子供のゲームいつから与える?ゲーム依存にならない?

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最近では3歳児くらいからでも遊べるアプリや動画もあり、音楽を聴いたり、絵本のようなコンテンツを見たりと、低年齢でもスマホやゲームと接する機会が増えており、問題視されています。

親としては、「やりすぎると目に悪そうだな」「どうやって止めさせたらいいんだろう」というような、ゲームとの向き合い方に悩むこともあるのではないでしょうか。

今回は、幼児期?小学生くらいのお子様を対象とした調査データなどをもとに、ゲームとの付き合い方についてご紹介いたします。

目次

  1. 幼児期のゲーム遊びの実態
    • 9歳以下の65.8%がゲームで遊んでいる
    • インターネット利用は、2歳から平均1日約1時間
  2. 子供にゲームやスマホ、いつからさせる?何をさせる?
    • 幼児期のゲームで心配なのは視力や発達
    • 明確にルールを決め、言ったことを守れる年齢から
    • まずは、親子で楽しめる知育アプリや音楽アプリから
  3. 気になるゲーム依存とは?
    • WHOがゲーム依存(ゲーム障害)を病気と認定
    • 依存を防ぐためのルールづくり
  4. ゲーム依存を防ぐためのルール例5つ
    • 1)親の目の届く範囲で遊ぶ
    • 2)ゲームで遊ぶ時間を決める
    • 3)やらなければならないことを先にやらせる
    • 4)ゲームをやらない日を決める
    • 5)家族でゲームの話をする
  5. まとめ

幼児期のゲーム遊びの実態

9歳以下の65.8%がゲームで遊んでいる

内閣府が発表した調査によると、ゲームで遊んでいる0歳~9歳の子供の割合は65.8%とされています。
年齢別にみると、2歳の時点では23.9%なのに対して、6歳で71.1%、9歳になると81.7%と年齢を追うごとに上昇し、9歳では8割以上と非常に高い結果となっています。
小学校に入学する6歳あたりから7割を超えてくるため、小学生低学年の頃から、遊びとしてゲームが定着していることがわかります。

 

また、ゲーム機を持っているかどうかを見てみると、9歳以下の28.3%は携帯ゲーム機を持っているという結果になっています。
驚くことに、スマートフォン24.8%、タブレット22.6%よりも高い結果となっており、携帯ゲーム機の普及率の高さが伺えます。
携帯ゲーム機という特性上、子供専用のものを持ち、子供一人で遊ぶことも多いのも特徴です。※1

携帯ゲーム機やスマホでのゲーム利用は、急速に低年齢にも普及しているということがわかります。

動画やテレビでゲームの様子を見たりお友達が遊んでいる所を見て、自分もやってみたいと子供におねだりされることも多いのではないでしょうか。
対戦型のゲームやチームで遊ぶロールプレイングなどはお友達がプレイしていると一緒に遊ぶために欲しがったり、プログラミングの勉強につながるようなゲームであれば・・・と親が許可するなど、様々な理由が考えられますが、ゲームに接触する機会は確実に増えていると言えるでしょう。

インターネット利用は、2歳から平均1日約1時間

ゲームと合わせて、近年問題視されているのがインターネットの利用。
スマホの普及にあわせ、インターネットの接続時間が急速に増加しています。
子供にもスマホを持たせる家庭が増えていますが、低年齢の子供の実態はどうなのでしょうか。

 

インターネットを利用する子供について、平日1日当たりの利用時間について保護者に調査したところ、平均利用時間60.9分となり、約1時間利用していることになります。
年齢別に見てみると、0歳~1歳では、インターネットの利用率は10%未満なのに対し、2歳になると28%まで増加しています。
利用時間は、2歳平均は全体平均を超えた65.1分なのに対し、3歳~6歳のそれぞれの平均は全体平均を下回る50分台となっています。※1

 

2歳頃は子供も自分の意思がでるようになってくる時期ですが、まだ親が一緒に遊ぶ時間も多く「スマホ育児」と呼ばれるように親側が見せてしまうという状況があるのかもしれません。

※1 低年齢層の子供のインターネット利用環境実態調査 調査結果(概要)/ 内閣府 / 平成29年5月
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h28/net-jittai_child/pdf/gaiyo.pdf

子供にゲームやスマホ、いつからさせる?何をさせる?

