1ヶ月の生活費、平均いくら?ひとり暮らしと夫婦では?

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新しいライフスタイルを余儀なくされ、生活費の節約が気になる家庭も多いのではないでしょうか。
「普通、生活費はどれくらい?」と気になっても、人にはなかなか聞けないものです。
今回は、総務省の家計調査を基に、1ヶ月の平均的な生活費を家族構成ごとに解説します。
社会人ひとり暮らし、老後二人暮らし、50代4人家族といったケースもご紹介していますので参考にしてみて下さい。

 

目次

  1. 1ヶ月の生活費、平均いくら?
  2. 社会人ひとり暮らしの生活費、内訳は?
    • 20代・30代前半は、約11万円+家賃
    • 40代・50代独身は交際費や雑費が多い
    • 高齢世帯の1ヶ月の生活費は約13万円
  3. 夫婦二人暮らしの生活費、20万円で足りる?
    • DINKSは交際費がかかりがち?
    • 老後二人暮らしの生活費は約20万円
  4. 3人家族の生活費、目安は30万円?!
  5. 4人家族の生活費、子どもにお金がかかる
    • 高校・大学と進学で生活費が増える
    • 50代の生活費は36万円を超える
  6. 5人家族の生活費は、平均33万円
  7. 生活費の目安、年収の何割?
  8. まとめ

1ヶ月の生活費、平均いくら?

昨今、収入への不安などから生活費の見直しを考える人も多いようです。※1
家計の見直しをするにも、毎月の生活費はいくらが妥当なのか気になりますよね。
家計のことは他人に聞きづらいため、使いすぎでは?と悩むのも無理もありません。
そこで今回は、平均的な生活費を把握すべく、基に1ヶ月の生活費をご紹介します。

2020年度「家計調査」を基に、家族構成ごとに平均的な生活費をまとめました。
なお、家賃はお住まいの地域や家庭の状況により変動の大きい居住費(家賃や住宅ローン)は除いています。

注)単身および二人以上世帯の勤労世帯の1ヶ月の消費支出のうち住居費を除いた額
家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※2※3

 

ひとり暮らしの家賃を除く1ヶ月の生活費は、およそ13万円です。
二人暮らしでは、ひとり暮らしのおよそ倍の25万5千円、三人暮らしでは約28万円。
一方、4人家族、5人家族となると、家賃を除く生活費が30万円を超えています。

次章からは、家族構成ごとに生活費の内訳や年齢ごとの比較を解説します。

 

※1 コロナ禍で生活費を見直す人が90%以上!見直しを検討している生活費第1位は…?987人のリアルな節約術を公開!|株式会社PLAN-B/PR TIMES/2021年9月2日現在
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000068228.html
※2 家計調査 2020年(令和2年)【単身世帯】2 男女,年齢階級別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1&tclass4val=0
※3 家計調査 2020年(令和2年)【二人以上の世帯】3-1世帯人員別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&stat_infid=000032048821&result_back=1&tclass4val=0

社会人ひとり暮らしの生活費、内訳は?

社会人ひとり暮らしの居住費を除いた平均的な生活費は約13万円です。
ただ新入社員と50代では、収入も生活費も差があります。
1ヶ月の生活費は、若手社会人(34歳以下)で約11万5千円
65歳以上の高齢世帯は約12万6千円です。
一方、働き盛りの40代・50代では15万円を超えています。
これに居住費を加えた金額が、毎月の支出です。

 

【ひとり暮らしの1ヶ月の生活費(家賃除く)】単位:円

~34歳
(社会人)
35~59歳
(社会人)
65歳以上
1ヶ月の生活費(家賃除く) 114,149 151,422 126,093
食料 36,400 42,600 37,423
光熱・水道 7,692 12,124 13,016
家具・家事用品 4,407 5,487 5,439
被服及び履物 5,497 7,705 3,288
保健医療 3,268 6,726 8,475
交通・通信 19,085 25,809 13,574
教養娯楽 18,880 17,006 13,327
その他の消費支出 18,920 33,965 31,550

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※2

20代・30代前半は、約11万円+家賃

若手社会人ともいえる20代30代前半では、1ヶ月の生活費は約11万円(家賃除く)。
このうち食費が約32%を占めています。
他の世代よりも、交際費などにあたる「その他の消費支出」が少ないようです。
その他の消費支出(交際費等)は16.5%です。

 

40代・50代独身は交際費や雑費が多い

現役世代で最も稼ぎ時の40代・50代は、出費が増えています。
1ヶ月の生活費は約15万円(家賃除く)。
最もお金をかけているのは食費は生活費の約28%を占めています。
次いで多いのが、交際費や雑費が含まれる「その他の消費支出」です。
34歳以下の1.8倍で、生活費全体の約22.4%を占めています。
光熱費や交通・通信費も、34歳以下よりも増えています。

 

高齢世帯の1ヶ月の生活費は約13万円

65歳以上ひとり暮らし世帯では、1ヶ月の生活費平均額は12万6千円です(家賃除く)。
食費が最も多く、生活費の約30%を占めています。
次いで多いのが、「その他の消費支出」で25%です。
40代・50代と比べると、食費や交通・通信費、教養娯楽費は減っています。

 

この世代の多くは、年金生活です。
令和元年度の厚生年金の平均年金月額は、14万4千円。※4
家賃負担がなく平均的な年金額を受給できれば、1ヶ月の生活費は年金でまかなえる人も少なくないことがわかります。

 

※2 家計調査 2020年(令和2年)【単身世帯】2 男女,年齢階級別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1&tclass4val=0
※4 令和元年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況/厚生労働省年金局/2021年9月2日現在
https://www.mhlw.go.jp/content/000706195.pdf

夫婦二人暮らしの生活費、20万円で足りる?

