共働きの家計管理、家計簿は必要?家計が苦しい理由は?家計分担や管理方法を徹底解説

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共働きの家計管理は、家庭ごとに様々です。
お財布は一つがいいのか、家計簿はどうつけるべきか、気になっていても結婚当時のまま…という人もいるでしょう。
また「共働きでも家計が苦しい…」「家計の管理方法が定まらない」という悩みも少なくありません。
共働きの家計管理のお悩みとその解決策や、今よりさらに家計管理がラクになる方法をご紹介していきます。

目次

  1. お財布は1つ?共働きの家計管理、3つの方法とは?違いは?
  2. 共働きなのになぜか家計が苦しい?!3つの理由とは?
    • 理由1 夫婦間で家計状況を把握できていない
    • 理由2 共働き世帯は支出が増えがち
    • 理由3 収入に見合った貯蓄ができていない
  3. 共働きでも家計が苦しい!立て直しのコツとは?
    • 子どもがいる世帯は固定費から見直しを
    • 夫婦二人世帯はパートナーと家計全体の見える化を
  4. 家計管理は簡単に!家計簿アプリを使いこなして見える化を
    • レシートを貼るだけの家計簿
    • 家計簿アプリが便利
  5. まとめ

お財布は1つ?共働きの家計管理、3つの方法とは?違いは?

生活様式や働き方も多様化する中で、近年では共働き世帯が専業主婦世帯を上回り増加傾向にあります。※1
共働きがスタンダードになりつつある一方で、家計がラクになっている家庭ばかりではないでしょう。
共働きの場合、家庭ごとに家計管理の方法は主に3つに分けられます。

 

【共働きの家計管理】

  • 夫お小遣い制
  • 支払い項目ごとに分担制
  • 生活費固定制

項目ごとのメリットデメリットは下記の通りです。

 

お小遣い制・一人が収入を管理し、パートナーにお小遣いを渡す方法・まとめて管理できるので節約や貯蓄しやすい・不満を持ちやすい
・家計をやりくりする側はストレスを感じやすい
支払い項目ごとに分担制・項目に応じて分担して支払い担当を決める。家賃は夫、食費は妻、等。
・共有口座を作り一定額ずつ出し合い、そこから生活費を支払う
・分担分を支払えばあとは自分の自由な資金にできる・担当以外の項目の支出が不明瞭。支出が増えがち
・夫婦で収入に差があると分担する金額設定が難しい
生活費固定制・一人が収入を管理し生活費分をパートナーに渡す・一人分の収入を貯蓄に回せる・夫婦の収支が見えにくく、どちらかが不満を持ちやすい
・生活費が固定されてしまうため、ライフスタイルの変化に対応しにくい
  • お小遣い制

共働き世帯に限らず専業主婦世帯にも多い管理方法です。
メリットとしては、一人がまとめて管理をするので家計全体を把握しやすく、節約・貯蓄がしやすい方法であること。
一方で「お小遣い額が少ない」「一方的に減らされる」などの不満が出やすい面もあります。
家計の管理を任される側は、毎月のやりくりに頭を悩ませてストレスに感じる、というデメリットも考えられます。
お小遣いの金額は仕事環境や生活スタイルなどによって様々。
適切なお小遣い額を設定にするためにも、お互い納得できるよう話し合いが必要でしょう。

 

  • 支払い項目ごとに分担制

自分が担当する支払い項目を払い、残りは自由に使えるという管理方法です。
共働き世帯では、この方法で管理している家庭も多いかもしれませんね。
この方法は、自由度の高い点が最大のメリットです。
ただ家計全体としてとらえた時、夫婦それぞれの支出が不明瞭で支出は増えがちです。
「パートナーが貯金してくれていると思ったら意外と貯まっていなかった…」という事態にもなりかねません。
この方法では、貯蓄を考えた場合、お互いが意識的に貯められるかどうかがカギとなります。

 

  • 生活費固定制

毎月決まった金額を出し、家計を管理する方法です。
夫婦どちらかが主な収入を稼いでいる場合、この方法を選択する世帯も多いでしょう。
夫婦どちらかの収入で生活費をまかなえる場合、残りの1人の収入を貯蓄に回せるのがメリットです。
一方、お金を出した側が家計管理をしないと、収支が分かりにくく、不満を感じやすいという面もあります。
お金を出した側が管理をするなら問題はないものの、お金の話題は夫婦喧嘩のもとにもなりやすいものです。
この方法で管理をする場合は、お互いに情報開示して、スムーズな家計管理を心掛ける必要があります。
これら3つの家計管理の方法には、それぞれにメリットもデメリットもあります。
「共働きなのに家計が苦しい…」という場合は、管理方法を見直してみてもよいかもしれません。
次章からは、家計が苦しい場合の理由や解決策について解説します。

 

※1厚生労働省/配偶者手当の取り巻く環境について/2021年2月7日現在
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000118655.pdf

共働きなのになぜか家計が苦しい?!3つの理由とは?

