子供にピアノを習わせたい!赤ちゃんから始められる?月謝・費用は?
子供の習い事として人気の高いピアノ。
音楽そのものの楽しさはもちろんのこと、繰り返し練習して弾けるようになる達成感や、日ごろの練習の成果をステージでお披露目できる喜びなど、子供に豊かな経験をさせてあげることができます。
子供の才能を開花させるために赤ちゃんのうちから始めさせたいと、考えている方もいるのではないでしょうか。
今回は、子供がピアノを習う際のメリット、時期、費用、注意点について紹介します。
目次
- 子供の習い事にピアノを選ぶ5つのメリット
- 子供の習い事にピアノを選ぶ5つのメリット
- 心・感性を豊かにする
- 音楽の基礎が身につく
- 達成する喜びを体験できる
- 脳の発達に好影響を与える
- 一生の趣味・特技・生きがいになる
- 子供の習い事のピアノ、赤ちゃんから始められる?
- 赤ちゃんはおもちゃのピアノに親しむことから
- 歌やリズムで音楽の楽しみを知ろう
- 習い事としてピアノレッスンを始めるのは何歳ごろ?
- ピアノを習い事にするとかかる月謝・費用は?
- レッスンの月謝・教材費
- 練習用ピアノ
- 自宅の練習環境
- 発表会
- コンクールやグレード試験
- ピアノを習い事にするときの注意点
- 子供が楽しんでいるか?
- 自宅の防音対策は万全か?
- どれだけお金をかけるか?
- まとめ
子供の習い事にピアノを選ぶ5つのメリット
子供の習い事にピアノを選ぶ5つのメリット
お父さんお母さんにピアノの経験がある場合、自然と「自分が習って良かったからぜひ子供にも」と考えるかもしれません。
でも、ピアノを経験していない家族にとっては、ピアノを習うとどんなメリットがあるのか、いまいちピンとこないかもしれません。
まずは子供の習い事にピアノを選ぶ5つのメリットを確認しておきましょう。
心・感性を豊かにする
子供の人生を豊かで実りあるものにしてあげたいなら、読み書きや英語などの学力を伸ばす教育だけでなく、感情や情緒を育む情操教育が大切です。
ピアノのような芸術分野の習い事は情操教育の代表格です。
音楽の基礎が身につく
ピアノは、88の鍵盤で高音から低音まで幅広い音域をカバーしていて、メロディーと伴奏を同時に演奏できる楽器です。
言わば「一人オーケストラ」であり、音楽の基礎を総合的に学ぶのに最適な楽器です。
ピアノの演奏技術そのものだけでなく、音階の読み方や、ト音記号、シャープといった記号を覚えて楽譜を読む力、メロディーと伴奏の関係を理解して表現する力などが育まれます。
達成する喜びを体験できる
多くのピアノ教室は、練習の成果を披露する発表会を開いています。
また、ある程度弾けるようになれば、コンクールやグレード試験といった腕試しの機会もあります。
発表会やコンクールなどの目標ができると、中途半端な状態で本番を迎えるわけにはいかなくなりますから、子供は普段以上に真剣にピアノと向き合うようになります。
練習で上手く弾けなくて悔しい思いをしても、途中で投げ出すわけにはいきません。
小さなハードルを乗り越えることで子供は「練習を重ねれば上達できる、やればできるんだ」と身をもって理解します。
ピアノで「達成する喜び」を体験できることは、子供の心の成長に役立ちます。
脳の発達に好影響を与える
近年の脳科学では、脳の前頭前野で作られる人間性の能力=HQ(人間性知能)が注目されています。
そして、学習系やスポーツ系などさまざまな習い事をしている子供たちを比較したとき、ピアノを習っている子供のHQが突出しているというデータがあります。※1
一生の趣味・特技・生きがいになる
年齢を問わず演奏できるピアノは、一生の趣味になります。
音楽を楽しんだり、ピアノを通じて知り合うさまざまな人たちと関わったりすることで、子供の長い人生を生きがいがあり豊かなものにしていけます。
また、「芸は身を助ける」という言葉があるように、ピアノが弾けるという特技が大人になってから以外な場面で役立つこともあるかもしれません。
※1:「今こそ音楽を!第3章 脳科学観点から~澤口俊之先生インタビュー(1)」一般社団法人全日本ピアノ指導者協会
http://www.piano.or.jp/report/04ess/livereport/2015/07/29_20010.html
子供の習い事のピアノ、赤ちゃんから始められる?
