小学生からでも遅くない!本が苦手な子供を本好きにするにはどうしたらよい?

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読書から得られるものは多く、多くの親は「子供に本を読んでもらいたい、本が好きな子供になってほしい」と願っているのではないでしょうか。
最初から本の好き嫌いが決まった子はいません。
本が好きになったり、本が嫌いになったりするには何かしらのきっかけがあります。
小学生からでも遅くありません。
子供が本に興味を持ち、本好きになるにはどうしたらよいのか、一緒に考えていきましょう。

目次

  1. 子供の本に対する悩みあるある
    • 本を読むのは大きくなってからでも遅くないか?
    • うちの子、同じ本を何度も読んでいるのですが…
    • 年齢が上がるにつれ、文字数が多い本を読ませたほうがよいの?
  2. 子供を本好きにするにはどうしたらよいか?
    • 生まれつき本が嫌いな子はいない
    • 本を読む環境を整える
    • 本選びは子供にさせる
    • 読む力を徐々につけていく
    • 読み聞かせは有効
  3. 本が苦手な小学生におすすめの本は?
    • 最初は絵本や図鑑、マンガでもよい
    • どんな本を選んでよいかわからない場合
    • ベストセラーよりロングセラーを
  4. 本を読むことはさまざまな力を育む
    • 本を読むことで身につく力
    • 勉強より大切にしたい「本を読むこと」
  5. まとめ

子供の本に対する悩みあるある

本を読むのは大きくなってからでも遅くないか?

子供たちが小さい頃から本をたくさん読む機会がある、これはとても良いことです。
しかし、本を読むのが遅すぎる、ということはなく、小学校高学年になってから本を好きになる子もいます
小さい頃から本に興味を持たなかったとしても、諦めることは無いのです。※1
ただし、1つだけ忘れてはならないことは、文字が読める小学校高学年であっても「本を読むことは初心者」ということです。※1
本を選ぶ際は、実年齢に応じた本を選ぶ必要はなく、その子の読書レベルにあった本を選ぶようにしましょう
文字が少なくたって良いですし、マンガでも良いのです。
その子が読みやすいものから始めてみましょう。
親の読み聞かせでも構いません。
本に触れることが大切なのです。※1

 

うちの子、同じ本を何度も読んでいるのですが…

親は子供に、同じ本ばかり読まずに、いろんな本を読み、いろんなことに興味を持ってほしいと願います。
しかし、同じ本を繰り返し読むことは悪いことではありません
読書力のある子ほど、同じ本(好きな本)を何度も読んで、細かいところまで読み取っているのです。※1
繰り返し読むことは、ただ本の内容が頭に入るだけでなく、考える力、感じる力、想像する力、表現する力も身につけていきます。※2
むしろ、繰り返し読むほどお気に入りの本に出会えることはとても喜ばしいことです。
本をもっと読んでみたいという気持ちにもなりますし、本を読む習慣をつけるには最善の方法なのかもしれません。※1、3

 

年齢が上がるにつれ、文字数が多い本を読ませたほうがよいの?

親は、子供が小さいうちは絵が多く、文字が少ない本を選び、大きくなるにつれ文字数が多い本を選びがちです。※3
年齢が上がってくると、子供に「もっと文字が多くて分厚い本を読みなさい」と言っていませんか?※3
本が苦手な子供は、文字が多い、本が分厚いというだけで、読む気が失せてしまいます
子供の読書レベルにあったもの、そして子供が自分で選んだ本を尊重してあげてください。※3
文字が少ない絵本でも、レベルの高いものもあります。
「小学生なのに絵本読むの?」と否定することはやめましょう。※3
もし子供にこの本を読んでほしいとお願いされたなら、ぜひ読み聞かせをしてあげましょう。
読みたいという気持ちを大切にしてあげてください。※3

 

※1 石田淳(著) 2008年1月発行 子どもの成績を伸ばす1日10分読書 PHP研究所
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-69648-5
※2 中根克明(著) 2016年12月発行 小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b253308.html
※3 高濱正伸 平沼純(著) 2016年11月発行 子どもを本好きにする10の秘訣 実務教育出版
https://jitsumu.hondana.jp/book/b250366.html

子供を本好きにするにはどうしたらよいか?

