子供の貯金・預金いくら貯める?口座の名義はどうする?

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子供の将来のために、赤ちゃんの頃から貯金を始めたいという方も多いのではないでしょうか。
出産祝いやお年玉、児童手当などをそのまま貯金したり、まとまった金額を子供用の貯金として確保しておいたりと、子供用の貯金をするためには専用口座を持つ方が管理がしやすいものです。
今回は、子供用の貯金はいつからいくら貯めるのか、またその貯め方やメリットデメリットについてご紹介いたします。

目次

  1. 子供のための貯金、いくら必要?いつからどう始める?
    • 子供の貯金はいくら必要?
    • 子供の貯金はいつから始める?
    • 子供の貯金は何で貯めるか
  2. 普通預金や定期預金で貯めるなら、親名義、子供名義、どちらを選ぶ?
    • 自動積立定期なら強制的に積み立てられる
    • 子供貯金の名義はどちらも可能
    • 親名義のメリットデメリット
    • 子供名義のメリットデメリット
    • 贈与税について
  3. 子供名義の通帳の作り方と銀行選びのポイント
  4. 投資や運用を考えるなら、学資保険、ジュニアNISA、個人向け国債も
    • 学資保険
    • ジュニアNISA
    • 個人向け国債
  5. 毎月何でいくら貯めるかは、将来設計から考える
  6. まとめ

子供のための貯金、いくら必要?いつからどう始める?

子供の貯金はいくら必要?

子育て、特に教育にはお金がかかります。
子育て費用、実際にかかる費用は?無理のない貯め方は?

の記事でもご紹介していますが、子供が大学生になるまでに必要な子育て費用は、2000万円とも3000万円とも言われています
この中でも教育費は大きな出費です。
必要となる教育費の額は、公立か私立かの選択によって大きく異なるため、どのような進路を選択し、どれだけ教育費にかけるかを早めに考え、必要な貯蓄額を算出しておきましょう。
先述の記事でもご紹介していますが、中学校から大学まで私立を選択すると年間の教育費は中学は約1,340,000円、高校・大学は約1,000,000円とされています。

子供の貯金はいつから始める?

年齢が上がるにつれ教育費の負担が重くなるため、子供のための貯金は、早めに備えたほうがよいと言われています。
子供が産まれたら、出産祝いやその後の成長のお祝い、毎年のお年玉など頂いたお金の使い道として、貯蓄を検討する方も多いのではないでしょうか。
また、0歳から毎年支給される児童手当を子供の将来のために貯蓄する方も多く、乳児期から子供の貯金は始められると言えます。※1

 

子供の貯金は何で貯めるか

子供のための費用を準備する選択肢としては、貯金をする方法以外にも、学資保険へ加入する、終身保険へ加入する、ジュニアNISA、個人向け国債などを活用する方法があります。
学資保険の加入率は約6割という調査結果もあり、10歳未満の子供がいる半数以上のご家庭で加入していることがわかります。※2
また、2016年にスタートしたジュニアNISAの口座開設数も年々増加しており、注目を集めています。※3
しかし、このように特別な金融商品に加入せずとも、普通預金の口座にコツコツ貯金をしていくという方も多いのではないでしょうか。
小学校中学年の約65%が自分の口座を持っているという調査もあり、子供名義で口座を開設しているご家庭も多いことがわかります。※4
子供のための貯金の選択肢について、詳しくご紹介します。

※1 「平成24年児童手当の使途等に係る調査」の結果を公表/厚生労働省/2019年2月25日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000013247.html
※2 学資保険に関する調査/NTTコム リサーチ/2019年2月25日現在
https://research.nttcoms.com/database/data/001583/
※3 ジュニアNISA口座開設・利用状況調査結果 (平成28年12月31日現在)について/日本証券業協会/2020年01月06日現在
http://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/files/nisajoukyou/jr_nisa10.pdf
※4 「子どものくらしとお金に関する調査」(第3回) 2015年度調査/知るぽると 金融広報中央委員会/2019年2月25日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/kodomo_chosa/2015/pdf/15kodomo.pdf

普通預金や定期預金で貯めるなら、親名義、子供名義、どちらを選ぶ?

