【夏バテ対策】予防・解消する食べ物と生活習慣

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夏に体調を崩してしまう「夏バテ」は、高温多湿の日本の暑さでおこる体調不良の総称です。
近年では、猛暑が続き、夏バテや熱中症に関するニュースもよく目にしますが、予防に関する知識があると安心です。
今回はこの夏バテの予防策や解消する食事やレシピ、夏バテの原因となってしまう生活習慣を知り、暑さに負けない身体を作りのポイントをご紹介します。

目次

  1. 夏バテ対策、予防する食べ物と食生活とは?
    • たんぱく質
    • ビタミンB1
    • アリシン
  2. 夏バテ対策は飲み物も大切
    • スポーツドリンクなどで水分補給
    • 冷たい飲み物は控える
    • アルコールも注意
  3. 生活習慣を見直し、夏バテ対策を
    • 夏バテをしにくい身体づくり
    • 疲れやすい夏は睡眠も大切
  4. 夏バテの症状は?寒暖差に注意して
    • 寒暖差で自律神経が乱れる理由
    • 上半身と下半身の寒暖差にも注意
  5. 夏バテの症状が出て辛い時の解消法
  6. まとめ

夏バテ対策、予防する食べ物と食生活とは?

夏は冷やし中華や、素麺など簡単に作ることができて、夏バテ気味の時は麺類などのさっぱりしたものを摂りがちではないでしょうか?
しかし、これでは夏バテの身体は回復しません。
食欲低下や、消化機能の低下によって、さらに食欲がなくなってしまうこともある夏バテ。
偏りのある食事よりも、1日3食で栄養バランスには普段より意識して摂るようにした方が良いでしょう。
夏バテを予防、対策するためには積極的に摂りたい栄養素、食べ物があるので紹介します。

たんぱく質

夏は代謝も上がり、汗を多くかくため、たんぱく質が不足しやすくなってしまいます。
たんぱく質は、髪や皮膚・筋肉・血液などを作る材料であり、身体の色々なところに存在しています。
たんぱく質が不足してしまうと筋肉量の維持や、栄養を運んでくれる血液の減少などで、不調につながってしまうため、たんぱく質摂取を心掛けましょう。
たんぱく質を多く含む食品は、卵・ヨーグルト・牛乳・チーズ・豚肉・鶏肉・牛肉・大豆(納豆など)があります。
卵は1日1個で、たんぱく質の補給をすることができます。※1
ヨーグルトは食欲が湧かない夏でも摂取しやすいです。

ビタミンB1

夏は麺類が食卓に並ぶことが多いという人は注意です。
炭水化物の摂取が多いと、糖質を分解してエネルギーに変えるビタミンB1を消費してしまいます。
ビタミンB1は、疲労回復のビタミンとも呼ばれています。
ビタミンB1が不足すると、疲れやすく、浮腫みやすくなり、脳のエネルギー源も足りなくなってしまい、集中力までも低下してしまいます。
ビタミンB1を多く含む食品は、豚肉・うなぎ・大豆・玄米・ほうれん草など。※2
お肉はスタミナがつくというイメージがあり、精をつけるために焼肉を食べる人も多いと思いますが、豚肉は疲労回復に役立つビタミンB1の含有量は牛肉の10倍以上で、たんぱく質も豊富です。
ビタミンB1の1日の必要量は成人男性で1.4mg、成人女性で1.1mgなので、豚肉約120gでビタミンB1の必要量を摂取することができます。※3
スタミナ食の代表、ウナギにはビタミンB1をはじめとするビタミンやミネラルも豊富で、たんぱく質も摂取できます。※4
また消化吸収の良く胃腸にも優しい食材です。

アリシン

アリシンは、ニンニクやネギなどに含まれる香気成分です。
アリシンは水溶性のビタミンB1と結合して、アリチアミンという成分になり、脂溶性に変換し、ビタミンB1を吸収しやすくなります。
ビタミンB1の豊富な食品と一緒に摂取することで、夏の疲れを溜めにくくしてくれます。

※1「三大栄養素のたんぱく質の働きと1日の摂取量」/公益財団法人長寿科学振興財団/2020/01/17現在
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
※2「食肉にはどんなビタミンが含まれている?」/公益財団法人日本食肉消費総合センター/2020/01/17現在
http://www.jmi.or.jp/qanda/bunrui5/q_081.html
※3「ビタミンB1の働きと1日の摂取量」/公益財団法人長寿科学振興財団/2020/01/17現在
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/vitamin-b1.html
※4「夏に負けない身体を作る ホントはコワイ夏バテ51の対策」/著者:福田千晶/株式会社日東書院本社/2013年7月発行/2020年1月17日現在
※5「糖質オフの夏ごはん」/著者:金丸絵里加/株式会社宝島社/2017年7月発行/2020年1月17日現在