生まれつき本が嫌いな子はいない

本が好きな子供は、もともと読む能力があるからだと思っていませんか?
実は、本の好き嫌いには、生まれつきの違いがあるわけではありません。※3
本が嫌いになるのは、何かしらのきっかけがあります
例えば、以下のようなことで本嫌いになる場合があります。※1、3

  • 「本を読みなさい」としつこく言われる
  • 大人がいいと思う本を押し付けられる
  • 読んだ後「どう思った?」と感想を求められる
  • 「またその本読んでるの?」と言われる
  • 「小学生なんだから、もっと文字が多い本を読みなさい」と言われる

自分が読みたいときに自由に自分のペースで読むことで、読書は楽しいものになります。
読む時間も決められたくありません。
最後まで読みなさいと言われたくありません。
後ろから読んでも、飛ばして読んでもいいんです。※3
子供が読みたいように読ませてあげることが、本を読む楽しさにつながっていきます。※1、3

 

本を読む環境を整える

子供が本に近づく第一歩は、家庭内に自然と本が存在する、本を身近に感じられる環境があることです。
図書館に行って本をたくさん借りてきたり、本屋に行ってみたりと、本に触れ合う機会を作ってみましょう。※2、3、4、5
そして、ぜひ親自身も本を読んで楽しんでください
親が本を読む姿を見て、子供は自然と自分も本を読んでみようと思います。
テレビやゲームなど気が散るものは除いて、家族で本を読むスペースと時間を作れるとベストです。※2、3、4、5
毎日忙しくてなかなか本を読む時間がないという親は、寝る前の時間を読書時間にすると取り組みやすいです。
子供が読みたい本を読み聞かせしてあげても構いません。
赤ちゃんのころに読み聞かせで寝かしつけた方も多いのではないでしょうか。
これも子供にとっては本を読む一つの習慣です。
読書を習慣にすることが大切なのです※2、3、5

 

本選びは子供にさせる

読書に限らず、子供の成長には自分で決めることは重要なことです。※3
大人目線で選んだ本を子供に与えるのではなく、子供が自分で選ぶことが大切です。※3、4
ただし、まだ読み聞かせが中心な年齢の子供には、親が子供の頃好きだった本や昔話などを親が選びましょう。※3

 

読む力を徐々につけていく

本が苦手で、読む力がない子供は、徐々に読むページを増やしていくとよいです。※2
例えば、1ページだけ子供が読み、残りは親が読んであげるとすれば、「1ページなら読めるかも」と子供は思います。
慣れてきたら少しずつ増やしてみましょう。
徐々に読めるようになった自分に自信がつき、もっと読みたいと思えるようになっていくでしょう。※2

 

読み聞かせは有効

読み聞かせは、子供が小さい時に行うものに限りません。
読み聞かせとは耳からの読書です。
耳からの言葉をイメージしながら、いろんなことを感じ取るのです。
自分で読むことは、目からの読書ですから、耳から聞いた言葉が増えると、目から入る言葉の理解も深まります
一人で読めるようになった小学生でも、読み聞かせはとても有効です。※1、2、3、5
もし子供が「読んで~」と言ってきたなら、「もう小学生なんだから一人で読めるでしょ!」と突き放すのではなく、ぜひ読んであげてください。
同じ本を何度読んでも大丈夫、子供が読みたい本を読んであげましょう。※1、2、3、5


