赤ちゃんのおもちゃいつ買う?何買う?どう遊ばせる?
生まれたばかりの赤ちゃんは、純真でとっても愛おしい存在ですよね。
赤ちゃんが子供になり、やがて青年へと成長するのは、とても長い期間のように思えます。
でも、実は「赤ちゃん」と呼ばれる時期に適切な「おもちゃ」を与えることで、その後の成長・発達にも大きな影響が出ることを、ご存知でしょうか。
ここでは、「赤ちゃん」の発達段階と、それに合わせたぴったりの「おもちゃ」をご紹介します。
目次
- おもちゃは発達段階に合わせる!まずは赤ちゃんの発達段階を知っておこう
- 赤ちゃんは、なぜ「赤ちゃん」なの?
- 赤ちゃんは、目まぐるしく成長・発達する
- 生後0~2か月
- 生後3~4か月
- 5~6か月
- 7~8か月
- 9か月~1歳まで
- 「その子に合うおもちゃ」は、人それぞれ
- 赤ちゃんへのおもちゃ、初めて買うのはいつ?
- ママとパパが買うのか、プレゼントされるのか
- 赤ちゃんのおもちゃは、実物を見て、触って決めよう
- 発達段階に応じた、おすすめのおもちゃは?
- 発達段階によって、遊び方は変わる
- 赤ちゃんにおもちゃを与える「目的」とは
- 赤ちゃんの成長・発達段階に合わせたおもちゃを選びを
おもちゃは発達段階に合わせる!まずは赤ちゃんの発達段階を知っておこう
赤ちゃんは、なぜ「赤ちゃん」なの?
生まれたての新生児の皮膚はとても薄く、血管が透けて見えるほどです。
そのため、新生児が泣いた時は、顔が真っ赤になります。
顔だけではなく、体中で何かを訴えるような時は、全身が真っ赤になっていきます。
このことから赤子という単語が生まれたと、一般的には考えられています。
「赤子」に「ちゃん」を付けるのは、親しみを込めているためです。※1、※2
赤ちゃんは、目まぐるしく成長・発達する
生まれて1歳未満の赤ちゃんを、一般的には乳児と呼びます。※3
では、乳児期の赤ちゃんがどのように発達するのか、その頃に適したおもちゃはどういうものなのか、月齢ごとに見ていきましょう。
生後0~2か月
この頃の赤ちゃんの生活は、一日中眠って過ごす時期だと言われています。
まだ昼と夜の区別もないため、ふと目を覚ましては、おっぱいやミルクを飲んでまた眠る、これを2、3時間おきに繰り返します。
また、体の動きのほとんどは「原始反射」によるもので、外からの刺激に反応して体を動かしています。
例えば、唇に乳首などが触れると強く吸いつく吸啜(きゅうてつ)反射、大きな音がすると驚いたように両手を広げるモロー反射などがあります。
赤ちゃんの手はいつも握られた状態ですが、これは把握反射によるものです。
また、この頃の赤ちゃんは、顔から20~30センチ離れたものに焦点を合わせられる視力をもっていると言われています。
赤ちゃんを抱いて顔を近づけると、見つめ返すこともあります。
その見方は固視というもので、一か所をじっと見るため、真正面から対象がずれると見えなくなってしまいます。
動くものを目で追う追視が始まるのは、1~2か月頃です。
この頃になると、目の前でゆっくりと動くものを、顔の中心から左右に約50度程度まで追視できるようになります。 ※1、※2
生後3~4か月
3~4か月頃になると、原始反射が消え始め、自分の意思で体を動かす随意運動の発達が進みます。
握っていた親指が外側に出てくることで、物をつかめるようになってきます。
自分からつかもうとすることはまだありませんが、モノをつかむ、口に運ぶ、舐めるといった、連続した動きができるようになります。
視力と共に聴力も発達してきて、物や人に対して興味を示すようになります。
また、個人差はありますが、首が座り始めるのもこの時期です。
首が思い通りに動かせるようになると、音や声に反応して目を向けることもできます。
2か月頃に始まった追視は、首がしっかりするにつれてその範囲が徐々に広くなります。
首すわりが進むと、体の発達は下半身に進み、腕から腰や足に筋力がついてくると、「寝返り」もできるようになります。
寝返り運動は早くて4か月頃、遅ければ7~10か月と個人差が非常に大きいものですので、焦らずじっくりと待ちましょう。
この時期、赤ちゃんがものを手でつかめるようになったら、小さなおもちゃを握らせて、視る・聴く・触れるといった五感を育みましょう。
