「平熱が低い」は何度から?体温を上げる生活習慣とは

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「体温が低いと体に良くない。代謝が悪い」などと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、そもそも体温が低いとは何度が低いというかご存知ですか?
今回は、平熱とは何度かということから、体温を上げるために気を付けたい生活習慣についてご紹介していきます。
外気温が寒い冬はもちろん、冷房で冷え切っている夏にもぜひ取り入れてみてください。

体温を上げるには、自分の体温を知るところからスタート

自分の体温を測っても、自分の平熱が何度なのか、何度だったら低いのか高いのかわからない方も多いのではないでしょうか。
体温は、計測するタイミングや外気温、女性の場合は性周期など、様々な影響を受けるものです。
自分の平熱を知っておくためには、まずは1日4回(朝起きた時、午前中、午後、夜)計測をして記録をしてみると、より正確に自分の体温を知ることができると言われています。
1日のうちでも朝起きた時が最も体温は低く、夕方は最も高いと分かっています。※1
そうして1日のうちに何度か体温を計測することで、正しい自分の体温を知ることができます。

 

※1 健康状態の把握│厚生労働省/2022年5月6日現在
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000123635.pdf

平熱は何度だったら低い?

自分の体温が把握できたら、それが高いのか低いのかを把握しましょう。
日本人の成人の平均とされている平熱は、36.89度±0.34度との調査報告があります。※2
さらに、全体の概ね68%の人が36.6~37.2度の間に入ると言われており、37度が平熱という方も比較的多いということが分かっています。
一方で、平熱が36度以下なのが「低体温」です
平熱の平均が36.89度±0.34度ということから、体温が平均より約1度低い人たちということになります。

 ※2 町野龍一郎,日本温泉気候学会雑誌,22(4), 34-60, 1959/2018年12月5日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki1935/22/4/22_4_292/_pdf/-char/ja

平熱が低い「低体温」と冷え性の関係

冷え性と低体温は、同じものだと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は「冷え性」と「低体温」は別物です。※1
「冷え性」は、なんとなく身体が冷たく感じる自覚症状で、体温などに現れるわけではありません。
平熱が低い「低体温」ではなくても、冷え性ということはあり得るのです。
では、低体温を改善するために、体温を上げるにはどのようなことをしたらよいのでしょうか。
今回は、日常生活に取り入れられる5つの方法をご紹介いたします。

※1 健康状態の把握│厚生労働省/2022年5月6日現在
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000123635.pdf

体温を上げる方法1 入浴

日常生活で、体温を上げるために取り入れたい習慣の一つが入浴です。
温浴することで、運動等よりも深部体温が上がったという研究結果があります。
体温よりも高いお風呂につかることにより、身体外的熱効果による体温の上昇が、運動などの身体内部的熱効果よりも、体温の上昇が高かったと報告されています。※3
寒い冬だけでなく、夏も冷房などで実は体が冷えていることが多いため、1年を通じて入浴を習慣づけるとよさそうです。

※3 飲用型カプセル深部体温計か らみた 日常的生活行動/口温 気 物 医誌第70巻4号2007年8月 /2018年12月5日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/onki1962/70/4/70_4_227/_pdf

体温を上げる方法2 運動

運動をし、筋肉を使うことで熱が生み出されると言われています。
加齢により筋肉量が減少することでも体温は低下します。
適度な運動で筋肉に刺激を与えることで、体温の低下を防止できるそうです。
群馬県中之条町の住民を対象に行われた調査では、30代を境に、本来は高いはずの就寝時の体温が、起床時の体温を下回る人が増加するという結果が報告されています。※4
年齢とともに体温は低下してしまうのです。
さらに、生活習慣病があり1日の活動量(歩数や中強度の活動である速歩き程度の運動)が少ないと、起床時の体温が低いという結果も報告されています。※4
ウォーキングなどの活動は体温と関係があるのです。
1日の活動量を上げるために筋肉を動かすといっても、ジムに通いマシンを使ったりマラソンをしたりといった運動をしなくても大丈夫です。
ウォーキングや自宅で出来るストレッチなどでも十分なのです。
簡単にできる運動をご紹介します。

 

日常生活に取り入れたいウォーキング

日常生活で、取り入れやすい運動の1つウォーキング。
筋肉の7割は下半身にあると言われていて、ウォーキングはこの下半身の筋肉を効率よく鍛えてくれる運動の1つです。※5
特別な準備も必要なく始めやすいのではないでしょうか。
まとまった時間が取れない場合は、通勤時に1駅歩いたり、階段を意識的に使うようにしたりといったことでも1日のウォーキング量は増やせます。

