ウォーキングの効果とは?ダイエットで効果がないときの注意点は?

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ウォーキングはダイエット以外にも様々な効果が期待できます。
ただ効果がいつ出るかは、やり方次第です。
いつ、どれくらい歩くのかなど、正しいやり方とコツをご紹介します。

目次

  1. ウォーキングのすごい効果とは?ダイエットにもメンタルにも
    • ダイエットや生活習慣病の予防
    • ストレスが解消され、メンタルが安定する
    • 睡眠の質が良くなる
    • 美脚効果
    • 姿勢の改善
    • 認知症予防にも繋がる
  2. 「散歩」でも効果ある?健康的な「歩き方」とは
    • 散歩をする時間は朝
    • 20〜30分歩く
    • モチベーション維持を大切に
  3. 健康効果が出るウォーキングのコツ
  4. ウォーキングはなぜ痩せない?ランニングよりは効果はある?
    • ダイエット時のウォーキングのやり方
    • 正しいフォームのウォーキングで得られる美容効果
  5. ウォーキングとランニングとの違い
  6. ダイエット目的のウォーキング、いつ、何分ぐらい、どのくらいの頻度がベスト?
    • ウォーキングする時間帯はいつ?
    • 何分くらいが効果的?
    • どれくらいの頻度でウォーキングする?
  7. ウォーキングの効果を手助けする3つのアイテム
  8. ウォーキングでダイエット効果が出始めるのはいつ?
    • 1ヶ月でウォーキングのダイエット効果を出すには?
    • 3ヶ月のウォーキングでダイエット効果を出すには?
    • リバウンドには注意
    • 早く効果を出したい場合の2つのダイエット方法
  9. ウォーキングでリスクを予防
  10. まとめ

ウォーキングのすごい効果とは?ダイエットにもメンタルにも

ウォーキングの効果として一番目的として行われるのは「ダイエット」という方が多いのではないでしょうか?
ウォーキングをすることによって得られる効果は、ダイエット以外にもあるのです。
今回はウォーキングの効果についてご紹介していきます。

ダイエットや生活習慣病の予防

厚生労働省は「歩く」という、誰にでも行うことのできる活動を、意識して、強度を調整することによって、健康を増進したり、生活習慣病の予防になり得る有酸素運動だと定義しています。※1
ウォーキングは、運動不足の人がいきなり始めても怪我のリスクがなく手軽に行える運動です。
有酸素運動は、運動が続くほど脂肪をエネルギーとして利用するので、体脂肪が減少して肥満が解消され、ダイエット効果が得られます。※1
また、肥満の解消だけでなく、心肺機能の維持や改善、血圧の状態や血糖値の改善など、生活習慣病の予防にもなります。

ストレスが解消され、メンタルが安定する

精神状態が不安定だと、ちょっとしたことでイライラしたり、不安な気持ちに襲われたり、気分が沈み、無気力、不眠、鬱症状など、メンタルトラブルが起きやすくなります。※2
その原因として、心の安定を保つ幸せホルモン「セロトニン」の低下が大きく関係しています。※3
セロトニンの分泌を活性化させるには、バランスのよい食事、質のよい睡眠の他に、「リズム運動」、つまりウォーキングが最適です。※4
セロトニンは、日中の太陽の光を浴びると活性化されやすいので、朝や昼に行うと効果的で、日中に活動することによりポジティブに気分がよくなり、メンタルが安定します。※4

睡眠の質が良くなる

「体内時計」という言葉で表されるように、1日の周期を24時間で変化させる「概日リズム(サーカディアンリズム)」が人間には存在します。※5
ウォーキングをすることで、セロトニンの分泌が活性化すると、睡眠と覚醒のリズムが整い、不眠や睡眠リズムの乱れなどが改善されるのです。※6
睡眠の質を良くするためには、短期的に行うウォーキングでは効果が弱く、長期的に行い「習慣」という位置付けにできるといいですね。※7