布製の人形やボール、ガラガラなど、音の出るおもちゃもおすすめです。
この時期は視力が発達途中ですので、赤ちゃんが認識しやすいような赤・青・黄・緑など、カラフルなおもちゃが向いています。 ※1、※2、※4
5~6か月
首すわりが完成する頃です。
この頃になると、赤ちゃんの手首を持って引き起こすと、体と一緒に頭も上がるようになります。
手や指先が目覚ましく発達する時期でもあり、自分で見たいものが見られるようになると、関心のあるものに自分から手を伸ばし、しっかりと手でつかむようになります。
この時期の赤ちゃんは、手に取ったものは何でも口に運び、なめて物を確認し、物と積極的に関わろうとしています。
また、身近な人の顔がわかるようになるのもこの時期で、母親など特定の人を区別、認識して、あやしてもらうことを喜びます。
この時期の赤ちゃんは、握ったおもちゃを口に運ぶようになります。
おすすめのおもちゃとしては、布製の人形、ぬいぐるみ、ボールなどがありますが、ボタンなどの飾りが付いたものは、口の中で外れて誤嚥する可能性があります。
おもちゃの安全性には十分に注意して選んであげましょう。 ※1、※2、※4
7~8か月
おすわりは6~7か月ごろに始まりますが、7~8か月ごろになると丸まっていた背筋が伸び、手をつかずにおすわりができるようになります。
おすわりすることで視野が大きく広がり、探索行動がますます活発になります。
手や指先の機能はますます向上し、片手に持ったものをもう片方の手に持ち替えるなど、両手を連携させて使えるようになります。
また、ハイハイが始まるのもこの時期です。
この時期、しっかりとおすわりができるようになれば、タンバリンや太鼓、木琴などのおもちゃで遊べるようになります。
手指の機能も発達しますので、物を出し入れするようなおもちゃも良いでしょう。
ハイハイへの意欲を高めるような、動きのあるおもちゃもおすすめです。 ※1、※2、※4
9か月~1歳まで
この時期になると、テーブルなどに両手をついて、つかまり立ちを始めます。
これにより、自分の体を二本の足で支えることを学び、伝い歩きをするようになります。
この時期の移動方法はハイハイが主ですが、伝い歩きで体のバランスがとれるようになると、一人で立てるようになります。
早い子では、一人歩きが始まる子もいます。
また、指先のさまざまな動きがスムーズになります。
9~10か月ごろには両手に持ったものを打ち合わせたり、10~11カ月ごろには親指と人差し指の2本で小さいものをつまめるようになります。
1歳近くになるとテレビなどの小さなスイッチを押したり、容器にものを入れるような動作もできるようになります。
9か月を過ぎ、つかまり立ちや伝い歩きをする頃になると、押し車や木馬など、自分の体を使って遊ぶおもちゃで遊べるようになります。
積み木は、2個ほどならば積み上げることができるようになる頃です。 ※1、※2
「その子に合うおもちゃ」は、人それぞれ
発達のスピードは個人差が大きく、赤ちゃんによってさまざまです。
月齢とおもちゃの関係はあくまでも例ですので、必ずしもこの通りにする必要はありません。
そのときに伸びてくる能力を十分に発揮できるようなおもちゃを選び、赤ちゃんの心と体の健やかな成長を促してあげましょう。 ※1、※2
※1 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 監修:金子龍太郎 吾田富士子 ナツメ社
※2 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 監修:西坂小百合 ナツメ社
※3 厚生労働省 各種法令による児童等の年齢区分
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000096703_1.pdf
※4 神戸山手学園 「乳児における姿勢運動発達と言語発達 -飛行機ポーズの検証‐」
http://www.kobe-yamate.ac.jp/library/journal/pdf/univ/kiyo16/16yano.pdf
赤ちゃんへのおもちゃ、初めて買うのはいつ?