政府の統計調査によると、夫婦共働き世帯の1か月平均収入は570,909円。※2
年収に換算すると約685万円です。
専業主婦世帯の実収入を100としたときの夫婦共働き世帯の実収入は133.3と、専業主婦世帯に比べ3割以上収入が多いという結果が出ています。※2
共働きで収入が多いはずなのに、なぜかお金が貯まらない…。
そんな共働き家計の落とし穴について検証していきます。

 

理由1 夫婦間で家計状況を把握できていない

共働きであるが故に、お互いそれぞれのお金を好きに使っていませんか?
お互いがそれぞれ決めた額を出し合っているものの、それ以外のことはノータッチ。
相手のお金の使い道を知らないという方も多いのではないでしょうか。
実際、共働きだとなかなかお金のことについて話し合う時間もとれませんよね。
夫婦でお金の流れを共有できていないことが、家計が苦しい原因の1つかもしれません。

 

理由2 共働き世帯は支出が増えがち

政府による消費支出の調査によると、世帯主だけが働いている世帯を100としたとき、共働き世帯の消費支出は119.3と約2割近く支出の多いことがわかります。※2
内訳をみると、共働き世帯は交際費の支出割合が高いことも原因です。※2
共働きだと、お互いの会社仲間や友人との交流も多くなるため、その分出費も多くなる傾向にあるのでしょう。
教育関連費に関しても、共働き世帯の方が多いようです。※2
忙しいあまり、ついつい支出が増えてしまい、家計を苦しめる原因となっているかもしれません。

 

理由3 収入に見合った貯蓄ができていない

共働きで収入があるにもかかわらず貯蓄額の少ないことが、生活費が苦しい場合もあります。
30代勤労者世帯において、平均年収630万円に対し平均貯蓄残高は628万円であり、年収に対する貯蓄残高の割合は99.7%です。※3
40代になると、平均年収754万円に対し平均貯蓄残高983万円。
年収に対する割合としては130.4%となります。※3
必要な貯蓄額については子どもの有無や生活環境によってもばらつきがあり、上記はあくまで平均額です。
ただ毎月の家計負担額の残りを好きに使ってしまっていると、収入のわりに貯蓄額が少ない可能性も考えられます
貯蓄額が少ないと、突然の出費や収入減に困ることも出てきます。
家計がまわらなくなる前に、貯蓄方法を見直す必要もあるでしょう。
年齢やライフスタイルにより、夫婦で合わせた収入額、今現在の貯蓄額、将来のための貯金額も日々変化します。
家計管理を定期的に夫婦で見直すことで、苦しい家計を改善できるかもしれません。
次章では、家計が苦しいときの立て直しのコツを詳しく解説します。

 

※2 総務省統計局/2 夫婦共働き世帯の家計/2021年2月7日現在
https://www.stat.go.jp/data/zensho/2004/hutari/gaiyo21.html
※3 金融資産と負債 ─ 暮らしと金融なんでもデータ|知るぽると 内
2-9 勤労者世帯の世帯主年齢別貯蓄残高、貯蓄年収比/2021年2月7日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/stat/stat002.html

共働きでも家計が苦しい!立て直しのコツとは?

子どもがいる世帯は固定費から見直しを

子どもがいると、教育費や食費などの出費がかさみます。
子どもにお金がかかる分、すでに色々なところで節約をしていて家計が苦しいと感じる方も多いでしょう。
「頑張って節約しているのにお金が貯まらない…」「節約ばかりで苦しい…」と感じている方は、節約する項目を見直すのも一つの手です
毎日の生活にかかる食費を節約するよりも、毎月の固定費を見直すことでラクに節約できるというケースも少なくありません。
例えば通信費。
格安スマホに替えたり、料金プランを見直したりしていますか?
最近は、新しいお得なプランが続々と発表されています。
基本料金の見直しなど簡単に比較することもできるので、ご家庭の内容が今どうなっているのか把握してみてください。
また、保険料も見直しやすい固定費です。
独身時代からそのままになっている医療保険や生命保険などは見直しポイントの一つです。医療保険などは、医療制度に応じて年々内容も変わっています。
今の生活設計に合った保障内容になっているか、定期的に見直しをしてみてくださいね。

 

