抜け毛や薄毛の原因は?原因や対策を知って、健康な髪を!

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髪の毛が大量に抜けると、病気なのではないか、薄毛になってしまうのでは?と心配になってしまいますよね。
1日にどれくらいの量から、抜け毛を気にした方がよいのか、抜け毛の原因は何なのか、ストレスは関係があるのかなど、抜け毛についてご紹介いたします。

目次

  1. 髪の抜ける量、どれくらいだと多い?増える時期はある?
  2. 抜け毛の量が多い!最近、増えた!その原因はシャンプー?ストレス?
    • 頭皮マッサージのやり方
    • 正しいシャンプーのやり方
  3. 睡眠の抜け毛・薄毛への影響
  4. 抜け毛・薄毛が気になる時の食事と栄養
    • たんぱく質
    • ビタミン類
    • ミネラル(亜鉛・鉄分)
  5. 抜け毛や薄毛の大敵!喫煙はほどほどに
  6. 薄毛が心配なら、まずは毛根をチェック
    • 正常毛根とは
    • 広汎性脱毛根とは
    • 精神的脱毛根とは
    • 円形脱毛症や前頭脱毛症の脱毛根
    • 抜去毛根とは
    • 毛先が尖がった抜け毛(先尖毛)
    • 細く短い抜け毛(細短毛)
    • 細く短い抜け毛、毛先が尖った抜け毛は注意
  7. 10代、20代、30代以上で違う!年代別の抜け毛・薄毛対策
    • 10代の抜け毛・薄毛対策
    • 20代の抜け毛・薄毛対策
    • 30〜50代の抜け毛・薄毛対策
  8. まとめ

髪の抜ける量、どれくらいだと多い?増える時期はある?

人の髪の本数は平均して約10万本、本数が多い人で約12万本あると言われています。
1日に抜ける量は、男性で90本前後、女性で60本前後が概ね正常な抜け毛。
1日200本や300本も抜けるようであれば、何らかの原因でヘアサイクルに異常をきたしていると考えられます。※1
また1本の髪の毛の寿命は、男性で3年前後、女性で4〜5年前後で、毛量全体の約90%が成長期の段階になります。※2
日々髪の毛は自然に抜けていきますが、その本数は一定ではなく、体調や食生活、気温湿度,
季節などにより変動します。
一般的に秋口になると抜け毛が増えることが多く、これは夏の紫外線ダメージや、食生活などが関係しています。
他には、夏はたくさん汗をかくことで頭皮に汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすくなることも理由の1つです。
このような状況から、秋口の気温の低下とともに皮脂量が低下し、肌の状態が悪化しやすくなっていることも影響しています。

※1 『やってはいけない頭皮ケア』/著者:板羽忠徳/青春出版社/2014年2月15日 第1版発行/p34・p 109/2019年5月15日現在
※2 『美髪はよみがえる』/著者:山田佳弘/自由国民社/2017年12月20日発行/p 159/2019年5月15日現在

抜け毛の量が多い!最近、増えた!その原因はシャンプー?ストレス?

シャンプーというと、汚れを洗い落とすイメージがありますが、シャンプーの語源はヒンディー語の「チャンプー」です。
髪を洗うという意味ではなくマッサージをして血行を良くし、体調を整え健康に役立てる「マッサージをする」という技術を意味します。
頭皮の血行が悪くなれば、酸素や栄養素が毛根部へ運ばれなくなり髪の成長の妨げになったり、抜け毛が増えたりする大きな要因になります。
頭皮の血行促進のために、頭皮マッサージをするのがいいでしょう。
マッサージをすることで副交感神経を刺激し、リラックス効果を高める作用もあります。
頭皮マッサージは、髪が濡れている状態で行うと絡みやすく、頭皮や髪へダメージを与えてしまうため、シャンプー前に行うのが大切です。

頭皮マッサージのやり方

  1. 指の腹で、首の後ろから頭頂部へ地肌ごとゆっくり揉んでいきます。
    頭頂部に向かって少しずつ指の位置をずらします。
  2.  耳の上の側頭部に指の腹を当て、頭頂部へ引き上げるように揉んでいきます。
    耳の上の頭皮は、頭頂部に比べて可動性がある場所ですがしっかり行います。
  3.  こめかみ部分の生え際から頭頂部へ向かって、指の腹を使い、軽い力で押し上げるように揉んでいきます。
    力を入れすぎないようにしましょう。※3

