プログラミング教育必修化にどう備える?

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2020年より、プログラミング教育が必修化されることをご存知でしょうか?

「子どもが急にプログラミングなんてできるか不安」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、必修化といっても、いきなり「プログラミングそのもの」を学ばなければならないというわけではありません。
では、一体小学生の間にどんなことを通じてプログラミングに触れるのか、その内容をご紹介しつつ、子どもとプログラミングの関わり方についてご紹介していきます。

目次

  1. プログラミング教育必修化とは
    • 小学校においては、主に「プログラミング的思考」の育成を目的に導入
    • プログラミング教育が取り入れられる背景
  2. 子どものプログラミングには、まずは「スクラッチ」
    • スクラッチとは
    • スクラッチでできること
    • スクラッチで学べること
  3. プログラミングは、教室で学ぶ?自宅で学ぶ?
    • プログラミングの学び方
    • プログラミング教室
    • オンライン教室
    • 自宅で教材を使う
  4. 幼児からおもちゃやアプリでプログラミングの思考を身につける
    • おもちゃで学ぶプログラミング
    • 子どもでも理解できるアプリ
  5. まとめ

プログラミング教育必修化とは

小学校においては、主に「プログラミング的思考」の育成を目的に導入

2017年3月、文部科学省が「新学習指導要領」を発表しました。
その中で、2020年度から小学校において“プログラミング教育”が必修化されることが明示されました。
プログラミング教育と聞くと、算数や理科と同じように科目として「プログラミング」が追加されるような印象がありますが、そうではありません。

文部科学省の資料によると、以下のように記載されています。

 

ー引用ー

各教科等の特質に応じて、児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動や、プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することを明記(小学校学習指導要領総則)※1

 

まとめると、プログラミング教育は、
・まずはそれぞれの教科においてパソコンなどのコンピューターを用いて課題解決していくことを知識として得ること
・論理的思考能力などのプログラミング的思考を身につけること
・それらを通して、コンピューターを通して得られる価値や学びをもとに、人生や社会に対応していくことができる力を身に着けていくこと
の3つが目的となっています。

 

決して、
・エクセルやワードなどのパソコンの「スキル」を身につけること
・パソコンやタブレット端末を使えるようになるための授業があること
・プログラミングを行いシステム開発をすること
というようなものではありません。

 

プログラミング教育が取り入れられる背景

プログラミングと聞くと、難易度が高そうなイメージがありますが、今や親と子、年齢に関わらず、インターネットやパソコンなどの電子機器を全く使わない日は少ないのではないでしょうか。
日常生活において、困ったことを解決したり、調べ物をしたり、仕事をするうえで、ITの活用は不可欠なものになっています。

 

さらに、今後はAIなどの新しい技術もますます発達し、今の子どもが大人になる時には、さらにIT技術を用いた仕事が増えているはずです。
そんな時代を見据えて、これから人手不足になることが明確になっている日本では、当然IT人材の確保も難しくなることが予想されます。
他国がどんどんIT人材を排出すれば、日本経済にも大きく影響するでしょう。
そのために、まずはITなどの技術に対する認知を広げ、子どもたちが興味関心を持つよう、教育の場に導入されるということになったと考えられます。
実際に先程ご紹介した、「新学習指導要領~情報教育・ICT活用関連部分のポイント~」においても、以下のように記載されています。

 

ー引用ー

子供たちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての「プログラミング的思考」などを育成するもの。コーディングを覚えることが目的ではない※1

 

こちらを見ると、「これからの時代に求められる力を身につけましょう」ということが目的だということが分かりますね。

 

これからの時代、将来的にIT技術を身につけた人材が求められることは、大きく変わることは無いでしょう。
そのために、小さいうちからプログラミング思考を鍛えるために「何か習わせてみたい」「体験させてみたい」と思う方も多いのではないでしょうか。
次からは、小学生向けのプログラミング言語やプログラミング学習について解説していきます。

 

※1 幼稚園教育要領、小・中学校学習指導要領等の改訂のポイント / 文部科学省/平成29年03月
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/__icsFiles/afieldfile/2017/06/16/1384662_2.pdf