先にご紹介した調査では、0歳代から知育などでの利用が確認されており、ゲームの利用も2歳代から年齢が上がるごとに増加傾向にあります。
低年齢の頃からインターネットを利用した遊びやゲームと接触する機会があることになりますが、親としては、心身ともに子供の将来に悪影響を及ぼさないか心配になる方もいらっしゃるはずです。

幼児期のゲームで心配なのは視力や発達

低年齢、特に幼児期のゲームは親にとっても不安を感じやすいものです。
移動の間におとなしくさせるためにや、一緒に遊んであげられない家事の合間に見せてしまうものの、視力に影響しないか、発達に問題ないか、依存になったら?と心配なのではないでしょうか。

 

子どもとスマホの付き合い方。ルールや制限の仕方とは?

でもご紹介しているように、幼児にスマホなどでゲームをするなど画面を見せる場合には、距離が近くなりすぎないように、長時間にならないように注意することがポイントだと言われています。※2
スマホは、どうしても画面と目の距離が近くなりがちです。
近い所を見ている方が目が疲れやすいため注意が必要です。

また、乳幼児期には目のピントを合わせる機能や、両目を使ってバランスよくみられるようになるよう発達する時期。
この時期に、長時間スマホで目を酷使してしまうことがないよう、1回15分くらいを目安に親が時間を管理してあげることが重要だとされています。※2

発達についても、長時間スマホやゲームだけといった極端な偏り方をしていなければ、心配する必要はないと考えられています。※2
常識的な使い方をするためには、親がきちんとコントロールしてあげることが大切になります。

 

また、子供に与えるだけではなく、親も内容を把握し、一緒に楽しむようにすることで家族の会話も増えたり、一緒に過ごす時間も増えたりとよい影響も考えられます。

スマホが世の中に普及し始めて、ようやく10年です。
まだまだ本格的な研究は少ないと言われていますが、節度をもって利用できるよう、親が管理してあげることが大切だと言えます。

明確にルールを決め、言ったことを守れる年齢から

子供へのゲームやスマホの悪影響は、親がきちんと管理することが大切だということがわかりました。

親が管理をすればよいとは言えど、「親が言ったことを理解できない」もしくは「言われたことを実行できない」ほど小さいうちは、少し難しいと言えます。
特に、イヤイヤ期の頃などは、何でも「イヤ」と返してくる時期なので、親に言われたことや約束を守るのは難しい場合が多いのではないでしょうか。
親がルールを決め、守ることができるようになったタイミングからゲームに触れさせる方が、親としても安心ですし、スムーズに遊ばせられるはずです。
せっかくの遊びの時間ですので、ガミガミ注意することなく、子供も親も一緒に楽しい時間が過ごせるようになってからの方が楽しめるのではないでしょうか。

 

イヤイヤ期についての詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

イヤイヤ期の原因は?子供への正しい対応を知って親のイライラも解消!

まずは、親子で楽しめる知育アプリや音楽アプリから

最近では、スマホで遊べるアプリでも、携帯ゲーム機のゲームでも、幼児向けの知育ものや簡単なゲーム遊びのものが、たくさんリリースされています。
幼児期には、ちょっとしたパズル遊び、ひらがなや数字をゲーム感覚で覚える知育アプリ、鍵盤をならしたりタップすると音がなるような音楽アプリなどがおすすめです。
子供向けの人気キャラクターや、子供向け番組もアプリを出していますので、まずは子供が好きなキャラクターが出てくるアプリを探してみましょう。
そして、大切なのは親も一緒に楽しみ、そのゲームの内容を把握することです。

※2 「スマホ育児」発育に影響は? | 子ども・子育て | NHK
https://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/200/263166.html

気になるゲーム依存とは?

WHOがゲーム依存(ゲーム障害)を病気と認定

2018年6月に、WHO(世界保健機関)はゲーム依存を精神などの病気のひとつとして位置づけ話題となりました。
ゲーム依存とは、日常生活において、ゲームを最優先してしまう状態が1年以上続いている状態を指します。※3
ゲームを優先してしまい、時間を守れなかったり、ゲームの頻度を減らすことができなくなってしまい、それが継続してしまうとされています。


具体的には、深夜にゲームに没頭して朝起きられず昼と夜が逆転してしまったり、ご飯も食べずにゲームを続けてしまって健康状態を害してしまったりというケースがあるそうです。
ゲームは、射幸心をあおり飽きない仕組みが考えられており、どんどんのめりこんでいってしまうという面もあります。
特に、オンラインゲームで友達と遊んでいる場合は、友達がやっているのに自分だけやめられない、自分だけアイテムを持っていないなどという思いから、やめられなくなってしまうことも考えられます。


