シングルマザー・母子家庭でも大丈夫!仕事・お金の不安を乗り切る方法

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離婚、死別、未婚など、様々な理由でシングルマザー・母子家庭になったあなたへ。
仕事、教育費、住まいのことなど、いろんな不安を一人で抱えていませんか?
今回の記事では、シングルマザー・母子家庭が第二の人生を明るく歩めるように、就職活動のポイントやおすすめの仕事、利用できる手当・制度・相談先などを紹介します。

目次

  1. シングルマザー・母子家庭の就職活動のポイント
    • 職探しを始める前に考えること
    • シングルマザーが仕事を探す方法
    • シングルマザーが採用面接を乗り切るコツ
  2. シングルマザー・母子家庭におすすめの仕事
    • 看護師
    • 介護福祉士
    • 医療事務
    • 保険営業
    • 在宅ワーク
  3. シングルマザー・母子家庭とお金
    • 子供の教育費、いくら貯めればいい?
    • 児童扶養手当について
    • 知っておきたい奨学金・貸付制度
  4. シングルマザー・母子家庭のお悩み相談先
    • 自治体・福祉事務所
    • 法テラス・弁護士会
    • NPO法人
  5. まとめ

シングルマザー・母子家庭の就職活動のポイント

子供と安心して暮らしていくためには、まずは就職して安定した収入を得ることが第一です。
なるべく早期に就職するにはどのようなポイントに気をつければいいのでしょうか。

 

職探しを始める前に考えること

シングルマザー・母子家庭になったあなたが、新しい仕事に求めることは何でしょうか?
「正社員で、給料が低くなくて、残業なし、完全週休2日、子供の病気や学校行事の際に休みをとりやすくて、自宅からアクセスしやすくて、未経験でもOK」という職場があれば理想的ですよね。
しかし、現実の求人市場では、あなたが求めるすべての条件が揃っている職場を見つけることは難しいと言わざるを得ません。
職探しを始める前に、まずはあなたが就職先に求める条件を明確にしておきましょう。
一口にシングルマザー・母子家庭と言っても、生活費や子供の教育費をしっかり稼ぎたい人は「正社員になること」、子供との世話や一緒にいる時間を優先したい人は「休みをとりやすいこと」というふうに、目指す働き方や暮らし方は異なってくるはずです。


また、「資格や特別な経験がないと就職できないのではないか」と焦る方もいるかもしれませんが、これまでの職歴や人生経験の「棚卸し」をして、自分にどんな強みがあるのかを言葉で説明できるようにしておくことも大切な就職対策になります。
仕事で経験したことにこだわらず、幅広いシーンを振り返り、あなたが楽しんでできること、得意なこと、努力が苦にならないことはどんなことか、考えてみてください。
「料理が得意なので、食材の産地や旬、調理方法に詳しい」「生まれてからこの地域にずっと住んでいるので、地理に詳しく知り合いも多い」「小さな子供や高齢者の相手をするのが得意で、すぐに仲良くなれる」といった強みを書類選考や面接で伝えられるようにしておけば、効果的な自己PRになります。

 

シングルマザーが仕事を探す方法

では、実際の就職活動はどのように進めればいいのでしょうか。
子供を持つ女性にぜひ活用してほしいのが、マザーズハローワークです。
一般的なハローワークと違って、キッズスペースやおむつ交換・授乳スペースが設けられていて、子供を連れて来た人が相談しやすいような配慮がなされています。
設備面だけでなく、託児施設がある求人情報、保育情報ガイドブックなど、子育てと両立しながら働くための情報を発信していたり、就職活動全般の悩みを個別相談でサポートしてくれるサービスがあったりと、シングルマザー・母子家庭の就職に向けた心強い味方になってくれます。
求人情報を探すだけならインターネットや情報誌で可能ですが、マザーズハローワークを活用すると新たなスキルを無料で身に着けることもできます。
マザーズハローワーク東京の場合、託児サービス付き再就職支援セミナーも開催しています。
面接対策やパソコンスキル講習といった採用の合否に直結する内容のほか、税金や保健、性格診断テスト、メイクアップセミナーなど多彩な内容が用意されています。※1

 

シングルマザーが採用面接を乗り切るコツ

シングルマザーの就職活動でよくある悩みが「採用面接で落とされる」という点です。
身だしなみや言葉遣いが大切であることは、一般的な就職活動と同じですが、シングルマザーならではの採用面接を乗り切るコツをおさえておきましょう。
雇用主にとって最も気になるのは、子育てと仕事を両立できるのかという点です。
「残業はできるのか」「土日に出勤できるのか」「子供が急に熱を出した場合はどうするのか」という質問にどう答えるのか、必ず事前に準備をしておきましょう。
保育所や学童保育のお迎えの時間から逆算して何時まで働けるのか、家族や病児保育ファミリー・サポート・センターなど子育てをサポートしてもらう手段がどれくらいあるのか、子供の世話で働けない分をどうカバーするのか(仕事を持ち帰る、早く出勤するなど)、といったことを具体的に説明して、説得力のある自己PRをすることが大切です。

