子供の成長についておさらい!こんなに早い!赤ちゃんから幼児まで
久しぶりに会う子供って、ちょっと見ない間にすごく成長していると思いませんか?
ついつい「大きくなったね!」と声をかけたくなることも、多いのではないでしょうか。
でも子供の成長は、体の大きさだけではありません。
たくさんの経験をしている子供は、体力面や精神面でも、大きく成長しています。
ここでは、子供の健全な成長を後押しできるよう、「子供の成長過程」をおさらいしてみます。
目次
- 驚くほどの成長を見せる乳幼児の変化に、ついていけますか?
- 乳幼児とはいつまで?
- ママの変化
- パパの変化、赤ちゃんの変化
- 新生児から乳児へ 子供の成長を再確認!
- 生まれたての赤ちゃんは「新生児」
- 乳児の成長過程を再確認
- 乳児の脳は、まるでスポンジ?
- 乳児から幼児へ 子供の成長を再確認
- 1歳過ぎたら、乳児は幼児へ
- 幼児の成長過程を再確認
- まとめ
驚くほどの成長を見せる乳幼児の変化に、ついていけますか?
乳幼児とはいつまで?
子供のことを知ろうとしたとき、インターネットや育児書などでよく目にする「乳幼児」「乳児」「幼児」という言葉。
それぞれいつ頃を指すのかご存知でしょうか。
「乳児」とは、名前のとおり、主に母乳やミルクを栄養源としている、生後1年くらいまでを指します。
「幼児」とは、生後1年から小学校に入るまでを指します。
個人差はあるものの、一般的には母乳やミルクを卒業し、自分の足で歩き始める頃から始まり、身の回りのことに大人の助けがまだまだ必要な、6歳程度までとされます。
乳児と幼児を合わせて「乳幼児」といいます。
小学校に入ると、もう幼児とは呼ばず、「児童」や「学童」などと呼ばれるようになります。 ※1
ママの変化
日々の生活の中で、子供の成長に驚かされることはもちろん、ママの身体や気持ちにも、様々な変化が起こります。
例えば、妊婦さんからママへの変化。
数か月の「妊婦さん」としての生活から、自分の体は大きく変化しますね。自分の体重は減り、お腹も小さくなりますが、その分、赤ちゃんという大事な存在ができます。
ママは出産したらすぐ、赤ちゃんのお世話が始まりますね。
24時間体制の授乳やお世話で、それまでの生活リズムが激変します。※2
でもそれは、赤ちゃんが元気ですくすく育つために、とても大切なこと。
忙しい合間にも、すやすや眠る赤ちゃんの顔を見て、「ママになった」ことを実感する人も多いでしょう。
一方で、初めての赤ちゃんであれば、「ママ」としての生活も初めてですから、分からないことや不安になることも、色々とあるかもしれません。 ※3、※4、※5
2人目、3人目だったとしても、赤ちゃんは皆同じではありませんから、「この子のママ」は、まだスタートしたばかりです。
大切なのは、育児には「正解」は無いと、気持ちを大きくもつことです。
赤ちゃんが毎日少しずつ成長していくように、ママだって少しずつ「ママとして成長する」と考えましょう。
ところで、最近問題視されている「ワンオペ育児」というものがあります。
ワンオペとは、「ワンオペレーション」の略であり、核家族化や、夫の単身赴任、激務などにより、授乳や食事、おむつ替え、抱っこ、着替え、入浴、寝かしつけなどのお世話、さらに家事や身の回りのことすべてに、一人で対処しなくてはならず、ママが「ひとりで子育てしている状況」になるということです。
体力的にはもちろん、精神的な負担が非常に大きく、子育ての辛さを感じるシーンが多くなります。
そんなとき必要なことは、ママ自身がなるべく休めるように工夫すること、そして家族の協力を得ること。
一番近くにいるパパの存在を、大きく活用することを考えましょう。
パパの変化、赤ちゃんの変化
最近では「イクメン」という言葉があるように、男性も育児に参加しようとする人が増えています。
パパにとっては、傍からママの変化を見る事はあっても、その体力的、精神的な大変さを、自分事として捉えることは難しいでしょう。
ママの変化を見ても、赤ちゃんがいると何がなぜ大変なのか、なかなか理解しにくいのではないでしょうか。
しかし、育児とは、赤ちゃんが生まれたその時から、24時間365日休みなく続く、家族にとっての一大プロジェクトなのです。
