20代の平均貯金額は?毎月いくらで100万円達成する?

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20代の平均貯金額はおよそ180万円です。
ただ20代といっても、独身か夫婦世帯など、世帯の状況次第で家計は異なります。
ここでは、独身世帯と夫婦世帯それぞれの平均貯蓄額や貯金にまわす 割合を解説します。
将来必要となる結婚費用や住宅費、老後資金などの目安を知り、貯金の目標を考える参考になれば幸いです。

 

目次

  1. 20代の平均貯蓄額と中央値、独身と夫婦で差はある?
    • 20代の平均貯蓄額は約180万円
    • 独身世帯の貯蓄額は平均113万円、中央値8万円
    • 夫婦(二人以上世帯)の貯金、平均額は350万円
  2. 20代、毎月いくら貯金する?年間貯金額は?
    • 月々の貯金は手取りの18%
    • 新卒の貯金額は年間45万円?!
    • 社会人2~3年目で貯めるには
  3. 目標300万円?20代がこれから必要となるお金は?
    • 貯金額の目標は500万円?!
    • 20代がこれから必要になるお金
  4. 20代は貯め時!無理のない貯め方は?
    • 20代はどう貯める?
    • 給料天引きの積立から
  5. まとめ

20代の平均貯蓄額と中央値、独身と夫婦で差はある?

20代の平均貯蓄額は約180万円

厚生労働省が実施している「2019年国民生活基礎調査」によると、20代世帯の平均貯蓄額は179.8万円です。※1
世帯主を対象とした調査なので、実家暮らしの20代は含まれません。

一方、20代の収入は平均362.6万円です。(20代の1世帯当たりの平均所得額)※1
年収の約半分は、貯えがあることがわかります。
ただ、あくまでこれは平均値です。
20代では、独身世帯もいれば、夫婦世帯や子連れ世帯もいるなど世帯構成は様々。
世帯構成別の貯金状況を見てみましょう。

 

独身世帯の貯蓄額は平均113万円、中央値8万円

「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」によると、

20代単身世帯の

  • 平均貯蓄額は113万円※2
  • 中央値は8万円※2

です。
20代独身世帯の43%は貯金がない(将来や万が一への備えがない)と回答しています。※2
次いで28%は貯蓄が100万円未満であり、貯蓄がない世帯と合わせると7割以上を占めています。※2
一方1,000万円以上の貯蓄がある世帯は1.7%と少数ながら存在します。※2

 

貯金を殖やすには、家計の節約が欠かせません。
一人暮らしの節約法は、
一人暮らしの食費、節約するなら自炊なしの方がいい場合もある?!
の記事で詳しく解説しています。


・中央値とは…
中央値とは、対象のデータを大きい順(ないし小さい順)に並べたときに中心にくる値を指します。
平均値の場合、極端に大きな数字がデータに含まれていると、たとえ数件でも全体に影響してしまいますよね。
この場合、平均値は中央値よりも高くなってしまいます。
20代の貯金額が平均113万円、中央値8万円ということは、貯蓄額が高い人と、全くしていない人がいると判断できるのです。

 

夫婦(二人以上世帯)の貯金、平均額は350万円

「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」によると、

20代二人以上世帯の貯金額は

・平均350万円※3

・中央値235万円※3

です。
家族世帯では将来への備えがない世帯は約16%と独身世帯よりも少数です。※3
一方で1,000万円を超える貯金のある世帯は、独身よりも多い4.8%です。※3

 

貯金額の割合は、
・100万円未満が23.8%
・100~200万円が19%
・200~300万円が14.3%
と、300万円未満が全体の57%を占めています。※3

 

20代では、独身世帯と家族世帯で貯金額が大きく異なる実態があるようです。
独身世帯は、「将来のための貯金をする余裕がない」という世帯も少なくありません。
ただ独身時代と結婚後の子供が生まれるまでの時期は、人生における貯め時ともいわれています。
今後のライフイベントに備え、計画的に毎月無理のない範囲で貯金をしていきましょう。
次章では、毎月の貯蓄額について解説します。

 

※1 2019年 国民生活基礎調査 結果の概況 Ⅱ 各種世帯の所得等の状況/厚生労働省 /2021年7月5日現在
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf
※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/pdf/per12001.xlsx
※3 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/pdf/per22001.xlsx

20代、毎月いくら貯金する?年間貯金額は?