 

※1:マザーズハローワーク東京「施設のご案内(窓口・各コーナー等)/2019年1月25日現在
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-mother/facilities.html#child

シングルマザー・母子家庭におすすめの仕事

母親一人分の稼ぎで家計を賄い、仕事と家事・子育てを両立するには、どのような仕事を選べばいいのでしょうか?
シングルマザー・母子家庭におすすめの仕事をご紹介します。

 

看護師

看護師は、就職率が高く、給与も安定しており、年齢を重ねても働き続けることができる仕事です。
夜勤もこなして高収入を目指したい人なら病床数の大きい病院を、家庭とのバランスを重視する人は夜勤のないクリニックを、というふうに望む働き方に応じた就職先を選ぶこともできます。
看護師になるには、看護学校で3年間勉強して国家試験に合格する必要があります。
学費が心配になる人もいるかもしれませんが、高等技能訓練促進給付金(ひとり親世帯の自立支援のために資格取得の勉強期間中に給付される)や看護師等修学資金貸与事業(条件を満たせば返還が免除される)などの公的支援を活用しながらため資格取得を目指せます。※2 ※3

 

介護福祉士

ますます高齢化する日本で、需要が高く、年齢に関係なく求人が出ているのが介護の仕事です。
介護の仕事は資格がなくてもできますが、就職活動や給与面で条件の良い仕事を得たいなら、国家資格である介護福祉士を目指すのがおすすめです。
介護福祉士の資格を取得するには、現場で3年以上働いて実務経験を積み、介護福祉士実務者研修を受ける必要があります。
資格を目指して勉強する間は、高等技能訓練促進給付金を活用することもできます。
体力勝負の仕事ではありますが、将来的には介護相談やケアプランの作成などを行うケアマネージャーへのステップアップの道などもあります。

 

医療事務

医療関係の仕事では、病院やクリニックで受付業務や医療費の計算などを行う医療事務の仕事も人気です。
専門学校で1年学ぶか、通信講座で数ヶ月〜半年程度勉強した後、資格試験に合格することで資格を取得できます。
看護師や介護福祉士と比べると資格取得の難易度は高くありませんが、仕事内容や待遇は就職先によって大きくばらつきがある傾向で、正社員でも給与水準は低めと言えます。
正確な事務処理能力が求められるほか、雑務も含めた幅広い業務を効率良くこなしていく力が大切です。

 

保険営業

保険営業の仕事は、取れた契約の件数がダイレクトに給与に反映され、頑張るほど高収入に結びつきやすいところが魅力です。
人見知りせず、コミュニケーションをとることが好きな人にとっては、様々な人に会って会話をして、信頼関係を築きながら楽しく仕事ができるでしょう。
営業という仕事の特性上、出先から事務所に戻らず直帰できるなど、自由に行動しやすいというメリットもありますが、その反面、顧客の都合で夜間や休日にアポが入る場合もあります。
就職は年齢制限も高めで難しくありませんが、採用後は保険を扱うプロとして必要な知識を身に着けたり、資格試験をパスしたりする必要があります。

 

在宅ワーク

インターネットを通じて仕事ができるようになった今、パソコン1台あれば自宅で仕事が完結する在宅ワークが広がっています。
通勤時間がなく、家事や子育ての都合やライフスタルに合わせて自由な時間で仕事ができることがメリットです。
データ入力、Webライター、Webデザイナー、プログラミングなど様々な仕事があり、これまでの経験や職歴を活かして収入につなげることができます。
経験なしから始めることもできますが、収入はスキルや営業力次第なので、職業訓練校などで学んで実力を磨くことが安定収入への第一歩です。

 

※2:厚生労働省「母子家庭自立支援給付金及び父子家庭自立支援給付金事業の実施について」/2019年1月25日現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062986.html
※3:東京都福祉保健局「看護師等修学資金貸与事業」/2019年1月25日現在
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/iryo/shikaku/syugaku/

シングルマザー・母子家庭とお金

シングルマザー・母子家庭にはお金の不安が尽きませんが、働いて得る収入以外にも活用できる公的制度があります。

 

子供の教育費、いくら貯めればいい?

子供を育てる上で最も気がかりなのが将来の教育費ではないでしょうか?
文部科学省の調査によると、幼稚園から高校までにかかる学校種別の学習総費用(学校教育費、学校給食費、学校外活動費)は次のようになっています。


【公立校の場合】
幼稚園:約234,000円
小学校:約322,000円
中学校:約479,000円
高等学校(全日制):約451,000円

 

【私立校の場合】
幼稚園:約482,000円
小学校: 約1,528,000円
中学校: 約1,327,000円
高等学校(全日制):約1,040,000円※4


また、日本政策金融公庫の調査によると、大学の入学費用や1年間の在学費用は次の通りです。
【国公立大学】
入学費用:692,000円
1年間の在学費用:1,085,000円

 

【私立大学文系】
入学費用: 929,000円
1年間の在学費用:1,61,3000円

 

【私立大学理系】
入学費用:870,000円
1年間の在学費用:1,802,000円※5

 

子育てにかかる費用の詳しい内容は

子育て費用、実際にかかる費用は?無理のない貯め方は?

