子どもとスマホの付き合い方。ルールや制限の仕方とは?

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「小学校進学に合わせて子どもにスマホを持たせたい」そう思う保護者の方は多いと思います。

一方、動画サイトやSNSなど、スマホを持つことにより触れるメディアが増え、保護者の知らないところでどう使用されるのか、不安に思うこともあるでしょう。
今回は、現在の子どものスマホ使用の現状に触れながら、子どものスマホ利用について注意しておきたいこと、知っておきたいことをご紹介いたします。

目次

  1. 子どものスマホ事情小学生のスマホ利用率は約3割
  2. スマホを使うならルールを決めよう
    • ルールが必要な理由
    • ルールの決め方
    • ルール内容の具体例
  3. スマホ依存にさせないために
    • 小学生の間にルールの徹底を
    • 幼児期のスマホ利用の注意点
    • 小学生以上のスマホ利用の注意点
  4. 見せたくない内容をブロックするには
    • フィルタリングサービスを利用しましょう
    • iPhoneの場合は、“機能制限”機能を使ってアプリのフィルタリングを実施
    • 各携帯会社が販売している「子ども向けのスマホ」の活用も
  5. まとめ

子どものスマホ事情小学生のスマホ利用率は約3割

内閣府が公開した、青少年のインターネット利用環境実態調査によると、小学生のスマホ利用率は平成29年29.9%となっており、約3割が利用しています。
スマホを利用している小学生がどんなことに使っているのかというと、「ゲーム」が77.9%、「動画視聴」が63.6%と、主に娯楽目的で使用していることが分かります。
親や友人と連絡をとるための「コミュニケーション」は、34.3%と、ゲームや動画視聴に比べると半分以下であり、主目的として「親と連絡をとるため」として持たせたとしても、実際はそれ以外のことに使われているのが実態だといえます。

 

また、小学生のスマホ利用時間として一番割合が多かったのが「1時間以上2時間未満」の25.4%。その次に、「30以上1時間未満」が22.6%となり、スマホを利用する小学生のおよそ半数は、30分?2時間をスマホを使う時間にあてていることが分かります。※1

※1 平成29年度 青少年のインターネット利用環境実態調査調査結果(速報)/平成30年2月/内閣府
http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h29/net-jittai/pdf/sokuhou.pdf

スマホを使うならルールを決めよう

ルールが必要な理由

JA共済が実施したアンケートによると保護者の方がスマホを子どもに持たせたいと思う理由は、「子どもとの連絡手段として」「子どもの居場所を把握するため」「子どもが希望したから」といった理由が主にあげられました。
一方、先程ご紹介したスマホ利用の現状によると、実際はゲームや動画視聴に利用されており、目的と実態にはギャップがあります。ゲームや動画視聴は、友達からの影響などもあり、楽しく中毒性があるもので、自分でコントロールできるとは限りません。子どもにスマホを持たせるということは、実際の使われ方が目的と異なるという点を念頭に置いたうえでルールづくりをする方が良いでしょう。※2

 

子供のゲームと依存症については、

子供のゲームいつから与える?ゲーム依存にならない?

の記事で詳しくご紹介しています。

 

ルールの決め方

スマホを渡す上で重要なのは家族で使用についてのルールを決めることです。
しかし、親から一方的に決めたルールを言い渡すだけでは、子どももそのルールの重要性が理解できません。
なぜルールを決めるのか、その理由も一緒に子どもに伝える必要があります

スマホ利用のルールの決め方は、家族の教育方針や考え方によって異なりますが、スマホの利用による「リスク」を中心にルールづくりをすると良いでしょう。
例えば、SNSによるトラブル発生のリスクや、長時間利用により宿題を行う時間や睡眠時間に影響が出る時のリスクなどを説明し、「だからこういうルールを作るよ」と説明していきましょう。※3