月々の貯金は手取りの18%

「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」によると、20代の平均的な毎月の貯蓄額は手取り収入の18%です。※2
20代独身世帯の平均手取り年収は217万円ですので、月々の貯金額は32,550円です。※2

「毎月32,550円も貯金できるの?!」と思った方も少なくないのではないでしょうか。
実際には、貯金できる人とできない人に分かれているようです。

「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)」によると、全く貯金をしない人たちが22.3%と最多です。※2
一方しっかりと貯金している人は、手取りの35%以上を貯金にまわしています。※2

 

20代は、ライフスタイルや年収の個人差が大きい世代です。
新卒で入社したての22歳と社会人7年目の29歳では、年収もライフスタイルも違いますよね。
新卒の手取りや貯金額はどれくらいなのでしょうか。

 

新卒の貯金額は年間45万円?!

 

・新卒1年目の貯金額
民間企業が実施した調査によると、新卒1年目の貯蓄額の平均は45万円です。※4
10万~20万円未満が最も多く、次いで100万円以上が多いようです。※4
20代全体と同様に、貯金額に差があります。※4

 

・初任給、何割を貯金に回せばよい?
令和2年賃金構造基本統計調査によると、新卒の初任給は大卒で22万6千円。※5

もし1年間で100万円を目標に貯めるとなると、月々83,600円(給料の約37%)を貯金にまわすことになります。(ボーナスは除く)
半分の50万円でも、月々41,800円(給料の約18.5%)を貯めなければなりません。

20代の平均18%と同等です。
社会人1年目は住民税の負担がなく、社会人2年目よりも手取りが多いです。
貯められるうちに、貯めておくのがよさそうですね。

 

社会人2~3年目で貯めるには

いま社会人4~18年目の世代が貯金を開始したのは、平均して社会人2.8年目という調査データがあります。※6

つまり社会人2~3年目に貯金を始めたということです。
ただ20代では、まだ具体的な貯蓄目的はない人も多いかもしれませんね。
いつか病気になったときのためや老後のためと言われても、まだピンとこないかもしれません。
具体的な目標額を決めずに貯金をする場合には、給料天引きで貯めるのが確実です。
会社の財形貯蓄や銀行の積立預金、信託銀行の投信自動積立など、自動的に貯められる制度を活用しましょう。
詳しくは、
少ない収入でもお金を貯めるには?やりくりだけじゃない貯金の増やし方

の記事で詳しくご紹介しています。

 

※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/pdf/per12001.xlsx
※4 社会人1年目と2年目の意識調査2020 | ソニー生命保険/2021年7月5日現在
https://www.sonylife.co.jp/company/news/2020/nr_200421.html
※5 令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況 /新規学卒者の学歴別にみた賃金【新規項目】/厚生労働省 /2021年7月5日現在
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/09.pdf
※6 「初任給」と「理想的な働き方」に関する世代別の実態調査 | 松井証券/2021年7月5日現在
https://www.matsui.co.jp/company/ir/press/research/20210420.html

目標300万円?20代がこれから必要となるお金は?

貯金額の目標は500万円?!

家計の金融行動に関する世論調査によると、20代独身の目標貯蓄額は500万円(中央値)です。※2
20代の平均的な手取り年収の18%を貯金した場合、500万円を貯めるには約13年かかりる計算です。
30代前半までに貯金残高500万円を目標にすれば、結婚や住宅購入など今後のライフスタイルの変化にも対応できるでしょう。

 

20代がこれから必要になるお金

20代のうちに大きなお金が必要になるのは、資格取得やレジャーなど自分自身への出費ですよね。
ただ近い将来、結婚をして子供を育ててという将来を思い描いているのであれば、結婚や出産、育児などへの備えが必要です。

 

【20代がこれから必要になる費用】

・結婚費用
・住宅資金
・老後資金(アーリーリタイア用の資金含む)
など

 

・結婚費用
民間企業の2020年度の調査によると、結婚にかかる費用の総額は約500万円です。
結婚式・披露宴等にかかる費用は、全国平均で362.3万円。※7
これに、結納にかかる費用や婚約指輪、結婚指輪、新婚旅行にかかる費用などを追加すると、総額で493.8万円にもなります。※7

 

これに対し、夫婦で貯めた結婚費用の額は平均325万円。※7
親や親族からの援助がある場合も多く、平均200万円ほどの援助があるようです。※7
援助に対しては、自分やパートナーの家庭ごとに様々な考え方があるでしょう。
もしなかった場合でも支払えるよう、結婚資金は早めに貯め始めてもよさそうですね。
300万円くらいを結婚資金の目標額にするとよいかもしれません。