我が子にピアノを習わせよう!と決めたら、まず考えるのは「いつから習わせればいいのか?」ということではないでしょうか。
一般的にピアノレッスンというと楽譜を見て実際に弾く様子を思い浮かべるかもしれませんが、そこにたどり着くまでには子供の成長に合わせたいくつかのステップが必要です。
赤ちゃんはおもちゃのピアノに親しむことから
まず、赤ちゃんのうちはご家庭でおもちゃのピアノで遊んで、ピアノへの興味を育むことから始めましょう。
本格志向の親子には楽器メーカーの製品がおすすめです。
グランドピアノをそのまま小さくしたおもちゃのピアノは、見た目はもちろんのこと、正確な音程や弾きやすさが魅力です。
また、赤ちゃんの興味を引くおもちゃらしさを重視するなら、キーボードタイプが適しています。
アニメや絵本で人気のキャラクターがデザインされていたり、複数の音やリズムが内蔵されていたりするので、遊び方の幅が広がります。
歌やリズムで音楽の楽しみを知ろう
おもちゃのピアノで赤ちゃんの興味が赴くままに遊ばせていると、「家庭ではできないことも経験させてあげたい」と思うかもしれませんね。
子供の音楽体験を広げてあげたいときは、音楽教室の幼児向けクラスを検討してみましょう。
大手音楽教室では1歳から参加できるレッスンがあります。
歌に合わせて体を動かしたり、親子で一緒に打楽器でリズム遊びをしたり、絵と音楽を一緒に楽しんだりと、子供が音楽の楽しみを体感しながら知っていけるプログラムが用意されています。
このように音楽に親しむことで、音を聞き分ける力やリズム感などが養われ、本格的にピアノを弾くための素地が形成されていくのです。※2
習い事としてピアノレッスンを始めるのは何歳ごろ?
では、実際にピアノに触れるレッスンは何歳から始めればいいのでしょうか。
大手音楽教室の中には「ピアノは4歳から」と提案しているケースもあります。
※3
これは一つの目安になりますが、必ずしも4歳という数字にとらわれず、子供の心身の発達度をしっかり把握してから判断することが望ましいでしょう。
目安の一つ目は、子供にピアノの鍵盤を押せる力がついているか、という点です。
当然ですがピアノを弾くには鍵盤を無理なく押せる力が必要です。
手指が未発達なうちにピアノレッスンを始めてしまうと、子供が苦痛に感じてピアノを楽しいと感じられないおそれもあります。
そして目安の二つ目は、子供が数十分のレッスンに集中できるか、という点です。
習わせるのが早すぎて、ピアノの前に座り続けることができないようでは、効果的なレッスンとは言えませんし、子供も親もストレスがたまってしまうでしょう。
子供の成長に応じて、楽しんで取り組める時期を見つけてあげましょう。
※2:ヤマハ音楽教室 コース紹介「ぷっぷるくらぶ ドレミらんど」
https://www.yamaha-ongaku.com/music-school/puppleclub/doremiland/
※3:カワイ音楽教室コース紹介「4歳からのピアノコース」
https://music.kawai.jp/piano/
ピアノを習い事にするとかかる月謝・費用は?
子供に習い事をさせるなら「どれくらいお金がかかるのか」ということも気になる点です。
ピアノを習い事にするとかかる一般的な費用について紹介します。
レッスンの月謝・教材費
大手音楽教室のレッスンの月謝や教材費などは次の通りです(2018年12月現在)。
4〜5歳児を対象にグループレッスンから始められる音楽教室では、月謝は6,000円程度です。
教材費は、入会時や半年ごとに5,000〜8,000円程度で、このほかに入会金や施設費が必要になる場合もあります。※4
4歳児を対象にピアノの個人レッスンを行う音楽教室の場合、東京都内では月謝は7,000円が相場です。
このほか、教材費や入会金も必要になります。※5
練習用ピアノ
ピアノを習うなら自宅に練習用ピアノが必要です。
家庭に設置しやすいのはグランドピアノよりも幅をとらないアップライトピアノで、国産の製品を新品で購入する場合60万円前後からが目安です。
中古ピアノや電子ピアノを選べば、予算を抑えて購入することができます。※6、※7
購入前に気をつけたいのは、教室の方針によっては電子ピアノやキーボードの使用をすすめていないという点です。
特にキーボードは、弱い力でも鍵盤を押すことができるため、子供が自宅の練習ではスラスラ弾けるのに教室のピアノは重くて弾けない、ということがよく起こるのです。
自宅にピアノを用意できない場合、電子ピアノやキーボードで代用してもいいのか、教室に事前に確認しておきましょう。
自宅の練習環境
近隣への音漏れや練習時間を気にせず、いつでもピアノを練習できる自宅環境を整えるなら、防音への配慮が必要です。
アップライトピアノの場合、床に防音マットを敷いたり、壁との間に防音パネルを設置したりすると効果的です。
室内のスペースに余裕があれば、ピアノの練習専用に防音室を設けてしまうという方法もあります。
アップライトピアノが設置できるユニット式簡易防音室の価格は、70万円程度からとなっています。※8
発表会
多くのピアノ教室では練習の目標となる発表会が開かれ、毎月の月謝とは別に発表会の参加費が徴収されることがあります。