その中でもパパは、ママに次いで大きな戦力として期待されるべき存在であり、赤ちゃんの変化をママとに受け入れ、ともに成長していく立場です。
これまで、家事や育児をしたことが無かったパパにも、できることから少しずつ手伝ってもらえるよう、ママから上手く誘導していくことが必要です。※2
例えば、食後の後片付けや洗濯物をたたむなど、ママが家事をしている間に赤ちゃんをあやすなど、1日1つでも良いですから、パパができることを一緒にみつけていきましょう。
そして、パパが何かをしてくれたら、必ず「ありがとう」という言葉を伝えること。
ママがパパに対して「やってくれて当然」という態度を取ると、パパはそこで「パパとして成長する」ことを、辞めてしまうかもしれません。
ママだって、最初は分からないこと、不安なことはたくさんあったはず。
「○○やって」という単なるお願いではなく、一緒に成長するという心構えで、パパを上手く誘導することを考えましょう。
赤ちゃんは、毎日少しずつですが、驚くほどの早さで成長していきます。
その変化を見逃さないよう、赤ちゃんの成長過程を再確認しておきましょう。
※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※2 山本ユキコ 2016年2月6日発刊 出産・育児ママのトリセツ ~「子どもができて妻が別人になりました」というあなたへ 忘羊社
※3 岡野禎治:監修 2017年10月31日 EPDS活用ガイド:産後うつ病スクリーニング法と産後健診での正しい対応 南山堂
※4 保健医療科学 2010 Vol. 59 No. 1 p.51-59 妊産婦の妊娠の状況と抑うつ状態との関連
https://www.niph.go.jp/journal/data/59-1/201059010008.pdf
※5 日本小児保健協会 小児保健研究オンラインジャーナル 第71巻 第3号,2012(343~349) 父親の産後うつ
https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2012/007103/001/0343-0349.pdf
新生児から乳児へ 子供の成長を再確認!
新生児から乳児期にかけての赤ちゃんの変化を見ていきましょう。
生まれたての赤ちゃんは「新生児」
乳児の中でも、産まれてから28日目までの赤ちゃんを「新生児」と呼びます。
頭に「大泉門」と呼ばれる骨のないやわらかい部分があったり、仰向けに寝かせると自然に腕や足の関節が曲がるなど、身体的な特徴が幾つかあります。
乳児の成長過程を再確認
ミルクを飲むことしかできなかった赤ちゃんが、歩けるようにまで成長する乳児期は、あっという間に過ぎていきます。
その成長を、3段階に分けてまとめてみました。 ※1、※6
【生後3か月頃までの変化】
この頃は、空腹になると泣き、満腹になると眠くなるという生理的な刺激による反応が大半を占めます。
自分で自由に動くことはまだできませんが、徐々に動くものに反応して顔を向けたり、そっとうつ伏せにしてあげると、顔を上げられるようになってきます。
また、「把握反射」といって、手に触れたものを反射的につかむ習性がありますので、いろいろな素材のものや、触ると音がするようなもので、さまざまな感覚を試せるようにしてあげましょう。
早ければ、ママの顔を見てほほえんだり、いなくなると泣くといった反応も見られます。※6
【生後半年頃までの変化】
この頃になると、昼夜の区別がつき、まとまった睡眠をとるようになります。
首が据わり、見たい方へ顔を向けられるようになるので、身の回りにあるものを触ろうと手を伸ばし掴もうとします。
掴めると達成感を感じ、掴んだものを口に入れることで、感触を楽しんだりします。
握力もついてくるので、ひっぱったり、振ったりするのも楽しみます。
そして、寝返りも自分でできるようになるため、視界が広がります。
指先も上手に動かせるようになってくるため、徐々に小さなものも、触ったりつまんだりしようとします。
危険なもの、口に入れてはいけないものは、身の回りや床の上には置かないようにし、安全なものも清潔にしておくようにしましょう。※6