美脚効果

ウォーキングでメインに使うのは、足です。
ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれているのを聞いたことはありますか?※6
ふくらはぎの筋肉は、足の血液を重力に逆らって上に上にと押し戻す働きをしています。※8
ふくらはぎの筋肉が縮んだり、膨らんだりとポンプの働きを果たし、心臓のように全身に血流を巡らせるため、「第二の心臓」と呼ばれているのです。※8
ウォーキングを続けることで、このポンプ作用が正常に働き、血液の循環が良くなることで、浮腫や冷えなどの症状に繋がると美脚効果へと導きます。

姿勢の改善

ウォーキングは、歩き方、呼吸など意識するポイントがいくつかあります。
その中で、特に体幹を意識することで、全身の筋肉にも程よい緊張感が生まれるので、継続してウォーキングを行うことで、自然と姿勢も改善されていくようになります。※9

認知症予防にも繋がる

歩行することと脳には深い関係性があり、脳が正常に働くためには、十分な血液が常に流れて行き渡る必要があります。※10
激しい運動をしてしまうと、血圧も急激に上がるものの、ウォーキング程度の軽い運動では血圧の変動も緩やかです。※10
さらに脳の血流を増加させ、活性化してくれるのです。※10
よって、認知機能が高められ、認知症予防へとつながります。

※1有酸素運動/e-ヘルスネット/2020年11月22日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html
※2運動のメンタルヘルス効果の検討(その1)、ー遷延性うつ病に対するウォーキングなどの有酸素運動の効果についてー/小口江美子.渡邊衝一郎.石田浩之.菊池俊.鹿島晴雄
http://arch.luke.ac.jp/dspace/bitstream/10285/2810/1/kiyo35-2008032.pdf
※3運動習慣でメンタルを強化「歩く」ことから始めよう/ニチレイ健康保険組合/2020年11月22日現在
http://www.nichirei-kenpo.or.jp/hp/kikanshi/pdf/201709_2_3.pdf
※4「リズム運動」でメンタル強を/OMRON/2020年11月22日現在
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/113.html
※5体内時計/e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月22日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-039.html
※6睡眠・覚醒機能と24時間リズムをセロトニンが束ねる/理化学研究所/2020年11月22日現在
https://www.riken.jp/press/2012/20121017/
※7 National Sleep Foundation Poll Finds Exercise Key to Good Sleep | Sleep Foundation/2020年11月22日現在
https://www.sleepfoundation.org/press-release/national-sleep-foundation-poll-finds-exercise-key-good-sleep
※8第二の心臓,足に気配りを!〜下脚静脈瘤〜/千葉県医師会
https://www.chiba.med.or.jp/general/millennium/pdf/millennium56_1-4.pdf
※9歩く/国土交通省/2020年11月22日現在
https://www.mlit.go.jp/common/000022977.pdf
※10 脳の働きに欠かせない血流とアセチルコリン/東京都健康長寿センター研究所/2020年11月22日現在
https://www.tmghig.jp/research/topics/201412/

「散歩」でも効果ある?健康的な「歩き方」とは

ウォーキングはダイエット以外の健康にも役立ちます。
では、同じ「歩く」場合、散歩でもよいのでしょうか。
ウォーキングにはトレーニング要素がありますが、散歩は日常的な活動の一部です。
ただ散歩でも、ポイントを抑えて実施することで健康効果は得られるでしょう。
散歩のポイントをご紹介します。

散歩をする時間は朝

メンタルが安定する幸せホルモンとして、「セロトニン」が関係しています。※3
太陽の光を浴びると、セロトニンの分泌が活発になり、ストレスや感情のコントロールがしやすくなります。※3
散歩をするなら、1日が始まる朝です。
脳もリフレッシュして気力も体力も満たされた、充実した1日を過ごせるでしょう。

20〜30分歩く

おすすめなのは、距離を目標にしないことです。
「○km歩こう!」と決めてしまうと、気持ち的にハードルが上がってしまうので、心が折れやすくなります。
距離ではなく20〜30分という時間を意識するようにしてみてください。
20分程度歩くと、全身にめぐる血流がスムーズになるので、体温も上昇し出します。※1

モチベーション維持を大切に

散歩する際には、自分が興味のあるところを散策する。
階段の上り下りや坂道は、平坦な道よりも心肺機能を高められます。
家族や友人と一緒に行うと、一緒に歩く習慣がついてよいでしょう。