ママとパパが買うのか、プレゼントされるのか
乳児の時期は、これから健やかに成長していくための土台を作る大切な時です。
この時期、赤ちゃんの目覚ましい成長と発達を助けてくれるものが、おもちゃです。
現代はさまざまな種類のおもちゃがありますが、赤ちゃんの成長に合ったおもちゃを選ぶことが大切です。
例えば、5~6か月なら、形のあるものをしっかりとつかむことが出来るようになります。
この時期には、赤ちゃんの手にやさしい、つかみやすい、音などで興味をひくようなおもちゃを選ぶと良いでしょう。 ※2、※5
おもちゃは実際に赤ちゃんが生まれてから必要になりますが、産後のママは赤ちゃんのお世話で忙しく、ゆっくりと買い物を楽しむことは難しいでしょう。
できれば、生後2~3か月頃までのおもちゃは、出産前に準備しておくことをおすすめします。
妊娠後期は、赤ちゃんの性別も分かるなど、赤ちゃんが生まれる実感もますます沸いてくる時期です。
生まれてくる赤ちゃんを想像しながらおもちゃを選ぶことは、パパやママにとっても楽しい時間になるでしょう。
これから経験する出産や、赤ちゃんをお世話することに対する不安よりも、楽しみや期待が大きくなりますよね。
また、赤ちゃん用のおもちゃは、出産祝いとして頂くケースも多いかと思います。
「自分で用意するにはちょっと高価だな」と思うおもちゃがあるなら、お祝いとして自分たちの両親にリクエストするのも良いかもしれませんね。 ※2、※5
赤ちゃんのおもちゃは、実物を見て、触って決めよう
赤ちゃんは成長するにしたがって、それぞれ好みも変わってきます。
赤ちゃんのおもちゃは成長過程を見ながら、その子が気に入るようなものを買いそろえることをおすすめします。
ついつい親心として、早く成長して欲しいという気持ちから、実際の月齢よりも何段階も上のおもちゃを与えたくなることもあるでしょう。
しかし、赤ちゃんの成長に合っていないおもちゃは使うことができないだけではなく、一度興味を無くすとそのままになってしまう場合があります。
赤ちゃんのおもちゃはデザインも種類も多いため、一つ選ぶのも悩みますよね。
最近では、インターネットでさまざまなおもちゃを探すことができますし、簡単に手に入れることもできます。
しかし、おもちゃは赤ちゃんの成長に大切な役割を果たすものです。
できれば、実店舗で実際に手にとって、感触や使い心地を実感し、吟味して納得してから購入することが大切です。
そうすることで、思ったイメージと違った、せっかく買ったのに赤ちゃんが気に入ってくれない、というような残念な失敗を避けることができます。
悩んだら、いくつかを並べて、赤ちゃんに選ばせるようにしても良いかもしれません。 ※5
また、おもちゃ選びには、安全面にも十分に注意する必要があります。
赤ちゃんが安全に遊べるものかどうか、チェックして選びましょう。
特に3~8か月頃の赤ちゃんは、おもちゃを舐める遊びが大好きです。
口に入れても安全な材質か、小さなパーツが取れてしまうことがないかなど、細かくチェックしてみましょう。 ※5
最近では、育児支援の一環として地域の保育園などで「おもちゃの貸し出し」を行うところもあります。
このような地域のサービスを利用して、自宅でお試しして気に入ったら購入するという手もあります。
まずは、ママやパパが実際におもちゃを触ってみて、赤ちゃんが喜ぶようなおもちゃを借りるところから始めてみても良いのではないでしょうか。 ※5、※6
※2 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 監修:西坂小百合 ナツメ社
※5 イラストで読む! 幼稚園教育要綱 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 編者:無藤隆・汐見稔幸
※6 内閣府 子ども・子育て支援新制度
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/index.html
発達段階に応じた、おすすめのおもちゃは?
