【一人暮らしの費用】学生と社会人、それぞれの生活費は?

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一人暮らしを始める際に気になることの1つが、費用ではないでしょうか。
一人暮らしの1ヶ月の生活費は15万~20万円が目安です。
さらに引っ越しの際には初期費用がかかります。
大学生の一人暮らし、社会人1年目(新卒)の一人暮らしのケースごとに、平均的な生活費やその内訳をご紹介します。

 

目次

  1. 一人暮らしの費用、1ヶ月どのくらい?
    • 1ヶ月の平均生活費
    • 大学生の生活費
    • 社会人の生活費
  2. 一人暮らしの初期費用は?
  3. 大学生の一人暮らし費用は?仕送りなしで暮らせる?
    • 東京の大学生、月の生活費は?
    • 仕送りなしで生活できる?
  4. 社会人一人暮らしの費用は?
    • 男性の一人暮らし費用
    • 女性の一人暮らし費用
  5. 新卒の一人暮らし、東京での生活に必要な費用は?
    • 東京の生活費の相場
    • 新卒の給料
    • 家賃補助なしで生活できる?
  6. 一人暮らしの家賃相場は?
  7. まとめ

一人暮らしの費用、1ヶ月どのくらい?

1ヶ月の平均生活費

一人暮らしの1ヶ月の平均的な生活費は、下記の通りです。

 

【大学生】
全国平均…92,400円※1
※1 学生生活調査結果/ 下宿の場合の年間生活費の1/12より算出

 

【社会人】

  • 全国平均…154,937円※2
  • 北海道・東北地方…143,969円※2
  • 関東地方…165,626円※2
  • 北陸・東海地方…156,006円※2
  • 近畿地方…152,294円※2
  • 中国・四国地方…141,142円※2
  • 九州・沖縄地方…144,166円※2
    ※2 2021年家計調査/総務省 より作成

 

大学生の生活費

学生の1ヶ月の生活費は、全国平均92,400円です。※1
これは下宿での一人暮らしの場合の金額です。
東京都内で一人暮らしする場合には、家賃が高く、生活費はこれよりも高くなることも珍しくないでしょう。
東京の一人暮らし費用については、次章で詳しく解説します。

下宿をせず学生寮の場合、1ヶ月の生活費は約69,600円です。※1

 

社会人の生活費

社会人の1ヶ月の生活費は、全国平均で約155,000円です。※2
関東地方は全国平均よりも高く、約166,000円。※2
家賃など住居費を除く生活費は、全国平均が約125,000円、関東地方は約132,000円です。※2
家賃はもちろん、その他の費用も関東地方は高いことがわかります。※2

 

※1 令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部/独立行政法人 日本学生支援機構/2022年2月8日現在
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2021/09/24/data20sokuhou.pdf
※2 総務省│2021年家計調査 家計収支編 単身世帯/<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3. 都市階級・地方別/2022年2月8日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1&tclass4val=0

 

一人暮らしの初期費用は?

日本政策金融公庫が実施している教育費に関する調査によると、大学生が一人暮らしを始める際の平均費用は387,000円です。※3


初期費用の主な内訳は下記の通りです。

 

【一人暮らしの初期費用】

  • 敷金礼金や仲介手数料など
  • 引っ越し代金
  • 家具家電の購入費

一人暮らしの初期費用のうち、最も費用がかかるのが礼金・敷金など賃貸にかかる費用です。
一般的に、礼金と敷金、仲介手数料で家賃の3~4ヶ月分かかります。
ただ礼金や敷金ゼロの物件もありますので、予算に合わせて物件を選びましょう。

 

さらに引っ越しする際に必要なのが、引っ越し代金や家具家電の購入費です。
引っ越し代金は、2~4月の繁忙期は高いため、可能な限り時期をずらすと費用を抑えられます。
家具家電は、すべてを揃えると10万円以上になるかもしれません。
まずは最低限必要なもののみを揃える、リユースも活用するなどの工夫で費用が抑えられるでしょう。

 

※1 令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部/独立行政法人 日本学生支援機構/2022年2月8日現在
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2021/09/24/data20sokuhou.pdf
※2 総務省│2021年家計調査 家計収支編 単身世帯/<用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 3. 都市階級・地方別/2022年2月8日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20210&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330023&result_back=1&tclass4val=0
※3 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」/日本政策金融公庫/2022年2月8日現在
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf

大学生の一人暮らし費用は?仕送りなしで暮らせる?