現役世代の二人暮らしにかかる1ヶ月の平均的な生活費は約25万円です。
一方、65歳以上無職の世帯は約20万円です。
内訳をみていきましょう。

 

【二人暮らしの1ヶ月の生活費(家賃除く)】単位:円

社会人 65歳以上
1ヶ月の生活費(家賃除く) 254,119 205,790
食料 64,439 64,339
光熱・水道 17,724 19,576
家具・家事用品 11,250 10,131
被服及び履物 8,767 4,794
保健医療 12,749 15,334
交通・通信 47,297 27,046
教養娯楽 24,483 19,475
その他の消費支出 65,847 45,057

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※3

DINKSは交際費がかかりがち?

夫婦二人暮らしの1ヶ月の生活費は、約25万円です。
夫婦二人だと世帯年収も高く、家計に余裕があるイメージはありませんか。
ただ内訳をみると、食費や旅行費用などの娯楽費が多いわけではありません。
食費の占める割合は約25%です。
それ以上に多かったのが、交際費や諸雑費、仕送りなどの「その他の消費支出」。
家計の約26%と、食費より多いことがわかります。

二人暮らしの節約術については、
二人暮らしの食費は平均いくら?夫婦共働きで節約するには?

の記事で詳しく解説しています。

 

老後二人暮らしの生活費は約20万円

65歳以上無職の世帯では、1ヶ月の生活費は約20万円です。
1ヶ月の食費は現役世代とほぼ変わらないため、家計に占める食費の割合は約32%となっています。
次いで多いのが、「その他の消費支出」で家計の約22%を占めています。

 居住費を除く1ヶ月の生活費は、20万円。
これから老後を迎える人にとっては、この金額が老後資金の1つの目安と言えそうです。

※3 家計調査 2020年(令和2年)【二人以上世帯】3-1世帯人員別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&stat_infid=000032048821&result_back=1&tclass4val=0

3人家族の生活費、目安は30万円?!

3人家族の1ヶ月の平均的な生活費は、居住費を除き約28万円です。
30万円を目安に考えると、少しゆとりがあるかもしれませんね。

 

【3人家族の1ヶ月の生活費(家賃除く)】単位:円

3人家族
1ヶ月の生活費(家賃除く) 279,196
食料 74,033
光熱・水道 20,706
家具・家事用品 12,892
被服及び履物 10,544
保健医療 12,205
交通・通信 49,775
教育 15,077
教養娯楽 24,791
その他の消費支出 59,173

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※3

ここでの3人家族の構成は、主に子供1人と両親です。
食費が最も多く生活費の約27%を占めています。
次いで多い「その他の消費支出」は、約21%。
内訳は、雑費や交際費、おこづかいが多いようです。
二人暮らしと比べると、食費と教育費が増えています。
さらに3人家族になると、上記には含まれない居住費が増えた人もいるのではないでしょうか。
子供が生まれ広い家に引っ越したり、マイホームを買ったりすると、毎月の支出が40万円近くまで増えることもありそうです。

 

3人家族の家計の節約については、
【3人家族】食費を節約するには?

の記事で詳しく解説しています。

 

※3 家計調査 2020年(令和2年)【二人以上世帯】3-1世帯人員別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&stat_infid=000032048821&result_back=1&tclass4val=0

4人家族の生活費、子どもにお金がかかる

4人家族では、1ヶ月の平均的な生活費は30万円を超えています
世帯主の年齢別にみると、20代は17万円、30代約26万円、40代約29万円、50代が最も高く36万5千円です。
世帯主の年齢に比例して、生活費も増えることがわかります。

 

【4人家族の1ヶ月の生活費(家賃除く)】    単位:円

~29歳 30代 40代 50代
1ヶ月の生活費(家賃除く) 170,601 263,802 288,324 364,909
食料 55,846 78,803 85,903 98,536
光熱・水道 18,428 20,676 22,993 24,995
家具・家事用品 7,523 13,711 13,372 14,007
被服及び履物 6,248 11,659 12,423 13,636
保健医療 6,961 12,356 12,054 15,232
交通・通信 34,735 45,998 41,084 57,417
教育 6,233 8,618 27,632 55,572
教養娯楽 13,831 33,430 32,732 30,082
その他の消費支出 20,796 38,550 40,133 55,433

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※5

高校・大学と進学で生活費が増える

子供が成長するにつれ、生活費は大きく膨れ上がることが分かります。
50代の1ヶ月の生活費は、20代頃の約2倍以上です。
食費と教育費は、年齢があがるにつれ増えています。
食費は、20代5万6千円、30代7万9千円、40代8万6千円、50代9万9千円です。


50代になると、食費だけで毎月10万近くの支出があります。
食費は家計に占める割合が大きいので、節約が気になる人も多いもの。
4人家族の食費は?5人家族の平均生活費は?