また、この頃(目安としては生後5~6か月頃※)に次のような変化があったら、そろそろ離乳食をスタートできると考えられます。
・舌先へ固形食を当てると、押し出そうとする反射(押しだし反射)がなくなった
・食べ物や食事に、興味を示す
・授乳のタイミングが一定になる(4~5時間間隔)
生後5か月前後でこれらの変化が見られたら、体調が良いときを選んで、離乳食を始めましょう。
生後半年頃までは、唇をスプーンで刺激して口を開かせ、スープ状のものを与えます。
この時期は、離乳食の中でもゴックン期と呼ばれる時期です。
1日一さじから始め、様子を見ながら少しずつ増やしていきます。※6、※7
※5~6か月頃:あくまでも目安であり、実際には子供の成長に合わせて開始時期を決めます。
厚生労働省が行った平成27年度乳幼児栄養調査の結果によると、離乳食を生後5か月から開始した人は40.7%に対し、生後6か月から開始した人は44.9%でした。※7
【生後半年から1歳未満までの変化】
この頃になると、首の力がつき、うつ伏せの状態でもしっかりと顔を上げ、お腹を中心にしてくるくると回ったりします。
お座りもできるようになって手が自由に使えるため、片方の手からもう片方の手へ物を持ち替えたり、手に持ったもので遊ぼうとします。
座ることで腰が強くなるので、楽しい音楽を聴くと、身体を動かしたりすることもあります。
簡単なコミュニケーションが取れるようになるのも、この頃です。
欲しいものや気になるものを指さしで伝えてきたり、「ちょうだい」というと手に持っているものを渡してくれたりもします。
たくさん話しかけ、子供が指さししたものに対して「なんだろうね」「これはおはなだね」などと反応をみせてあげるようにしましょう。
そして、このころの一番大きな変化は、ハイハイからつかまり立ち、伝い歩きをすることです。
ハイハイの発達過程は、大きく分けて4つあります。
① 頭を上げてお腹を床につけて、腕の力で進む
② ①に加えて、ひざを曲げ伸ばし、足の蹴る力で進む
③ 両手と両ひざを床に着けて、お腹を浮かせて進む
④ ひざを伸ばし、お尻を上げ、両手と両足指を使って進む
どの段階でも、まだまだ自分で体勢を変えるのは難しいので、疲れていそうだったり、危ない場所では、体勢を変えてあげたり、抱き上げてあげるようにしましょう。※6
ところで、ハイハイからつかまり立ちへと移行する時期は生後8か月前後といわれていますが、これは個人差がとても大きい部分です。
生後7か月以前につかまり立ちを始める子供や、1歳をすぎるまでつかまり立ちをしない子供もいます。
つかまり立ちをするためには、足や腰、背中に十分な筋肉が付くことと、ハイハイやお座りで経験した「バランス」が必要です。
早くつかまり立ちを始めた子供は、バランスが上手くとれずに転ぶことが多いかもしれませんし、ゆっくりとつかまり立ちを始めた子供は逆に、最初からしっかりしたバランスを維持できるかもしれません。
いずれにしても、子供に「立ちたい」「歩きたい」という気持ちが生じれば、体を上手く動かすようになりますので、無理に立たせようとするのではなく、子供の変化をじっくり見守ることが大切です。※1、※6
この時期はさらに、離乳食の完了へと向かう時期です。
この頃の離乳食の段階を、モグモグ期、あるいはカミカミ期といいます。
生後7~8か月頃には、スープ状のものから軟らかく煮た固形のものへと切り替えていきます。
「カミカミしてね」などと声をかけながら、1日2回を目安に、少しずつ離乳食の量を増やしていきます。
生後10か月頃を過ぎたら、1日3回を目指しても良いでしょう。
成長のスピードには個人差がありますが、離乳食はおおよそ、生後11か月から15か月くらいまでの間で、完了するといわれています。
(11か月から15か月くらいまでの間:あくまでも目安であり、実際には子供の成長に合わせて、完了時期を決めます。厚生労働省が行った平成27年度乳幼児栄養調査の結果によると、離乳食が生後12か月で完了した人は25.7%に対し、13~15か月で完了した人は33.3%でした。)※6、※7
乳児の脳は、まるでスポンジ?
ところで、子供の成長って、驚くほど早いと感じたことはありませんか?