大学に入学し、これから一人暮らしをするとなると、毎月どれくらいの生活費が必要なのでしょうか。
令和2年度学生生活調査結果によると、大学生の一人暮らしにかかる費用は約9万円です。※1
主な内訳を見てみましょう。

 

【大学生生活費の内訳】

  • 住居・光熱費…41,500円※1
  • 食費…22,800円※1
  • 娯楽・嗜好費…11,400円※1
  • その他日常費…13,200円※1
    ※1 学生生活調査結果/ 下宿の場合の年間生活費の1/12より算出

 

家賃・光熱費が最も高く41,500円、生活費の約45%を占めています。
次に多いのが食費で、月に約23,000円です。
1日あたりの食費に換算すると、およそ770円。
学食の利用や自炊で節約をしている様子がうかがえます。
家賃の高い東京近郊で一人暮らしをする場合、毎月の生活費はさらに高くなるでしょう。

 

東京の大学生、月の生活費は?

首都圏の私立大学に通う生徒の保護者を対象に行われた調査によると、家賃の平均額は64,200円です。※4
これに光熱費・食費・日常費などを足すと、毎月の生活費は10万円以上。
1ヶ月10万円とすると、1年間で120万円、4年間で480万円です。
東京の大学へ進学し一人暮らしをすると、仕送りは親にとって大きな負担です。

 

仕送りなしで生活できる?

首都圏の私立大学に通う生徒の保護者を対象に行われた調査によると、毎月の仕送り平均額は82,400円(2020年6月平均)。※4
一方、全国の大学生の保護者を対象にした調査では仕送り平均額は79,000円です。※3


仕送りなしの世帯は全体の10%です。※3
仕送りなしで、生活している学生も一定数いることが分かります。

仕送りが全くない学生は少ないものの、親からの援助のみで大学に通える学生の割合は約半数にすぎません。※1
8割の学生はアルバイトをしており、約5割の学生は奨学金を受給しています。※1

親からの仕送りで不足する費用は、学生自身がアルバイトしたり奨学金を受給したりすることで補っている様子が伺えます。

 

また生活費だけでなく、将来に向けた貯金のためにもアルバイトをしているようです。
大学生のうちから貯金をしている人も珍しくはありません。
大学生の貯金事情については、
大学生の貯金は平均いくら?100万円貯めるには?

の記事で詳しくご紹介しています。

 

※1 令和2年度学生生活調査結果 大学昼間部/独立行政法人 日本学生支援機構/2022年2月8日現在
https://www.jasso.go.jp/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2021/09/24/data20sokuhou.pdf
※3 子供1人当たりにかける教育費用(高校入学から大学卒業まで)は減少 令和3年度「教育費負担の実態調査結果」/日本政策金融公庫/2022年2月8日現在
https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kyouikuhi_chousa_k_r03.pdf
※4 私立大学新入生の家計負担調査2020年度│東京私大教連/2022年2月8日現在
http://tfpu.or.jp/wp-content/uploads/2021/04/940df65970992b27b22d6f7f4179822d-1.pdf

社会人一人暮らしの費用は?