頭皮環境が整っていないと、やはり抜け毛や薄毛の原因になります。
頭皮は新陳代謝が盛んな場所であり、皮脂分泌や汗腺の働きも活発です。
皮脂が多いというと、よく洗い清潔にしなければと1日に何度も洗ったり、間違ったシャンプー法をすると、頭皮の乾燥や痒みが出たり、保護膜として機能する皮脂を取りすぎてしまい、かえって皮脂分泌を活発にさせ髪のべとつきの原因になります。
頭皮の汚れや髪の汚れは、お湯で洗い流すだけで多くは落ちると言われています。
ですから、シャンプーをつけてからはゴシゴシと強く洗う必要はありません。

正しいシャンプーのやり方

  1.  手の上でシャンプーを泡立てる。
    手櫛で髪をすすいだら、100円玉大のシャンプーを手のひらにとり、泡立てる。
    髪に直接シャンプーをつけ泡立てると、余計な摩擦が生じ頭皮の負担になります。
  2.  襟足からマッサージするよう上へ向かって洗う。襟足〜後頭部〜側頭部〜頭頂部〜前頭部〜生え際の順に、指の腹と地肌をピッタリと密着させ、ゆっくり動かします。
  3. 毛の流れに逆らうようにすすぐ。シャワーは下から上に向け、髪の流れに逆らうようにして流していきます。
  4. 頭皮にシャワーをあてて、ためすすぎをする。シャワーを頭皮にあて、手のひらにためた湯に頭皮を浸しながら、ためすすぎで流し残しの防止です。※3

疲労やストレスも、抜け毛や薄毛の原因となることもあります。
日々様々なストレスにさらされ、緊張状態が続き交感神経が優位に立っていて、体の疲れをとる副交感神経が優位にたつ時間が少ない人が増えてきています。
副交感神経が優位に立っている時、疲れた体を修復するために全身に血が巡っているのです。
つまりイライラや気になることが多く、ストレスが常にある状態が続けば副交感神経が働きにくくなり、髪の成長や必要な組織にも十分な血が巡りません。※4

抜け毛や薄毛予防に大切なポイントは、健康な体づくりです。
睡眠、食事、禁煙など日常生活を見直していきましょう。

睡眠の抜け毛・薄毛への影響

睡眠不足や、質の良くない眠りは髪にも悪影響になります。
睡眠は深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠の2種類があり、睡眠中はそれが交互にやってきます。
レム睡眠は、身体は休んだ状態ですが、脳は起きている状態。ノンレム睡眠では脳も休んでいる状態になります。
この2種類の移行もスムーズに行われ、体も脳もしっかり休息できていることが質の良い睡眠になります。
ノンレム睡眠の、特に入眠後最初にやってくるノンレム睡眠時に、髪の成長に必要な成長ホルモンが分泌されます。
必要な睡眠時間は個人差がありますが、一般的には6〜8時間はとる方がいいでしょう。
髪の成長が最も活発になるのは、午後10時〜午前2時と言われています。
夜遅くに寝てしまうと、ノンレム睡眠が取りにくくなり、髪に必要な成長ホルモンだけでなく、睡眠に関係するメラトニンというホルモンの分泌も同時に悪くなってしまいます。
睡眠不足が続けば、毛母細胞(毛根の1番下にあり、この細胞が栄養や酸素を取り込み、細胞分裂をして髪を伸ばす髪の元となる細胞)の細胞分裂が低下しやすく、頭皮の血流が悪くなってしまい、髪の成長を妨げる原因になります。
十分な睡眠をとることはストレスを軽減にもつながるので、工夫をして質の良い睡眠を得られるようにしましょう。

  • 午後〜夕方に運動を取り入れると、寝つきが良くなります。
  • 入浴は交感神経が刺激され入眠の妨げになってしまうため、就寝2〜3時間前に入浴を済ませた方がいいでしょう。※3

抜け毛・薄毛が気になる時の食事と栄養

髪を作るため必要な栄養素は知っていますか?