 

室内でできるスクワット


お手軽に、室内で、ふくらはぎや太ももといった下半身を鍛えられるのが「スクワット」です。※5
30回くらいから初めて、徐々に回数を増やしていくのがよいそうです。
初めのうちは30回でも大変に感じるので無理はしないようにしましょう。
スクワットは、上半身を起こしたまま、前かがみにならないよう注意し、目線はまっすぐ胸を張り、脚は肩幅に開いて、ゆっくりしゃがむのがポイントです。

 

軽度のストレッチでもOK

自宅でできる軽度のストレッチでも、深部体温の上昇が確認されたという研究結果もあります。
この調査では、10分間、ヨガの技法やポーズを取り入れたストレッチを実施した際に、深部体温が上昇したことが報告されています。※6
この研究で取り入れられていたストレッチは、こちらの6つです。

〇戦士のポーズ
左右に両手両足を広げた状態から、右の方向を向き、両腕を頭の上にあげたポーズです。
上に上がった手のひらどうしをあわせ、目線も手も上です。

〇立位前屈
前後に足を開き、手はおしりの後ろで組みます。
その状態から腕を上にあげて、そのまま前にかがむポーズです。

〇子供のポーズ
星座の状態から、お辞儀をするように頭を下げていき、両腕を床につけて前に出していくポーズ。

〇バッタのポーズ
うつぶせに寝て両腕を前に伸ばした状態から、左腕を前に伸ばし右足を上にあげる。
さらに、頭をあげ前を向き足を上げる。

〇山のポーズ
仰向けに寝た状態で、両腕両足を軽く開きます。
両腕を上に両足を下に伸ばし、そのあと力を抜いてリラックスをします。

〇屍のポーズ
仰向けに寝た状態で、両腕両足を軽く開きます。
一度、脚や腕に力を入れ緊張状態になり、その後力を抜いてリラックスします。


後半の3つのポーズは、寝た状態でのストレッチでとても軽度な運動です。
この程度の10分間の軽いストレッチならば、寝る前などの毎日の生活に取り入れやすいのではないでしょうか。※10

代謝については基礎代謝を上げて健康生活を送ろう!の記事でもご紹介しています。 

※4 群馬県中之条町「体温研究」レポートを発行|プレスリリース|テルモ/2022年5月5日現在
https://www.terumo.co.jp/newsrelease/detail/20150319/766
※5 【看護師が解説】免疫力を高める運動とは?ストレッチやツボ押しのやり方/ヘルスケアポイント/2022年5月5日現在
https://point-g.rakuten.co.jp/healthcare/articles/2020/life_immunity_motion/
※6 低強度・短時間のストレッチ運動が深部体温,ストレス反応,および気分に及ぼす影響/体力研究 BULLETIN OF THE PHYSICAL FITNESS RESEARCH INSTITUTE No.110 pp.1~7 Aug., 2012/2018年12月5日現在
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tairyokukenkyu/110/0/110_1/_pdf

体温をあげる方法3 飲み物

体温を上げるためには、飲み物に気をつけるだけでも効果は期待できます。
まず、温かいものを飲むと身体は温まり、体温は上がります
特に「白湯」は、身体を温める飲み物に適していると言われています。
胃腸を温めるため、体温の低い朝の飲み物にはよいとされています。※7
しかし、いくら体温をあげられるとはいえ、白湯ばかりでは物足りないこともありますよね?
その場合は、身体をあたためる陽性食品の「紅茶」を選びましょう。※8
温かい飲み物の代表格である緑茶は、実は身体を冷やす飲み物です。※8
緑茶はその製造過程で発酵していない飲み物で、紅茶は発酵させた飲み物なのです。

緑茶についてはカテキンの持つ健康パワーとお茶の関係で詳しくご紹介しています。

 

お湯に生姜を入れた生姜湯で温まるのもおすすめです。
生姜は、紅茶やプーアル茶、ウーロン茶など発酵しているお茶に混ぜて飲むこともできます。
チューブの生姜なら、お茶を飲む時に手軽に追加することができますね。
しかし、「どうせなら生の生姜から作りたい」という方には、すりおろし生姜のおろし汁を加える他に、スライスした生姜を乾燥させておいて、紅茶の茶葉と一緒にポットに入れてお湯を注ぐという方法もあります。
調理で余った生姜の活用法としてもよさそうですね。さらに、紅茶に甘みがほしい方には、生姜とレモンとはちみつを煮詰めて作った「生姜の素」を作り置きしておくことをおすすめします。
生姜をすりおろし、水の入った鍋を沸騰させ、レモンとはちみつを加えて煮詰めるだけの簡単レシピです。