社会人一人暮らしにかかる1ヶ月の生活費の平均額(住居費を除く)は、約121,000円です。
男女別にみると、男性の平均額122,027円に対し、女性の平均額は120,222円です。

 

【社会人の一人暮らしの生活費(住居費除く)】

~34歳 35~59歳 60歳以上
男性 114,532円 130,296円 119,113円
女性 99,283円 144,172円 118,083円

※5 総務省│2020年家計調査 家計収支編 単身世帯 年報より作成

男性の一人暮らし費用

男性一人暮らしの1ヶ月の生活費は、34歳以下でおよそ115,000円、35歳~59歳でおよそ130,000円です。※5
年齢が上がるほど、生活費が高くなることが分かります。
主な違いは、食費や光熱費、車関連の費用、交際費などの雑費です。

 

1ヶ月の食費は、34歳以下が35,600円、35歳~59歳が41,000円で、どちらも家計の32%を占めています。※5

次に多いのが、交際費や雑費などです。

34歳以下では18,500円、35歳~59歳では30,900円が、諸雑費や交際費に使われています。※5

また年齢が上がるにつれ増えているのが車関連の費用で、1ヶ月の交通・通信費の合計額は34歳以下18,800円、35歳~59歳24,300円です。※5
35歳以上は、通信費よりも車関連にお金をかけているようです。

 

女性の一人暮らし費用

女性一人暮らしの1ヶ月の生活費は、34歳以下で99,000円、35歳~59歳では144,000円です。※5
女性の1ヶ月の生活費は、34歳以下では男性よりも15,000円ほど少ないのに対し、35歳~59歳では男性よりも14,000円ほど多くかかっています。※5
女性の場合も、家計のうち最も多くの割合を占めているのは食費です。
1ヶ月の食費は、34歳以下で29,500円、35歳~59歳で34,300円です。※5
次いで多いのは諸雑費や交際費で、それらの合計額は34歳以下20,000円、35歳~59歳で37,700円と家計のおよそ1/4を占めています。※5

 

女性は男性に比べて家計に占める食費の割合が低く約20%です。※5
男性の34歳以下26%、35歳~59歳28%と比べると、ずいぶん低いことが分かります。※5
女性は、上手に食費を節約しているのかもしれませんね。

一人暮らしの節約方法については、
生活費を節約したい!一人暮らしの生活費は平均いくら?4人家族の節約術は?
の記事でご紹介しています。
次章では社会人1年目、新卒で一人暮らしをする場合の費用をご紹介します。

 

※5 総務省│2020年家計調査 家計収支編 単身世帯 年報/2022年2月8日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=7&year=20200&month=0&tclass1=000000330001&tclass2=000000330022&tclass3=000000330024&stat_infid=000032106663&result_back=1&cycle_facet=tclass1%3Atclass2%3Atclass3%3Acycle&tclass4val=0

新卒の一人暮らし、東京での生活に必要な費用は?

社会人になると同時に東京で一人暮らしを始める場合、楽しみも多い反面、生活費の不安もありますよね。
東京の生活費の相場と、給与水準を見てみましょう。

 

東京の生活費の相場

総務省の家計調査によると、20代~30代前半の家賃などの住居費を除く生活費はおよそ108,000円。※5
これに家賃を加えた額が、1ヶ月の生活費です。
生活費の内訳は、以下の通りです。

 

【20代生活費の内訳】

1ヶ月の費用
食費 35,600円
交通・通信費 18,800円
教育娯楽費 18,400円
雑費・交際費等 18,500円
光熱費 7,700円
日用品など 4,400円
被服費など 5,300円
合計 108,700円

※5 総務省│2020年家計調査 家計収支編 単身世帯 年報より作成

東京都内はエリアにより家賃の差が大きいものです。
ワンルームの家賃の目安は5万~10万円と、エリアにより2倍の差があります。※6
東京での一人暮らし1ヶ月の生活費の目安は15万~20万円と言えそうです。

 

【東京都内の家賃の目安】

  • 港区・中央区・渋谷区…10万円前後※6
  • 新宿区・文京区・台東区・品川区・目黒区・豊島区・世田谷区等…7万~8万円前後※6
  • 大田区・墨田区・中野区・杉並区・北区・荒川区等…6万~7万円前後※6
  • 練馬区・板橋区・足立区・江戸川区・葛飾区等…5万~6万円前後※6
  • 東京市部…4万~5万円前後※6

 

新卒の給料

東京都内での一人暮らしには、15万~20万円の生活費がかかります。
一方、新卒(大卒)の平均給与額は平均226,000円です。※7

 

【大卒新卒者の平均給与(2020年)】

  • 男性:227,000円※7
  • 女性:224,000円※7

上記の給与額は、交通費を含む支給額です。
税金や社会保険料を差し引いた手取りに換算すると、およそ18万円くらいでしょうか。
家賃の高いエリアを避ければ、東京での一人暮らしは可能な金額です。

 

家賃補助なしで生活できる?

