服をリサイクル(リユース)するには?売る・買取以外の方法は?

公開日:

着なくなった服のリサイクルは、サステナブルな取り組みの1つです。
服をリサイクルするには、売る・寄付・回収などの方法があります。
今回は、それぞれのリサイクル方法について、受け入れ先や注意点、回収後の衣類の行方などをご紹介します。

服をリサイクル(リユース)するには?

服を捨てるとき、どのように処分していますか?
可燃ごみに捨てる・自治体の古着回収に出す・オークションサイトに売るなど、いろいろな方法がありますよね。
環境のことを考え、リサイクル(リユース)に出したいという方も多いでしょう。
服をリサイクル(リユース)する方法は、主に4つです。
【服のリサイクル(リユース)方法】

  • リサイクルショップやオークションサイトに出品する
  • 寄付する
  • 廃品回収に出す
  • アパレルメーカーの店頭回収に出す

など
着なくなった服のリサイクル(リユース)には、大きく分けて「売る」「寄付する」「リサイクル原料にする」の3つの方法があります。
「売る」は、リサイクルショップやオークションサイトなどに買い取ってもらう方法です。
「寄付する」は、自治体や寄付団体に衣類を寄付する方法。
「リサイクル原料にする」は、廃品回収やアパレルメーカーの店頭回収に出す方法です。
次章から、1つずつ詳しく解説します。

 

服を売るには?ノンブランドでも買取できる?

いらなくなった服でも、きれいなモノやブランドものは出来れば売りたいという方も多いでしょう。
服を売るには、リサイクルショップやフリマアプリなどいくつかの方法があります。

 

【服を売る場所】

  • リサイクルショップ
  • フリーマーケット
  • フリマアプリ
  • オークションサイト
  • 服の買取サイト

など

 

リサイクルショップに売る人も多い

環境省の「平成 30 年度リユース市場規模調査報告書」によると、ブランド品を除く衣類の処分方法として最も多いのがリユースショップ(リサイクルショップ)の店頭での売却です。※1
自治体へのリユース目的の引き渡しよりも多い結果となっています。※1
着なくなった服は「売る」というリサイクル方法も普及しているようですね。
普及している要因は、リサイクルショップで売る手軽さにもあるかもしれません。
リサイクルショップで服を売るには、お店に持ち込んだり郵送したりして査定してもらい、合意した金額で買い取ってもらえます。
その場で買い取ってもらえるので、面倒な手間がかかりません。
店舗を持たない買取サイトでは、売りたい服を郵送し、査定結果の連絡を受け、同意したものだけ買取してもらえます。※2
お店に行く必要がないので、遠方でも忙しくても利用できるのはメリットでしょう。
ただしリサイクルショップは、お店ごとに買取対象商品が異なります。
ブランド品のみ買い取るお店もありますので、持ち込む前にホームページなどで確認しておくと安心です。
いらなくなった服をフリーマーケットやフリマアプリ、オークションサイトで売る方もいるでしょう。
フリマアプリは近年人気の方法ですよね。
フリーマーケットやフリマアプリは、自分で商品の写真を撮ったり、値段を決めたり、買いたい人と交渉したりと、お店を持つように売る楽しみがあります。
ただ、手間と時間がかかるのも事実です。
商品の出品や価格交渉・発送など、基本的には自分で対応しなければなりません。
売る金額は自分で決められるものの、労力のわりに売上が上がらなかった…ということもあり得ます。
売上以外に売る楽しみを見いだせる方向けの方法かもしれません。

 

【リサイクルショップ選びは慎重に】

国民生活センターでは、リサイクルショップを利用したトラブルが確認されています。※3
自宅に来てもらう出張買取業者で、売るつもりのないものも買取りの勧誘されるトラブルがあるようです。※3
リサイクルショップは、実店舗のあるところや大手ショップなど信頼できるところを選びましょう。
また売る時には、忘れずに契約書面を交わすことも大切です。
出張買取の場合は、契約書面があればクーリングオフが適用できます。
買い取ってもらえる嬉しさの余り、トラブルになるリサイクル業者と取引しないよう注意してください。

 

ノンブランド品を売るには?