夏バテ対策は飲み物も大切

スポーツドリンクなどで水分補給

人は普段の生活で1日に約2.5Lの水分が体から失われます。※6※7
人は汗をかくと、水分や塩分、ミネラルなどが失われていきます。
失った水分や塩分を補給しないと、汗をかくことが滞り、身体の熱を放出することができなくなってしまいます。
喉が渇いたな、と思ったら脱水が始まっているサイン。
夏はなるべくこまめな水分補給が必要です。
またスポーツなどで大量の汗をかくと、同じようにたくさんの塩分を排出されていますから、水だけではミネラルを補えません。
水にひとつまみの塩を溶かす、レモンやはちみつを入れることで簡単なスポーツドリンク代わりになります。
体液に近い成分を再現している経口補水液は、体内への吸収が早いため、速やかに脱水を防いでくれるので、たくさん汗をかいた後に飲むと良いでしょう。

冷たい飲み物は控える

喉が渇いているときに水を一気飲みする、身体を冷やそうと冷たい飲み物を飲んでいませんか?
水の一気飲みは、血液を急激に薄めることになってしまい、心臓や血管、尿を作る腎臓に負担がかかってしまうため危険です。
また、氷入りでキンキンに冷えたものばかりを飲んでいると、胃や腸の血管が収縮し、血流が悪くなります。
そうすると、消化機能が落ちてしまい、消化不良や食欲低下・胃痛・下痢などを引き起こしてしまいます。
飲み物は氷なしで必要以上に冷やさないことも大切です。

アルコールも注意

夏はビールをグビグビと飲む機会が多い季節ですが、アルコール摂取が不調の原因にもなりますので注意が必要です。
ビールを含むアルコールは利尿作用があるので、飲んだ分あるいはそれ以上の量の水分が排出されて、脱水になってしまいます。
アルコールの摂取後は、水や経口補水液などの水分補給を忘れずに。
利尿作用があるカフェイン入りのもの、例えばコーヒーや緑茶、紅茶などは逆効果になりますので気をつけましょう。※4

※4「夏に負けない身体を作る ホントはコワイ夏バテ51の対策」/著者:福田千晶/株式会社日東書院本社/2013年7月発行/2020年1月17日現在
※6「夏バテを防ぎ、元気に暑さを乗り切る」/全国健康保険協会協会けんぽ/2020/1/15現在
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat510/h26/260801/
※7「健康のため水を飲もう」/推進運動/厚生労働省/2020/01/17現在
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/topics/bukyoku/kenkou/suido/nomou/index.html

生活習慣を見直し、夏バテ対策を

夏バテの対策は、食事だけでなく、適度な運動、質の高い睡眠も重要です。
暑い屋外から、冷えた室内というこの寒暖差で自律神経の乱れにより不調が起こります。
極端な寒暖差にならないように、室温の調節をしましょう。
冷房の温度を下げすぎないようにして室温は28℃に保てるようにしましょう。※4
室温が24℃を下回ると身体は冷えやすくなってしまいます。※4
外出するときに薄手のカーディガンやショールなど持ち、1枚プラスを心掛けることで寒暖差や冷房による冷えを防ぐことができます。

夏バテをしにくい身体づくり

夏場はハードすぎず、続けられる運動を取り入れましょう。
ウォーキングやサイクリングなど外で運動をする際は、早朝や夕方の気温が低い時間に行うようにしましょう。
水泳は屋内プールがありますので、気温や天気に左右されず、水中のウォーキングも効果的でオススメです。
自宅でもできるラジオ体操は、全身の筋肉を短時間で効率よく動かすことができます。
動かすときは使っている筋肉を意識しながら行います。
身体の熱は主に筋肉でつくられていますから、筋肉が少なくなると全体が冷えやすく、寒暖差に弱くなり夏バテを起こしやすくなってしまいます。
腹筋は身体の中でも大きな筋肉の1つなので、腹筋運動を行うことも良いでしょう。
冷えに強い身体は全身の血流が良く、酸素と栄養がいきわたり身体機能が正常に働きますから、毎日短時間でも良いので続けましょう。

疲れやすい夏は睡眠も大切

夏は疲労が溜まりやすいため、身体を回復させるための睡眠もしっかりとるようにしなければなりません。
日常的な夜更かしは、睡眠サイクルが崩れ、自律神経も乱れてしまいます。
睡眠不足によって日中の活動性が低くなると体温も十分に上がりません。
人の身体は体温が低くなるときに眠くなるようになっていますから、体温が上がりきらないまま夜を迎えると寝つきが悪くなり、悪循環になってしまうのです。
また、薄着で寝ていると、夏の体調不良につながります。
冷房や扇風機で冷えた身体と、薄着でさらに体温が下がり寝冷えをしてしまったということも耳にしたことがあるのではないでしょうか?
お腹からの冷えることが多いので、タオルケット1枚だけでも掛けるようにします。
寝る時の服装は、通気性がよく保温性のあるもの、お腹を覆うものでゆとりがあるデザインが理想的です。
抱き枕を使用すると、脇があき通気性がよくなります。※4