このようにゲームにのめりこんでしまう背景には、現実社会で問題を抱えていることもあるようです。
ゲームをやめさせる、制限するということ以外に、学校や社会でストレスを抱えていないかを観察して、解決に向けて対処してあげることも大切になります。※4

 

依存を防ぐためのルールづくり

株式会社朝日学生新聞社の調査によると、ゲームをしている子供とそうでない子供で成績の差は無く、ゲームをしているからといって、成績が悪くなるということは無いとの結果がでています。
ただ好きなだけゲームをしているだけではないこともわかっています。
91.9%の家庭が、ゲームをやるうえでの「家庭でのルールがある」と回答しています。※5
このように親子でルールをしっかり決めて守ることが、依存や成績などへの悪影響を防ぐポイントとなります。

 

ゲーム依存を防ぐためのルール例5つ

具体的に、どのようなルールを設定すればよいのでしょうか。
参考となるルールの例を5つご紹介します。

 

1)親の目の届く範囲で遊ぶ

未就学児のうちは特に、親の目の届く範囲で遊ばせるようにします。
携帯端末やスマホの場合はその性質上、一人で遊びがちになります。
家事をしながら一緒に画面を見るのは難しいですが、声をかけられる範囲で遊ばせるようにして、子供の様子を見て居てあげましょう。
ゲームの内容や進み具合などのゲームの状況も把握しておくことで、会話にもつながります。

 

2)ゲームで遊ぶ時間を決める

まずは子供のゲームをする時間制限を決めましょう。「いつまででもゲームしても良い」という状態では、子供が宿題をする時間がなくなり、睡眠時間が短くなってしまう可能性もあります。
視力低下を防ぐためにも、ゲームで遊ぶ時間のルールは決めておきましょう。

 

3)やらなければならないことを先にやらせる

自宅に帰ってきてまずゲーム!ではなく、まず「宿題」をやる、「荷物を片付ける」など、先にやるべきことが終わってからゲームをさせるというルールも効果的です。
楽しいことを先にやってしまうと、宿題に向かう気持ちが下がってしまうかもしれません。「楽しみのために先にやることをやろう」と思わせることも重要です。

 

4)ゲームをやらない日を決める

時間を制限して、やることやったからいいでしょ!と言いたくなりますが、毎日ゲームをやる必要はありませんし、体を動かす遊びを行ったり、読書をしたり、ゲーム以外のことに触れる時間をとることも意識的に行いたいところです。
特に夏休みなどの長期休暇の場合はそのような様々なことにチャレンジしやすくなるため、普段からアンテナを貼って色んなことに興味が持てるよう促すためにも、毎週○曜日はゲームをやらない。など、ゲームから離れる日も設定してみましょう。

 

5)家族でゲームの話をする

ゲームを実際に買ってあげるのはご両親ですので、まずは「子供がほしいゲームがどんなゲームなのか」を知っておくようにしましょう。
また、ゲームの何が楽しいのか、どんなゲームなのか、ゲームを通して家族でコミュニケーションをとるようにしてみましょう。
子供がどんなことに喜びを感じているのか、どんなことが好きなのかを発見できる機会になるだけでなく、子供にとっても、自分の好きなことを親が理解してくれていると感じられ、肯定感を養うことにもつながるかもしれません。
頭ごなしに「ゲームはダメなものだ!」「決まった時間以外は絶対にするな!」と言わず、子供が熱中することへの興味や理解を親側がしてあげられると良いのではないでしょうか。

※3 「『ゲーム依存症』が病気に」(くらし☆解説) | くらし☆解説 | 解説アーカイブス | NHK 解説委員室
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/301871.html
※4 オンラインゲームについて/独立法人国立病院機構久里浜医療センター
http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_04.html
※5 朝小読者の小学生とその親に聞く、「子どもとゲーム」実態調査 / 株式会社朝日学生新聞社 / 2017年7月12日
https://kyodonewsprwire.jp/release/201707123638

まとめ

ゲームは、近年、急速に普及しており、低年齢層の遊びとしても定着しつつあります。
しかし、低年齢のうちは、まだ自分自身で遊ぶ時間やルールを決めることは難しいため、親子で一緒にルールを決め、あまり目を離さず、利用状況を確認することが重要です。
「ルールを決め、守らせる」ということをお子様と行うことは、これから成長していくに連れ他の様々なルールやマナーを学んでいくためにも良い経験となります。
この機会に、家族でルールを考えてみたり、改めてお子様とのコミュニケーションのあり方をご夫婦で話し合ってみるのも良いのではないでしょうか。

 

 

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