※1有酸素運動/e-ヘルスネット/2020年11月22日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html
※3運動習慣でメンタルを強化「歩く」ことから始めよう/ニチレイ健康保険組合/2020年11月22日現在
http://www.nichirei-kenpo.or.jp/hp/kikanshi/pdf/201709_2_3.pdf

健康効果が出るウォーキングのコツ

ウォーキングで効果が出るのはいつからなのか…それまで頑張らなくては!という意気込みよりも、ストレスを感じることなく、毎日ウォーキングを続けることが大切です。
ウォーキングをしたからといって、すぐに効果が出るものではありません。
ウォーキングのやり方、歩く時間などの目安、大体のポイントがあったとしても、食事量や仕事の際の運動量などに個人差があるので、効果が出るまでには十人十色の違いがあります。
心理的にハードルが高いと続きませんよね。
一番大切なことは、「ストレスを感じることなく日課にする」ことです。
「継続は力なり」という言葉があるように健康増進のため、まずは気軽に取り組んでみましょう。

次章からは、ウォーキングによるダイエット効果について詳しく解説します。

ウォーキングはなぜ痩せない?ランニングよりは効果はある?

ウォーキングで体重が減ったという方、ウォーキングしても体重が減らないと言う方がいますが、どちらが本当なのでしょうか?
「運動で体重は落ちるのか?」という素朴な疑問に対しての答えは、7,000キロカロリーという数字にあります。
体重を1キロ落とすには7,000キロカロリーを消費する必要があるとされています。
この7,000キロカロリーを運動で消費するためには、フルマラソン2回分の運動量が必要です。
42.195㎞を2回、つまり84㎞を走ると体重が1キロ落ちるわけです。
週に2~3回のウォーキング程度では、このマラソン2回分の運動量には全く到達しません。※11
つまり、ウォーキングの運動量だけでは、体重を落としづらいのです。

さらに、体重を落とすための運動量をこなすのも大変ですが、食事のコントロールも意外とつらいものです。
皆さんは、ダイエット中、自分に「ご褒美」をあげていませんか?
「今日は1時間もウォーキングをしたからポテトチップス1袋食べちゃおう!」
「頑張ったご褒美にお酒をいつもより多めに飲んじゃおう!」
など・・・ウォーキングをした達成感から自分を許して食べてしまっていませんか?
せっかく運動をしても、ダイエットの逆効果になりうるので気を付けなければいけない点ですね。

ダイエット時のウォーキングのやり方

ウォーキングは、正しいフォームで行うことにより、いくつもの美容効果があると言われています。

正しいフォームは、以下の点に注意して行いましょう

目線はまっすぐ前へ。少し遠くを見るイメージ※12
胸を開いて背筋を伸ばす※12
肘を引き、肩甲骨を動かす※12
かかとから地面に着地させる※12
骨盤から脚を振り出す。大きな歩幅で歩く意識を持つ※12
この5つを実践する歩き方は、まるでファッションショーで堂々と歩くモデルさんです。
ウォーキングの際はモデルの気分で行うといいかもしれませんね。

正しいフォームのウォーキングで得られる美容効果

肩甲骨を使って胸を開くことでバストアップ効果※12
骨盤を動かすツイスト運動による腰のくびれ※12
骨盤を前傾させることによるヒップアップ※12
この正しいフォームでウォーキングをすれば、通勤や家事、通学などいつものありふれた時間も美容効果につながります。

ウォーキングとランニングとの違い

ウォーキングはランニングと異なり、常に地面に足をつけて行う運動です。
膝や腰の疾患を抱えている方でも、傷害のリスクが少ないというメリットがあります。※13
さらに、ウォーキングは、精神面でも開始時のハードルが低いため、手軽に始められる運動でもあります。※13
ウォーキングとランニングの違いの1つである有酸素運動の割合の差も、ダイエットには大きく影響する要素です。
ランニングよりもウォーキングの方が、有酸素運動の割合が高いとされています。※14
脂肪の減少を目的とする場合は、長い時間継続出来る有酸素性運動が多い運動を選ぶことが効果的ですので、ウォーキングの方がダイエットには向いているとも言えるのです。

※11 やせる生活/著者:島野雄実/株式会社文響社/2015年7月第1刷発行 /2019年7月31日現在
※12 金哲彦の今日から始めるウォーキング&ランニング/著者:金哲彦/ PHP研究所/2009年2月第1版第1刷発行/ 2019年8月2日現在
※13 「ウォーキング」e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-080.html
※14 「エアロビクス/有酸素性運動」e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-072.html

ダイエット目的のウォーキング、いつ、何分ぐらい、どのくらいの頻度がベスト?