夫婦二人世帯はパートナーと家計全体の見える化を

夫婦二人でダブルインカムなら最もお金が貯まりやすいはず。
ただ意外と落とし穴が多いのもこの世帯なのです。
「貯めていくのはまだまだ先でいい」「今は好きなことにお金を使いたい」など、自由度が高い分、貯まりにくいという面があります。
夫婦二人世帯の見直しのポイントは「いかにパートナーと協力し合えるか」です。
結婚したばかりの世帯なら、独身時代から続いている出費を見直すなど、これからの生活設計のためにも夫婦一緒に見直してみましょう。
また、何のため貯蓄をしていきたいかを一緒に話し合ってみましょう。
「海外旅行のため」「〇年後のマイホーム購入のため」など、貯める目的を夫婦で共有することをおススメします。
目的を達成するには、年間どれだけ貯めていく必要があるのか、月に換算するとどのくらいなのかと、夢の実現に向けてより具体的に落とし込んでいくとより効果的です。
「家計の見える化」に欠かせないのが、家計簿です。
次章では、家計簿のつけ方のコツを解説します。

 

家計管理は簡単に!家計簿アプリを使いこなして見える化を

家計簿、と聞くと電卓をたたいてノートにつけて…なんだか面倒!と思う方も多いかもしれませんね。
ただ家計簿は細かく付ける必要はありません
家計簿をつけるのが目的ではなく、その先の「お金を貯めたい」「節約したい」を実現するための1つのツール。
共働き世帯にとって家計簿で最も大切なことは、「夫婦で家計について共有すること」と「今まで気づかなかったお金の使い方のクセや無駄を知ること」です。
家計簿に記録することでお金の流れを「見える化」し、家計について夫婦お互いにチェックしていくのが理想です。
今回は、共働きでも簡単にできる2つの家計簿のつけ方をご紹介します。
財布は別という世帯も、夫婦共有口座で管理しているという世帯も、どちらの場合でもつけやすい方法です。

 

【共働き向け家計簿】

  • レシートを貼るだけ家計簿
  • スマホ派には家計簿アプリ

 

レシートを貼るだけの家計簿

金額などを手書きする必要はありません。
レシートの情報で、いつどこで何を買ったのかがひと目でわかり、見直す際にも便利です。
夫婦で共有する場合は、レシートBOXを作り、お互い財布から出したレシートをひとまずBOXに入れます。
レシートがたまったら、まとめてノートに貼りましょう。
夫婦のレシートを集めることで、お互いの支出をまとめて管理できます
しっかり記録を残したいという方や、紙ベースで管理したいという方におススメです。

 

家計簿アプリが便利

ノートに貼ったり手書きしたりも面倒な、忙しい共働き世帯には「家計簿アプリ」が便利です。
レシート読み取り機能がついた家計簿アプリなら、手軽につけられます。
レシートをスマホで撮影して、店舗情報や項目などを自動で読み取り登録します。
食費や日用品費など支出項目は自由に選ぶことも可能です。
自動でグラフ化され予算に対しての消化金額が分かるなど、手間をかけずに家計を見える化できます
夫婦で同じアプリをインストールしておけば、夫婦で家計簿を共有できます。
支出をお互いのスマホから入力することも可能です。
レシート家計簿も家計簿アプリも、忙しい共働き世帯でも取り入れやすい家計管理方法です。


長続きさせるコツは、「ストレスがないこと」「完璧を目指さないこと」
家計管理は、細かくする必要はありません。
1円単位まで必死になるあまり、本来の「貯蓄」や「節約」の目的を見失ってしまっては本末転倒です。
食費や光熱費などの分類も細かくし過ぎると面倒になってしまうこともあるでしょう。
線引きが難しい食費と日用品は、まずは「食費にまとめて管理する」など、自分に必要なものだけ、振返った時に分かるようにつけていれば問題ありません。
毎日つける必要はなく、週末にまとめてつけるなど自分のやりやすいタイミングと方法で続けるのがコツです。
家計簿をつけるだけで終わってしまっては意味がありませんよね。
家計簿を振返り、定期的に夫婦で話し合うことも大切です。
共働きの場合は特に、どちらか一方が管理するのではなく、お互いが家計管理に関わることで、節約や貯蓄への意識もより一層高まるはずです。

 

まとめ

夫婦共働き世帯の平均年収は約685万円。
比較的余裕があると考えられるものの、出費がかさみ家計の苦しい場合もあるでしょう。
家計をラクにし、資産形成をスムーズに構築するためには、家計の見える化が欠かせません。
家計簿アプリなどを使えば、簡単に家計簿をつけられます。
家計管理は、ライフスタイルに合わせて変わるもの。
定期的に夫婦で話し合い、見直していきましょう。

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