胎児家庭と地域との橋渡しにもなっています。 ※7

【大事なのは…】

ママの感情が子供の感情にも影響する

双子の一人が泣き出すと、もう一人の子ももらい泣きをすることがあります。
周りで誰かが泣いていると、その理由や状況が分からなくても乳幼児に悲しみが伝染してしまうのです。
赤ちゃんにとって、お世話をしてくれるママは最も身近な存在であり、赤ちゃんはママの影響を強く受けます。
つまり、ママが感じているイライラは一人の赤ちゃんに伝わり、またもう一人の赤ちゃんへも伝わっていきます。
双子が健やかに元気に育つためには、ママの優しい笑顔で、双子の気持ちを安定させてあげることが大切です。
ママが笑顔でいると、子供の顔にも笑顔が表れてきます。
忙しくて大変な双子育児だからこそ、ママは息抜きをする時間を作り、笑顔の時間を増やすようにしましょう。
短い時間でもホッと一息つくだけで気が休まるものです。
時には、双子を預けて身軽にお出掛けを楽しんでもよいのです。
双子と離れる時間を持つからこそ、双子への愛が深まることもあります。 ※1、※5

 

※5 奥井亜輝 2016年11月発行 この1冊で安心! 双子育児の乗りこえ方―乳児期から3歳までのお悩み相談Q&A ごきげんビジネス出版
※6 関和男監修 2014年1月発行 最新版 双子&三つ子ママの妊娠・出産・育児(たまひよ新・基本シリーズ) ベネッセコーポレーション
※1 一般社団法人 日本多胎支援協会 多胎児家庭の育児支援に役立つ図と表
https://drive.google.com/file/d/0B2WlVNsbS3AXOFBJa3pRdTRfMVU/view
※7 一般社団法人 日本多胎支援協会 多胎育児支援ハンドブック
http://jamba.or.jp/pdf/handbook.pdf

まとめ

双子の赤ちゃんのお世話は、単純に考えれば、一人の赤ちゃんの2倍。
そこだけに注目してしまうと、大変さも2倍、ママのストレスも2倍と感じてしまうでしょう。
双子の赤ちゃんがいる家庭は、全国に1万件以上。
どこのママもみんな、大変さの中に自分なりの楽しさを、見つけているのかもしれません。
ほんの少し肩の力を抜いて、「何とかなるさ」と割り切れれば、赤ちゃんから返ってくるものも2倍。
ママの喜びも2倍になれるよう、双子育児を乗り切りましょう!

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