30代の平均年収、男女の差は?東京の平均は?

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30代の平均年収は、30代前半で400万円、30代後半で437万円です。
ただ実際には、男性・女性、職種や役職、住む地域により差があります。
職種や役職でどれくらい違うのか、東京をはじめとする首都圏は給与が高いものの、どれくらい高いのかなど、国税庁や厚生労働省の調査資料をもとに解説します。

 

※本記事は2022年6月時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただけますようお願いいたします。

30代の平均年収は?

国税庁が実施する令和2年度の「民間給与実態統計調査」によると、30代の平均年収は、
・30代前半…400万円※1
・30代後半…437万円※1
です。
20代後半の平均年収は約360万円ですので、年齢があがるごとに平均年収は着実に増えていることがわかります。
ただ同じ30代でも、勤続年数により年収に差があります。
大卒で働き始めた場合、多くの方は30代前半に勤続10年前後、30代後半は勤続15年前後です。
勤続年数別の平均年収は勤続5年~9年で371万円、10年~14年446万円、15年~19年508万円。※1
勤続年数に比例して、年収も増えています。

 

※1 国税庁│令和2年度 民間給与実態統計調査/2022年6月20日現在
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf

30代の平均年収、男女の差は?

30代は、20代よりも男女の年収差が大きい時期です。

30代男性の平均年収は、30代前半で458万円、30代後半では518万円です。

一方女性の平均年収は、30代前半で309万円、30代後半では311万円

20代後半の女性の平均年収は319万円ですので、20代よりも30代の方が下がっています。

この統計によると、女性の平均年収は60歳までの間、ほぼ変わりません。

男性の年収は年齢や勤続年数に比例して増加していますが、女性は結婚や出産で働き方を変えるケースも多く、多様な働き方が平均年収に表れています。

【30代男性・女性の平均年収】

30代前半 30代後半 勤続年数 5年~9年 勤続年数 10年~14年
男性 458万円 518万円 456万円 538万円
女性 309万円 311万円 270万円 316万円

※ 1 令和2年度「民間給与実態統計調査」より作成

※1 国税庁│令和2年度 民間給与実態統計調査/2022年6月20日現在https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2020/pdf/000.pdf

平均月収が高い職種は?

職種別に30代の平均月収をみていきます。
厚生労働省が実施する「賃金構造基本統計調査」では、職種別の平均給与額(月収)が確認できます。
このデータでは、1ヶ月の給与額(月収)と年間の賞与額(ボーナス等)をまとめています。
年収ではありませんのでご了承下さい。

 

令和3年度の同調査によると、平均月収が比較的高い職種は「管理職」と「専門職・技術職」です。
ここでの「管理職」の定義は、主に経営にかかわる仕事をする課長以上を指し、営業所長や支社長なども含まれます。
「管理職」の平均給与は、30代前半で45万円、30代後半で48万円です。
次に平均給与が高い「専門職・技術職」では、30代前半は約34万円、30代後半では38万円です。
「専門職・技術職」にはエンジニアや開発者、研究者、医師や看護師、士業なども含まれており、一般企業の職種だけではありません。
一般企業の職種では、「事務職」よりも「営業・販売系」の職種の方が平均給与は高めです。
「事務職」は30代前半で29万円、30代後半で32万円、「営業・販売職」は30代前半で31万円、30代後半で35万円です。
その他の職種では、「輸送・機械運転」の給与が高く、「営業・販売職」に次ぐ給与です。
「輸送・機械運転」には、電車やバス、タクシー、トラックなどの運転手の他、パイロットも含まれます。
その他、サービス職や生産工程にかかわる職種、建設関係などの職種の平均月収も以下の表にまとめています。

【職種別平均月収】(単位:千円)

職種 平均月収 年間賞与等
30代前半 30代後半 30代前半 30代後半
管理職 450.0 480.0 948.9 1464.4
専門職・技術職 342.9 381.1 943.3 1123.1
事務職 294.6 322.6 812.9 954.9
営業・販売職 312.1 346.9 810.7 992
サービス職(介護職含む) 255.8 269.3 436.9 479.5
保安職 281.2 275.3 458.3 456.9
農林漁業 254.5 268.3 377.9 468.7
生産工程 292.7 312.7 714.1 788.7
輸送・機械運転 321.4 335.9 604.7 606.7
建設・採掘 315.2 320.3 630.2 591.3
運搬・清掃・包装 264.1 278.1 467.4 533.5

※2 令和3年度 賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種より作成

※2 厚生労働省│令和3年度 賃金構造基本統計調査 /2022年6月20日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164111&tclass4val=0

役職別、30代の平均月収は?