たんぱく質

髪はケラチンという硫黄を含んだ硬いたんぱく質からできているので、良質なたんぱく質をとるとよいでしょう。
たんぱく質はアミノ酸という成分が集まってできたものです。
良質なたんぱく質は、食品からしか摂取できない必須アミノ酸をバランスよく含んでいるものをいいます。
たんぱく質には、植物性たんぱく質と動物性たんぱく質の2つがあります。
前者は後者よりも体内での吸収効率が悪いといわれています。
大豆などの植物性たんぱく質だけでなく、肉や魚などの動物性たんぱく質もしっかりとることで、必須アミノ酸をバランスよく摂取することができます。

ビタミン類

ビタミンでは、ビタミンB群やビオチンが重要な成分になります。
ビタミンB1やビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関係します。
ビタミンB2は、髪の細胞の再生をサポートしてくれる「再生ビタミン」とも呼ばれています。ビオチン(ビタミンH)はエネルギー代謝に関わり、不足すると血流低下の影響を及ぼしてしまいます。

ミネラル(亜鉛・鉄分)

ミネラルはたんぱく質・脂質・炭水化物の3大栄養素の代謝などに欠かせない微量栄養素です。
髪質を守る亜鉛や鉄分、メラニン色素の合成に関係する銅があげられます。
亜鉛は髪の原料となるたんぱく質の代謝に不可欠です。
不足すると毛母細胞を含む全ての細胞分裂がスムーズに進まなくなってしまいます。
鉄分は体内でヘモグロビンの生成に使われます。
ヘモグロビンは血液中で酸素を運ぶ役割を担っています。
鉄不足だと体内の至る所で酸素不足の状態になり、毛母細胞の細胞分裂もうまく進まなくなってしまいますので、摂取を心掛けましょう。※3

抜け毛や薄毛の大敵!喫煙はほどほどに

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血液循環が悪くなります。
また一酸化炭素は血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を運ぶ働きが低下してしまい、全身的に酸素不足が引き起こされます。
そして体内に活性酸素も発生し、それを除去するビタミンCなどの抗酸化成分もどんどん使われ、体内の抗酸化成分が不足する結果になります。
タバコ1本で、ビタミンCが25mg消耗されるといわれています。
タバコには、4000種類以上の化学物質、200種類以上の有害物質が含まれているといいます。
喫煙は髪の発育や、また様々な疾患による死亡率を高め健康面でも悪影響があるため、禁煙で改善していきましょう。※3※5

※3『「女性の薄毛・抜け毛」お悩み解消BOOK』/著者:浜中聡子/主婦と生活社/2011年12月19日第1版発行/p38・39・44・86・87・88・89・102・160/2019年5月15日現在
※4『髪は増える!』/著者:山田佳弘/自由国民/2015年8月6日第1版発行/p103・104/2019年5月15日現在
※5 『20才若く見える頭髪アンチ・エイジング』/著者:板羽忠徳/講談社/2012年6月20日第1版発行/p160/2019年5月15日現在

薄毛が心配なら、まずは毛根をチェック

正常毛根とは

正常の場合は、毛根の形はマッチ棒やつくしの頭のような形をしており、自然な膨らみと丸い形をしています。

広汎性脱毛根とは

毛根部下端にカブの根っこのような未角化の根鞘や皮脂の塊が付着しています。
フケなど頭皮の異常があったり、ホルモンのバランスが崩れたり、ビタミン、ミネラルなどの不足、血行不良などが起こった場合に発生します。
過剰な皮脂が原因の脂漏性脱毛根と乾燥が原因の粃糠性脱毛根があります。

精神的脱毛根とは

毛根部下端は丸みを帯びているものの、膨らみがない。バットやスリコギのような形のものから、全く膨らみがなく、毛根部が萎縮して全体的に細くなっています。

円形脱毛症や前頭脱毛症の脱毛根

全体的に細く、毛根部に膨らみがない、針のように尖っているなど、根元に向かうに従い細く削った鉛筆のようになる形や、感嘆符(!)のような形になっています。
中には毛根がなく、繊維が小さくバラバラに裂けて断毛状になっているものもあります。

抜去毛根とは

ブラッシングなどで引き抜かれたもので、毛根部に白い根鞘が付着していたり、鉤状に曲がったり、毛根の端が平らになっていたり、木の根のように毛皮質の繊維がバラバラになっていたりします。

毛先が尖がった抜け毛(先尖毛)

毛先を調べて、ヘアサイクルの寿命を全うして自然に抜けた毛は、それまでにカットされたことがあるので、ハサミの切り口がありますが、ヘアサイクルが短縮され、成長期間が短くなった髪は、先端が細くて尖がった状態で抜け落ちています。