ウォーキングをする時間帯は、自分のライフスタイルに合った無理のない時間帯を選びましょう。
無理なく、長く続けられる時間帯を見つけ、習慣化してしまいましょう。

ウォーキングする時間帯はいつ?

基本的には、自分のライフスタイルに合った時間帯を選べばよいです。
ただ、1日のうちでいつかがベストかをあえて考えると「早朝の空腹時」です。
早朝の空腹時に走ると、より脂肪を燃焼できる身体になる可能性があります。
しかし、この時間帯と他の時間帯ではわずかな差しかないと言われています。
ウォーキングに関しては時間帯はあまり気にする必要はありません。
食前食後のタイミングでも、ウォーキングのような軽い運動であれば特に問題はありません。
ランニングなどの激しい運動の場合は、食後2時間はあけることをおすすめします。
食後すぐに激しい運動を行うと、消化吸収のために内蔵に集められていた血液が骨格筋にとられ、内蔵の血液が不足してしまう可能性があります。※15

何分くらいが効果的?

減量するためには、1回にどの程度の運動時間が理想的なのでしょうか?
「20分以上運動して初めて脂肪が燃焼する」と1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
実は、これまでの研究によると、1日に30分の運動を1回で行うのと、10分の運動を3回に分けて行うのも、減量の結果に差がないと報告されています。※16
つまり同じ運動であれば、その効果は総運動時間に比例するといえるのです。
継続して何分ウォーキングするかではなく、トータルでどれだけウォーキングするかにより、効果が左右されるということになります。

どれくらいの頻度でウォーキングする?

毎日歩かなければ効果を得られないということはありません。
初めは、体力作りもかねて週1日から始めれば大丈夫です。※17
時間が取れるときには、週4~5日はウォーキングをするなど、無理のない頻度で行いましょう。※17

※15 スロージョギング健康法/著者:田中宏暁/朝日新聞出版/2010年10月第1刷発行/2019年8月2日現在
※16 「内臓脂肪減少のための運動」e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/exercise/s-05-002.html
※17 ウォーキングの基礎知識/クラシエ健康保険組合 /2020年11月27日現在
https://www.kenpo.gr.jp/kracie/topics/walking/walking1.htm

ウォーキングの効果を手助けする3つのアイテム

時間帯や頻度にとらわれすぎず、無理のない範囲でウォーキングを取り入れればよいことがわかりました。
でも、せっかくウォーキングするからには、同じ運動時間で最大限に効果を出したいと思いませんか?
ウォーキング効果を引き出すためには、こちらの3つのアイテムがおすすめです。

・クエン酸
クエン酸は、ブドウ糖を無駄なくエネルギーに転換させるために必要な成分です。
さらに、疲労物質を分解する働きもあるため、疲労回復、スタミナ維持には欠かせないと言われています。
身近な食品では、柑橘類やお酢、梅干しなどの酸っぱい食べ物に多く含まれています。※18
マイボトルなどにお水とお好みの柑橘類を適量入れて持ち歩くと、見た目にもおしゃれでおすすめですよ。

・ノルディックポール
ノルディックポールとは、ウォーキング用のポールを2本のことです。
このポール2本を使い、自分の足とポールの4本を使い、体を進めていくように歩くのが「ノルディックウォーキング」です。
2本のポールを使うノルディックウォーキングは、通常のウォーキングよりも全身の筋肉をより多く刺激します。
消費カロリーは、通常のウォーキングの約1.4倍にもなるそうです。※19
ノルディックポールはネットで簡単に購入が可能なので、普通のウォーキングがマンネリ化してきた方などおすすめです。