前章の職種別給与では、管理系職種の平均月収が高めでした。
ただ管理系職種といえど、役職にするといくつかに分かれます。
ここでは、役職者を部長・課長・係長に分類、さらに役職者以外の非役職者との平均給与の違いを令和3年の「賃金構造基本統計調査」をもとにまとめました。


30代で部長クラスの人の割合は多くはないものの、その平均給与は30代前半で約47万円、30代後半で約54万円です。
課長クラスでは30代前半約43万円、30代後半46万円。
係長クラスは30代前半で約36万円、30代後半で約40万円と、役職があがるごとに5万前後増えていることがわかります。
一方、非役職者の平均給与は、30代前半で約31万円、30代後半では約32万円です。
本調査では30代後半、非役職者と部長クラスの給与の差は、約22万円です。

【役職別平均月収】(単位:千円)

役職 30代前半 30代後半
部長クラス 467.4 543.1
課長クラス 425.5 456.7
係長クラス 363.8 395.3
非役職 306.2 324.5

※3 令和3年度 賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職 より作成

※3  厚生労働省│令和3年度 賃金構造基本統計調査 一般労働者 役職/2022年6月20日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164110&tclass4val=0

東京の正社員は、給料が高い?

30代に限りませんが、東京をはじめとする首都圏は、他の地方よりも給与水準が高めです。
地域ごとに、平均月収にはどれくらい違いがあるのでしょうか。
男女別に、主要都市の平均月収と年間賞与をまとめました。

東京都の男性、30代前半の平均月収は約37万円、30代後半で約43万円です。
神奈川県の約36万円、約40万円と比較しても高い額です。
男性よりも女性の方が地域による差は少ないものの、最大で10万円近く給与の差があります。

【主要都道府県別30代平均給与】(単位:千円)

30代前半 30代後半 30代前半 30代後半
平均月収 年間賞与等 平均月収 年間賞与等 平均月収 年間賞与等 平均月収 年間賞与等
北海道 296 749.1 330.2 880.7 242.1 562.7 248.3 637.3
宮城 304.1 789.5 337.1 891.9 244 482.3 251.4 510.8
東京 374.2 1054.9 425 1309.0 309.4 722.9 335.5 883.9
神奈川 359.3 982.0 396.4 1119.7 291.3 667.2 303.6 771.0
愛知 357.6 921.1 400.6 1135.7 270.2 654.0 280.2 729.2
新潟 287.7 658.4 314.3 753.2 238.5 531.7 247.4 583.2
大阪 331.7 853.2 385.3 1050.6 281.7 650.0 293.9 706.8
兵庫 338.5 944.0 375.5 1105.0 254.7 531.0 273.5 613.6
岡山 308.2 785.8 334.3 891.3 236.6 563.7 268.2 700.0
広島 311.1 823.7 349.3 1012.8 249.3 563.8 267.5 677.9
福岡 315.2 860.7 357.4 1017.9 253.9 545.1 255.2 573.7

※4 令和3年度 賃金構造基本統計調査 都道府県別 より作成

※4 厚生労働省│令和3年「賃金構造基本統計調査」都道府県別/2022年6月20日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164117&tclass4val=0

【年齢別】大卒30歳~39歳の平均年収

最後に、大卒で就職し30代になった会社員の給与を年齢別に比較しました。
大卒 初任給、平均いくら?
の記事内で解説の通り、令和3年度の大卒の平均初任給は22万5400円です。
30代になると、約30万円~39万円まで平均月収があがり、年間賞与も100万円を超えています。

 

【大卒30代の給与】(単位:千円)

年齢 平均月収 年間賞与等
30 292.8 1124.6
31 307.4 1193.9
32 307.2 1197.2
33 324.1 1280.6
34 332.8 1382.6
35 343.2 1447.1
36 360.1 1560.1
37 365.4 1490.8
38 380.6 1548.9
39 388.4 1616.3

※5厚生労働省│令和3年「賃金構造基本統計調査」標準労働者より作成

※5 厚生労働省│令和3年「賃金構造基本統計調査」標準労働者/2022年6月20日現在
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001164106&tclass2=000001164107&tclass3=000001164112&stat_infid=000032182974&tclass4val=0

まとめ

30代の平均年収は、男女や役職・職種などにより異なります。
女性は30代で結婚や出産を経験する人も多く、働き方が多様化しますよね。
男性も、企業規模の違いだけでなく、役職の差も出てくる時期です。
ここでご紹介したのは、あくまで全体の平均年収・平均月収ですので、参考程度にご覧ください。

 

※本記事は2022年6月時点の情報を元に作成されています。
そのため、記事を閲覧いただく時期によっては、記載内容が実際の内容と異なる場合がございます。
あらかじめご了承いただけますようお願いいたします。

 

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