の記事で、4人家族の食費の節約術を詳しく解説しています。


教育費は、30代までは1万円未満(家計の3%)なのに対し40代では約3万3千円(家計の9.6%)。※5
50代では5万5千円(家計の15%)となっています。※5

ここでの教育費は、主に毎月学校にかかる費用です。
子供の年齢が上がるにつれ、必要な教育費は増えます。

 

学校ごとの教育費については、下記記事にて詳しく紹介しています。

幼稚園の平均費用

小学校の学費

中学校の学費

高校の学費

 

50代の生活費は36万円を超える

4人家族のうち、50代の世帯は最も生活費がかかっています。
その額は、1ヶ月36万5千円
共働きでないと、毎月の生活費が不足する家庭も少なくはなさそうです。

50代の平均年収を見ると、50代前半が525万円、50代後半は518万円です。※6
世帯構成等により異なりますが、毎月の手取りに換算すると34万円ほどでしょうか。
平均的な年収を基に計算すると、一人分の稼ぎでは毎月2万5千円不足する計算です。

固定費を節約する方法とは?家計の見直しに効果的なやり方

こちらの記事では、理想的な固定費の家計に占める割合と、節約方法を解説しています。

 

※5 家計調査 2020年(令和2年)3‐8 4人世帯(有業者1人)-世帯主の年齢階級別/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1&tclass4val=0
※6 令和元年分 民間給与実態統計調査/国税庁長官官房企画課/2021年9月2日現在
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2019/pdf/000.pdf

5人家族の生活費は、平均33万円

5人家族は、主に子供3人と両親の家庭です。
1ヶ月の生活費は33万円と30万円を超えています。

【5人家族の1ヶ月の生活費(家賃除く)】単位:円

5人家族
1ヶ月の生活費(家賃除く) 331,333
食料 94,312
光熱・水道 24,147
家具・家事用品 16,333
被服及び履物 13,509
保健医療 12,854
交通・通信 54,916
教育 33,818
教養娯楽 32,525
その他の消費支出 48,919

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※2

最も多いのは食費の9万4千円で、家計の約28%を占めています。
次いで多いのが、交通・通信費で約17%です。
人数が多い分、車代やスマホ代などが多くかかるようです。

さらに、33万円に家賃は含まれていません


5人家族の場合、広さのある家に住むとなると、毎月の家賃や住宅ローンも高いこともあるでしょう。
家賃を含む1ヶ月の生活費が40万を超える人も珍しくはないのかもしれません。

 

※3家計調査 2020年(令和2年)【二人以上の世帯】3-1世帯人員別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&stat_infid=000032048821&result_back=1&tclass4val=0

生活費の目安、年収の何割?

生活費の額を確認したところで、年収に占める割合も気になりますよね。
20~50代の現役世代(家族世帯)では、世帯年収に占める生活費の割合は約45%です(家賃を除く)。
家族世帯を、世帯主の年齢別に生活費の割合(家賃や車代などを除く)をまとめました。

 

【家族世帯の年収に占める生活費の割合】

年齢 世帯収入 消費支出 年収に占める割合
20代 457,369 201,451 44.0%
30代 525,066 231,050 44.0%
40代 606,684 280,472 46.2%
50代 647,062 292,835 45.3%

家計調査 2020年(令和2年)/総務省より作成※7

世帯収入は、給料1ヶ月分の世帯全員の合計額です。
あくまで平均額ですので、実際には地域差などがあります。
ただこの数字を見る限り、現役世代の1ヶ月の生活費の割合は、およそ45%前後が目安と言えそうです。

固定費を節約する方法とは?家計の見直しに効果的なやり方

にある通り、家賃のおよその目安は月収の約20~25%です。
家計を見直す際の参考にしてみて下さいね。

 

※7 家計調査 2020年(令和2年)【二人以上の世帯】3‐2世帯主の年齢階級別/総務省/2021年9月2日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000000330005&result_back=1&tclass4val=0

まとめ

1ヶ月の平均的な生活費(居住費除く)について、家計調査を基にご紹介しました。
ひとり暮らしでは15万円+居住費が1つの目安です。
DINKSでは25万円+居住費、老後二人暮らしは20万円+居住費。
3人家族は28万円+居住費、4人家族は31万円+居住費、5人家族は33万円+居住費です。
4人家族を例に、世帯主の年齢別の生活費をみてみると、年齢に比例して生活費も増えています。
50代では毎月の生活費は36万円+居住費と、20代ひとり暮らしの2倍以上の生活費がかかっているのです。
子供が成長するにつれ、教育費やその他付随する費用の出費が増えていきます。
まずは家計を把握し、無駄がないか家計簿などで確認してみましょう。

 

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