 

・住宅資金
20代で独身のうちは、具体的に家の購入を検討している人は多くはありません。※2
ただ独身でも10年以内に家の購入を考えている人もいます(約23%)。※2
30代で家を買う場合、必要な住宅費用は平均で2,500万円以上です。※2
このうち1,000万円ほどは自己資金で準備します。※2
ただ首都圏であれば、さらに高額な費用が必要です。
費用が高額なだけに、具体的な計画はなくとも貯金で頭金を増やしておくと、将来的にラクになるはずです。

 

・老後資金(アーリーリタイア(Fire)用の資金含む)
老後資金が2,000万円必要だと話題になりましたよね。
いくら必要になるかは、現役世代の年収や理想の生活水準によります。

現60代以上の世代が1ヶ月に最低限必要だと感じる生活費は約30万円です。※3
一方20代は、自分たちの老後の生活費には月40万円、年金受給までに2,163万円の準備が必要だと考えているようです。※3
仮に65歳から年金を受け取るとして25歳から40年間で2,000万円を貯める場合、月々41,700円を貯金していかなければなりません。

 

さらに、最近話題のアーリーリタイア(Fire)が気になる20代もいるでしょう。
証券会社のアンケート調査によると、20~30代の理想の働き方3位がアーリーリタイアです。※6
早期退職をして不労収入で生活するアーリーリタイアに興味のある若者が多いとわかります。
またアーリーリタイアには5,000万円以上の貯金が必要だとも考えていて、若いうちから資産形成の必要性を感じているようです。※6

例えば50代で早期退職したいと考えているのであれば、約30年で5,000万円を貯めなければなりません。
貯金だけで貯めるとなると、毎月の貯金額は14万円になります。
50代までには、結婚費用や住宅費用、子供の教育費など支出も目白押しです。
アーリーリタイアを考えるのであれば、20代の早いうちから計画的にお金を貯め運用する必要がありそうです。

 

※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/pdf/per12001.xlsx
※3 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2020/pdf/per22001.xlsx
※6 「初任給」と「理想的な働き方」に関する世代別の実態調査| 松井証券
https://www.matsui.co.jp/company/ir/press/research/0210420.html
※7 ゼクシィ結婚トレンド調査 2020首都圏/株式会社リクルートマーケティングパートナーズ ゼクシィ首都圏
https://souken.zexy.net/data/trend2020/XY_MT20_report_06shutoken.pdf

20代は貯め時!無理のない貯め方は?

20代はどう貯める?

貯金をしている20代が最も利用している金融商品は、預貯金です。※2
定期性の預貯金を一部利用しているものの、大半は普通預金のようです。※2
積極的に資産運用をしている人は、株式や投資信託を利用しています。※2
生命保険や個人年金を持っている20代は少数です。※2

 

給料天引きの積立から

まだ年収が高くない20代のうちは、積立定期など給料から天引きするタイプの貯蓄が確実です。
財形貯蓄制度のある会社であれば、給料から自動で天引きされるので手間をかけずに貯められます。
他には、積立定期つみたてNISA 投信積立なども給料支払い口座から自動引き落としが可能です。
つみたてNISA は、税制優遇が受けられます。※8

積立で確実に貯金できるとしても、日々の生活費の節約は欠かせません。
独身ひとり暮らしの場合、食費がかさみがちです。
外食費やお酒代などにお金をかけすぎていませんか?
週ごとに予算を決めて、その中でやりくりをするなど工夫が必要です。
詳しくは、
生活費を節約したい!一人暮らしの生活費は平均いくら?4人家族の節約術は?
の記事で解説しています。

 

※2 家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和2年)/金融広報中央委員会/2021年7月5日現在
https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2020/pdf/per12001.xlsx
※8 つみたてNISAの概要 : 金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/tsumitate/overview/index.html

まとめ

20代の貯金額は、平均180万円です。
ただ独身世帯の貯金額中央値は8万円で、貯金していない割合が4割を超えています。
20代で働き始めのうちは、まだ貯金をする余裕がない場合もありますよね。
ただ将来への備えは、あるにこしたことはありません。
30代になると、結婚費用や住宅費用が必要になる場合もあります。
無理のない範囲で、確実に貯められるよう給料天引きなどを検討して下さい。

 

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