昨日までは寝返りができなかったのに、今日初めて寝返りができたら、それから起きている間はずっと寝返りに挑戦するというのは、よく見られる光景です。
また、一度つかまり立ちを覚えると、何度もくり返し挑戦し、数日の間に伝え歩きを始める子供もいます。
これらは、体だけの変化ではありません。
「こうすればこうなる」という変化、「ここに力を入れればこういう体勢になる」ということを、無意識のうちに頭の中でも習得しているのです。
赤ちゃんの脳は、胎児の頃から成長を続けています。
出生時の赤ちゃんの脳はおよそ300gで、生後6か月にはおよそ2倍、24か月にはおよそ3倍になるといわれています。
乳幼児の頃に大きく変化するのは、重さだけではありません。
生後間もない頃の脳では、神経細胞が過剰となっている部分がありますが、心身の発達に伴い、必要な神経細胞が強くなり、不要な神経細胞は働きが弱くなりやがて無くなっていくと考えられています。
体の一部を動かせるようになると、その部分の神経細胞は強くなります。
まるで、水を吸い取るスポンジのように、次々と新しいことを吸収していくのです。 ※8
また、短期間睡眠や睡眠不足が体に及ぼす影響などを調べたさまざまな研究により、夜間の十分な睡眠は、やるべきことを行う能力を維持し、学習や記憶の形成し、体内環境を維持し、身体の成長を助けることが分かっています。※9
これは、乳児にとっても同じ事。
乳児は、寝る事と栄養を取ることが仕事です。
日中に起こったさまざまな出来事を、記憶として脳に植えつけ、翌日からの行動に活かしていくことが、乳児が「やるべきこと」であり、乳児の発達そのものなのです。
※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※6 監修:西坂 小百合 2016年10月17日発刊 0~6歳 わかりやすい 子どもの発達と保育のコツ ナツメ社
※7 厚生労働省 平成27年度乳幼栄養調査結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000134460.pdf
※8 ヘルス出版 乳幼児看護学 初めの一歩 乳幼児の成長・発達
https://www.infant-nursing.net/pdf/nkg_02.pdf
※9 J-STAGE 生体医工学 46(2) : 169-176, 2008 睡眠関係ホルモンの計測
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsmbe/46/2/46_2_169/_pdf
乳児から幼児へ 子供の成長を再確認
では、1歳以降の子供の変化を見ていきましょう。
1歳過ぎたら、乳児は幼児へ
1歳を過ぎる頃には、離乳食が完了し、幼児食など食べられるようになる子供が増えてきます。
母乳やミルクに頼らなくても成長していけるため、「乳児」ではなく「幼児」と呼ばれるようになります。
ただし、離乳食の開始時期や幼児食への移行期、さらに断乳の時期などは様々な考えがありますので、それぞれの子供に合わせた時期を考える必要があります。 ※1、※6
幼児の成長過程を再確認
【生後2歳頃までの変化】
まずは、自分で歩けるようになり、歩くことを楽しむようになります。
手先が発達し、積み木遊びやブロック遊びが楽しめるようになります。
言葉も徐々に出始め、知っている単語を口にすることから始まり、「まんま ちょうだい」などの2語文で話すようになります。
同時に「いや」という言葉を覚え、いわゆる「イヤイヤ期」「魔の2歳児」と呼ばれる時期に入ります。
「いや」は子供の自立の始まりです。
子供の気持ちを受け止め、「どうしたいの?」と問いかけるようにしましょう。 ※1、※6、※10
【生後3歳頃までの変化】
この頃は、運動能力が著しく成長してきます。
でこぼこ道を歩いたり、片足でしばらく立つ、ジャンプする、後ろ向きに歩けるようになるなどです。
手先もさらに器用になり、ハサミを使ったり、折り紙で簡単な三角や四角を折ることができるようになります。
できなくても「がんばったね」などと、過程を認めて、褒めてあげましょう。
時間に沿った話ができるようになるので、ますます会話が楽しめるようになります。※1、※6
【生後4歳頃までの変化】
この頃は、走ったり、スキップすることが上手になり、大きめのボールを、投げたり受け止めたりして遊ぶこともできるようになります。
お絵かきでは、円の中に、目、鼻、口などを書いて人の顔を書きます。
幼稚園だと集団生活がスタートする時期ですので、服を着てボタンをかける、ご飯をきれいに食べ歯磨きをする、などを意識的に取り入れていくと、習慣が身に付いて、自然とできるようになってきます。※1、※6
【生後5歳~6歳頃までの変化】
集団生活に慣れ、体力がつくので、1時間程度は歩けるようになります。
また、自分の意思を文章で伝えられるようになりますので、人間関係でも、トラブルを回避できるようになってきます。
そして縄跳びや鉄棒などの運動能力はもちろん、学習能力が高まり、ひらがなの読み書き、簡単な計算、物の比較、カレンダーや時計の理解などが進みます。
個人差がありますので無理強いせずに、子供が興味を持ったタイミングで楽しく教えてあげ、小学校への準備を始めましょう。※1、※6、※11
※1 川原佐公 2015年11月発行 発達が分かれば保育ができる! ひかりのくに
※6 監修:西坂 小百合 2016年10月17日発刊 0~6歳 わかりやすい 子どもの発達と保育のコツ ナツメ社
※10 佐藤眞子 著 2013年11月10日発行 新編 2才児イヤイヤ期の育て方 主婦の友社
※11 板倉弘幸 編著 2009年3月発行 ベテラン教師のアドバイス:親がする小学校入学までの準備ポイント
まとめ
赤ちゃんは、生まれたその時から少しずつ成長を始めます。
昨日は出来なかったことが、今日は出来た!
という喜びを味わうことも、たくさんあるでしょう。
そんな中でも、時には手助けをしながら、子供の成長を見守っていくことも、ママやパパにとっての変化といえるかもしれだからこそ、成長の兆しを見逃さず、つまづいた時にはそっと手を差し伸べ、その子なりの成長を応援してみませんか?