※7 白湯毒出し健康法: 体温を上げる魔法の飲みもの/著者: 蓮村誠/PHP出版/2018年12月5日現在
※8 低体温は何度?35度や34度になる原因は?対策すれば改善する?/ヘルスケアポイント/2022年5月5日現在
https://point-g.rakuten.co.jp/healthcare/articles/2021/life_hypothermia/

体温をあげる方法4 食べ物

飲み物だけでなく、身体を温める食べ物、冷やす食べ物を知って、体温管理に役立てることも大切です。
飲み物に限らず、食べ物もできるだけ温かいうちに食べることで、身体の熱を保つことが出来るといわれています。
夏の暑い時期は、アイスクリームや氷など冷たいものを食べたくなりますが、体温をあげるためには火を通した温かい食べ物を口にするように心掛けてみましょう。


さらに、食材の特徴を知り、身体を冷やす食べ物を減らして身体を温める食べ物を取るように心がけることも体温をあげることにつながるようです。
食事から体を温められるのであれば、積極的にとりたいですね。
東洋医学では、身体を温める食べ物の特徴は、根菜・色が濃い食材・寒い土地が産地の食材・冬が旬の食材だと言われています。※8
葉物野菜よりは、人参や大根、ごぼうといった根菜類を、果物はバナナよりりんごを選ぶと良いようです。
また、飲み物の章でも触れましたが、東洋医学ではさらに発酵したものは身体を温めると言われているため、牛乳よりチーズ、豆腐より納豆といった選択がよいという事になります。※8
食材の特性を知って、上手に取り入れていきましょう。
冬と夏それぞれに取り入れやすい体を温めるレシピをご紹介します。

冬は旬を迎える食材をたっぷり取り入れた鍋料理やスープがおすすめ

冬は、大根・人参・ねぎといった旬の食材の味噌汁に、すりおろした生姜を入れて、朝のお味噌汁にしてみてはいかがでしょうか?
洋風にしたい場合は、同じ具材で味噌をコンソメに変更し、コトコト煮込めば冬野菜スープの完成です。
食材の力と調味料で、体が温まる1品となります。

夏は生姜やニンニクを簡単に取り入れる

暑い日が続くと冷たいものを食べたくなったり、食欲が落ちて簡単な食事で済ませたくなりますよね。
しかし、夏場は冷房により思っている以上に身体は冷えていると言われています。
体温を上げるためには、身体を温める食材を使った温かい食事をとりましょう。
東洋医学では、夏野菜は身体を冷やすと言われていますので注意が必要です。
そこで生姜やニンニクで補ってみてはいかがでしょうか。
暑さで極力調理をしたくない時には、保存がきく「生姜の素」がおすすめです。
生の生姜をみじん切りにし、水と醤油・みりん・酒・砂糖を加えて煮詰めるだけです。
瓶に入れておけば、しばらく保存が可能です。
これを、ごはんにのせて食べたり、炒め物に混ぜたり、スープに入れたりと色々な使い方ができますよ。
ニンニクも、すりおろして肉類につけておいたり、炒め物に追加すれば、簡単に取り入れることができるので、夏にはおすすめです。

※8 低体温は何度?35度や34度になる原因は?対策すれば改善する?/ヘルスケアポイント/2022年5月5日現在
https://point-g.rakuten.co.jp/healthcare/articles/2021/life_hypothermia/

まとめ

今回は、体温についてご紹介いたしました。
まず、自分の体温を正しくはかり、その体温が低いのか高いのかを知りましょう
体温は、年齢を重ねるだけで低下する傾向にありますので、日頃から体温をあげる生活を習慣づけてみてください。
入浴をし、簡単なストレッチでもよいので運動を生活に取り入れ、さらに飲み物や食べ物に気を付けるだけで、体温をあげることはできるのです。
飲み物や食べ物は、極力温かいものをとるようにし、体を温める食材を使ってみてください。
生姜は食事に取り入れやすい体を温める食材です。
ぜひ活用してみてくださいね。

監修者
大島
看護師免許、メンタル心理カウンセラー
美容外科・皮膚科にて勤務し、美容医療に5年ほど携わる。
AGAクリニックの立ち上げで、師長就任。
自身の美容経験から、医療機器に劣らないほど肌質改善が感じられた、ハーブピーリングでプライベートサロンを始める。
現在は美容医療に関わるコンサルタントや、美容メディアの運用、化粧品開発などを担当している。
https://www.facebook.com/oshima.em
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