・かわいいウォーキングウェア
出来るだけ長く続けられるよう、可愛くて快適なウォーキングウェアでモチベーションを上げて行きましょう!
動きやすいものであればどんな形のものでもよいですが、以下には少し注意してください。

【ウォーキングウェアの注意点】
・汗を吸うばかりの綿100%はNG
綿100%ではなくクールドライなど速乾性のある生地のものを選ぶとよいです。
・黒いサウナスーツで夜道を歩くのは避けましょう
車や自転車が通る夜道で黒色だと目立たず危険です。
また、サウナスーツはダイエット効果の高いイメージですが実は運動には不向きと言われています。
熱がこもり汗を放出できないので、すぐに疲れてばててしまいます。
ウォーキング等運動をしていると、筋肉そのものが温まって体の内側から汗が出てきます。
サウナスーツで無理に汗をかく必要はありません。※12

※12 金哲彦の今日から始めるウォーキング&ランニング/著者:金哲彦/ PHP研究所/2009年3月第1版第1刷発行/ 2019年8月3日現在
※18 「栄養の基本がわかる図解事典」/監修:中村丁次/成美堂/2014年5月発行/2019年8月19日現在
※19 ノルディックウォーキングとは? | 特定非営利活動法人 日本ノルディックウォーキング協会 /2020年11月27日現在
http://www.jnwa.org/about

ウォーキングでダイエット効果が出始めるのはいつ?

ダイエットを目的にウォーキングを始めても、効果がでないと挫折しそうになりますよね。
体重に変化が出始める基準を見てみましょう。

体重を1キロ落とすにはおよそ7,000キロカロリーを消費する必要があります。
1か月を30日間としたとき、1日約230キロカロリー消費させなければいけないことになります。
例えば、体重60kgの方が、やや早歩きとなる時速4km(分速70m)、女性であれば少し大股気味の歩幅70cmで、10分歩く(700m、1000歩)場合を計算してみると、消費エネルギーは30kcalです。
1日当たり300kcalのエネルギーを消費するには、1万歩が必要になるということです。※20
これを毎日続けるのは、これまで運動習慣がなかった方や忙しい方には、少々ハードルが高いかもしれません。
毎日1万歩歩けるかどうかという点を考慮しても、ウォーキングダイエットで効果が出始めるのは「比較的遅い」ということは覚えておいた方がよいでしょう。

1ヶ月でウォーキングのダイエット効果を出すには?

1キロ減らすには1万歩のウォーキングを24日間行う必要があります。
さらに、2キロ減らすには約1万6千歩のウォーキングを30日間行う必要があります。
このように、1ヶ月1万歩以上を目標にしてウォーキングを頑張っても1~2キロの体重減が現実的な数字です。
1〜2キロの体重の減少では、見た目に明らかな変化が出るほどではないかもしれません。
自分では身体が少し軽く感じる頃ではないでしょうか。

3ヶ月のウォーキングでダイエット効果を出すには?

3キロ減らすには1万歩のウォーキングを24日間、3ヶ月行う必要があるといえます。
5キロ減らすには1万3千歩のウォーキングを30日間、3ヶ月行う必要があるといえます。
3カ月では、1万歩以上を目標にして3〜5キロの減量が現実的な数字です。
3〜5キロの減量に成功し、周囲に気づく方がちらほら出てくるでしょう。
周りの方に気づいてもらえると、更にモチベーションが上がりますね。

ウォーキングダイエットの減量効果は、1カ月当たり1キロ前後の減量が目安と言えそうです。
しかし、余分な脂肪が1キロ落ちるとおよそ1センチウエスト(お腹まわり)が締まると言われています。
効果がでるのが遅いとはいえ、ウエスト1cmは大きな違いです。
着られなかった服が着られるようになり、モチベーションに繋がるのではないでしょうか。
負担が少ないウォーキングは、効果がすぐに感じられなくても、まずは半年続けてみるとよいでしょう。

リバウンドには注意

「がんばっている」という感覚は、ときに充実感を感じさせてくれるものです。
しかし、同時に強いストレスがかかっている状態であるとも言われています。
短期的には、脳の中で「エンドルフィン」と呼ばれる快楽物質が分泌され、「気持ちいい」と感じられる可能性はあります。
しかし、強いストレスがかかった状態が続けば、心身に大きな負担をかけることになります。
心身ともに負担が大きいダイエットは長続きしません。
ダイエットは続けられるものを選ぶことが大切です。※21
長続きせず、やめてしまった途端、リバウンドという事態は避けたいものです。