※4「夏に負けない身体を作る ホントはコワイ夏バテ51の対策」/著者:福田千晶/株式会社日東書院本社/2013年7月発行/2020年1月17日現在

夏バテの症状は?寒暖差に注意して

夏バテといわれる症状には食欲不振や胃腸の不調、めまい、頭痛、身体のだるさ、寝ても疲労感が取れないなどの身体の不調を引き起こします。
このような夏バテの症状がおこる原因の1つといわれているのが、自律神経の乱れです。
寒暖差による自律神経の乱れが多いと言われます。

寒暖差で自律神経が乱れる理由

冷房の効いた室内と暑い外を行き来することで、自律神経のバランスを崩してしまっているかもしれません。
人の身体は熱から守る機能が備わっており、身体の内部温度は約37℃に保たれる体温調節機能があり、これは自律神経が深く関わっています。※8
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、気温の高い時は交感神経によって血管拡張と共に、アセチルコリンを分泌し発汗を促し、身体から熱を放出させます。
気温が低い時は、血管を収縮させ、熱が逃げることを防いで体温を調整しています。
このように自律神経は体温のコントロールをしています。
本来環境に適応力がありますが、寒暖差によって適応力を超えてしまうと自律神経のバランスの乱れが生じてしまいます。

上半身と下半身の寒暖差にも注意

温度差は室外と室内だけでなく、上半身と下半身の温度差にも原因があります。
室内の冷たい空気は下にたまり、下半身は冷えやすくなります。
それにより下半身の血管収縮で血流が悪くなってしまいますが、上半身にばかり血液が届けられます。
身体の温度差が続くと、上半身は温かく下半身は冷たい「うつ熱」という、いわゆるのぼせた状態になります。
この体内の温度差でも自律神経が働くため、疲労は溜まる一方なのです。※9
他には夏の猛暑で気温や、身体の体温上昇によって発汗することで熱を放出させますが、多量の発汗で体内の水分不足や、汗に含まれるビタミンやミネラルも失われてしまい、脱水状態になってしまいます。※4※8
夏は暑いから夏バテも仕方ない…と考えず、水分をしっかりと摂り、「規則正しい」を意識した生活習慣を心掛けることが大切です。
症状が続く場合などは、早めに医療機関への受診をしましょう。

※4「夏に負けない身体を作る ホントはコワイ夏バテ51の対策」/著者:福田千晶/株式会社日東書院本社/2013年7月発行/2020年1月17日現在
※8「 暑い夏を元気に過ごそう!〜夏バテ予防・対処法〜」/一般財団法人京浜保健衛生協会/2020/01/17現在
https://www.keihin.or.jp/468/
※9「夏バテを防ぐにはどうしたらいい?」/オムロン/2020/01/17現在
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/158.html

夏バテの症状が出て辛い時の解消法

夏バテの倦怠感やほてりを感じたら、摂取したい食材があります。
涼性・寒性の食材は身体にこもった熱を冷ましたり、解毒や排出を促したり、逆に潤いを与えてくれます
食物は、旬の時期は1番栄養価が高く、必要な栄養素が豊富に含まれています。
夏場に収穫される夏が旬の食材、南国育ちの食材を取り入れましょう。
野菜:なす・セロリ・トマト・きゅうり・ほうれん草など
果実:スイカ・メロン・バナナ・キウイなど※4

※4「夏に負けない身体を作る ホントはコワイ夏バテ51の対策」/著者:福田千晶/株式会社日東書院本社/2013年7月発行/2020年1月17日現在
※10「ちょっと調子がよくないときのいたわりスープ」/著者:今泉久美/株式会社河出書房新社/2015年1月発行/2020年1月17日現在

まとめ

夏バテ対策についてご紹介いたしました。
特別なことはなく、少し生活習慣を意識するだけで夏バテの予防対策ができます。
日ごろから、たんぱく質やビタミンB1を意識的に摂り、冷たいものを飲みすぎないよう注意しましょう。
睡眠をしっかりとるなど、規則正しい生活が夏バテ予防の基本です。
生活上、注意したいのは「寒暖差」です。
エアコンで冷えすぎないよう対策も考えましょう。
暑さに強い身体を作れることができれば、夏バテだけでなく熱中症の対策にもなりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ライター
杉村
准看護師免許
人工透析で2年間、美容クリニックで半年勤務、その後、内科・皮膚科・美容皮膚科・形成外科・婦人科・乳腺科などの総合しているクリニックで現場主任を務める。
現在は、透析のクリニックに勤務しながら、現場で培った経験を元に、美容ライター業も行っている。
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