にも掲載しています。

 

 

子供が小さいうちから教育資金を計画的に準備しつつ、家計の助けとなる制度についても最大限に活用することが大切です。

可能であれば、児童手当を生活費に回さずに教育費として貯金しておくことを目標にしましょう。

貯金や学資保険については、

子供用貯金、どうやっていくら貯める?名義はどうする?

でもご紹介しています。
 

児童扶養手当について

「児童扶養手当」とは、シングルマザー・母子家庭などの生活安定、児童の福祉増進などを目的に支給されるお金です。
両親が離婚した児童、片方の親と死別した児童などを対象に、18歳の誕生日の後の最初の3月31日まで支給されます。
児童一人の場合、平成30年度のひと月あたりの支給額は、全額支給(所得制限額未満)の世帯で42,500円、一部支給の世帯で42,490〜10,030円(所得に応じて変動)となっています。※6
支給が行われるのは年3回(4月、8月、12月)で、4ヶ月分がまとめて支払われます。
支給を受けるには市町村への申請が必要です。

 

知っておきたい奨学金・貸付制度

子供を高校・大学に進学させたいひとり親にとって、給付型奨学金は強い味方になります。
日本学生支援機構には、経済状況や成績を考慮して返還不要な給付型の奨学金があります。
自治体の奨学金は無利子の貸付型が中心ですが、卒業後に地元企業に就職することを条件に返還が免除されるタイプもあります。
また、進学先の学校によっては独自の給付型奨学金制度、特待生制度、学費免除制度を設けている場合もあります。
また、シングルマザー・母子家庭が利用できる制度に、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度があります。
高校・大学などの授業料、書籍代、交通費などに充てる「修学資金」、入学準備に充てる「就学支度資金」などを無利子で借りることができます。

※4:文部科学省「結果の概要-平成28年度子供の学習費調査 調査結果の概要」2019年1月25日現在
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_3.pdf
※5:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査」2019年1月25日現在
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_h29.pdf
※6:東京都福祉保健局「児童扶養手当」2019年1月25日現在
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/teate/zidoufuyouteate.html

シングルマザー・母子家庭のお悩み相談先

シングルマザー・母子家庭を支援する制度や団体は数多く存在しますが、そのようなサポートが受けられることを知らないために利用できない世帯があるのも事実です。
シングルマザー・母子家庭が知っておくと便利なお悩み相談先を紹介します。

 

自治体・福祉事務所

ひとり親世帯が受けられる手当や支援策など、子供と安心して暮らせる環境を整えたい方は、自治体や福祉事務所に相談してみてください。
児童扶養手当の支給、家賃の安い公営住宅への入居優遇制度、ひとり親世帯向けの医療費助成制度、生活保護、夫または妻が亡くなった世帯が受け取れる遺族年金、家事をサポートするホームヘルパーの派遣など、経済面や日々の暮らしをサポートする様々な施策を紹介してもらえます。

 

法テラス・弁護士会

離婚してシングルマザー・母子家庭になった場合、法律上のトラブルを抱える世帯もあります。
「養育費が途中で支払われなくなり、元夫がどこにいるのかわからない」「元夫が再婚して養育費を一方的に打ち切られた」「未婚で出産したが、養育費の支払いを受けたい」といったお悩みです。
相談費用が心配で躊躇している方は、無料法律相談会をチェックしてみてください。
法テラスの場合、収入などの条件を満たせば1回30分程度(最大3回まで)の相談をすることができます。※7
また、地域の弁護士会が自治体などで開催する市民向け無料法律相談会などもあります。

 

NPO法人

ひとり親世帯にとっては、同じような悩みを抱える親たちとのつながりを持つことも大切です。
周りにひとり親がいない、相談できる人がいないという方は、ひとり親世帯を支援するNPO法人に参加してみてはいかがでしょうか。
実施内容は団体によって異なりますが、シングルマザー・母子家庭の交流会、子供が楽しめるイベントの開催、キャリア支援、お悩み相談会、病児保育の提供、子供の学習支援など様々です。
参加することで口コミならではの鮮度の高い情報が得られ、不安な気持ちやストレスを解消することもできる貴重な場になるでしょう。
行政の支援では不十分な点にもきめ細かな支援が期待できます。

※7:法テラス「無料の法律相談を受けたい」2019年1月25日現在
https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/faq/faq_2/index.html

まとめ

シングルマザーや母子家庭には、公的なものから民間のものまで様々な支援の手が差し伸べられています。
でも、情報を知らなければ支援を活用することはできません。
日ごろから親子だけで孤立せず、自治体職員、支援関係者、同じシングルマザーとのネットワークを作っておくことが大切です。

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