【読み聞かせのコツ】

  • 自然な声で読む

登場人物ごとに声を変える必要はありません。※3、5

  • 一音一音はっきりと

口を大きく開けることを意識してみましょう。※5

  • 文章を変えて読まない

言葉の意味がわからないだろうと思って親がわかりやすく言い換えて読む必要はありません。
わからなければ子供の方から聞いてきます。※5

  • 子供がリラックスできる姿勢で

寝そべって読んでも構いません。
子供が楽な姿勢で、読み進めるとよいです。※3、5
読み聞かせは親と子供が触れ合う大事な時間です。
子供は親に読んでもらうことで、安心感を得ます
生活の中に読み聞かせの時間を取り入れてみましょう。※2、3

 

※1 石田淳(著) 2008年1月発行 子どもの成績を伸ばす1日10分読書 PHP研究所
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-69648-5
※2 中根克明(著) 2016年12月発行 小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b253308.html
※3 高濱正伸 平沼純(著) 2016年11月発行 子どもを本好きにする10の秘訣 実務教育出版
https://jitsumu.hondana.jp/book/b250366.html
※4 松岡享子(著) 2015年2月発行 子どもと本 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b226320.html
※5 松永暢史(著) 2015年6月発行 将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる! 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b186071.html

本が苦手な小学生におすすめの本は?

最初は絵本や図鑑、マンガでもよい

本が苦手な小学生は、最初は文字が少なく絵が多い、絵本や図鑑、マンガから始めてみましょう。※1、6
「えっ、マンガ!?」と思うかもしれませんが、マンガも本の仲間です。※1、6
親は「マンガばかり読んでないで、違う本を読みなさい」と言ってしまいますが、マンガもストーリーを追ったり、人物の心理を読み取ったり、意外と頭を使っています。※1
何より子供が楽しい、面白いと感じることが大事なのです。
一つの本を読み切った達成感も自信につながります。※1

 

どんな本を選んでよいかわからない場合

本を読み慣れていない子供は、図書館や本屋に行ってもどんな本を選んだらよいのかわからず、戸惑っています。
本を手に取ってパラパラめくることもせず、どうしよう~と言って選ぶことができない子供もいます。
面白くない本だったらどうしようという心配や、面白い本を選びたいという気持ちが強いからかもしれません。※2
そのような時は、親が手を差し伸べてあげましょう。
シリーズものや子供が興味のあるジャンルは選びやすいです。※2

 

ベストセラーよりロングセラーを

本自体に、どれがよい本、悪い本というのはありません
読み手がどう感じるか、どう影響を受けるかで評価は決まります。
読む人によって評価がまったく分かれることもあります。※3、4
強いて言えば、「ベストセラー本」より、「ロングセラー本」の方が良い本が多いかもしれません
昔から読み継がれているということは、多くの人に愛されている証です。
本選びに迷うなら、ロングセラー本から手に取ってみてください。※3、4
本には、奥付といって、題名、著者名、発行年数、発行者などが記載されているページがあります。
ロングセラー本かどうか見分けるには、この初版発行年と印刷回数を見るとわかります。
最初に出版されたのがいつで、手元にある本が何刷り目なのか。
発行年が古く、印刷回数が多い本ほど、多くの人が買って読んでいる本となるのです。※3、4
古い本は書店に並んでいない場合もあるので、地域の図書館も併せて利用していきましょう。※3、4

 

※1 石田淳(著) 2008年1月発行 子どもの成績を伸ばす1日10分読書 PHP研究所
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-69648-5
※2 中根克明(著) 2016年12月発行 小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b253308.html
※3 高濱正伸 平沼純(著) 2016年11月発行 子どもを本好きにする10の秘訣 実務教育出版
https://jitsumu.hondana.jp/book/b250366.html
※4 松岡享子(著) 2015年2月発行 子どもと本 岩波書店
https://www.iwanami.co.jp/book/b226320.html
※6 旺文社(編) 2018年7月発行 学校では教えてくれない大切なこと(22) 本が好きになる 旺文社
https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011195