早く効果を出したい場合の2つのダイエット方法

・スロージョギング
スロージョギングとは、ゆっくり走るだけです。
疲れず笑顔の保てる「ニコニコペース」で行なうことが大事です。
このペースには個人差があると思いますが笑顔が保て、お話ができ、鼻歌が歌える気持ちよいスピードで走りましょう。
そして、このスロージョギングは、なんと同じ距離でもウォーキングの2倍のエネルギーを消費するといわれています。※15

・水中ウォーキング
文字の通り、水の中をウォーキングすることをいいます。
陸上で行うウォーキングに比べて、いくつかの利点があります。
まず、水の浮力を使うことによって腰や膝などの関節への負担を減らす事ができます。
体力が低下している人や高齢者、体重の重い人、普段運動習慣のない人でも無理なく行えます。※22
さらに、水の流れに逆らって歩くので、自然と筋力や心肺機能を強化することができます。※22
筋力を使うだけでなく、水中で多くの熱が身体から奪われることも考えると、通常のウォーキングに比べてエネルギーの消費量は多くなります。※22
余分な体脂肪を減らす効果もより期待でき、生活習慣病の予防や改善にも役立つと考えられています。※22
時間がとれるならば、水中ウォーキングもオススメです。

※15 スロージョギング健康法/著者:田中宏暁/朝日新聞出版/2010年10月第1刷発行/2019年8月7日現在
※20 「身体活動・運動」厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b2.html
※21 「ダイエット」e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html
※22 「水中ウォーキング」e-ヘルスネット/厚生労働省/2020年11月27日現在
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-033.html

ウォーキングでリスクを予防

日本では、運動不足が原因で、毎年5万人死亡しているというデータがあります。
死亡原因の上位は、高血圧・喫煙。※23
運動不足より下位には、高血糖・食塩摂取・飲酒・悪玉コレステロール高値・過体重・肥満・野菜果物の低摂取といった死亡原因が挙げられています。※23
上記のウォーキングによる健康効果を見ていただくとわかるように、ウォーキングをすることで、これらの死亡リスクの大部分を予防できることになります。
ウォーキングは老若男女問わず取り入れたい運動だと言えます。

ウォーキングをした日は、いつもよりゆっくり長めに湯船に浸かるなどして脚をマッサージしてあげてください。
強い力で行う必要はありません。
手のひら、指の腹で足の裏~臀部の方まで(静脈の流れに沿って)下からさするようにするだけでもリラックス効果があるといわれています。

※23 健康づくりのための身体活動・運動分野の取組/厚生労働省 健康局 健康課/2020年11月27日現在
https://www.mext.go.jp/sports/content/20200331-spt_kensport01-000005194_02.pdf

まとめ

ウォーキングにはダイエット以外の効果もたくさんあることが分かっています。
減量だけを目的とするのではなく、いつまでも健康な体を保つためにも、ぜひ毎日の生活にウォーキングを取り入れてみてください。
ウォーキングダイエットは、頑張ってやるというよりも、無理のない範囲で継続することが大切です。
頻度や時間帯などは、効果にとらわれすぎず、自分のライフスタイルにあう方法を見つけ習慣化していきましょう。

監修者
生出
栄養⼠、アロマデトックスリンパトリートメン
栄養専門学校卒業後、フィットネスジム・エステ・健康食品販売が一体化したサロンにて栄養士として勤務。
お客様のダイエットやアンチエイジングのお手伝いをしていたことがきっかけで、さらに美しくなるサポートをするため、美容医療の道に進み、美容クリニックでカウンセラーを務める。
食生活と美容の関係が密接であることをより感じ、カウンセリングの中では、食生活などのアドバイスも取り入れてきた。
この春からは、さらなる医療の知識をつけるため社会人看護学生として、キャリアアップに励んでいる。
趣味は“美しさは一夜にしてならず”をモットーに、日々の生活の中から美容健康法を見出すこと。
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