「売れる服」というと、ブランド品を思い浮かべませんか?
高価なブランドは、きれいに使っているものは高値で買い取ってもらえますよね。
ただ最近は、ブランド品以外を買い取ってくれるリサイクルショップも珍しくはありません。
大手リサイクルショップの中には、ファストファッションなどのノンブランドも買取の対象とするところもあるようです。※4
さらに、一見買い取りは難しそうな下着やパジャマも、未使用品であれば買取してくれるショップもあります。※5
リサイクルショップの買取取扱いブランドにファストファッションが含まれているか、取扱品目に下着やパジャマが含まれているかどうか確認してみてください。
また、これらのノンブランド品の買取には条件が付いている場合もあります。
「購入から3年以内のモノ」「定価5,000円以上の商品」というように年数や定価に条件が付いている場合もあります。※6
査定に出し値段がつかない服は、無料で引き取ってもらえる場合もあります。※7
売れればラッキーくらいの気持ちで、リサイクルショップに持ち込むのもよいかもしれませんね。

※1 平成 30 年度リユース市場規模調査報告書/環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室/令和元年7月
https://www.env.go.jp/recycle/H30_reuse_research_report_all.pdf
※2 ブランド 買取|ブランディア/ 11月27日現在
https://brandear.jp/
※3 訪問購入(訪問買い取り)のトラブルを防ぐには(身近な消費者トラブルQ&A)_国民生活センター/ 11月27日現在
http://www.kokusen.go.jp/t_box/data/t_box-faq_qa2017_26.html
※4 Web(宅配)買取取扱いブランドリスト|衣類・家具・家電製品等の買取と販売ならセカンドストリート/ 11月27日現在
https://www.2ndstreet.jp/sell/web/brands?key=%E2%98%85h
※5 下着(ランジェリー、アンダーウェア)お買取 / ファインファイン / 11月27日現在
https://www.finefine-kids.com/kaitori_lingerie.asp
※6 宅配買取の取扱いアイテム / トレファクスタイル / 12月8日現在
https://www.tf-style.com/howto/post/treat/
※7 洋服・古着の買取・査定|ファッション用品を売るならBOOKOFF/ 12月8日現在
https://www.bookoff.co.jp/sell/fashion/

服を寄付するには?まだ着られる服で社会貢献する方法

まだ着られる状態の服を捨てるのは、もったいないですよね。
必要とする誰かに着てもらえれば、社会貢献にもなるでしょう。
服を「寄付する」ことで、必要とする人に届けられます。
服の寄付先は、主に3つです。


【服を寄付する場所】

  • 寄付団体
  • リユース企業
  • 自治体

など


着なくなった服を寄付団体に送ると、被災地への緊急災害支援や難民キャンプなど、服を必要としている世界中の人たちのもとに届けられます
着るのは難しいと判断された汚れや破損のある服は、ウエスや固形燃料などにリサイクルされることもあるようです。※8
また服を直接届ける寄付方法以外にも、服を寄付して発展途上国にワクチンが届けられる寄付の仕方や、服の売れた金額が自分で選んだ支援先のNPO法人に寄付されるものなど、さまざまな種類の寄付の形があります。※9※10
寄付した服の行方は、団体のホームページで確認できます。
様々な団体があり、どこに寄付するか悩んだら、自分の送る服がどのように活用され貢献できるのか確認し寄付先を決めるのもよいでしょう。
また、服を郵送する配送料も団体ごとに異なります。
配送料は自己負担のところもあれば、無料で送れるところもあるので、確認してみてくださいね。
服を寄付する方法は、とても簡単です。
多くの場合、Webサイトから申し込み、着なくなった服を各団体に送るだけです。
寄付の場合も、受け付けられない種類の服もあります。
よく確認してから郵送しましょう。

 

※8 ポスト | 洋服のゆくえ/ 12月2日現在
https://www.yofukupost.net/story/
※9 古着 de ワクCHIン / 12月2日現在
https://furugidevaccine.etsl.jp/
※10 Brand Pledge / 12月2日現在
https://brand-pledge.jp/

服の廃品回収や店頭回収はどこにいく?海外で中古衣類やリサイクル原料に

最近では、店頭で着なくなった服を回収しているアパレルメーカーも多いですよね。
店頭で回収されたり自治体で回収されたりした古着は、どうなるか気になりませんか?
東京都リサイクル事業協会によると、国内で回収された古着のうちの75%は東南アジアに輸出されているそうです。※11
東南アジアで、古着として販売されたり、ウエスに加工されたり、リサイクル原料になったりと形を変えて活用されています。※12

 

古着は様々なリサイクル原料に

服のリサイクルには、化学的に元の原料にまで戻すリサイクル方法や、元の素材のまま使う方法、エネルギー源として使う方法などがあります。※12
【服のリサイクル原料】

  • 再生ポリエステル※13
  • 再生(リサイクル)ウール※13
  • 燃料※12

など

 

【再生ポリエステル】

再生ポリエステルとは、服に含まれるポリエステルをもう一度ポリエステルの原料に再生することです。※13
ポリエステルなどの合成繊維は石油から作られます。※12
これらの再利用は、石油などの資源削減につながります。

 

【再生(リサイクル)ウール】

再生ウールも再生ポリエステル同様、普通だったら捨てられてしまうウールをリサイクルし、再び糸として使われています。※14
再生ウールは、セーターやマフラーなどの編物に使われることが多いです。
再生ウールを使うことは、動物や環境への配慮につながります。

 