本を読むことはさまざまな力を育む

本を読むことで身につく力

本を読むことで、たくさんの力を身につけることができます。
一例を挙げてみましょう。


・学力向上につながる
本を読むことは、漢字を早く覚える、読むスピードが早くなる、語彙力読解力などの国語力が身につくことはご存知の通りです。※2、6
学校の教科書やテストは、国語だけでなく、算数、理科、社会も日本語で書かれています。
算数は、計算力があればできると思いがちですが、高学年になると文章問題も発展してきます。
文章をしっかり読み取れなければ、どの計算式を使えばよいのかもわかりません。※2、6
国語力は、どの教科にも必要な力なのです。 ※2、6

 

・思考力・想像力が豊かになる
耳で聞く、文字を読むことで、自ずとその文章の情景を思い浮かべ、イメージ化します。
現実ではありえない話の場合は、思考力・想像力がより多く働きます。※3、5、6

 

・人の気持ちがわかるようになる
登場人物の言葉や様子から、登場人物がどういう気持ちなのか考えるようになります。
登場人物の心の動きに注目しながら読むと、より理解が深まります。※6

 

・発想力が豊かになる
本を読めば、たくさんの知識を得ますし、いろんな世界があることを知ります。
新しい世界を知れば、視野が広がり、発想力が豊かになります。
こんなのがあってもいいんじゃない?というように、新しいことにチャレンジします。※6

 

・情報を整理する力がつく
物語で内容の濃い本を最後まで読み進めるには、人物や出来事などを頭に記憶し、整理していくことが必要です。
本を読むことで自然とその力は身についていきます。
情報を整理しながら読み進めれば、理解も深まります。
分けるという作業は学習効率アップにもつながります。※3

 

・コミュニケーション能力がアップする
自分の感じたこと、考えたことを人に上手く伝えることができるようになります。
本を読むことでたくさんの言葉を知り、実際に使える言葉が増えてきます。※6
例えば、「美味しい!」という言葉一つでも、外はカリっとして中はふわふわして美味しい!と伝えることができるようになると、様子がよく伝わり、会話の幅も広がります。※6

 

勉強より大切にしたい「本を読むこと」

親は子供が生まれると、子供の将来を考え、いろんなことを経験させたいと思います。
塾や水泳、ピアノなど習い事をしている子供も周りに多いので、自分の子供も通わせた方がいいのだろうかと焦ります。※5
勉強の先取りが悪いというわけではありませんが、それよりも先に身につけていきたいのが「本を読むこと」です。※5
前述したように、読書から得られるものは多く、その能力は後々社会に出てからもずっと役立ちます。※5
本を読むことは家庭の中でできる、手軽で有効な教材です。
読書=勉強とするのではなく、「遊び」のように楽しいものにしてください。※5

 

※2 中根克明(著) 2016年12月発行 小学校最初の3年間で本当にさせたい「勉強」 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b253308.html
※3 高濱正伸 平沼純(著) 2016年11月発行 子どもを本好きにする10の秘訣 実務教育出版
https://jitsumu.hondana.jp/book/b250366.html
※5 松永暢史(著) 2015年6月発行 将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる! 総合出版すばる舎
http://www.subarusya.jp/book/b186071.html
※6 旺文社(編) 2018年7月発行 学校では教えてくれない大切なこと(22) 本が好きになる 旺文社
https://www.obunsha.co.jp/product/detail/011195

まとめ

人は、読書を通してさまざまな力が育まれます。
ぜひとも子供に読書を習慣づけたいところですね。
「うちの子は小さい頃に読み聞かせしてないからもう遅い」と諦める必要はありません。
いまからでも子供を本好きにすることはできます。
最初はマンガでも絵本でも何でもいいのです。
本にたくさん触れ、「本は楽しい」と思えることが大切なのです。
どうしても本を読みたがらない子には、親が読み聞かせをしてあげるとよいでしょう。

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