ルール内容の具体例

1.家庭における利用ルールを決める
ご家庭において、生活のルールはさまざまです。
スマホに関わらず、「22時までには寝ましょう」というような決まりがあると思います。
それと同じように、スマホとの付き合い方について、家庭でのルールをまず決めるようにしましょう。
例えば、「食事中の時はスマホを使わない」、「夜21時以降はスマホの電源を切る」、「学校で決められたスマホルールを守る」、「暗い場所では目が悪くなるので使わない」など、家庭における使用ルールを決めましょう

 

2.他の人に迷惑をかけないためのルールを決める
「歩きスマホをしない」、「他人の悪口や個人情報をネット上に書き込まない」、「お店内の商品や知らない人を勝手に撮影しない」、「公共の場で音を出して使用しない」など、他人に迷惑をかけないためのルールを決めましょう。

スマホを利用するうえで、どういったことが他人に迷惑がかかるのか、マナーも一緒に説明することで、理解を促しましょう。

 

3.スマホの使い方に関するルールを決める
スマホでの使い方に関するルールは、スマホ利用における「リスク」を説明したうえで決めましょう。

よく分からずクリックしていると、高額請求が来る可能性があることや、見ず知らずの人とネットを通してコミュニケーションをとることのリスクなどを話したうえで、ルールを決めていくと良いですね。

例えば、「スマホで課金することは禁止(または一定額を守る)」、「アプリを勝手にダウンロードしない」、など、「お金」に関係しそうなことは事前に親に相談することをルールとして決めましょう。
架空請求メールが届いたり、サイト閲覧時に誤ってクリックした結果、詐欺に巻き込まれることもあるという点も説明し、「そのような時は親に相談する」ということを伝えるのも大切です。
また、「SNSなどで知らない人と連絡を取らない」、「自分が特定される情報を教えない」、など、知らぬ間にトラブルに巻き込まれてしまわないよう、ネット上での付き合い方についてのルールも決めましょう。

 

4.ルールを守れなかった時のルールを決める
このようなルールを決めたうえで、それが守れなかった時のルールも作っておきましょう。
「守れなかったらスマホを親に返す」「守れなかったら○○する」など、覚悟を持って使うことを意識させるルールを決めておくことがポイントです。※3※4※5

※2 子どもにスマホ持たせてる?保護者500人に聞く「子どものスマホ事情」
http://nedan.ja-kyosai.or.jp/column/20170908_child_no14.html
※3 家族で話そう!お子さまの携帯電話利用のルール
https://www.softbank.jp/mobile/support/3g/protect/kids/rule/

※4 使う前に親子で話そう!ケータイ利用の心構え10か条
/https://www.nttdocomo.co.jp/corporate/csr/safety/rule/precaution/acknowledge/index.html
※5 ケータイルールを考えよう
/http://www.kddi.com/family/rules/

スマホ依存にさせないために

小学生の間にルールの徹底を

警視庁の調査によると、スマホを利用する小学生のうち、「やや依存群」「高依存群」とされる割合は合わせて約25%にのぼります。「高依存群」の小学生は2.7%と少ないですが、中学生になると、「高依存群」が2割を超え、高校生では3割以上が「高依存群」になります。
この結果からも、小学生の間にしっかりスマホの利用について話し合い、使い方についてしっかり取り決めをしておくべきでしょう。

 

同調査では、家庭で決めたルールを「守っている」または「大体守っている」と答えた割合を合わせると、依存傾向の低い少年は9割が守っているとの結果が出ています。
この結果から、ルールをしっかり守らせることで、スマホ依存を防ぐことができます。※6

※6 子供の携帯電話やインターネット利用について/2016年5月25日/警視庁
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/kurashi/higai/kodomo/survey_h26.html

幼児期のスマホ利用の注意点

幼児にとってスマホがどういったリスクがあるものかをしっかり理解することはまだ難しいでしょう。幼児期については保護者の方自身でルールを決め、物理的にスマホに触れないようにするような工夫が必要です。
具体的には、2つあります。
1つ目は、「幼児が勝手に触れないようにすること」。
見つからない場所に隠したり、パスワードロックをかけることが有効です。2つ目は、「利用中も不適切な使い方ができないように設定すること」です。
後述するフィルタリングサービスを使用したり、利用時間で制限をかける機能や課金を防ぐ機能を活用しましょう。