子どものプログラミングには、まずは「スクラッチ」

スクラッチとは

スクラッチ(Scratch)とは、ビジュアルプログラミング言語の一つです。
マサチューセッツ工科大学のメディアラボのライフロングキンダーガーテングループのプロジェクトが開発し、無償で提供されています。
公式サイトによると、対象年齢は8歳から16歳向けにデザインされているとのことですが、もちろんどの年代の方も使うことができます。
Scratchは150以上の国と地域で利用されており、40以上の言語に対応しているため、世界中の人が作った作品に触れることができます。
特徴的なのは、教育者向けのアカウントが開設できたり、サンプル作品が充実していること。

全国の学校や図書館、コミュニティーセンターなどの教育現場で活用が広がっており、教育者向けのオンラインのコミュニティもあります。※2

スクラッチでできること

自分で物語やゲーム、アニメーションなどが作成できるプログラミング言語で、世界中の人と作品を共有することができるオンラインコミュニティもあります。
プログラミングと聞くと、真っ黒な画面を立ち上げ、英数字がびっしり入力されている様子を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、スクラッチは子どもを対象としていますので、立ち上げた画面もキャラクターが表示されており、親しみやすいものとなっています。
開発環境は、Webのブラウザ上で作業できるウェブアプリケーションとなっており、ダウンロードなどは必要ありません。
そのため、「インストールなどの手順が難しいとよくわからない」という方にとっても始めやすいのがメリットです。

スクラッチで学べること

Scratchでは実際に「コンピューターに対して命令を行い、動作させる」という一連の流れを体験することができます。
例えば「画面上のキャラクターを10歩前に進める」というような指示を簡単に行うことができます。
子ども向けということもあり、画面上での流れも視覚的に捉えやすくなっているところが大きな特徴です。
難しいプログラミングの構文などを知らなくても、色や形、動きで直感的に理解することができるため、手軽に試してみることができます。
そのような命令から動作までを操作することで、「○○するためにはどうしたらいいのか」ということを考えるようになり、ゴールから逆算して考える力や、必要な要素を分解して考える力、物事を抽象化して捉える力などを鍛えることができるでしょう。


その力は算数や国語など、普段の学習でも必要となる力です。
普段の学習の延長線上にあるものであり、小学生のうちから始めても早すぎるということはありません。

※2 Scratch - Imagine, Program, Share
https://scratch.mit.edu/

プログラミングは、教室で学ぶ?自宅で学ぶ?

プログラミングの学び方

プログラミングは、独学でももちろん学ぶことができるものです。
しかし、小学生など小さい子どもの場合は自分自身で調べて学ぶことはまだ難しいでしょう。

また、ご両親にプログラミングの知識が無い場合、子どもがわからないことがあった場合にサポートができません
学ぶ上でのサポートや支援がどのくらいあるのかも学習方法を決めるポイントとなります。
具体的なプログラミング学習方法を次からご紹介いたします。

 

プログラミング教室

習い事としてプログラミング教室を見かけることも増えてきているのではないでしょうか?

子ども向けの教室も様々な会社が展開しています。
プログラミング教室では、コーディングなど実際に手を動かして作品を作るところまでチャレンジできるプログラムが組まれていることが多いです。
充実した内容で「プログラムを体験する」にとどまらず、実際にアプリを作ったり、より高度な技術まで習得することが可能です。
少人数制で開講している教室や、本格的なゲームを作ることができる教室など、様々なコースがありますので、得たいスキルや子どもの興味関心に合わせて選ぶことができます。

 

また、先生と会話しながら学ぶため、「何が分からないのか」「何がしたいのか」などを伝え、やりとりを行うコミュニケーション能力が身につくメリットも。
一人で黙々と学ぶよりも、お友達や先生と一緒に学べる環境となるので、つまづいても聞くことができたり、協力して進めることができたりと、子どもはプログラミングに「楽しさ」を見出しやすいと言えます。

 

オンライン教室

最近では、自宅で学習できるオンライン教室や、オンライン学習のプログラムが充実してきています。
子ども向けのオンライン講座を開講しているところもあり、「まずちょっとプログラミングに触れさてみよう」という場合にも試しやすい内容となっています。