自動積立定期なら強制的に積み立てられる

銀行口座には、普通預金や定期預金、自動積立定期預金などの種類があります。※5
子供のために貯金をする場合、家庭でルールを決めて自分で入出金をして普通預金に貯蓄をする方法や、まとまった金額を定期預金で貯蓄をする方法、毎月自動で決められた金額を定期預金で貯蓄していく方法などが考えられます。
定期預金ならば、満期まで出金しづらいため貯まりやすいメリットがありますが、長期間の定期にした場合には、子供の急な出費で使いたいという場合に使えないなどのデメリットもあります
費用の用途別に普通預金と定期預金を併用するなど、複数の方法を検討したほうがリスクが少ないとも言えそうです。

 

子供貯金の名義はどちらも可能

普通預金の場合も定期預金の場合も、銀行口座は、親名義の銀行口座に子供用の貯金として貯めておくか、子供名義の口座を開設し貯めておくかのどちらかになります。
それぞれメリット・デメリットがありますので、貯金の目的と期間を考慮して選ぶとよいでしょう。

 

親名義のメリットデメリット

子供の将来のための費用を親名義の口座で管理する場合、長期にわたり入出金しやすいというのが最大のメリットです。
子供に必要な費用は、教育費や結婚資金など大きなものばかりではありません。
進級の際の学用品の購入や、塾や習い事関連の出費など、不定期で急に必要になった数万円の出費の際にも、出金することができます。
親名義であれば、子供が成人した後も親が入出金を管理できるため、大学生活の仕送りや、結婚準備金など用途ごとに必要な費用を渡してあげることもできます。
また、子供の人数が増えると、子供ごとの口座では均等に貯金できない場合もあるでしょう。
親名義で子供用の貯金として貯蓄しておけば、必要な時に子供の人数に応じて分配できる点もメリットです。
ただし、入出金しやすいため、子供のためと親が自己管理ができないと生活費として使ってしまいやすい点がデメリットとなります。
また、子供に資金を渡す際、贈与税がかかる可能性もあります。※6

 

子供名義のメリットデメリット

子供名義の銀行口座を開設してあげたいという方もいらっしゃるでしょう。
子供名義の口座を開設しお年玉など頂いたお祝いや児童手当を入金したり、毎月決まった金額を貯蓄していくことで、生活費と区別しやすく貯まりやすいメリットがあります。
子供のための資金という意識が高まり、親は生活費としては使いづらくなります。
保険商品などと違い、家計状況に応じてある程度柔軟に入出金出来るのもメリットです。
ボーナスが多かったから少し多めに子供の口座に入金しておく、少しまとまった教育費が必要になり出金するなどというように、柔軟に入出金出来るのです。
しかし、子供が成人した以降は、子供の委任状がないと出金できなくなってしまう銀行もあります。※7
また、子供名義の口座であっても贈与税が課税される場合もあります
贈与税が課税されるか非課税かについては、次にご紹介します。

 

贈与税について

子供の貯金には贈与税が課税されますが、基本的に、贈与税は年間110万円までは非課税です。※8
また、2019年現在、結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度が、期限付きで実施されています。
1人あたり累計1,000万円まで(結婚資金は300万円まで)が非課税となっています。※9
非課税にするためには、取り扱い金融機関で専用口座を開設し領収書などを提出するなどの手続きが必要です。※10

※5 円預金(お金をためる・ふやす)/三菱UFJ銀行/2019年2月25日現在
https://www.bk.mufg.jp/tameru/yen/index.html
※6 No.4402贈与税がかかる場合/国税庁/2019年2月25日現在
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
※7 委任状について(各種お申込み・お手続き)/ゆうちょ銀行/2019年2月25日現在
https://www.jp-bank.japanpost.jp/tetuzuki/ininjo/tzk_inj_index.html
※8 No.4402贈与税がかかる場合/国税庁/2019年2月25日現在
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm
※9 No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税/国税庁/2019年2月25日現在
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4511.htm
※10 普通預金(結婚・子育て資金贈与非課税口)<はぐくむ想い>/三井住友銀行/2019年2月25日現在
https://www.smbc.co.jp/kojin/kekkonkosodate/

子供名義の通帳の作り方と銀行選びのポイント

メガバンクなどで子供名義の口座を開設し通帳を作るには、銀行によっては窓口での受付となります。
本人確認資料のほか、親子を証明する健康保険証や母子手帳などと印鑑を持って窓口で手続きします。※11
ネット銀行であれば、窓口に行かず、印鑑などを準備しなくても子供用口座が開設できる銀行もあります。※12
しかし、一部の銀行では、15歳以上でないと開設できないなど子供口座の開設に年齢制限がかけられているところもありますので、よく確認をしておきましょう。※13
口座を開設する銀行を選ぶ際には、入出金や口座維持に手数料がかからない銀行にするのがおすすめです
親のメインバンクと同じ銀行にする、そもそも入出金に手数料がかからない銀行を選ぶなど、使い勝手の良い銀行を選びましょう。

※11 子どもの口座を開設したいのですが。(よくあるご質問)/三井住友銀行/2019年2月25日現在
https://qa.smbc.co.jp/faq/show/1945
※12 子供名義の銀行口座開設/楽天銀行/2019年2月25日現在
https://www.rakuten-bank.co.jp/account/jyoshi/baby/
※13 預金口座取引一般規定/ジャパンネット銀行/2019年2月25日現在
https://www.japannetbank.co.jp/regulation/agreements.html