小学生以上のスマホ利用の注意点

小学生以上になると、親の目の届かない範囲でスマホを利用するシーンが増えます。
そのため、保護者とお子様の間でしっかりとルールを決めておかなければなりません。
まずはお子様がご両親に気軽に相談できる環境を作ること、インターネットの利用についてどのようなリスクがあるのかを継続的に会話すること。

低学年の間は、そのようなコミュニケーションを通してルールの徹底を行いましょう。
中学年以降は、ルールの範囲内で自由に活用させながらも、利用状況が確認できるようにしておきましょう。
ちょっとした子どもの変化に気づけるよう、毎日お子様の様子を見守るようにしましょう。※7

※7 子どもとケータイファミリーガイド
http://www.kddi.com/family/agendas/parents.html

見せたくない内容をブロックするには

フィルタリングサービスを利用しましょう

フィルタリング機能は、アダルトサイトや出会い系サイトなど、子どもにとって有害なサイトへのアクセスをブロックでいる機能です。

18歳以下の方がスマホを利用する場合は、このフィルタリング機能に加入することが、「青少年インターネット環境整備法」にて義務化されています。
各大手携帯キャリア会社は、フィルタリングサービスを提供していますので、大手携帯会社で回線を契約している場合は、それぞれキャリアショップで設定してもらいましょう。
格安SIMなど、その他の会社の場合は、それぞれフィルタリングサービスを有料で提供していたり、全キャリアで活用できるフィルタリングサービスがありますので、そちらを利用しましょう。
このようなフィルタリングサービスは、「ブラウザ型フィルタリングサービス」のため、携帯電話回線でも、Wi-Fi環境でもフィルタリングがかかります。

利用時間の設定や、閲覧サイト、アプリの利用状況の確認、エリアの確認などを行うこともできます。※8

※8 あんしんフィルターforau
https://www.au.com/mobile/service/anshin-filter/

iPhoneの場合は、“機能制限”機能を使ってアプリのフィルタリングを実施

「アプリのダウンロードを制限したい」という場合はどうしたらよいのでしょうか。
アプリの利用には、AndroidとiOSで違いがあります。
Androidでは先程ご紹介したようなフィルタリングサービスを利用することで、アプリのフィルタリングを行うことが可能です。
一方、iPhoneの場合は、フィルタリングサービスではアプリのダウンロードを制限することができません。
そのため、個別に「機能制限」機能の設定を行う必要があります
この設定を行うことで、お子様が不必要にアプリをダウンロードすることができなくなります。※9

※9 お子さまの人生を守るためのフィルタリング活用講座
https://www.daj.jp/cs/filtering/lessons/03/01/#intro

各携帯会社が販売している「子ども向けのスマホ」の活用も

最初から大人が使うものと同じiPhoneやAndroid携帯を渡すと、ご紹介したような設定や管理を親側で行う必要があります。
「少し難しそうだな…」「年齢ごとに見直しするのは大変だな」と思う場合は、まずは子ども向けに機能を制限された子ども向けのスマホから活用するのも一つです。
各携帯会社がそれぞれ販売していますので、ショップで相談してみましょう。

まとめ

小学生のスマホ利用は、課金やSNSトラブルのリスクがあるため、親と子どもで事前にしっかりとルールを決めておく必要があります
また、よりルールの重要性を理解してもらうためには「インターネットとはどういうものか」いう点から話す必要があるため、親の方でもスマホ事情やインターネットについての知識を得ることが必要です。
これらの情報は、各携帯のキャリアショップで相談することが可能ですので、ご不安な場合は一度話を聞いてみて、子どもに合うスマホ選びを行いましょう。

 

また、スマホの利用については、学校で定められたルールがある場合もあります。
学校での決まりを親も理解しておく必要があります。
お子様は、お友達同士で情報交換するため、スマホの理解も親が思う以上に進んでいきます。
同級生の保護者の方と情報交換したり、定期的にお子様と会話することを大切にしながら、スマホと付き合っていきましょう。

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