参加費は、発表会の規模、会場、装飾、プロによる撮影の有無などによって異なります。
また、参加費とは別にステージ用の衣装などを用意する費用も必要です。
コンクールやグレード試験
ピアノの世界では国内外でさまざまなコンクールが開催されています。
テクニックや表現力を追求して演奏のレベルアップを目指すなら、コンクールに出場して腕を磨くことになります。
一例を挙げると、世界でも最大級ピティナ・ピアノコンペティションの場合、未就学児童はソロ部門のA2級に参加可能で、参加費は9,000円です。
年齢が上がるごとに参加費は上がり、D級(中学2年生以下)で13,000円、F級(高校3年生以下)で15,000円です。※9
また、コンクールに向けて追加のレッスンを受けたり、コンクール対策としてより専門的な先生に指導をお願いしたりするなら、追加のレッスン料が必要になります。
このほか、ピアノの上達の目標や練習のモチベーションのためにグレード試験を受験するケースもあります。
英語検定や漢字検定のピアノ版というイメージです。
例えば、某音楽振興会の「ピアノ演奏グレード」試験では、最も基礎的なレベルの13級の受験料は1,500円で、上位の級になるほど受験料も上がっていきます。※10
※4:ヤマハ音楽教室 コース紹介「4・5歳児 幼児科」
https://www.yamaha-ongaku.com/music-school/music_school/course_4-5/
※5:カワイ音楽教室
https://music.kawai.jp/search/area/13
※6:YAMAHA 製品情報「アップライトピアノ」
https://jp.yamaha.com/products/musical_instruments/pianos/upright_pianos/index.html
※7:KAWAI 製品情報「アップライトピアノ」
https://www.kawai.jp/product/c/uprightpianos/
※8:株式会社カワイ音響システム 製品情報「ユニット:ライトタイプ」
https://www.kawai-os.co.jp/product.aspx?type=05
※9:ピティナ・ピアノコンペティション 開催概要(2018年度)
https://compe.piano.or.jp/about/regulation.html
※10:ヤマハ音楽振興会 ヤマハグレード 申込み方法
https://www.yamaha-mf.or.jp/grade/register/#t04
ピアノを習い事にするときの注意点
ピアノは子供に音楽の基礎と豊かな経験を与えてくれます。
しかし、親が一歩間違えば、子供がピアノ嫌いになったり、習い続けることが難しくなったりすることもあります。
子供にピアノを習わせる前に、どんな点に注意しておけばいいのでしょうか。
子供が楽しんでいるか?
年齢が低いうちからピアノを始める場合、子供が自分から希望するケースより、親の判断で習い始めるケースが多いでしょう。
親の動機はさまざまですが、ピアノを通じた人間的な成長への期待だけでなく、「自分が習わせてもらえなかったから、子供にはピアノを弾いてほしい」「自分は途中で挫折したので、子供には大成してほしい」など、自分の夢や理想を強く抱いている親もいます。
きっかけは何であれ、結果的に子供自身がピアノを楽しめれば問題ないのですが、親の気持ちが強すぎて、嫌がっているのに無理に続けさせたり、過剰なプレッシャーで追い込んだりすると、子供にとってはつらい思い出になるかもしれません。
もちろん、上達を目指す過程では少々つらくても努力が必要な場面もありますが、「子供自身がピアノを好きで楽しんでいるか」という視点を忘れないようにしましょう。
自宅の防音対策は万全か?
ピアノはレッスン時間だけ練習していても上達しません。
自宅での継続的な練習が欠かせない習い事です。
ピアノを習い始めた子供のつたない演奏は、家族にとっては微笑ましいものですが、近隣の住人も同じように受け止めてくれるとは限りません。
もし騒音だと感じる人がいれば、クレームがついたり、ご近所トラブルの火種になったりするおそれもあります。
アップライトピアノは防音マットや防音パネルを使って近隣への音漏れに配慮して、練習時間も夜間や早朝はなるべく避けるなどの配慮を行いましょう。
また、アップライトピアノに外付けの消音機器を追加すれば、ヘッドホンで音を聞きながら練習することも可能です。
どれだけお金をかけるか?
でも、ご紹介しているように子供の習い事もお金がかかります。
特にピアノは初期投資にお金がかかる習い事です。
中古のアップライトピアノは最低でも数十万円程度かかります。
また、どの習い事にも共通することですが、より高いレベルを目指すほどレッスン費がかかります。
子供の習い事にどれだけお金をかけるか、夫婦で意見が分かれることも珍しくありません。
ピアノでどのレベルを目指すのか、ピアノを習うことに何を求めるのか、という点を家庭内でしっかり確認しましょう。
まとめ
ピアノは人気の習い事だけに、教室や楽器など選択肢が豊富です。
どのレベルを目指すのか、子供にどのようにピアノと向き合ってほしいのか、といった軸をもつことで、後悔のない選択ができるでしょう。