細く短い抜け毛(細短毛)

全体を通して太いものが抜けている場合はあまり問題ではなく、今まで太かったのに細くて短いものが多く抜けるようになった場合は、ヘアサイクルが短縮していることが窺えます。

細く短い抜け毛、毛先が尖った抜け毛は注意

細短毛や先尖毛が抜けるには2つ理由があります。
1つ目はヘアサイクルが短縮したことにより、成長期が非常に短くなってしまって自然に抜けたもの。
2つ目は本来、まだ伸びることができる状態なのに、シャンプーやタオルドライ時などに新生毛を引き抜いてしまっている場合です。
ブラッシングや、先述で紹介したシャンプー法を実践して、丁寧に正しくケアをしていくことが大切です。※6

※6『20才若く見える頭髪アンチ・エイジング』/著者:板羽忠徳/講談社/2012年6月20日第1版発行/ p104・105・106・107・108/2019年5月15日現在

10代、20代、30代以上で違う!年代別の抜け毛・薄毛対策

10代の抜け毛・薄毛対策

若年層でも極端に痩せた体型が流行る時期があります。
過度なダイエットは、抜け毛を進行させます。髪のたんぱく質が、極端に減ってしまいます。
体の中のたんぱく質は生命の維持にとても必要な臓器にも使われ、生命の危機と関係のない髪は、たんぱく質は後回しになってしまいます。
また寝不足も良くないので改善した方が良いでしょう。
またファーストフードやインスタント麺ばかりなどを、食べていると栄養が偏り、たんぱく質が減少し、抜け毛の原因となります。
また、若年層は皮脂の分泌も皮脂の過剰分泌になってしまうことがあるので正しいシャンプー法で、しっかりと頭皮の状態が清潔な状態を心掛けましょう。

20代の抜け毛・薄毛対策

20歳は社会人となり、仕事が始まり生活に様々な変化があります。
それに伴いストレスによりホルモンバランスや血流に悪影響を与え、薄毛や抜け毛の原因になります。
こうしたストレスを上手に解消できずにいると髪への負担を強めるきっかけになってしまいます。
先述した睡眠、食事に気をつけて体のリズムとバランスを整え、ストレスを軽くしてあげる方法をそれぞれ工夫した生活を心掛けましょう

30〜50代の抜け毛・薄毛対策

30代以降になると肌トラブルや身体の変化を特に感じるようになります。
以前は平気であった徹夜が辛くなる、体重の変化などの容姿を含め、内省することで、髪に対するコンプレックスを抱くきっかけになったりします。
ホルモンの分泌量も30代から徐々に減っていきます。
髪が乾燥しやすくなったり、女性は更年期前後には髪質が細くなったり、閉経後には更に著明になり、薄毛が目立ってくることも。
齢に伴いヘアサイクルも変化し、それによって髪のハリやコシにも影響してくるのです。
年齢を重ねていくにつれ、筋力も低下していきます。
筋力が低下するということは血流も低下しやすくなるので、心身の負担にならないよう運動を取り入れるのが良いでしょう。
また生活習慣病の予防対策は体のバランスを整えることもできるので、規則正しい生活を心掛けましょう。※7

※7『「女性の薄毛・抜け毛」お悩み解消BOOK』/著者:浜中聡子/主婦と生活社/2011年12月19日第1版/p23・77/2019年5月15日現在

まとめ

1人で抱え込みがちな髪のお悩み。
髪も内側からケアしていくことが、髪にとっても体にとっても良いアプローチの方法です。
薄毛や抜け毛の悩みが解消しない場合には、薄毛治療専門のクリニックなどの医療機関で相談することも良いでしょう。
様々な健康の悩みの改善点として共通するのが、規則正しい生活です。
まずは自身の生活スタイルで取り入れやすいものを取り入れていくなど、工夫して心身のバランスを整えていきたいですね。

ライター
杉村
准看護師免許
人工透析で2年間、美容クリニックで半年勤務、その後、内科・皮膚科・美容皮膚科・形成外科・婦人科・乳腺科などの総合しているクリニックで現場主任を務める。
現在は、透析のクリニックに勤務しながら、現場で培った経験を元に、美容ライター業も行っている。
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