【燃料】

衣類を可燃ごみなどと一緒に燃やし、発電などにも使われています。※12
合成繊維メーカーが自社工場の燃料として使っている例もあるようです。※12
さらに近年、古着をバイオジェット燃料としてリサイクルする取り組みも始まっています。
航空会社と研究機関で、古着10万着で飛行機を飛ばす取り組みが行われ、バイオジェット燃料の開発に成功しています。※15
様々な技術の発展により、着られなくなった服や売れ残りの破棄衣類もリサイクルできる社会へと変わりつつあります。
わたしたちは、リサイクルを意識するだけでなく買うときの意識も必要です。
新しいファッションアイテムを購入する際は「再生ポリエステル」や「再生ウール」を取り入れた商品の購入も検討してみてくださいね。

 

※11 新型コロナウィルス感染症-世界的拡大にともなう古繊維の排出抑制-家庭内備蓄等のご協力のお願い (要望)/公益社団法人東京都リサイクル事業協会/令和2年4月27日/ 12月3日現在
http://torikyokai.org/wp_tori/wp-content/uploads/2020/05/ab6abb97081f46bcad90c79bba54683a.pdf
※12 環境にやさしい繊維リサイクル | 日本化学繊維協会(化繊協会)/ 12月3日現在
https://www.jcfa.gr.jp/about_kasen/katsuyaku/22.html
※13 BRING / 12月3日現在
https://bring.org/pages/recycle
※14 再生ウール | 100の良いこと | 「感じ良いくらし」の実現 | 株式会社 良品計画/ 12月7日現在
https://ryohin-keikaku.jp/csr/list/list_064.html
※15 バイオジェット燃料の開発促進と活用 / JAPAN AIRLINES / 12月7日現在
https://www.jal.com/ja/sustainability/environment/climate-action/saf/

服のリサイクルで社会問題に貢献!サステナブルな取り組みの一つ

サステナブルの意味とは?

の記事で解説の通り、服のリサイクルはサステナブルな取り組みの一つです。
サステナブルとは、持続可能な社会を実現するための取り組みのこと。
服のリサイクルにより、環境問題や資源問題など多くの社会課題の解決につながります。

 

近年、服のリサイクルの技術が急速に発達している背景の一つが「衣類破棄」の問題です。
世界のアパレル産業から年間9,200万トンもの廃棄衣類が排出されていると言われており、社会的な課題となっています。※13
大量の服が破棄されると、衣類を燃やす際の二酸化炭素排出などの環境問題につながります。

 

一方で新たな服を作るためには、動物や環境資源が消費されています。

服のリサイクルは、これらの社会課題を解決するサステナブルな取り組みです。
この課題に取り組むアパレルメーカーも増えています。
着なくなった衣類の回収を受け付けているファッションブランドやアパレル企業も増えてきていますよね。
例えば、国内の有名ファストファッショングループでは自社の販売した商品を回収する「リサイクルボックス」を全店舗に設置しています。※16
回収された衣類は、難民キャンプや被災地への緊急災害支援といった場所へ送られ、国内外の人に届けられる仕組みになっています。※16
他にも、汚れ・しみがある衣類、ファスナーやボタンなどの一部パーツが破損しているアイテムに関しては回収後、新商品へと生まれ変わる仕組みも採用されています。※17
着なくなった服は可燃ごみに捨てるのではなく、企業や自治体の取り組みを利用してリサイクルしましょう。

 

また処分する時だけでなく、服を買うときもリサイクルやサステナブルな取り組みを意識する時代が来ています。
ハイブランドからファストファッションまで多くのアパレル企業で、リサイクル原料を使った衣類が販売されています。
これらの商品を選ぶこともリサイクルの一環です。
楽天市場にも、サステナブルな商品のみを取り扱う「EARTH MALL(アースモール)」という公式ショップがあります。
ぜひのぞいてみてください。

※13 BRING / 12月3日現在
https://bring.org/pages/recycle
※16 RE.UNIQLO / UNIQLO / 12月3日現在
https://www.uniqlo.com/re-uniqlo/
※17 UNIQLO DOWN RECYCLE / UNIQLO / 12月3日現在
https://www.uniqlo.com/re-uniqlo/product/

まとめ

服のリサイクルの方法についてご紹介しました。
服は可燃ごみとして捨てるのは簡単です。
ただリサイクルすることで、社会課題の解決にもつながります。
ブランド品や状態のよいものであれば、リサイクルショップ(リユースショップ)で売れるものもあるでしょう。
またまだ着られる服を寄付すれば、社会貢献になります。
服を梱包したり郵送したりするのが面倒な場合には、廃品回収や店頭回収に出せば簡単ですよね。
回収された服は、海外で古着として販売されたりリサイクル原料として生まれ変わったりして、活用されています。
いらなくなった服も、貴重な資源です。
捨てる前に、自分に合ったリサイクル方法を試してみてください。

上へ