家賃補助のある会社であれば、新卒でも生活費に余裕ができますね。
会社からの補助がない場合は、無理なく家賃が支払える物件を選びましょう。
都内勤務の場合、神奈川県内や千葉県内、埼玉県内から通勤する人も少なくありません。
通勤可能な路線ごとに家賃相場を調べてみてはいかがでしょうか。

手取り収入から生活費10万円を引き、さらに貯金などの費用を除いた額が、家賃に使える金額です。

 

【手取り18万円の生活費の一例】
家賃  60,000円
生活費 100,000円
予備費 20,000円
━━━━━━━━
合計:180,000円

 

一人暮らしに限りませんが、日常生活以外にお金が必要なことも意外と多いものです。
冠婚葬祭や実家への帰省費用、賃貸住宅の更新費など、まとまったお金が必要な場合もあります。
毎月の手取りから、予備費として貯めておきましょう。
家賃は、予備費が貯められる範囲内で決めると安心です。

次章では、全国主要都市の家賃について詳しくご紹介します。

 

※6 賃料相場:Data Analyze│公益社団法人全国宅地建物取引業協会連合会/2022年2月8日現在
https://www.hatomarksite.com/analytics/stat/rent/13/
※7 令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況│新規学卒者の学歴別にみた賃金│厚生労働省/2022年2月8日現在
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2020/dl/09.pdf

 

一人暮らしの家賃相場は?

一人暮らしの生活費のなかで、費用負担の大きいのが家賃です。
東京都内の家賃事情は、「新卒の一人暮らし、東京での生活に必要な費用は?」の章でご紹介していますが、その他の地域の家賃は東京ほど高くはありません。


2022年1月の全国主要都市の平均家賃は、以下の通りです。

 

【ワンルームの家賃の目安】

  • 北海道:45,000円※8
  • 宮城県:49,000円※8
  • 東京都:68,000円※8
  • 神奈川県:58,000円※8
  • 千葉県:54,000円※8
  • 埼玉県:53,000円※8
  • 新潟県:46,000円※8
  • 愛知県:51,000円※8
  • 大阪府:56,000円※8
  • 広島県:48,000円※8
  • 福岡県:48,000円※8
    ※8 全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向」2022年1月調査より作成

平均家賃が6万円を超えているのは東京都のみです。※8
東京近郊の神奈川県・千葉県・埼玉県と、愛知県、大阪府といった大都市は5万円を超えています。※8
その他のエリアは、ほとんどの地域で4万円台です。※8

家賃以外にも、交通費や光熱費など地域による差はあるでしょう。
ただ家賃は、生活費に占める割合が高いものです。
毎月の生活費を算出する際の参考にしてくださいね。

 

※8 全国平均家賃による間取り別賃料の推移│全国賃貸管理ビジネス協会/2022年2月8日現在
https://www.pbn.jp/yachin/date/2022/01/

まとめ

一人暮らしにかかる毎月の生活費は、家賃+10~13万円です。
また初期費用は、引っ越し先の家賃によるものの目安は約39万円。
一人暮らしを始める場合、引っ越しの初期費用と1ヶ月分の生活費で60万円くらいは準備しておく必要がありそうです。
また一人暮らしの費用を左右するのは家賃です。
家賃補助がない場合は、給料や仕送りの範囲内で無理なく支払える物件を選びましょう。
家賃は、毎月必要な固定費です。
家賃を抑えれば、家計に余裕ができ、毎月のやりくりもラクになるはずです。

 

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