発達段階によって、遊び方は変わる
首がすわっていない3か月頃までは、ママが話しかけること、優しくスキンシップしてあげることが大切な遊びのひとつです。
音が出るおもちゃを鳴らすと音のするほうを向いたり、明るい色のおもちゃを見せると目で追うこともできるようになります。
首がすわり、寝返りができるようになると、手を伸ばしておもちゃをつかむなど、自発的に物とかかわり始めます。
また、「高い高い」などの体を動かす遊びをすると喜んだり、話しかけるといっそう喜んで声を出すようになり、ママとのやり取りを楽しむようになります。 ※1、※2、※7
おすわりができる頃になると、赤ちゃんの視野はますます広がり、手指の機能もさらに発達します。
おすわりして、箱の中のものを出し入れするような遊びを楽しむようになります。
時には、ティッシュの箱から、すべてのティッシュを引っ張り出してしまうこともあります。 ※1、※2
ずりばいが始まると、興味のあるものに近づいていく探索行動も盛んになります。
「いないいないばぁ」を楽しめるようになるのもこの時期です。
この遊びを通して見えなくても存在することを覚えていきます。 ※1、※2
つかまり立ちや、伝い歩きができる時期になると、音楽を聴く力も発達し、曲に合わせて体をゆすって、笑顔で喜びを表現する姿が見られるようになります。
また、この時期になると、ものを人に渡せるようになり、ママやパパとのおもちゃのやり取り遊びを楽しみます。 ※1、※2
赤ちゃんの健やかな成長のためには、赤ちゃんの発達の段階に応じた遊びが必要です。
成長スピードや個性をよく見てあげることで、赤ちゃんの成長に合った遊びを用意してあげましょう。 ※1、※2、※5、※7
赤ちゃんにおもちゃを与える「目的」とは
赤ちゃんにとって遊びとは、心と身体の健やかな発育に大きな影響を与えるものです。
遊びを通して、全身のさまざまな機能や能力を発達させていきます。
この遊びを手助けしてくれるのがおもちゃなのです。
赤ちゃんは、おもちゃを使って色々な遊びをすることで、想像力や創造力を育んでいきます。
たかがおもちゃではなく、どのようなおもちゃを与えるかによって、子供に及ぼす影響も大きく変わってくるものなのです。 ※1、※2、※7
おもちゃで遊ぶことで育まれた能力は、後々いろいろな事に生かされ、子供の可能性を広げてくれるでしょう。
乳幼児のときから、華やかな色のおもちゃや絵本に親しむことで、色彩感覚が育まれ、芸術的な才能を発揮する人になるかもしれません。
積み木は創造力を高める、パズルは探求心を育むなど、おもちゃには、子供のさまざまな能力や可能性を引き出す、大きな役割があるのです。 ※1、※2、※5、※7
※1 保育に役立つ!子どもの発達が分かる本 監修:金子龍太郎 吾田富士子 ナツメ社
※2 0~6歳 わかりやすい子どもの発達と保育のコツ 監修:西坂小百合 ナツメ社
※5 イラストで読む! 幼稚園教育要綱 保育所保育指針 幼保連携型認定こども園教育・保育要領 編者:無藤隆・汐見稔幸
※7 文部科学省 子どもの徳育の充実に向けた在り方について (報告) 3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/053/gaiyou/attach/1286128.htm
赤ちゃんの成長・発達段階に合わせたおもちゃを選びを
おもちゃで遊ぶ赤ちゃんを見ていると「この子は今、何を考えているのだろうか」と、不思議に思うことはありませんか?
何となくおもちゃを振り回しているように見える赤ちゃんも、赤ちゃんなりに何かを考え、それを表現しようとしているのです。
赤ちゃんの成長・発達段階に合わせたおもちゃを選び、目的をもって「遊ぶ」環境を整えてあげたいですよね。