また、教室に入塾する準備として、オンラインで学習できるサイトもいくつも開設されており、無料で体験できるものもあります。

ゲーム感覚で楽しめるプログラムが組まれているものも多いので、受講する前に、子どもに試しにやらせてみる場合は、このようなサイトで試してみるのもよいでしょう。

ITを学べる専門学校を運営する企業が開講している、小学生を対象としたプログラミングのオンラインスクールもあります。
すでに大人向けなどにプログラミング講座を開設し、実績がある学校であれば、オンライン教室でも充実したカリキュラムが組まれていると思いますので、子どもが興味を持ち本格的に進めたい場合には選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

実際に習い事として通う教室に比べると、オンライン教室の方が安価であることが多く、無料体験期間などのプランもあります。遠くまで通ったりする必要がないため、子どもへの負担も少なく学ぶ時間を確保することができます

 

自宅で教材を使う

書籍や教材などを購入して学ぶ方法もあります。
事前に対象年齢やできる範囲を理解したうえで購入できるメリットがあります。
5歳くらいからを対象にした本や、小学校低学年からできる本も出ていますので、「まだパソコンを触らせるのは抵抗があるな」という方は、絵本感覚で書籍を買い、お子様と一緒に読みながらプログラミングの勉強をしてみるのもおすすめです。

 

また、習い事のはじめるタイミングや比較については、

幼児の習い事はいつから?学習・知育系の幼児教室、通信教育は?

子供の習い事いつから?おすすめの習い事とメリットをご紹介!

の記事でもご紹介しています。

幼児からおもちゃやアプリでプログラミングの思考を身につける

おもちゃで学ぶプログラミング

「コーディングをしたり、アプリを作ったりする前に、プログラミング思考を身につけたい」という場合におすすめなのがおもちゃです。
様々な年齢を対象にプログラミング思考を身につけられるおもちゃが発売されています。


例えば自分が指示した方向に動くロボットや、パーツを入れ替えることで目的の場所に進ませることができるおもちゃなどがあります。
「あそこまで進んでもらう」「ここで右に曲がる」などの目的を設定し、それに合わせてどうすればそれができるようになるか、あれこれ試してみるという思考は、プログラミングの基礎になるものです。
おもちゃを使って楽しく学ぶことができますので、まずはこのようなおもちゃで遊んでみて、子どもの適正を見てみたり、プログラミングの楽しさを教えることに繋がります。

 

子どもでも理解できるアプリ

手軽にプログラミングを体験できるものとして、アプリもたくさん出ています。
無料で試せるものも多いため、お子様と一緒に遊んでみるのもおすすめです。
指示を出して目的を達成するゲーム感覚のものから、先程ご紹介したScratchのアプリ版「ScratchJr(スクラッチジュニア)」もあります。
また、必ずしもプログラミングを学ぶために作られたアプリだけでなく、ちょっと頭を使うようなパズルゲームや、数字を使ったゲームアプリなどもプログラミング思考の基礎につながります
もしゲームが好きだというお子様であれば、このような少し頭を使ってクリアしていくようなゲームアプリを意識的に体験させてみても良いかもしれませんね。

 

まとめ

2020年からプログラミング教育が必修化されるにあたり、何かやっておくべきなのかと焦る方もいらっしゃるかもしれません。
まずはスマートフォンやタブレットなどに触れてみたり、PCの操作を行ってみるなど、デジタルツールに慣れておくと良いでしょう。
同時に、プログラミング思考を体験させることは、その他の学習にも有効ですし、生活していく上での力になります。
プログラミングが、「楽しい」と子どもが思える環境を大事にし、高いレベルを目指すことにこだわらず、まずは「やってみる」ということから始めてみると良いでしょう。
ゲーム依存になりそう、スマホ依存が怖いという方もいらっしゃるかもしれませんが、親子でルールを決め、親子一緒にプログラミングの勉強をすることで依存は防げるものです。
親子で一緒にはじめてみてはいかがでしょうか?

 

 また、2020年は小学校での英語教育が変わることも話題となっています。

小学校で導入された英語授業はどんなもの?親が押えておくきポイントとは

の記事でも、小学校の英語教育について詳しくご紹介しているので、おすすめです。

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