投資や運用を考えるなら、学資保険、ジュニアNISA、個人向け国債も

学資保険

子供のための貯金、いくら必要?いつからどう始める?の章でもご紹介しましたが、子供のための貯金として学資保険に加入する方は多いです。
学資保険は、子供の進学・進級に合わせて保険金を受け取れるよう設計された商品です。
高校や大学の入学時や大学在学4年間など事前に決めたタイミングで、掛け金に応じてお祝い金や保険金を受け取れます。
貯蓄できるだけでなく、保険商品ですので、親が死亡した場合には支払い免除となり、満期の保険金は受け取れるというメリットがあります
しかし、途中解約をしたり、商品の内容によっては返戻率が100%を割る場合もあるので注意が必要です※14※15
教育資金としての貯蓄になるので、他の用途に使用できない点はメリットにもデメリットにもなると言えます。

 

ジュニアNISA

2016年に開始した制度「ジュニアNISA」も子供の貯金を投資運用する際には有力な選択肢となります。
0歳~19歳を対象とする少額投資非課税制度で、上場株式の配当などが年間80万円分まで、最長5年間非課税となります。
0歳でも口座を開設することができるので、まとまった資金を準備できていて、子供名義で運用したい方には非課税という大きなメリットがあります。
ただし、原則として18歳までは払い出し不可、一度口座を開設してから別の金融機関に変更する場合には開設済みの口座を廃止する必要があるなどの制限があります。
ジュニアNISAは2023年までの制度ではありますが、新規の投資を行わず既に運用しているものに関しては20歳になるまで非課税が適用されることになっています。
また、20歳以降には子供名義のまま通常のNISA口座に移行するため、そのまま子供へ渡してあげることができるのです。※16※17

 

個人向け国債

子供名義の銀行口座を開設した場合や、親名義でも子供貯金専用の銀行口座を持っている場合には、その銀行口座で個人向け国債を購入することも可能です。
個人向け国債は、元本割れの心配がなく、銀行の預金よりは高い金利が設定されているため、少額でも確実に運用したいという場合にはおすすめです。※18
1万円から購入可能で、期間は3年・5年・10年があり、子供の貯金の目的に応じて選択できるので購入しやすい商品です。
つい使ってしまうということも少ないので着実に貯金したい方向けと言えそうです。

※14 学資保険 はじめのかんぽ/かんぽ生命/2019年2月25日現在
https://www.jp-life.japanpost.jp/products/lineup/gaksi/prd_lu_gks_index.html
※15 学資金準備スクエア/ソニー生命/2019年2月25日現在
https://www.sonylife.co.jp/gakushi/
※16 用語集(NISA関連用語)/金融庁/2019年2月25日現在
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/knowledge/glossary/index.html#tab12-9
※17 ジュニアNISAとは/金融庁/2019年2月25日現在
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/junior/overview/index.html
※18 個人向け国債/財務省/2019年2月25日現在
https://www.mof.go.jp/jgbs/individual/kojinmuke/index.html

毎月何でいくら貯めるかは、将来設計から考える

子供のための貯金には、いくつもの選択肢があります。
まずは、子供の将来を考えていつまでにいくら貯めるか検討しましょう。
その上で、毎月どこからいくら貯めるかを考えると、どのような選択肢がよいか検討しやすくなるはずです。
また、子供のための貯金を、どこまで用意してあげる予定かもポイントです。
教育費のみであれば、大学卒業までの期間、基本的には親が管理する資金ということになります。
子供の貯金で、結婚資金や結婚後の住宅購入の資金、子育ての費用も準備するのであれば、その費用は子供が自分で管理することになる資金です。
目的ごとに、どのようにいくら貯めていくか考えておくことで、贈与税などの対策にもつながります。

ある程度まとまった金額が準備できる場合には、定期預金や運用型の貯蓄方法も検討できるでしょう。
給与などから毎月自動で積み立てをしたり、児童手当やお祝いなど資金が入ったタイミングで入金したり、家計に余裕があるときに貯蓄口座に移しておいたりといった使い方を想定する場合は、専用の銀行口座を開設しておくことになります。
銀行口座は、親名義でも子供名義でもそれぞれメリットデメリットがありますので、よく考えて開設しましょう。

 

まとめ

子供のための貯金は、使用用途ごとにいくつかに分けておくとリスク分散にもなります。
子供の人数が増えた場合にも対応できるか、急な出費が必要な時対応できるかなど、家庭ごとの状況を踏まえて、考えてみてはいかがでしょうか。
パパママでしっかりと話し合いをして認識をあわせておくことも大切です。
子供の将来と、必要な費用について話し合いの機会を持ってみてはいかがでしょうか。

 

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